ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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佐渡

141件の記事があります。

2013年11月14日はじめまして

佐渡 後藤 由香

11月より佐渡自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして勤務しております後藤由香です。
以後よろしくお願いします。

さて、佐渡では一昨日、みぞれが降り始め本格的な冬の訪れを感じています。

そんな折、トキのモニタリングを早速開始しています。
佐渡のアクティブ・レンジャーの業務の中心は、放鳥トキの生息状況を日々把握するモニタリング業務です。
実際トキを見るのも初めてだったのですが、飛んでいる際に光で透ける羽は幻想的で、とても感動しました。モニタリングはまだ始めたばかりでこれからトキ三昧の日々を送れると思うととても嬉しいです。

これから、このAR日記を通じトキの様子はもちろん、この目で見た佐渡の良さや素晴らしさを皆さまにご紹介していけたらと思います。
佐渡に訪れたのは初めてで、まだまだ慣れないことが多いですが、少しずつ経験を積み頑張りますのでよろしくお願いいたします。


飛翔するトキとコハクチョウ(2013年10月22日撮影)

モニタリング中に今の状況として写真を撮ることもあるかと思います。
今後は自分の撮った写真でご紹介できたらと思います。

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2013年11月13日はじめまして

佐渡 後藤 由香

11月より佐渡地区のアクティブ・レンジャーになりました、後藤由香です。
佐渡に訪れたのも初めてで、まだまだ慣れないことが多く、至らないことも多いかと思いますが、少しずつ経験を積み頑張りますのでよろしくお願いいたします。
これから、このAR日記を通しアクティブ・レンジャーの活動や、この目で見た佐渡の良さ素晴らしさを皆さんに紹介していけたらと思います。

実際トキを見るのも初めてで、飛んでいる際に光で透ける羽がとても幻想的で感動しました。
飛んでいる姿を見るたび綺麗だ、と言っているほどです。
今野生のトキはは島内に97羽ほどいるということで、もし佐渡に訪れた際は是非空を見上げてみてください。
私は今のこれだけトキが飛んでいる風景しか知りませんが、これまでそれを夢見てきた方にすると本当に感慨深いものがあるだろうと思います。
今後もっと広い地域でも見られるよう何ができるか考えながら尽力していきたいと思います。
では、今後ともよろしくお願いします。


最後にお知らせを。
今年の3月30日にオープンした「トキふれあいプラザ」について紹介しておきます。
先日行ってきたのですが、ケージの中からは外のようすが見えない(=トキからは人間が見えない)特殊なガラスを窓ガラスとして使用するなどの工夫がされているということで、ほんとに目の前でトキが探餌しているところを見られました。とても感動したので、是非皆さんも訪れていただきたいと思います。

以下紹介
「トキふれあいプラザ」は、これまでより間近にトキの自然に近い姿を見ていただき、トキに親しんで野生復帰の取り組みを知ってもらうことを目的として新しく作られた施設です。施設はトキの森公園内にあり、トキが飛ぶことができるケージが整備され、その中にエサ場となる池や止まり木などを配置し、自然に近い環境を再現することで飛翔・採餌・巣作りなどの生態を観察することができます。
■開館時間  午前8時30分~午後5時まで(入館締切り午後4時30分)
■休館日   12月~2月の毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日の火曜日)、年末年始(12月29日から1月3日まで)
■協力費   大人1人400円(一般・高校生)、小人1人100円(中学生・小学生)
※トキ資料展示館との2館分です。
■注意事項  ・観察は静かに、またフラッシュ撮影をしないようお願いします。
        ・混雑時は、入場制限を行うことがあります。
        ・車椅子での見学は可能ですが、介助者が必要となります。
■お問い合わせ先  トキの森公園内 トキふれあいプラザ TEL:0259-24-6550


ふれあいプラザのトキ

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2013年07月03日2013年放鳥トキ繁殖期報告

佐渡 平野 邦典

7月に入り、佐渡島も蒸し暑くなってきました。放鳥トキも抱卵しているペアは、1組を残すのみとなりました。
3月から繁殖期に入り、3ヶ月が過ぎました。7月3日時点で24組のペアが営巣し、そのうち5組から14羽のヒナが誕生しました。さらにそのうち2組から4羽が巣立ちを迎えました。
巣立った4羽は元気に飛び回り、順調に成長しています。この時期になると親に給餌してもらう回数も減り、自分達の力で探餌するようになります。一人立ちする日も遠くなさそうです。

