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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

登山道はこう直す!

2021年08月24日
秩父多摩甲斐国立公園

みなさん、こんにちは。

奥多摩自然保護官事務所の小林です。

事務所の近くでアオバズクが繁殖しており、

3羽もヒナが生まれました!!(写真には2ヒナ)

(左から、親、ヒナ、ヒナ)

まだちょっとお腹が白っぽくホワホワしていますが、親とほぼ同じくらいの大きさです。

私の一番得意な鳴き真似はアオバズクかもしれません。

みなさんも習得してアオバズクと会話しましょう!

さて、今回は登山道直しのプロに、極意を学んできました!

道直しの方法と、実際に直したところを写真と共に説明していきたいと思います。

まず、教えてくださった方をご紹介!

金峰山小屋の小屋番をされている、藤田さんです。

小屋に通ずる道を長年整備してこられました、大ベテランです。

藤田さん流道直しの材料は、ほとんど石と木だけです。

工具はのこぎり、なた、金槌、ツルハシ、の主に4つで、

さらにその方法は主に3つ。

1.置くだけ


段差が高くなっているところに石を置くことで、

歩きやすくし、それ以上土が掘れて段差が出来ないようにします。

時間が経てば流れてきた土に埋まり、まるで元々そこにあったみたいに見えるようになります。

2.杭で止める

置いた材が不安定な時は、倒木などから作った木の杭で止めます。

3.詰める

 

木の根が浮き出たところは間に石や木を詰めます。斜面が掘れたところには木や葉等も詰めます。

こうすることでこれ以上土砂が流れるのを防いだり、足の踏み場が掘れるのを防ぎます。

基本的にはこれらの方法を組み合わせて修繕していくそうです。

木の場合はもう一つ「渡す」という方法があります。

道脇から水や土が流れないように木を端から端にきちんと差し込みます。

では実際に直すところをポイントを交えながら見てみましょう。

*Point ! なるべくその場にある材料を使う(長い角材も現地に着いてから切る。)

*Point ! 道めいいっぱいに木をはめる(隙間が空いていると、雨が道脇の土を削ってしまい設置した木がどんどん浮き上がって、一段が高すぎて歩きにくくなります。そして、その段差を避けるためにその木の横を通ることで道幅を広げてしまいます。)

*Point ! 雨が地面を直接たたかないよう、また段差によって流れ落ちる雨水の勢いが強まらないよう、段差はなるべく低くする。

*Point ! 登山道脇の掘れている箇所も、石や葉を詰めて補強する。

beforeの時点でそこまで洗掘してないように見えるかもしれませんが、

洗掘の程度が小さいうちから直すのもPoint ! です。

この道を往復しましたが、帰りに通った時は手を入れたことが分からず通り過ぎてしまうところでした。

そんな"分かりづらい"ところこそ、藤田さん流道直しの誇るべきところなのです。

良さそうな浮き石があれば持って歩き、段差が高い足場に置いていく、

根が浮いているところに詰める。

それを軽々と歩きながらこなしていく、その背中は崇めたくなるほど神々しかったです。

その場所にある材料を使い、風景を乱さず、山に来る方々の歩きやすさも考えるこの道直しは、

まさに「近自然工法」であり、国立公園の掲げる「保護と利用」を体現するものではないでしょうか。

(近自然工法についてはこちら

山の環境によって、出来るところと出来ないところがあると思いますが、

この方法が全国に広まって欲しいと思います。