関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
長らくお休みしておりました、「南アルプスを上から見ると・・・?」シリーズ、前回の聖岳に続き、今回は赤石岳です。
赤石岳は長野県、静岡県にまたがり、国内で最高地点の一等三角点(*)が設置されている山です。日本で1番高い山は富士山ですが、1番高い場所にある一等三角点は南アルプスの赤石岳ということに誇らしさを感じます。標高は3,121メートル、日本で7番目に高い山です。山の南側にある沢から赤色のチャート(堆積物)があることから、「赤石沢」と呼ばれ、山の由来の1つになっています。
(*)一等三角点について
→ https://www.gsi.go.jp/MUSEUM/TOKUBE/KIKA5-smain.htm
赤石岳へ登る主なルートの起点は椹島(静岡県静岡市)です。椹島の標高が約1,100メートルに対して、赤石岳の標高は約3,100メートル。なんと、2,000メートルも標高差があるのです!2,000メートルの標高差と聞いてクラっとしてしまうそうですが、この2,000メートルの長い長いルートでは、植生の変化が一目瞭然!
登山口である椹島周辺ではブナやヒノキ、標高をあげるとツガ・モミ、ダケカンバ・シラビソ、そして、高山植物群落やハイマツ群落に変わっていきます。植生の変化は長いルートや天候が悪いときでも楽しむことができます♪
わたしが赤石岳の魅力としてお伝えしたいことは、『どの角度から見てもステキ!』ということです。
◇ 荒川岳・中岳下から
こちらから見ると、V字谷がよく見えます。南アルプスは降雨が多く、地形が流水によって削られやすく、その結果出来る特徴的な地形が、このV字谷です。雑誌などでは花の時期が取り上げられていますが、紅葉の時期は山そのものがより大きく見えるので、個人的に大好きな構図です。
◇ 百間平から
百間平は聖岳から赤石岳へ向かう途中の真っ平らで歩きやすい場所です。後ろを向くと聖岳、前を見ると赤石岳、名峰に囲まれながら歩くことができます。中岳下から見る赤石岳と違って、なだらかでなんだか、やさしさを感じるような・・。写真は夜明け前に撮影し、逆光になっていて斜面の様子がはっきり見えないので、よりいっそう感じます。ただ、実際のところは大きな岩や石がゴロゴロしている斜面を歩き、その後、ザレ場を歩いて、山頂に辿り着きます。見た目に反したギャップがまたいいです!
赤石岳を堪能するおすすめルートは赤石岳+荒川岳、赤石岳+聖岳の縦走コースです。時間と相応の体力を要するため、なかなかハードなコースですが、その先で待っている感動はきっと素晴らしいものだと思います。昨年度に引き続き、南アルプス南部の山小屋は休業しているため、食事提供等が無く、ハードルが上がっています。計画をされる方はエスケープルートなども考えるようにしてください。
次回は荒川岳について、お伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
長らくお休みしておりました、「南アルプスを上から見ると・・・?」シリーズ、前回の聖岳に続き、今回は赤石岳です。
赤石岳は長野県、静岡県にまたがり、国内で最高地点の一等三角点(*)が設置されている山です。日本で1番高い山は富士山ですが、1番高い場所にある一等三角点は南アルプスの赤石岳ということに誇らしさを感じます。標高は3,121メートル、日本で7番目に高い山です。山の南側にある沢から赤色のチャート(堆積物)があることから、「赤石沢」と呼ばれ、山の由来の1つになっています。
(*)一等三角点について
→ https://www.gsi.go.jp/MUSEUM/TOKUBE/KIKA5-smain.htm
赤石岳へ登る主なルートの起点は椹島(静岡県静岡市)です。椹島の標高が約1,100メートルに対して、赤石岳の標高は約3,100メートル。なんと、2,000メートルも標高差があるのです!2,000メートルの標高差と聞いてクラっとしてしまうそうですが、この2,000メートルの長い長いルートでは、植生の変化が一目瞭然!
登山口である椹島周辺ではブナやヒノキ、標高をあげるとツガ・モミ、ダケカンバ・シラビソ、そして、高山植物群落やハイマツ群落に変わっていきます。植生の変化は長いルートや天候が悪いときでも楽しむことができます♪
わたしが赤石岳の魅力としてお伝えしたいことは、『どの角度から見てもステキ!』ということです。
◇ 荒川岳・中岳下から
こちらから見ると、V字谷がよく見えます。南アルプスは降雨が多く、地形が流水によって削られやすく、その結果出来る特徴的な地形が、このV字谷です。雑誌などでは花の時期が取り上げられていますが、紅葉の時期は山そのものがより大きく見えるので、個人的に大好きな構図です。
◇ 百間平から
百間平は聖岳から赤石岳へ向かう途中の真っ平らで歩きやすい場所です。後ろを向くと聖岳、前を見ると赤石岳、名峰に囲まれながら歩くことができます。中岳下から見る赤石岳と違って、なだらかでなんだか、やさしさを感じるような・・。写真は夜明け前に撮影し、逆光になっていて斜面の様子がはっきり見えないので、よりいっそう感じます。ただ、実際のところは大きな岩や石がゴロゴロしている斜面を歩き、その後、ザレ場を歩いて、山頂に辿り着きます。見た目に反したギャップがまたいいです!
赤石岳を堪能するおすすめルートは赤石岳+荒川岳、赤石岳+聖岳の縦走コースです。時間と相応の体力を要するため、なかなかハードなコースですが、その先で待っている感動はきっと素晴らしいものだと思います。昨年度に引き続き、南アルプス南部の山小屋は休業しているため、食事提供等が無く、ハードルが上がっています。計画をされる方はエスケープルートなども考えるようにしてください。
次回は荒川岳について、お伝えします。