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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。南島グリーンアノール捕獲大作戦
2024年07月15日
小笠原
小笠原自然保護官事務所の河村です。
この4月、今までグリーンアノールが確認されていなかった南島で、観光ガイドの方がグリーンアノールを発見したという連絡が届きました。写真を確認すると1匹のグリーンアノールが確かに写っていました。
小笠原でグリーンアノールが新たな島で確認されたのは、2013年に兄島で見つかった時以来の事件です。南島には花粉を運ぶ上で重要な役割を果たしているハナバチ類や、オガサワラトラカミキリ、スジヒメカタゾウムシなど の小笠原に固有の昆虫が沢山生息しています。グリーンアノールがこのまま南島に定着してしまうと、昼行性の昆虫が捕食され、生態系全体に大きな影響を与えてしまうことは、これまでに他の島で起きたことから想像に難くないです。
この4月、今までグリーンアノールが確認されていなかった南島で、観光ガイドの方がグリーンアノールを発見したという連絡が届きました。写真を確認すると1匹のグリーンアノールが確かに写っていました。
小笠原でグリーンアノールが新たな島で確認されたのは、2013年に兄島で見つかった時以来の事件です。南島には花粉を運ぶ上で重要な役割を果たしているハナバチ類や、オガサワラトラカミキリ、スジヒメカタゾウムシなど の小笠原に固有の昆虫が沢山生息しています。グリーンアノールがこのまま南島に定着してしまうと、昼行性の昆虫が捕食され、生態系全体に大きな影響を与えてしまうことは、これまでに他の島で起きたことから想像に難くないです。
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グリーンアノールは1匹撮影されましたが、偶然に1匹だけが南島に入っているのか、既にまとまった数で生息しているのかは分からない状況です。そのため、5月~6月にかけて小笠原世界遺産の管理機関(環境省、林野庁、東京都、小笠原村)と地元関係団体で、グリーンアノールトラップの設置を行うことになりました。題して、「南島グリーンアノール捕獲大作戦」です。
グリーンアノールトラップの設置は、二つの目的があります。一つは目撃されたグリーンアノールを捕獲すること、もう一つは仮にグリーンアノールの分布が既に広がっている場合どこに、どのくらいいるのかを把握することです。
ここからは写真を使って、実際の作業の様子を紹介します。
南島へ船で向かう場合は、島の南部にある1箇所が船着き場となっており、狭い岩の間を船が通って上陸地点に向かいます。
グリーンアノールトラップの設置は、二つの目的があります。一つは目撃されたグリーンアノールを捕獲すること、もう一つは仮にグリーンアノールの分布が既に広がっている場合どこに、どのくらいいるのかを把握することです。
ここからは写真を使って、実際の作業の様子を紹介します。
南島へ船で向かう場合は、島の南部にある1箇所が船着き場となっており、狭い岩の間を船が通って上陸地点に向かいます。
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グリーンアノールは草地や砂の上などにいることは少なく、通常多くの時間を木の上で過ごすトカゲの仲間の生き物です。そのため、南島の中でも木が生えていてグリーンアノールが住んでいそうな場所にトラップを付けていきます。写真では、お風呂のフタ(耐候性素材のもの)を短冊状に切り分けたものに、トラップを付けています。これは兄島などでも行っている方法で、グリーンアノールが風呂フタの上を通ってトラップに入りやすくなります。グリーンアノールが目撃された地点周辺には風呂フタを使ったトラップ設置を集中的に行いました。他の場所では、タコノキやクサトベラの幹に直接トラップを付ける方法も採用しています。グリーンアノールが目撃された地点を中心として侵入しやすいと考えられるエリアに合計で2160個のトラップを設置しました。
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5~6月の設置期間中には、定期的に点検を行い、全部のトラップの確認を行います。点検ではグリーンアノールが捕獲されているかを見るとともに、トラップが外れかけていないかの確認や粘着シートの交換も行います。 。
結果としては、今回の設置期間ではグリーンアノールの捕獲はなく、また真夏の間はグリーンアノールの活動が活発ではなくなるため、6月26日までの作業で設置したトラップの撤去を行いました。
残念ながら目撃されたグリーンアノールの行方はわかりませんが、少なくともトラップを設置した範囲では、グリーンアノールがすでに増え始めている状況ではないことが確かめられました。秋以降の対策は有識者などの意見を元に検討しますが、今回ほど大規模な対策はひとまず必要なさそうです。南島は小笠原自然遺産地域の中でも、観光と生態系保全の両立をしていく上でも重要な島です。これからも侵略的外来種の影響が広がってしまわないように注視していく必要があります。
結果としては、今回の設置期間ではグリーンアノールの捕獲はなく、また真夏の間はグリーンアノールの活動が活発ではなくなるため、6月26日までの作業で設置したトラップの撤去を行いました。
残念ながら目撃されたグリーンアノールの行方はわかりませんが、少なくともトラップを設置した範囲では、グリーンアノールがすでに増え始めている状況ではないことが確かめられました。秋以降の対策は有識者などの意見を元に検討しますが、今回ほど大規模な対策はひとまず必要なさそうです。南島は小笠原自然遺産地域の中でも、観光と生態系保全の両立をしていく上でも重要な島です。これからも侵略的外来種の影響が広がってしまわないように注視していく必要があります。
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