アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。父島アクティブ・レンジャーの日常風景 兄島グリーンアノール柵の維持管理
2024年08月23日
小笠原
小笠原自然保護官事務所の河村です。
小笠原のアクティブ・レンジャーが行っている日常の業務の中から、グリーンアノール侵入防止柵の維持管理について紹介します。
兄島のBライン柵は、特定外来生物に指定されているグリーンアノールの生息域拡大を防止するため、兄島南部を横断する形で作られた延長3kmの柵です。
小笠原のアクティブ・レンジャーが行っている日常の業務の中から、グリーンアノール侵入防止柵の維持管理について紹介します。
兄島のBライン柵は、特定外来生物に指定されているグリーンアノールの生息域拡大を防止するため、兄島南部を横断する形で作られた延長3kmの柵です。
グリーンアノールは、オスの成体は20cm程度になりますが、5cmかそれよりもっと小さい幼体でも通過してしまうことのないような柵の設計となっています。
具体的には、
① 高さを出すネット部分(柵沿いの木から飛び越えないようにするため)
② 触れると電気の流れる電気柵部分
③ オーバーハング 状になり、趾下薄板のあるグリーンアノールの指でもつかんで上ることのできないパネル部分
の3つの構造の組み合わせでグリーンアノール侵入防止を図っています。
これらの構造を維持することが重要なのですが、そのための点検や補修を担当している事業者の作業に同行するなど、アクティブ・レンジャーも柵の維持管理作業に参加しています。
月に1度のペースでBライン柵の端から端まで確認する点検を行っています。
それ以外に台風の通過後などの追加の点検や破損箇所の補修の日を設けています。
点検で行うことの一つが、電気柵の電圧測定です。
電気柵は太陽光パネルでバッテリーを充電し、そこから柵に電気を流す方法を取っています。電圧が丁度良い強さで維持 できるようにします。電圧が低すぎると、グリーンアノールが電気線を乗り越えてしまうおそれがあります。一方、電圧が高すぎると、兄島にも生息する小笠原固有種のオガサワラトカゲが電気柵に触れて死亡するおそれがあるため、電圧に抑えておく必要があります。
月に1度のペースでBライン柵の端から端まで確認する点検を行っています。
それ以外に台風の通過後などの追加の点検や破損箇所の補修の日を設けています。
点検で行うことの一つが、電気柵の電圧測定です。
電気柵は太陽光パネルでバッテリーを充電し、そこから柵に電気を流す方法を取っています。電圧が丁度良い強さで維持 できるようにします。電圧が低すぎると、グリーンアノールが電気線を乗り越えてしまうおそれがあります。一方、電圧が高すぎると、兄島にも生息する小笠原固有種のオガサワラトカゲが電気柵に触れて死亡するおそれがあるため、電圧に抑えておく必要があります。
また、ネット部分やそれをささえる支柱、上部のパネルとのつなぎ目などに異常がないかを目視で確認します。
周りを遮るものの無い岩場も通るBライン柵の周りでは、台風の時などには強烈な風が吹いていることは想像に難くありません。それらの状況でも柵が持ちこたえられるように、日ごろからボルトの増し締めや、経年でぐらつきのある部分の補強も行っています。
周りを遮るものの無い岩場も通るBライン柵の周りでは、台風の時などには強烈な風が吹いていることは想像に難くありません。それらの状況でも柵が持ちこたえられるように、日ごろからボルトの増し締めや、経年でぐらつきのある部分の補強も行っています。
また、柵のネットと地面の間に隙間を埋めることと、柵沿いの通行路確保のために、防草シートを敷いています。先日の作業では、経年で古くなっている箇所の張り直しも行いました。
炎天下の日差しは厳しいものがありますが、風がある日の心地よさや、一歩日陰に入るとクールダウンできるのは、私の思う小笠原の夏の良さです。
小笠原に暴風をもたらした台風7号の通過直後にも点検に行きましたが、Bライン柵への影響は見られませんでした。今年の夏シーズンをこのまま、無事終えたら良いです。
ちなみに、小笠原世界遺産センターの展示ルームには、今回の記事で紹介したBライン柵のモデルがあります。こちらの展示には電気は流れていないのでご安心ください。
小笠原に暴風をもたらした台風7号の通過直後にも点検に行きましたが、Bライン柵への影響は見られませんでした。今年の夏シーズンをこのまま、無事終えたら良いです。
ちなみに、小笠原世界遺産センターの展示ルームには、今回の記事で紹介したBライン柵のモデルがあります。こちらの展示には電気は流れていないのでご安心ください。