アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
いつかコバトベラを皆さんのもとに...
2024年12月19日
小笠原
こんにちは
2024年も残り数日となって、内地の方は雪が降っているところもあるみたいですね!
小笠原はやっと朝夕涼しくなってきましたが、日中はまだまだ過ごしやすい気温です。
内地の皆様、風邪を引かないよう温かくしてくださいね…
今回は、この時期に咲くコバトベラという植物と保全の取り組みについてお話したいと思います。
コバトベラは絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)に選定されている、父島のみに生息する固有種で、野生株が残り4株となってしまった貴重な植物です。
一般の方が立ち入れる場所には生育しておらず、実際に見ることはできませんが、可愛らしい見た目だけで無く、香りが強く、とても魅力的な植物です!
2024年も残り数日となって、内地の方は雪が降っているところもあるみたいですね!
小笠原はやっと朝夕涼しくなってきましたが、日中はまだまだ過ごしやすい気温です。
内地の皆様、風邪を引かないよう温かくしてくださいね…
今回は、この時期に咲くコバトベラという植物と保全の取り組みについてお話したいと思います。
コバトベラは絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)に選定されている、父島のみに生息する固有種で、野生株が残り4株となってしまった貴重な植物です。
一般の方が立ち入れる場所には生育しておらず、実際に見ることはできませんが、可愛らしい見た目だけで無く、香りが強く、とても魅力的な植物です!
そんな魅力的な植物からなのか、ネズミやムシたちが放っておきません…
クマネズミが果実を食べたり、カイガラムシやトベラクロスジナミシャクが葉について栄養を横取りしてしまいます!
その上、コバトベラのすぐ横に生育している、シマイスノキやムニンネズミモチなどにはカイガラムシなどがほとんど着かないところが恨めしい!
クマネズミが果実を食べたり、カイガラムシやトベラクロスジナミシャクが葉について栄養を横取りしてしまいます!
その上、コバトベラのすぐ横に生育している、シマイスノキやムニンネズミモチなどにはカイガラムシなどがほとんど着かないところが恨めしい!
そんなコバトベラを守るため、私たちは日々カイガラムシやナミシャクの卵の除去を行っています。また、今回はコバトベラの研究を行っている先生方と一緒に、実生(蒔いた種子から発芽したもの)の移植や人工授粉(野生株同士)を行いました。
コバトベラはとても繊細な植物で、実生の時は薄暗く直射日光が当たらない環境を好みますが、大きくなると直射日光を好みます。そのため、発芽してから1年ほど成長した後は日当たりがいい場所に移植します。
植物が光合成を行うのは午前中だけなので、コンパスと現場の状況を観察して、午前中に日が当たり、午後には日陰になる場所を選びます。(端から見ると少し怪しい…)
コバトベラはとても繊細な植物で、実生の時は薄暗く直射日光が当たらない環境を好みますが、大きくなると直射日光を好みます。そのため、発芽してから1年ほど成長した後は日当たりがいい場所に移植します。
植物が光合成を行うのは午前中だけなので、コンパスと現場の状況を観察して、午前中に日が当たり、午後には日陰になる場所を選びます。(端から見ると少し怪しい…)
実生は直接抜いて移植したり、落葉に埋もれてしまうと枯れてしまいます。そこで慎重に半径5cmほどの土と一緒に植え替えて埋もれないように竹串を使ってお家を建ててあげます。
とっても過保護ですが、繊細で小さい実生が頑張っているのを見ると、過保護にもなってしまいますね!
とっても過保護ですが、繊細で小さい実生が頑張っているのを見ると、過保護にもなってしまいますね!
コバトベラは野生株同士が離れた場所にあるため、花粉が他の株まで届かず遺伝的多様性が下がってしまうことが心配されています。そこで人工授粉を行いました。綿棒を使って花粉を採取し、訪花昆虫になった気分で他の株へ移動し受粉させます。
果実ができるのは1年後なので、それまで楽しみですね!
果実ができるのは1年後なので、それまで楽しみですね!
今回はコバトベラを次世代に残していくための活動を紹介させていただきました。
コバトベラが結実して、芽を出して大きく生長するまで、長く地道な活動が続いていきますが、こういった活動が実を結んで、小笠原を訪れた皆さんがコバトベラの花や香りに出会えるように頑張っていきます!
コバトベラが結実して、芽を出して大きく生長するまで、長く地道な活動が続いていきますが、こういった活動が実を結んで、小笠原を訪れた皆さんがコバトベラの花や香りに出会えるように頑張っていきます!