ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩

61件の記事があります。

2014年12月12日化石観察会を 開催しました

秩父多摩甲斐国立公園 野崎 拓

12月6日、東京都あきる野市にて自然観察会「親子で秋川上流の化石を観察しよう~化石から見る3億6千万年の歴史~」を開催しました。

現在あきる野市、日の出町、檜原村では秋川流域ジオパークの認定を目指しています。
今回観察会を開催した三ツ合鍾乳洞周辺は、国立公園内であり、ジオパークの候補地にもなっている場所です。

集合場所の小宮ふるさと自然体験学校で国立公園と化石についてレクチャーを受け、その後三ツ合鍾乳洞へ向かいました。


鍾乳洞の見学のあとに、東京のこの地域になぜ化石があるのかという解説を聞きました。クラッカーとクリームでプレートの動きを表現したユニークな説明でした。


説明に使われたお菓子の中にも化石が観察された石灰岩から取った成分が含まれており、スタッフの方の話では触れない日、食べない日はないといいます。化石に関するものなんてこのような観察会でもなければ触れる機会はほとんどないと思っていたので、とても興味深い話でした。この話を聴いてから化石がとても身近に感じられるようになりました。

昼食後は川岸へ下り化石を観察しました。
途中雪が降り出しとても寒い中での観察会でしたが、参加者の皆さんは夢中になって化石を探していました。


化石観察をした場所は、国立公園内でありジオパークの候補地でもあり、大切な資源を守るため、観察のみ行いました。せっかく見つけた化石も元の場所へ戻さなければならないので、参加者の方が満足できないのではと思っていたのですが、観察会後のアンケートではほとんどの方から満足の回答をいただくことができました。魅力的な解説をして下さった、ジオパーク推進会議と小宮ふるさと自然体験学校の皆さんのご協力のおかげだと思います。
寒い中足を運んで下さった参加者の皆様、ご協力下さったスタッフの皆様、ありがとうございました。

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2014年11月07日奥多摩の紅葉

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

こんにちは!11月に入り、朝晩はかなり冷え込んできました。山では落葉が進み、中腹の辺りで紅葉の見頃を迎えています。
事務所がある奥多摩駅や氷川渓谷周辺は、標高が300~400メートルとそれほど高くはないため葉も色付き始めてからまだ間もないようです。


昭和橋から見た多摩川

花の開花と同様、紅葉も見頃はあっという間に過ぎてしまいます。花の楽しみ方と違うのは紅葉していく色合いの変化も楽しめることですね。


↑氷川渓谷と昭和橋

私は紅葉のピークはもちろんですが、緑色が混ざった色付き始めの状態も好きなので、毎日景色の変化を楽しみにしています。

氷川渓谷の周辺はこれからが紅葉の見頃ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


最後に開催案内です。
11月7日~11月26日まで奥多摩ビジターセンターで「国立公園・野生生物フォトコレクション」を開催しています。
関東地方で活躍するアクティブ・レンジャーが撮影した写真を展示していますので、ぜひお立ち寄り下さい!
http://www.env.go.jp/park/chichibu/topics/141110a.html

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2014年10月03日樹木保護ネットの設置

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

9月28日(日)、第7回「秩父山地緑の回廊」における樹木保護ネット設置に参加しました。

近年ニホンジカなどの野生動物による樹皮や枝葉、下層植生の採食が拡大し食害の被害が深刻となっています。
作業地周辺はコメツガ、シラビソなどの原生林が広がっており、この貴重な原生林の保全や維持のため、樹木に食害防止の保護ネットを巻く作業を行っています。
この活動は林野庁とNPO法人秩父の環境を考える会が主催のイベントで、環境省も毎年参加しています。この日は30名を超えるスタッフにより作業を行いました。

昨年までは、なかなか天候に恵まれなかったそうですが、今年はすがすがしい青空の下、保護ネットの設置作業に取り組むことが出来ました。



ネットを運んでいる様子

今年は笠取山から雁峠までの登山道周辺の、枯死していない樹木を選定し保護ネットを巻きました。
元気に葉を付けている樹木の中にも、樹皮が剥がされ枯死の恐れがあるものはとても多く、そのような木にも保護ネットを設置していきました。



