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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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尾瀬国立公園 檜枝岐

22件の記事があります。

2021年03月15日尾瀬新ビジターセンターの除雪作業

尾瀬国立公園 檜枝岐 前川公彦

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所の前川です。

先日、初めて尾瀬沼に行き、新設なったビジターセンター(開所式は7月の予定)での雪下ろし作業を視察しました。

檜枝岐村から尾瀬沼の入り口である沼山峠までは雪上車で移動しました。関係者8人が檜枝岐村の外れにあるミニ尾瀬公園駐車場に集合し、ここから先は除雪されていない国道を進みました。初めて乗る雪上車は絶えずキャタピラーの振動が伝わり、乗り心地が良いとは言えませんが、どんな雪道でも進めるという安心感がありました。途中、カモシカが道路を横切り、少し上がった所からじっと見下ろしていました。カモシカをみるのは初めてですが、案外人を怖がらないなという印象でした。以前、同じ雪上車でこの道を行くのに3時間もかかることがあったそうですが、今回は雪が締まっていたせいか1時間弱で沼山峠駐車場に到着しました。

ミニ尾瀬公園駐車場にて、出発前の準備中

     ミニ尾瀬公園駐車場にて、出発前の準備中

沼山峠駐車場で各人、スキーやスノーシューをはいて出発しました。歩き始めは登りですが、すぐに峠に到着し、そこからは下りとなりました。峠から大江湿原にはそのまま下っていきますが、スキーチームは右側に迂回しながら緩斜面を下りました。大江湿原に入ると平坦な雪原が広がっており、尾瀬沼もすぐそこでした。開放感に包まれ、尾瀬に来た喜びを実感しました。大江湿原を横切って沼に近づくと左手にいくつかの建物が見えてきました。最初に出会うのは長蔵小屋。尾瀬の自然に魅せられて、尾瀬に移り住み、その後は自然保護の大切さを強く訴えた平野長蔵さんのひ孫さんが経営されています。

雪の大江湿原を行く

     雪の大江湿原を行く

長蔵小屋の隣に立つのが新旧の尾瀬沼ビジターセンターです。積雪の状況から、今回は新ビジターセンターの屋根の雪下ろしをすることになりました。地上からの積雪は3m位ありましたが、屋根の上にも2mは積もっているように見えました。屋根の雪はまるでキノコの傘のように新ビジターセンターの屋根に覆いかぶさっていました。建物の周りは雪が少なく、屋根の雪は雪庇となっているので、下から近づくのは危険な状態でした。

新ビジターセンターの屋根に積もった雪の状態

     新ビジターセンターの屋根に積もった雪の状態

ワイヤーソーを用いて端から徐々に切断しながら、屋根の雪を下ろすことになりました。ワイヤーソーといっても、ここでは30㎝程度の間隔でインシュロックを固定(ノコギリの歯の役割を果たします)した30mくらいの化学繊維のロープを用いて、切りたい雪の両側からロープをノコギリのように動かして切断を行いました。大変力のいる作業で、ロープの両側2人ずつで作業を行いました。

ワイヤーソーを屋根の雪の上に回して作業開始

     ワイヤーソーを屋根の雪の上に回して作業開始

両側からワイヤーソーを互いに引き合うこと数分間、引き手の体力も限界に近づいてきた頃、突然屋根の雪が切断され、落下しました。数m離れて撮影していた私にもすごい風圧で飛び散った雪の断片が吹き飛ばされてきました。雪崩の風圧はすごいと聞いたことがありましたが、こんな小規模な雪の落下でもあれほどの風圧を感じたので、本格的な雪崩ではどれほどのものになるのか想像もつきませんでした。

積雪の一部をワーヤーソーで切断したあとの状態

     積雪の一部をワーヤーソーで切断したあとの状態

写真を見ていただくとお分かりになると思いますが、1回の作業で切断できる雪の量は全体からみるとほんのわずかです。これから4日間にわたり新ビジターセンターの雪下ろし作業が続きます。私たちは積雪状況や作業手順の確認を行ったので帰途につきましたが、残る方は旧ビジターセンターに泊まり込みで雪下ろし作業をします。これから帰途につくという時、尾瀬沼の上にも青空が広がり、その向こうには東北地方最高峰の燧ヶ岳がくっきりとその姿を見せてくれました。いよいよこれから尾瀬の春が訪れかと思うと、早くこの尾瀬沼を再訪したい気持ちでいっぱいになりました。

尾瀬沼の向こうに姿を現した燧ヶ岳

     尾瀬沼の向こうに姿を現した燧ヶ岳

次回は尾瀬沼の初春について報告の予定です。

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2021年03月12日尾瀬の福島側入山口、檜枝岐村

尾瀬国立公園 檜枝岐 前川公彦

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所に着任しました前川と申します、よろしくお願いします。

2月に着任しましたが、初めてのアクティブ・レンジャー日記を書かせてもらいます。

檜枝岐村は福島県西部の山合いにあり、尾瀬国立公園の福島側の入山口です。豪雪地帯で、この時期は雪深い閉ざされた環境になります。檜枝岐に来て最初に感じたのは積雪の多さです。朝起きたら、村人はまずスコップやスノーダンプで玄関前の除雪を行います。これは雪国の人々の一日の始まりの習慣です。除雪車も朝から除雪を行うので、車の通行には問題がありません。屋根に積もった大量の雪は時に一晩で1m近くにもなり、家がつぶれないように除雪をします。

