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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年1月20日

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2021年01月20日【那須】 「箱庭山岳は絶景の嵐!」 付録(那須のネコ)

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

前回と前々回で、那須の最も基本的な登山ルートである、

ロープウェイ山頂駅発の茶臼岳・朝日岳登頂・茶臼岳周回線 を紹介しました。

今回はさらに、その周辺のある風景について、ディープな探索を紹介します。

なお、今回使用している写真はほとんど雪のない季節のものですが、

現在那須連山は積雪が有り、風がとても強いため、

冬山装備をしっかりした熟練した登山者でなければ登山はお勧めできません。

ロープウェイを使わずに、茶臼岳や朝日岳その他各登山コースを歩く場合、

ロープウェイ山麓駅からさらに登った先の、峠の茶屋登山口から登ります。

ここには駐車場が有り、車でここまで来て、登山を楽しむことができます。

登山道は茶臼岳の山肌を登りあげて、峰の茶屋跡避難小屋に続きます。

登山口付近は低木に覆われていますが、しだいに樹木の背丈は低くなり、

やがてまばらな草本類だけになって行きます。

森林が無くなるあたりで見上げると、茶臼岳の溶岩ドームが見えます。

ここからはこんな姿の山が見えます。

これは何でしょう?

猫耳です。

(私は最初にそう感じて、それ以外には見えなくなりました。)

向かって左側が、「ライトイヤー」。

向かって右側が、「レフトイヤー」。

(勝手に命名しました。この1年の間に、那須では「スナネコ」が人気になりました。

そのちょっと離れた左右の耳の位置関係に通じるところがある?)

さてこの猫耳、これまでに紹介してきた茶臼岳の溶岩ドームそのものなのですが、

全く形が違って見えています。

山は見る場所によって形が変わるものですが、この変わり様には驚きです。

「あの猫耳を近くで確認したい❤」と思い、

茶臼岳の巡視のたびにどの部分が猫耳なのかを探していました。

ところがこれが難物で、茶臼岳頂上を目指して登る途中では見当たりません。

茶臼岳頂上で見渡してもよく分かりません。

茶臼岳の頂上付近は少し移動するだけで風景が激変します。

10m先は別世界! 絶景の嵐なのです!!

それでも何とか猫耳を探します。

頂上からお釜(火口)を回って周回路に入ると、猫耳があるはずの直下を通りますが、

そこから見上げた光景はこうです。

これは確かにとんがっています。

ライトイヤーではないでしょうか。

しかしずいぶん荒々しいお耳です。

レフトイヤーはどこでしょうか?

・・・・・・・。

どうやら直下の歩道からはレフトイヤーは見えないようです。

では、他のピークから望むことができるでしょうか。

ありました!

隣の朝日岳から茶臼岳がよく見えます。

さらに拡大!

猫耳の位置が確認できました。

猫耳は溶岩ドームの中でも堅い溶岩の塊が残ったもののようです。

もっと近くで見たい!!

茶臼岳の頂上付近から見えないのか?

茶臼巡視のたびに気をつけて探していたところ、ようやく発見!!!

これがライトイヤーの先端です。

手前の山肌に隠れて、先端だけが見えています。

これは望遠レンズで撮影しています。

歩いていると他の溶岩と区別がつかず、気がつきません。

うーん、これだととても耳には見えません。

しかし、猫耳を近くで確認することができました。

残るはレフトイヤー。

これは来シーズンの宿題になりました。

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