ネットは景観に配慮して目立たない黒色や焦茶色になっています。



ボランティアの皆さんの中にはリピーターの方が多く、天気も良かったため、とてもスムーズに作業が進みました。予定よりも多くのネットを設置することができたそうです。

シカなどの食害はよく目にしていましたが、樹木の保護活動に参加することは初めてでした。実際に活動に参加してみて、改めて食害の深刻さや森林の重要さを学ぶことができました。
私たちで保護した樹木が1本でも多く元気に育ってくれたらいいなと思います。

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2014年09月19日クマの痕跡

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

先週、甲武信ヶ岳~雁峠の奥秩父主稜線を巡視したときのこと。ツキノワグマに傷つけられたと思われる標識がありました。

↑水晶山の標識

写真の水晶山の標識は特にボロボロにされており、傷跡の部分にクマの毛が挟まっていました。側に落ちていた毛も抜けてからあまり時間が経っていないようでした。


↑クマの毛

人工物である標識や看板がクマに狙われる理由として、塗料の臭いに引き寄せられている可能性があるそうです。美味しいのか、ただの好奇心なのかは分かりませんが、山でペンキやオイルなどを取り扱う際にはクマの誘因に気をつける必要があります。


下山中にまだ熱ののこる新品のフンを見つけました。


フンがあった林道は沢と笹藪に挟まれており、藪からクマが飛び出してくるのではないかとヒヤヒヤしました!

ツキノワグマは臆病なので遭遇することはほとんどないのですが、意外と近くにいるということが分かりました。
入山する際は、クマ鈴を携帯するなど自分の存在をアピールして遭遇しないように気をつけましょう。

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2014年08月22日今週の奥多摩

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

こんにちは!連日暑い日が続いていますが、奥多摩ではツクツクボウシの鳴き声を聴き、徐々に夏の終わりを感じ始めました。

氷川渓谷にかかる昭和橋で、フジとテイカカズラの実がなっているのを見つけました。
テイカカズラの実は10~20センチ程でフジに比べてとても細長く、初めて見たときは実だと気付きませんでした。


↑テイカカズラの実   ↑フジの実

現在奥多摩では川やキャンプ場が大変賑わっています。事務所の側にある氷川キャンプ場も連日大盛況のようです。


氷川渓谷の様子

川で遊ぶ際には、急な雷雨など天気の変化や増水にもご注意下さい。また、川岸は涼しいですが日差しはとても強いので、熱中症対策もよろしくお願いします!

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2014年07月11日金峰山~甲武信ヶ岳巡視

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

8日から10日にかけて金峰山~甲武信ヶ岳の奥秩父主稜線を巡視してきました。

金峰山と甲武信ヶ岳は奥秩父の主脈に位置し、ともに日本百名山に数えられています。

金峰山の山頂付近にはハイマツ帯が広がっています。針葉樹林に覆われる奥秩父の中では特徴的な植生となっています。
どうやら奥秩父だけではなく秩父多摩甲斐国立公園の中でもハイマツ帯が見られるのはここだけのようです。周囲の山と標高がさほど変わらないにもかかわらず、ここまで環境が異なるのは面白いですね!

山頂付近ではちょうどコケモモやミネズオウなどが見頃でした。
また、一カ所でのみでしたがイワヒゲを見ることもできました。


上:コケモモ 下:イワヒゲ

雨の多い時期ですが、梅雨時の奥秩父はコケがとてもきれいです!
甲武信ヶ岳は千曲川、荒川、笛吹川の源流部となっており、シラビソなどの針葉樹林の林床は無数のコケで覆われています。


雨が多いからでしょうか、コケもみずみずしく活き活きしているように見えます!
森は今が本領発揮のように感じました。

下山する途中には見頃は過ぎていたもののハクサンシャクナゲの花も見られました。


雨の多い時期の登山は大変かもしれませんが、お越しになる際はぜひコケの国立公園とも呼ばれる秩父多摩甲斐国立公園を堪能して下さい。

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2014年07月04日瑞牆山巡視

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

7月1日に瑞牆山(ミズガキヤマ)へ巡視に行ってきました。
この日は周囲の山が厚い雲に覆われている中、運良く瑞牆山の辺りだけ晴れ間がのぞいていました!

