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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

父島から兄島へ~

2022年09月29日
小笠原 坂田彩
みなさんこんにちは~小笠原の坂田です!!
小笠原でも朝晩涼しくなり、ようやく秋を感じるようになってきました。
【休日の傘山からの夕焼け】
夕焼け
さて、先日1年かけて小笠原世界遺産センターで育てられたオガサワラハンミョウ(以下ハンミョウ)の移殖に行ってきました!!

~移殖前日まで~

【ハンミョウのマーキング】
まず、移殖日が決まるとそれに向けてハンミョウのマーキングが行われます。
移殖したハンミョウのモニタリングをする際に判断しやすいように、移殖される場所や性別に合わせて色が付けられています。

~移殖当日!!~

ケースに入れたハンミョウたちをクーラーボックスにいれて、いざ移殖場所へ。
休憩ごとにクーラーボックスの中の空気を入れ替えつつ、ハンミョウを移殖地まで運んでいきます。
ハンミョウが移殖される兄島の裸地(草木が少ない地面がむき出しの土地)は、暑いときでは地表の温度が65度にもなる過酷な場所です。
そのため、暑くなる前にハンミョウたちを移殖出来るように朝早くから現場に向かいます。
ちなみに9月の7時台でも兄島の岩場を登っていると汗だくです・・・
ハンミョウ移動中
【移殖地への道中】
ハンミョウ休憩中
【休憩時に空気の入れ換え実施中】

~移殖!~

移殖地についたら、ハンミョウたちが外の様子を見る時間が持てるように、ケースを裸地に並べていきます。
外が気になり、ケースの中でそわそわしている子、外に驚いているのかじっとしている子など様子は様々!!
時間になると、ケースの蓋を開け、一斉に外の世界へ!!
すぐに飛び立つ子もいれば、中々外に出てこようとしない子も。
今回移殖した個体は、全部で176個体です。
外に出て自由に飛び回る楽しさを感じたり、交尾の相手を見つけたり、新しい場所で生き生きしている姿を見るのはうれしいですね!!
放逐前
【外の様子を伺うハンミョウ達】
放逐後
【外に出てパートナーを見つけたハンミョウ】

~移殖1時間後~

【モニタリング中の様子】

最後に今日移殖したハンミョウがどこで何をしているのかモニタリングしていきます。
裸地の隅から隅まで歩きながら、ハンミョウを探していきます。
移殖した場所から遠くまで移動している子もいれば、ほとんど動かない子もいて、ちょっと心配になるところですが、自然の中でたくましく生きて欲しいなと願いつつ、
今後もハンミョウたちの様子を見守っていきたいと思います!!