残念なことに今期は巣立ちを迎えることができなかったヒナが相次ぎました。ハシブトガラスの攻撃により死亡するケース、メスの親鳥による育雛放棄によって死亡するケースなど様々な事象により命を落としていきました。
生まれた8羽すべてが巣立った昨年がたまたま良かっただけ、野生下での巣立ちが如何に難しいかを再認識させられました。

また、今期は18日齢~25日齢(孵化から18日~25日)を迎えたヒナに足環を装着しました。足環を装着する作業は、とても重要です。
足環を装着していないと、ヒナがどこに動いたのかが分からなくなり、またどのくらい生きてどういう生活するのかを解明していくために不可欠となります。

山階鳥類研究所や自然環境センターからお呼びした木登り名人が巣の中にいるヒナを捕獲し、丈夫なカゴに入れて地上に降ろし、足環を装着します。
もちろん安全性は、十分考慮しています。18日齢~25日齢までなら、ヒナは飛べないので巣から落ちる心配もなく、足環装着によるケガの心配もありません。
最悪ヒナが巣から落下した場合も想定して職員がネットを持って巣の下で待機していました。
また足環装着の際、羽毛を採取して付着した血液を用いてDNA分析を行いました。
DNA分析の結果、巣立ったヒナは、オスが1羽とメスが3羽と解りました。

トキの野生復帰はまだまだ道半ばですが、確実に次の世代にバトンは繋がれています。

巣立ちを迎え飛翔する幼鳥2羽

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2013年01月04日恋の季節到来

佐渡 平野 邦典

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

佐渡島は、昨年末より雪が降り積もり、あたり一面銀世界。佐渡の代表的な山、金北山も雪化粧をしています。
日に照らされた金北山は美しく、感動します。冬の佐渡も見所はいっぱいです。

さて、トキについてですが、恋の季節・・・繁殖期が近づき「生殖羽」(繁殖羽)に変化しつつあります。少なくても12羽のトキが首から背中にかけてうっすらと黒くなっています。
「生殖羽」とは、春から夏に見られる繁殖に関係する羽のことをいい、繁殖可能であることを示します。
トキの場合は、首のあたりの皮膚が粉状になってはがれ、それを羽や頭などに擦りつけることによって黒く変色していきます。黒い背中は保護色にもなると言われています。

気になる相手には、枝を渡したり、羽繕いをしてあげたりします。最近ではそれらの行動がよく見られるようになりました。婚活中といったところでしょうか。

今年も昨年に続きヒナ誕生が期待されます。今年も何羽のヒナが生まれるか今から楽しみです。


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2012年01月27日仲良きことは美しきかな

佐渡 平野 邦典

日本各地で雪の日が多い天気になっていますが、佐渡島でも大雪が降っています。雪が降っている日は、モニタリングも一苦労です。トキと雪が重なって何を見ているか分からなくなったり、水田などに降りて採餌を始めても、積雪でまったく発見できなくなったりします。年末から積もっていた雪がようやく溶け始めたと喜んだのもつかの間、先日の大雪でまた雪国に戻ってしまいました。
雪が降らない暖かい春の到来が待ち遠しいです。
さて、こんな大雪でもトキは元気に生活をしています。水田が雪に覆われてエサを食べる場所が限られていますが、水路や雪が溶けている場所を巧みに見つけて採餌しています。大雪によるエサ不足を心配していましたが、大丈夫そうで安心しました。
そしてこのトキ達は、もうすぐ繁殖期を迎えます。最近では、気になる相手に枝を渡したりと、そわそわして落ち着きがないように見えます。枝渡しなどにより、仲良しになったペアは一緒に行動することが多くなります。ですが、その周りには、お邪魔虫・・・という訳ではありませんが、相手が見つかっていないトキがいます。今のところ仲を引き裂いたりすることはないので害はありませんが、「あなた達もはやくペアをつくりなさい」と言いたくなります。
多くのペアができ、繁殖、育雛が成功し、野生トキ二世が佐渡の空を舞う日が待ち遠しいです。


ねぐらに2羽並んで帰る様子

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2011年11月18日行こう!田んぼ!とろう!ドジョウ!!

