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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

秋色の尾瀬で植生保護柵を撤去

2021年10月08日
尾瀬国立公園 尾池こず江

こんにちは。片品自然保護官事務所の尾池です。

尾瀬では、10月に入り周辺の木々も徐々に色づきはじめました。

朝晩はとても寒くなり、霜が降りることもありますので防寒対策が必要になってきます。

尾瀬は四季折々、自然そのものの姿を見ることができるのが魅力です。季節ごとに様子を変える姿はどれも美しく、何度見ても飽きません。その中でも秋の尾瀬ヶ原は、草紅葉(くさもみじ)が赤や黄金色に色づき、さらに湿原にある池塘(ちとう)に浮かぶヒツジグサも彩りを添えて、夏の尾瀬とはまた違った姿を感じられます。ゆっくりと流れる時間に癒されてみてはいかがでしょうか。

▲池塘に浮かぶヒツジグサ(104日撮影)

今回は、環境省で設置している植生保護柵の撤去をしてきましたので、その様子をお伝えします。現在、尾瀬の植生をニホンジカ(以下、シカ)から守ろうと、各関係者が対策を行っています。その中で、尾瀬ヶ原では環境省が植生保護柵を3箇所設置しており、希少な植生を守っています。

尾瀬に来るシカのほとんどは、日光と行き来しており、春になると尾瀬に移動し、秋になると日光方面へ移動します。この季節移動個体はGPS首輪によるシカの行動追跡調査を実施して個体群が明らかになっています。捕獲の強化をしつつも、ここ数年では優先順位を決めて植生保護柵を設置しています。

シカは、希少な植物の芽を食べたり、掘り起こしてしまうため、雪解け頃に柵を設置して秋に撤去しています。

今年度の設置および撤去は、環境省と連携協定を締結している地元の尾瀬高等学校(以下、尾瀬高校)の皆さんと一緒行いました。

▲植生保護柵撤去の様子(105日撮影)

専門員の指導の下、班に分かれ細心の注意を払いながら行いました。

湿原という特殊な場所ですが、専門業者さんによって設置と撤去が効率良くできる仕組みになっていることと、高校生のパワーのおかげであっという間に終わりました。現地では高校生から積極的に質問をいただき、私たちも新鮮で大変勉強になりました。

最後の挨拶では、学生自ら手を上げ感想を述べ挨拶をしてくださいました。実際に植生を守ることができる体験ができ、自然環境保全について身近に感じられたものと思います。ぜひ数年後、植生の様子を見に来ていただけたら嬉しいです。

最後に・・・

ここ最近星空撮影に興味を持ち始めたので、練習で撮った1枚。

秋の夜空は空気が澄んでいて、タイミングが良ければ満天の星空を見ることができます。

▲尾瀬沼ビジターセンター付近から(913日撮影)

今年度の尾瀬シーズンは、残りわずかとなりました。お出かけの際は、各施設の情報をご確認ください。

その他尾瀬の情報はこちら

【尾瀬保護財団HP

https://www.oze-fnd.or.jp/