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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年10月17日

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2018年10月17日台風24号被害と小田代湖

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは。日光国立公園の太田です。

9月30日夜に通過した台風は、奥日光地域に多大な影響を与えました。戦場ヶ原を流れる湯川は増水し木道を一部水没させて、一時的に戦場ヶ原の木道の閉鎖を余儀なくされました。湯滝の下流の湯川沿いの栃木県管理の歩道は、木道の流出や土砂崩壊などで通行できませんでしたが、現在は復旧していて全ての歩道は通行できます。

暴風の影響も大きく、歩道への倒木の他に大木の根返りや幹の折損がかなりの箇所で見られました。環境省の直轄の園地にあるシンボルツリー的な巨木もダメージを受けました。

湯元スキー場にはウラジロモミの巨木がありましたが、折れて倒れました。【樹高約30m ウラジロモミ】

【倒木 幹に空洞あり】

光徳園地は修学旅行の子供達がハイキング時に昼食休憩を取る場所で、ミズナラの樹林が広がり、胸高直径1m越の巨木が多く見られます。

【光徳園地の三本楢】

この園地には三本楢と呼びたくなるような三本並んだミズナラの巨木がありましたが、そのうちの1本が幹折れ倒木しました。

【右端のミズナラが幹折れ】

これらの樹木は山林内で倒木したわけではないので、倒木の搬出処理が必要で、巨木であるだけに、その費用も馬鹿になりません。早期に撤去するために努力中です。

他にも中禅寺湖の西側の千手が原の森でも、数本の巨木が倒木しました。これらの樹木は、奥日光の景観を構成する大事な巨木だったので残念ですが、良く観察すると樹幹に腐朽が入り、空洞等がある木がほとんどでした。

【折れたミズナラの樹幹は空洞】

このような巨木が倒れれば、施設破損等は避けられず、人身事故にもつながりかねません。

直轄地の樹木の点検に努力しなければならないという思いを新たにしました。

台風24号は日光国立公園にダメージを与えましたが、腐朽木を倒した点を長い年月で考えれば自然のサイクルの一環とも言えるかもしれません。

しかし台風は、明るい話題も提供してくれました。大雨の影響で小田代原に雨水が溜まり、幻の湖といわれる小田代湖が出現し、紅葉見物の観光客に思わぬ景観を見せてくれました。

【出現した小田代湖】

小田代湖は7年ぶりの出現で、テレビニュースでも取り上げられました。

10月末までは滞水していて湖が見られる可能性があるそうです。奥日光は紅葉が盛りの時期に向かいます。ぜひ、おいでください。

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