佐渡 平野 邦典

皆さん、こんにちは。あっという間に11月になり寒い日が続くようになりました。風邪などひかない様に気をつけたいですね。
先日、トキのエサ場になっている田んぼでドジョウを捕ってきました。もちろん、遊びに行った訳ではありません。成分分析用のドジョウを採集するためです。
昨冬は、ドジョウを与えていた野生復帰訓練中のトキが、立て続けにビタミンB1不足の症状を示して収容されるという事がありました。このため、餌として与えていたドジョウを分析したところ、そもそも餌のドジョウに含まれるビタミンB1が非常に少ないということがわかりました。そこで、佐渡の野生のドジョウも分析して、餌のドジョウと比較してみようということなのです。
そしていざドジョウを捕まえに行ったのですが、これが難しい。この季節、ドジョウは他の魚の様に泳がずに、泥の中でジッとしているので、キレイにドジョウだけ捕まえようとしても捕まえられません。1時間ほど格闘しましたがたったの3匹。そこで方法を変え、大雑把に泥ごと取ってしまい、その中からドジョウを捕るというやり方にしました。この方法は当たり、おもしろい様にドジョウが捕れます。たくさん捕れますが、どれも小さいのばかりです。大物を捕ろうと探し回りましたが、結局最大で9cmのドジョウしか捕まえる事ができませんでした。
2時間程のドジョウ捕りで合計198匹捕まえる事ができました。これだけ捕まえても分析に必要になる量としてはギリギリです。こういう捕獲調査の時は、あらかじめ捕まえ方など勉強していくべきだと痛感しました。




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2011年10月07日限りない大空へ

佐渡 平野 邦典

みなさん、こんにちは!第5回トキ放鳥も無事終了し、18羽のトキが順化ケージから飛び立ちました。ご協力して下さった方、応援して下さった方、ありがとうございました。
今回は、放鳥時のモニタリングの様子を紹介しようと思います。
まず、定点観察をする地点が普段なら2つのポイントだけですが、放鳥時は4つに増やされます。これにより、ケージから飛翔したトキをいろいろな所から観察する事ができ、死角をなくす事ができます。また時間帯も終日のモニタリングになり、どの時間に何番のトキがどの方向へどういう経路で飛んで行ったかが正確にわかります。もちろん定点観察だけではなく、水田などに降下した場合に確認しに行く場合もあります。降下した個体を確認する作業は、トキを飛ばしてしまう可能性が高いので細心の注意を払います。特に新放鳥の個体は、まだ車にも敏感に反応するのです。
新放鳥の個体は自由に飛べるのが楽しいのか、いろいろな所を飛び回っています。ある個体は、空高く舞い1時間近く飛翔していました。1時間も片目をつぶりスコープを覗いているので、トキが降下した時には頬がつってしまい、大変痛い思いをしました。
トキを追うのは大変ですが、どの個体が何処にいるというのがはっきり分かると安心し、うれしくなります。1羽でも多く、元気にたくましく生きていって欲しいと願っています。


夕方ねぐらを探す?新放鳥トキ

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2011年09月15日自然に学べ!佐渡kids生きもの調査隊

佐渡 平野 邦典

みなさん、こんにちは!
涼しい日が続き、このまま秋になると思いきや夏に逆戻りになってしまいました。秋の涼しさが待ち遠しい今日このごろです。
さて先週の日曜日は佐渡kids生きもの調査隊のみんなと石田川という川の生き物調査に行ってきました。佐渡kidsは佐渡島内の小学4年生から6年生の男女で構成され、水田などの生き物調査や認証米作りの活動を通じ、佐渡島内の自然環境について学んでいます。今回は水田ではなく、川での調査になりました。川の水が冷たそうだな~っと入るのをためらっていると、「つめたいー!」と言いながら川に入っていく調査隊・・・さすがです。
石田川にはアユもいました。アユの他には、カニ・・・カニ・・カニ・・・たくさんカニがいました。ドジョウやウキゴリも確認できたようです。確認した生き物は、一旦捕獲し、図鑑などで名前を調べ、スケッチします。スケッチはその生き物の特徴を覚える大切な作業です。
スケッチが終わると捕獲した生き物は川に逃がします。その後は、講師の方から川の重要性についての講義があり解散となりました。
久しぶりの参加でしたが、とても楽しめました。川での調査は、とても疲れますが気分はいいですね。これからも積極的に参加したいです。


スケッチ!


