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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

154件の記事があります。

2020年12月03日【那須】那須高原におけるオオハンゴンソウ駆除活動結果報告

日光国立公園 菅野敬雅

 こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 令和2年度に那須管理官事務所で実施しましたオオハンゴンソウ駆除活動の結果についてご報告いたします。

■活動の背景

 那須高原地域では、過年度より特定外来生物であるオオハンゴンソウの侵入・生育が確認されてきました。オオハンゴンソウの侵入による影響として在来植生との競合が危惧されています。

 那須管理官事務所では、平成21年度より那須高原地域においてオオハンゴンソウの駆除活動を地元ボランティアの協力のもとで実施しています。

 

▲特定外来生物オオハンゴンソウ         ▲大丸浄水施設における駆除活動の様子(R2/6/4撮影)

■令和2年度活動結果

①定期活動(地元ボランティアの協力のもと行う駆除活動)

 今年度の定期活動は計5回(6/4、6/18、7/16、8/20、9/10)実施し、合計参加者数49名、合計駆除数4183本でした。活動場所と経年駆除実績は以下のとおりです。

▲主な駆除活動場所

▼経年駆除実績

②三斗小屋宿跡での駆除活動(那須塩原市環境課と共同で実施)

 平成27年度より那須塩原市指定の史跡である三斗小屋宿跡において、オオハンゴンソウの駆除活動を実施しています。今年度は感染症対策のため規模を縮小して8/7に実施しました。

 この場所ではオオハンゴンソウが大群落を形成しており、抜き取りによる駆除が難しいことから、刈払機を用いて刈り取りを行っています。刈り取りは草丈や種子生産を抑制する効果がある一方、個体数の減少には繋がりづらいため、今後どのように駆除を行っていくかが課題となっています。

▲三斗小屋宿跡における駆除活動の様子(R2/8/7撮影)

③他団体への活動協力

 8/2に実施された那須高原ビジターセンター主催の「那須染めワークショップ~オオハンゴンソウでトートバックを染めよう~」に協力し、外来生物についてのレクチャーを行いました。

 8/6に県立那須高等学校による八幡つつじ園地における駆除活動に参加しました。また、7/21には高校生に外来生物についての事前レクチャーを行いました。

 

▲オオハンゴンソウを用いた那須染め       ▲高校生への事前レクチャーの様子

 今後も粘り強く活動を継続し、那須高原の生態系保全に努めていきたいと思います。

 那須管理官事務所では、令和3年度のオオハンゴンソウ駆除活動にご協力いただける地元ボランティアを随時募集しております。お気軽に那須管理官事務所(0287-76-7512)担当菅野までお問合せください。

○令和2年度活動計画についてはこちら

◎特定外来生物についてはこちら

◎オオハンゴンソウについてはこちら

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2020年11月10日【那須】 箱庭山岳は絶景の嵐 前編

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

今回は、那須の最も基本的な登山ルートをご紹介します。

まだ那須の山に登ったことがない方、

那須ロープウェイには乗ったけど山頂駅周辺しか行っていないかた、

はたまた茶臼岳の山頂で満足して、そこから引き返してしまった方には、

重要な情報です。

那須といえば茶臼岳(那須岳とも呼ばれますが、周辺の山々全体をさして那須岳と呼ぶこともあります)。茶臼岳は山頂の真下までロープウェイで行けるので、とてもお手軽に登山ができる山と言えるでしょう。とはいえ、山頂は1915m、風が出ればかなりの強風になることもしばしばです。そして歩道は石が多くて大変崩れやすく転びやすいので、登山をする場合は、登山に適した靴、雨具や防寒具などの準備はしっかりしてください。

茶臼岳には、山頂へ登る歩道の他に、山をほぼ平行に一周する周回線があります。茶臼岳の隣には朝日岳があり、この二つの山への登山が、那須での基本中の基本と言えるでしょう。この二座はほぼ半日で回れるルートですが、ここは非常に変化に富んだ地形で、少し歩くと風景が次々と変わります。コンパクトに様々な絶景が詰め込まれていて、絶景の箱庭と言えるでしょう。

ロープウェイ山頂駅を降りると、目の前には茶臼岳の溶岩ドームが立ちはだかります。

植生がほとんど無い荒々しい山頂をもつ活火山です(昭和28年にも小噴火がありました)。少しでも火山に興味がある人なら、すぐにこれが溶岩ドームであることが分かるでしょう。頂上を目指して登って行くと、溶岩ドームから崩れ落ちたとみられる大岩がそこここに見られます。

            ちょっとアルプスっぽい?