瑞牆山は秩父連山の西端に位置し、全山が花崗岩で形成されています。ノコギリのような岩峰が印象的で日本百名山にも数えられています。



上:植樹祭公園から観た瑞牆山 下:瑞牆山山頂からの景色

この山はとにかく岩が特徴で、個別に名前がついている岩もあります。その中で一番印象的だったのが桃太郎岩でした。


この割れ目から桃太郎が生まれたのでしょうか?岩の高さは6~7メートルほどはありましたので桃太郎は相当大きかったのですね!

このような特徴的な岩が数多く見られ、それが瑞牆山の魅力となっています。
また、岩場の隙間などに生える植物も見ていて面白いです。ついつい立ち止まって写真を撮ってしまいます!



シャクナゲやイワカガミは散っていましたが、ツマトリソウ、マイヅルソウなどが見頃でした。

岩場だらけでしたので、普段よりも滑らないように気をつけて下山しました。濡れている岩は滑りやすいので危険です。雨が降らなくて本当に助かりました。
通行するときに手を使わないと危険な箇所がいくつかありますので、瑞牆山を登山される場合は十分注意をして下さい。

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2014年06月13日もうすぐ見頃

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

少し前になりますが、6月5日に長野県川上村で、ベニバナイチヤクソウの開花状況を確認してきました。

毛木場駐車場から千曲川沿いの道を下る途中にあるというベニバナイチヤクソウの群落を確認しに行きましたが、まだ開花には早かったようで、ほとんどが葉の状態でした。


その後も咲いているものは見つからず、あきらめて駐車場まで戻りました。
車に乗り来た道を戻っていると、ふとピンク色のものが目に入りました。


なんと一面ピンク色の花畑!!
来るときになぜ気づかなかったのかが不思議なくらい林床がベニバナイチヤクソウで埋めつくされていました。
どうやら川上村役場で紹介されていた群落はこちらだったようです。


見たところまだ2分咲きぐらいでしたが、それでも圧巻の景色でした!


ベニバナイチヤクソウは現在見頃を迎えている頃だと思いますので、ぜひ見にいらして下さい。
また、この花は足場もないほどに群生しておりますので、踏み込んでしまわないようにご注意下さいね。

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2014年05月23日雲取山歩道整備

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

5月22日に東京都のレンジャーさんや日本山岳会の皆さんと一緒に、東京都最西端、最高峰として知られる雲取山の登山道整備を行いました。

歩道には積雪が原因で抜けてしまったロープ柵の杭や、登山者がすれ違う際などに複線化・拡幅してしまった歩道などがありました。今回の作業では、ロープを張り直し、歩道を一本化することで植生の保護と回復を目的としています。

杭の打ち直し作業の様子です。


積雪があると、ロープを手すりの代わりに利用されるため杭が抜けてしまうようです。人の体重を支えるほど頑丈ではないので、ロープを掴むのはかえって危険です。

次の写真は、石積み作業による歩道の一本化と道幅の補正作業の様子です。


石を道路の白線のように積んでいき、歩道の位置を明確にします。石は環境を荒らさないように近くにあるものを利用しています。元々その場にあるものを利用しているので景観を損なうこともなく、とても綺麗に整備することができました。このまま順調に植生も回復して欲しいですね。

最後に、下山中に見つけた群生しているギンリョウソウの写真です。


これほど密生している状態は初めて見たのでとても驚きました。

現在雲取山は新緑がとても綺麗です。
お越しになる際には、石積みなどにも注目してみてくださいね。

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2014年05月01日毛木場駐車場

秩父多摩甲斐国立公園 奥多摩 野崎 拓

先週、長野県川上村にある毛木場駐車場へ登山者カウンターのメンテナンスに行ってきました。
奥多摩では新緑の季節がやってきましたが、この辺りはまだ梅も咲いておらず、春の訪れはこれからのようです。


駐車場近くの狭霧橋

駐車場は先月まで積雪が多かったようですが、この日に雪は全く見られませんでした。しかし雪は溶けたものの、駐車場へ入るための道が相当凸凹になっていました。


駐車場に続く道路を舗装する様子



清掃作業の様子

また、当日はこれからの登山シーズンに向けて、今年度最初の毛木場園地の清掃作業を行いました。落ち葉や木の枝を掃く作業が大半でしたが、ベンチやトイレの側ではタバコの吸い殻やティッシュなどのゴミが多く見られました。

駐車場の清掃も道路の舗装も地元の方々が協力して行っていました。利用するときは地元の方達に感謝しなければいけませんね。

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