モデル!

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2011年09月02日ちょっとこいっちゃ! ~岩首竹灯りの集い~

佐渡 平野 邦典

みなさん、お久しぶりです。
8月があっという間に終わり、もう9月になってしまいました。1日はとても長く感じるのに1か月は短く感じるから不思議です。
 先週は岩首という集落の竹灯りの集いというイベントに参加してきました。竹筒を斜めに切って、その中にろうそくで火をつけます。ろうそくの火が竹に反射し淡い光を放つ・・・その竹燈篭を集落内に並べ、竹灯りに照らされた岩首の夜を集まった人達で楽しむイベントです。竹灯りに照らされた岩首は幻想的でとてもキレイでした。
 現在佐渡島の多くの竹林は荒れています。竹の需要が無くなり、さらに集落の過疎化、高齢化などで竹林の整備がされてない状態が続いた結果です。そこで岩首地区では大分県竹田市の取り組みを参考にして「岩首竹灯りの集い」を開催する事にしました。竹灯りに使う竹燈篭を用意する為に、岩首集落内から竹の切り出しを行い、竹林の整備を進めています。地域活性化と里山整備の促進を兼ねたイベントといえます。
 僕たち佐渡自然保護官事務所は、準備の段階から協力しており、竹切り、火を灯す作業等をお手伝いしました。竹切りは思ったより重労働で、運動不足の僕にはとても堪えました。しかし頼もしい学生の方々がテキパキと働いてくれたおかげで、順調に作業が進みました。毎年全国からたくさんの学生さんが参加しており、今年は約50名も集まってくれましたが、とても楽しそうに作業する姿が印象的でした。若い力っていいですね、と思い後から年齢を聞いてみると僕と同年齢とのこと・・・。
 岩首竹灯りの集いは、来年も参加したくなる楽しいイベントでした。皆さんも一度参加してみてはいかがですか?


淡~い光がいいですね

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2011年08月12日トキ観察中

佐渡 平野 邦典

こんにちは!さすがに夏だけあって暑いですね。皆さんは暑さに負けず元気ですか?くれぐれも熱中症にはご注意ください。
今日はトキのモニタリングについて少し説明しようと思います。トキのモニタリング歴も1カ月も過ぎたので簡単な説明ぐらいはしてみせますよ!(キリッ)
モニタリングの朝は早く、4時過ぎには各自の決められた場所でスタンバイしておかなければなりません。僕の最近の担当場所はトキが「ねぐら」を飛び立つ瞬間を観察できる場所です。1番にトキを発見し、飛んでいく方向を報告する重要な役割です。朝日に照らされたトキはとてもキレイで、ついつい見とれてしまいます。
トキの「ねぐら」出を確認した後は、どこに飛んで行ったかを確認しに行きます。もちろん住民の方々への配慮、トキへの配慮は忘れません。人に敏感に反応するトキは影響がない距離から観察したりします。
かなり遠くから観察するので、双眼鏡ではなくフィールドスコープという機材を使用します。一般的な双眼鏡の倍率は8倍~10倍ですが、僕たちが使っているスコープの倍率は60倍です。これなら遠くからでもトキの姿を確認できます。
ただし、個体識別はなかなか難しいです。個体識別は脚に付いているカラーリングで判断します。例えば、一番上が黒リングなら第2回放鳥の個体だと絞り込む事ができます。トキの観察には根気も必要で、個体識別できない事も多々あります。
ベテランさんになると多少の泥がついていても簡単に識別ができます。頼もしい限りです。僕も早くその域に到達したいです。

トキを観察する際はルールを守って観察する様お願いします。ルールを守り正しく観察するのが一番楽しい観察方法だと思います。




こんな感じでトキに気づかれないよう観察します。このように車の外にでるのは稀です。

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