そんな岩の中には・・・、

              【 岩の恋 】

山頂までは急坂ですが、ゆっくりでも40分ほどで到着できます。

山頂からは、南東に広がる広大な扇状地、那須野が一望できますが、

雲海の日もしばしばあります。

遠く日光や尾瀬の山々が、雲海に浮かぶ島のようです。

山頂の脇には火口があります。

火口と思われる地形は数多く有り、那須連山が様々に姿を変えてきたことが分かります。

次に、火口を一周して、周回路に降りて行きましょう。

周回路に降りると、やがて峰の茶屋跡避難小屋が見えてきます。

            【ナスのマチュピチュ❤】

以前は同じ場所に茶屋が営業していましたが、今は建てかえられて避難小屋になっています。

やっぱり マチュピチュ?

ここから隣の朝日岳に向かってみます。

急峻で荒々しい山で、見る方向によって様々異なる姿を見せてくれます。

緑と岩肌のコントラストが目を引きます。

朝日岳に向かう途中には、

誰が名付けたか、【恵比須大黒!!】

こうした荒々しい岩の絶景が次々と現れます。

恵比須大黒は、現在2本の奇岩から成り立っていますが、以前は3本だったそうです。

絶えず姿を変える、それが那須連山です。

 

今回はここまで。

次回は朝日岳に登頂し、その後茶臼岳の周回路に戻って茶臼岳の裏側(北側)を回ります。

まだまだ絶景は続く・・・。

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2020年10月09日【那須】那須連山・姥ヶ平の紅葉

日光国立公園 菅野敬雅

 こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 肌寒い日が増えてきましたね。私は早くもひざ掛けともこもこの上履きを引っ張り出して勤務しています。

●那須連山の紅葉情報

 さて、秋といえば紅葉。

 那須地域の紅葉シーズンは那須連山から始まります!

 去る10月7日、茶臼岳や朝日岳周辺の登山道を巡視してきましたので、見頃を迎えた紅葉や混雑具合の様子をご紹介したいと思います。

 残念ながら巡視日は霧が深く、特に朝は視界が真っ白でした。

 ただ、霧の晴れ間から時折覗く景色に期待が高まっていきます。

▲霧の晴れ間から...

 そして、霧が流れた一瞬の隙に見えた景色がこちらです。

▲熊見曽根から茶臼岳・姥ヶ平方面

 お昼頃になると、上空に分厚い雲が残るものの、周りの霧は大分晴れてきました。

 この日の最終目的地として、有名な紅葉スポットの姥ヶ平を訪れました。

▲茶臼岳側から姥ヶ平方面

▲姥ヶ平から茶臼岳方面

 シャッターを押す指が止まりません。

 帰りの時間が迫り、名残惜しさを感じながら姥ヶ平を後にしました。

 今週末の台風14号で葉があまり落ちないといいのですが...

 なお、紅葉の時期は駐車場・登山道ともに混雑しますので、登山の際は余裕のある計画をお願いします。

▲狭い岩場の道が多く、渋滞になることも。

 

▲(左図)那須ロープウェイは8:00時点(始発30分前)で建物の外まで列が伸びていました。

 (右図)峠の茶屋駐車場は8:15時点で満車。満車の際は大丸の駐車場をご利用ください。

●山の紅葉が終わっても...

 那須地域の紅葉シーズンはまだまだ続きます。

 紅葉前線が那須連山から麓に向かって下りてくると、那須平成の森でも紅葉が楽しめます!

 オススメは駒止の滝。

 那須平成の森のスタッフによると、今年の駒止の滝の紅葉のピークは10月20日以降になるのではないかとのこと。待ち遠しいですね。

▲駒止の滝の紅葉(2019年10月27日撮影、那須平成の森提供)

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2020年09月03日【花の名、改めて命名】

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺です。

以前から山野草の観察をして、できるだけ多くの植物の名を覚え、見分けられるようになりたいと思っています。これまでは決まったシーズンにしか時間がとれず、それぞれの植物の決まった時期の様子ばかりを見てきました。今回アクティブレンジャーになって、1つのフィールドでシーズンを通して過ごすことになりました。すると、1つの植物の季節的な変化を追って観察できるようになり、それぞれの植物について、より深い理解ができるようになりました。今回は、今までやや疑問を持っていた、「植物の名」に納得がいったことについて紹介します。扱う花の季節は過ぎていますが、来期に確認していただければ有り難いと思います。

