アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。空輸で進める、兄島のグリーンアノール柵管理
2024年05月20日
小笠原
こんにちは。
小笠原自然保護官事務所のアクティブレンジャーの河村です。
今回の日記では、4月に兄島のグリーンアノール柵関係の業務でヘリコプターによる空輸を行った様子を紹介します。
小笠原自然保護官事務所のアクティブレンジャーの河村です。
今回の日記では、4月に兄島のグリーンアノール柵関係の業務でヘリコプターによる空輸を行った様子を紹介します。
空輸で進める兄島グリーンアノール柵管理
まずは、グリーンアノール柵の現状について簡単に記します。兄島は、小笠原諸島の父島の北隣にある無人島で、父島との間に兄島瀬戸という海峡を挟み、幅は狭いところで500mほどととても近い距離にあります。兄島に特定外来生物のグリーンアノールが確認されたのは2013年で、それ以降島内での生息域の拡大を抑えるため、Aライン、Bライン、Cラインの3つの柵が建設されてきました。このうち現役のものは、Bライン(環境省)、Cライン(東京都)です。これらに加えて、環境省では大丸山囲い込み柵の建設を2024年度中の完成を目標に進めています。
今回のヘリコプターによる空輸の主目的は、大丸山囲い込み柵工事で使用する建設資材の輸送です。父島島内の 発着場を拠点に、兄島の大丸山までの間を往復し、柵の建設資材を運びます。
合わせてAライン、Bライン関係の作業も進めました。
Aラインは、過去の台風で破損し、柵は解体・撤去済みですが、通行のために残してあった防草シートも今回で撤去することになりました。
また、Bラインについては建設から9年が経過し、破損・修繕で発生する使用済みの鉄筋などが蓄積している状態でした。巨大台風などで飛散してしまう可能性もゼロではない状況です。
第2の目的が、Aラインに残っていた防草シート、Bライン沿いの撤去材、この2つの搬出です。今回はヘリコプターの力を借りて作業を一気に進めます。
合わせてAライン、Bライン関係の作業も進めました。
Aラインは、過去の台風で破損し、柵は解体・撤去済みですが、通行のために残してあった防草シートも今回で撤去することになりました。
また、Bラインについては建設から9年が経過し、破損・修繕で発生する使用済みの鉄筋などが蓄積している状態でした。巨大台風などで飛散してしまう可能性もゼロではない状況です。
第2の目的が、Aラインに残っていた防草シート、Bライン沿いの撤去材、この2つの搬出です。今回はヘリコプターの力を借りて作業を一気に進めます。
環境配慮について
父島と兄島の間をヘリコプターで直接人や物が移動することになります。そのときに誤って父島に生息する生物(在来種、外来種いずれも)を運んでしまうと兄島の環境に甚大な影響を与えかねないため、対策は徹底する必要があります。以下写真でいくつかの対策を紹介します。
現地に入るアクティブレンジャーの主な役目は環境配慮を確実にすることです。上記の写真で紹介した外来種対策の他、荷物を上げ下ろしする場所に希少な動植物はいないかなどを確認し、環境への影響を最小限にするための動き方を考えて作業者の方々に伝えます。また、安全に作業が行えるように作業全体に目を配る役目もあります。
空輸作業の様子のご紹介
① 大丸山への囲い込み柵工事用資材の搬入風景
大丸山への資材の搬入では、ヘリコプターが離発着する父島の州崎で荷造りを行った後、現地に空輸をします。これらの資材を使って夏頃から柵の構造物が大丸山に立ち始めます。
②Aラインの防草シート等撤去材の搬出風景
2024年の2月~3月にかけて行われた工事で、防草シートなど撤去する資材は写真のように黒色のトン袋にまとめてあります。そのトン袋をヘリコプターでつり上げるための、モッコと呼ばれるネット状のものに入れる作業を行います。
③Bラインの撤去材搬出風景
柵のそばで保管している、これまでの工事で不要になった部品を搬出します。
撤去材のうち、細かい物はトン袋にまとめて、長さのある金属は末端を養生して、ブルーシートの囲いの中に収めて、モッコで吊せるようにしていきます。Bライン柵沿いはとてもすっきりしました。
撤去材のうち、細かい物はトン袋にまとめて、長さのある金属は末端を養生して、ブルーシートの囲いの中に収めて、モッコで吊せるようにしていきます。Bライン柵沿いはとてもすっきりしました。
終わりに
「ヘリコプターは小笠原にある機体なのか、小笠原まで飛んでくるのでしょうか?」ということをよく聞かれます。
ヘリコプターは、おがさわら丸に乗って輸送されて来ます。プロペラなどの部品は外した状態で輸送されるため、組み立てを行う場所までは人力で移動をさせます。今回の作業の初日と最終日には父島では写真のような輸送風景が見られました。
ヘリコプターは、おがさわら丸に乗って輸送されて来ます。プロペラなどの部品は外した状態で輸送されるため、組み立てを行う場所までは人力で移動をさせます。今回の作業の初日と最終日には父島では写真のような輸送風景が見られました。
関係者の皆様の協力のおかげで、1週間弱の慌ただしさの中、計画していたすべての空輸作業を無事故で終えることができました。