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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

【小笠原】希少植物シマホザキランの巡視

2021年05月06日
小笠原国立公園

みなさまはじめまして!

伊藤竜啓(いとうたつよし)と申します!

アクティブ・レンジャーとしての初仕事、その一端をお伝えします!

この日は父島林内の奥地に生息している、シマホザキランの巡視を実施しました!

このシマホザキラン、野生下の個体は極めて数が限られており、

環境省が把握している数株を私達が見守っております!

△こちらが希少なシマホザキランの花です!奥ゆかしいですね!(花期:9月頃)

「見守る」と上述しましたが、その実態はもう少し大変です!

本来シマホザキランは沢の近くなど水気のある環境を好むのではないかとされていますが、

この生息地はあまり生育に適していないのか、雨が少ない日が続くと開花などに影響が出てしまいます!

そのために現状では適時人間の手で水分を与えることが必要とされているので、

降水量が少ないときにはアクティブ・レンジャーが雨を降らせに行きます!

△10リットルの水を汲んで山を歩きます!大変ですね!

△ネズミ一匹通さない食害防止柵で保護しています!頼もしいですね!

このような手厚いサポートを必要に応じて行いながら、

定期的にシマホザキラン本体に異常がないかを確認しています!

△こちらが今回確認したシマホザキランの葉です!調子が良くなさそうに見えますね...

これは一昨年の大型台風によって林冠が開けたことによる日の当たりすぎが原因と考えられたため、

日除けを設置することで対応しました!

△日除けを設置しています!世話が焼けますね!

上記のように繊細で手のかかる可愛いシマホザキランですが、

ここまで数が減ってしまった主な理由として、降水量の減少といった環境変化や、

表土流出による根茎露出の他、人為的に行われた盗掘の影響も大きいと考えられています!

これを食い止めシマホザキランの繁栄を手助けすることが我々の役目というわけですね!

以上、小笠原で初の仕事相手はシマホザキランでした!

他にも助けを必要としている希少種は沢山おりますので、これからも頑張ります!