その①【イワカガミ】

名前に漢字を当てれば「岩鏡」で良いと思われます。その名の由来は、「岩場に咲く鏡のように輝く葉を持つ植物」。といったところでしょう。

しかし、私が今まで出会ってきたイワカガミは、まあこんなもの。

まあ葉に光沢はあるけど・・・。

「鏡」?・・・。

もっと鏡っぽい葉は他の植物にも多いけど・・・。

まあいいか。

と、思っていました。

しかし、那須連山を歩く中で、鏡のように輝く葉に出会いました

本当はもっと光る葉なのですが、

光りすぎて上手な写真にならなかったので、

この写真にしています。

「鏡、と言ってよし。」と感じました。

ここで改めて私が命名します。 「岩鏡」 と。

その2【ショウジョウバカマ】

「ショウジョウバカマ」、初めてこの名を聞く人は、

思わず、「え、 なんと言いました?」と聞き直してしまうかもしれません。

漢字では「猩々袴」。

なおさらわからない。

猩々は、「髪や顔が赤い想像上の生き物」、「オランウータンや類人猿」、「酒好きな人」など様々に使われるようですが、まあ赤い顔ということで、赤~ピンクの花と理解できます。

では「袴」は?

おそらく葉が袴状ということなのでしょうが。

うーん、袴というか・・・。

もちろん現代的な衣類はない時代の命名なのでしょうから、

現代の感覚で計ってはいけないのですが・・・。

などと、ずっと悩んでいました。

ところが那須の岩場で、しっかり袴をはいた猩々に出会いました。

改めて私が命名します。 「猩々袴」 と。

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2020年09月02日【那須】増えすぎて困っています。

日光国立公園 那須 菅野敬雅

こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

8月は暑い日が続きましたが、那須連山では既に秋の花々が見頃を迎えようとしています。

  

 ▲光を浴びるカリヤスモドキと茶臼岳   ▲道端に咲くオヤマリンドウ

  (いずれも8月28日撮影)

さて、今回は那須平成の森で実施している中型・大型哺乳類調査のお話の第3回目です。

 第1回:平成の森に生息している哺乳類たち

 第2回:何頭いるかな?

1. ○○○○○と○○○○が急増中!

 まずは下の折れ線グラフをご覧ください。

 

   ▲那須平成の森で確認された哺乳類の出現数の経年変化

 ニホンジカとイノシシの急激な増加が一目瞭然です!

 那須平成の森ではニホンジカがH27~H30にかけて毎年約1.5倍ずつ増加、なんとH30~R1にかけては約1.8倍も増加しています。イノシシはおおよそ2年ごとに倍増する傾向がみられています。

2. ニホンジカが増えると。。。

 樹皮剥ぎによって樹木が枯死してしまったり、林床植生が食べ尽くされてしまったりする恐れがあります。

 右下の写真は、那須平成の森から直線距離で25km南西に位置する塩原地域の林床の様子です。塩原地区ではここ10年間で林床植生が激変してしまったそうです。那須地域でもこのままニホンジカが増加していけば、林床から植生が失われてしまうかもしれません。

   

 ▲樹皮剥ぎ(那須平成の森)       ▲林床植生の衰退(塩原地域)

3. イノシシが増えると。。。

 地下茎を食べるために掘り起こすので、地面の荒廃が目立っていきます。

 

 ▲イノシシによる掘り起こしの様子(左図は那須平成の森、右図は那須平成の森近くにある八幡園地)

森林の生態系を守るために私たちに何ができるのか、考えさせられます。

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2020年08月24日奥日光のクマと果実

日光国立公園 日光 池田理恵

初めまして。

日光国立公園管理事務所の池田です。

8月11日、戦場ヶ原を巡視していたら、ツキノワグマに遭遇しました。

ガサッと音がした方向を見ると、10m先にな体長1mほどのクマが木の根元から湿原の方に走り去っていきました。

一瞬の出来事だったため、クマの動きを見ていることしかできませんでした。

クマスプレーなど身を守る物を持っていなかったため、こちらに向かって来なかったのは幸いでした。

ところで、人の多い戦場ヶ原でクマは何をしていたのでしょうか?

木登りをしている最中に人間に気づき、あわてて木から下りてきたところだったのでしょうか。

樹形や場所を考えると、近くにあった木はズミの可能性が高いです。

〈ズミの花〉6月頃に開花

今の時期は青リンゴのような果実がついており、11月にかけて段々と赤くなっていきます。

〈ズミの果実〉

図鑑で調べてみると、ズミの漢字表記は「染み」と「酸実」のふたつがありました。

「染み」は樹皮を染料としたことから、と書かれています。

「酸実」は文字通り、食べると酸っぱいからでしょうか。

クマはそんなズミの果実を食べていたのかもしれません。

戦場ヶ原にはズミ以外にも可愛らしい果実を見ることができます。

〈ミヤマザクラの果実〉

〈ニッコウナツグミの果実〉

これからの季節は果実が増えていき、クマや鳥などの大切な食べ物となります。

戦場ヶ原周辺はクマの目撃情報が多く寄せられています。

クマなどの野生動物の生活圏に人間がお邪魔していることを忘れずに、気をつけて歩きたいですね。

奥日光のクマ出没情報は【湯元ビジターセンターHP】から確認することができます。

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2019年11月22日湯ノ湖の富栄養化対策「コカナダモ除去作業」に参加しました!

日光国立公園 村田麻理沙

みなさん、こんにちは。

日光国立公園管理事務所の村田です。

日光では、最近一段と冷えこんできて、男体山の頂上付近は白くなっています。

11月18日に、湯ノ湖の水質保全対策の一環として毎年秋季に行われている、水草のコカナダモ除去作業に参加しましたのでお知らせします。奥日光清流清湖保全協議会(栃木県、日光市)が事務局となって、地域住民等の協力のもと、実施されているものです。

湖沼は富栄養化(湖沼中の窒素やリン等の栄養塩類が増えること)になると、栄養塩類を養分として成長するプランクトンが増加するため、水質悪化の原因となります。

コカナダモは、春から夏にかけては栄養塩類を吸収して成長していますが、冬になって枯れると、再び栄養塩類が湖水中に溶け出てしまいます。そのため、枯れる前にコカナダモを除去して、水質悪化を防ごうというものです。

 

今回私が実施した作業は、ボートの上から錨(いかり)を投げ込み、コカナダモを引っかけることによって刈り取る「人力刈取り」作業です。

△コカナダモ除去ポイントに向かう様子

△錨(いかり)

△錨(いかり)で刈り取ったコカナダモ

△刈り取ったコカナダモを船に引き上げる様子

△刈り取った大量のコカナダモ

昨年はわずかだったそうですが、今年は船いっぱいになるほど、たくさんありました。

最後はゴミ収集車に積み込んで、終了です。

天候にも恵まれ、日光パークボランティアの方々と一緒に、楽しい作業となりました。

湯ノ湖周辺にお立ち寄りの際は、「そういえば、水質保全のためにコカナダモ除去作業が実施されているんだったなぁ」と思って、湯ノ湖を眺めていただけたら幸いです。

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2019年09月25日アクティブ・レンジャー写真展!

日光国立公園 藤本 優太

 こんにちは!

 日光国立公園管理事務所の藤本です。

 日光に着任してかれこれ1年が経ってしまいました。時間が過ぎるのは早いですね~

 さて、今週よりアクティブ・レンジャー写真展を開催しております!

【開催場所/開催期間】

 環境省 日光湯元ビジターセンター くつろぎスペース (栃木県日光市湯元)

  9月21日(土) ~ 10月15日(日) 午前9:00 ~ 午後4:30

 日光郷土センター 2階 展示スペース (日光市御幸町591)

  10月19日(土) ~ 11月10日(日) 午前9:00 ~ 午後5:00

【入場料】

 無料

【主催】

 環境省関東地方環境事務所

 

【問い合わせ先】 

 環境省 関東地方環境事務所 日光国立公園管理事務所   担当:藤本・村田

 〒321-1434 栃木県日光市本町9-5 TEL 0288-54-1076/FAX 0288-53-4154

 E-mail:YUTA_FUJIMOTO@env.go.jp

 詳細はこちらからも確認出来ます ーーーーーーーー→ 日光国立公園HP

 

 日光地域からはアカヤシオと華厳滝、西ノ湖の巨木楢の木の他、

 過去の写真展からピックアップした写真も展示しています。

 お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。お待ちしております!

 

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2019年09月19日日光国立公園とは

日光国立公園 村田麻理沙

こんにちは、日光国立公園管理事務所の村田です。

9月中旬になり、日光では朝、晩に気温が下がり、少しずつ、秋の訪れを感じるようになりました。

先日、栗山地域で見つけたフジグロセンノウ、そして、湯川でオシドリとマガモのくつろぎ風景を撮影しましたので紹介します。

△フシグロセンノウ(節黒仙翁)ナデシコ科 

 節が黒く、近縁の観賞用の植物が京都嵯峨の仙翁寺にあったことが名前の由来だそうです。

△湯川のオシドリとマガモ(戦場ヶ原自然研究路から撮影)

 非繁殖期のオスはエクリプスと呼ばれ、メスと同じような羽色になりますが、くちばしの色で区別できます。右側3羽目がマガモのオス、その左隣がメスです。

マガモの場合、オスのくちばしは黄色、メスが橙色と黒色、オシドリの場合は、オスが紅色、メスが赤みを帯びた黒色となります。

さて今回は、日光国立公園の魅力を少し別の角度からお伝えしたいと思います。

昭和9年12月に国立公園に指定された日光国立公園は、他の国立公園と同じく、優れた自然の風景地を保護し、生物多様性確保のため、ゾーニングによって行為規制されています。

私たちが巡視する際に利用者指導等の判断の決め手となるのが、その場所が「特別保護地区」かどうかです。

景観の維持のために指定された「特別保護地区」は、第3種特別地域→第2種特別地域→第1種特別地域→特別保護地区と段階的に行為が規制されている最も規制の厳しい地域となっています。

日光国立公園では、戦場ヶ原、小田代原、白根山、太郎山、女峰山等が「特別保護地区」となっており、許可がなければ、植物・落葉落枝の採取、動物の捕獲等の行為は禁止されています。

このように、ゾーニングによって日光国立公園の自然が守られていることをご理解ください。

戦場ヶ原や小田代原等で歩道を利用される際には、注意事項が標示された案内標示板をご確認いただき、違った視点から日光国立公園を利用してみてください。

△小田代原の案内標示板

 「歩道外への立ち入りと動植物の採取を禁止します」となっています。

最後に、夏は涼しく、紅葉時期にさらに美しくなる鬼怒川地域の滝をご紹介します。

ぜひ、行ってみてください。

△虹見の滝(龍王峡ハイキングコース)

滝に陽光がさした時に見える虹が美しいことから名付けられた滝

△白滝(日塩もみじライン沿い)

白い糸が何本も重なって落ちるように見えることから名付けられた滝

△太閤下ろしの滝(日塩もみじライン沿い)

太閤 豊臣秀吉が見入ったとも伝えられる滝

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2019年08月23日奥日光はツキノワグマの生息地です!

日光国立公園 村田麻理沙

こんにちは。日光国立公園管理事務所の村田です。

まずは、先日、戦場ヶ原で撮った、ノアザミと男体山、コオニユリの写真をご覧ください。

△ノアザミと男体山

△コオニユリ

この日は一日晴れていましたが、奥日光では、8月になっても一日中晴天という日が少なく、午前中は晴れていても、午後に急変して雷雨となることが多くあります。

散策される際は、雨具の準備や散策コースの所要時間を確認し、時間配分を考えて安全に行動してください。

さて、戦場ヶ原といえば、2週間ほど前から、クマ出没対策用「クマ鐘」を設置しています。というのも、北戦場ヶ原の歩道で親子グマの目撃情報が複数あったためです(至近距離での遭遇は18時頃です)。

ご存じの方も多いと思いますが、奥日光はツキノワグマの生息地です。

下の写真は、先日確認したクマの痕跡(クマ剥ぎ)です。

諸説ありますが、クマ剥ぎとは、クマが樹皮を剥いで、歯で内樹皮や形成層をかじりとる行動で、写真のように歯形が残っています。

△クマ剥ぎ(広葉樹)


△クマ剥ぎ(カラマツ)

クマは、昼行性で薄明薄暮(早朝、夕方)に活動が活発になるといわれています。今年は、日中に歩道や道路からの目撃情報があり、地面を掘っている姿等が確認されています。クマは目が悪いので、食物が少ないこの時期に採食に夢中になりすぎて、気がついたら、人間が近くにいた、ということもあるような気がします。

というような状況であるため、見通しの悪い場所やクマの目撃情報があった場所付近に、クマに人間の存在を知らせるための鐘が設置してあります。

△クマ鐘

△戦場ヶ原歩道脇のクマ鐘

「常にクマ鈴を持っている!」「見通しの悪いところでは手を叩いている!」という皆さんは引き続きその方法でご協力いただき、「何も持っていなくて不安!」という方は、鐘を鳴らして存在をクマに知らせてください。あわせて、クマを誘引しないよう、ご自身で持ち込んだゴミは必ず持ち帰るようにお願いします。人とクマの無用な衝突を避けるため、ご協力をお願いいたします。

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