朝早くから活躍する除雪車

朝早くから活躍する除雪車

雪下ろしをしない屋根にはこんなに積っています

雪下ろしをしない屋根にはこんなに積っています

檜枝岐のメインロードを歩いていて目立つのは、村の象徴でもあるカラフルな衣装をまとった六地蔵です。碑文を読むと、米もできないこの地では、かつての凶作時には餓死者が出て、たくさんの子供が含まれていたため、その霊を弔い、母の嘆きを慰めるために建立されたとあります。今では子宝、子育ての守護として参拝する人も多いそうです。通りがかりに六地蔵を拝む村人の姿を見ることもあります。話は変わりますが、檜枝岐村に来て感心したのは、通りを歩いていると、老若男女の村人から挨拶されることです。今の日本のほとんどの所では廃れてしまった古き良き習慣がここには息づいているように感じました。

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

村に来て、一番うれしかったのは温泉に恵まれていることです。村営の公衆温泉が3つもあり(一軒は現在休業中ですが)、しかも村内全戸に温泉水が供給されているということです。事実、私の入居する村営アパートの風呂も蛇口をひねると温泉が出てきます。雪景色を見ながらゆったり温泉につかっていると、自然を含めて檜枝岐村の豊かさを実感できるような気になります。

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

檜枝岐自然保護官事務所の隣にある「駒の湯」、暖まります

30分も歩けば、村落の端から端まで歩けてしまう檜枝岐村ですが、谷間にあるためなかなか全景が見渡せません。村の南にある中土合公園の展望台に登ると村全体が見渡せます。写真を見ていただくと檜枝岐村がいかに狭隘な山間部に位置しているかが分かるかと思います。

中土合公園展望台からの檜枝岐村全景

中土合公園展望台からの檜枝岐村全景

まだ雪の残る中土合公園に登ってみましたが、誰も登っていないため新雪のラッセルが大変でした。天気も良く、素晴らしい展望でしたが、ふと足下を見ると動物の足跡が・・・。誰もいない公園から村を静かに見下ろす動物の姿を想像すると、檜枝岐村が山の動物に見守られているような気になってきます。

中土合公園に残されていた足跡

中土合公園に残されていた足跡

次回は尾瀬沼に開設中のビジターセンターの雪下ろしについて報告します。

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2020年10月09日東北最高峰「燧ヶ岳」の登山道紹介!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

みなさんこんにちは!

尾瀬国立公園 檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

感染症の影響で開山が遅れた尾瀬でしたが、シーズンも終わりに近づき段々と草木が紅葉を始めました。

今年も、季節ごとに様々な姿を見せてくれた尾瀬ですが、今回は燧ヶ岳について紹介しようと思います。

一般に燧ヶ岳と呼ばれている山頂は2,356mの柴安嵓(しばやすぐら)のことを言いますが、すぐ隣に俎嵓(まないたぐら)と呼ばれる標高2,346mの山があります。標高差が10m程度で2つの山の間を20分程度で行き来できるのでふたつをまとめて燧ヶ岳と呼ぶこともあります。

燧ヶ岳に登るには4つのルートがあります。

①御池から熊沢田代を通り俎嵓に到着するルート(コースタイム3時間30分)

②尾瀬沼の浅湖湿原から俎嵓に到着するルート(コースタイム4時間)

③沼尻から俎嵓に到着するルート(コースタイム3時間)

④尾瀬ヶ原見晴地区から柴安嵓に到着するルート(コースタイム3時間30分)

<燧ヶ岳を登る4つのルートの色別>

①は檜枝岐村の御池登山口に駐車場があり、登山口までは車で行くことができます。歩き始めて1分程で、燧ヶ岳と尾瀬ヶ原に行く道の分岐があるので看板を見落とさないように注意してください。燧ヶ岳方面に進むと、最初に岩場の斜面があり急いで登ると疲れてしまうので自分のペースでゆっくり進みましょう。

<燧ヶ岳と尾瀬ヶ原に行く道の分岐>

<登りはじめの岩場>

②は長英新道と呼ばれる登山道で、今から約60年前に現在の長蔵小屋の主人の祖父にあたる平野長英氏が開拓しました。

他の登山道より滑らかに進むことができますが時間はかかります。山頂近くに尾瀬沼を臨めるミノブチ岳というスポットがあります。

<ミノブチ岳の展望>

③はナデックボと呼ばれる岩場を登るルートで、他の登山道より早く山頂に到着できますが、整地されておらず上級者向けの道なので初めての方は他の道を登ることをオススメします。ナデックボの由来は諸説ありますが、「なだれが多い窪んだ所」を略して呼ぶようになったとも考えられています。

<沼尻平から見たナデックボ登山道>

<俎嵓(2,346m)から臨む尾瀬沼>

④は見晴新道と呼ばれ、約3時間半で柴安嵓に到着します。最近に開拓された道のため、雨水が固まらず滑りやすい道となっており、雨の日やその翌日などは歩くと登山靴がどろどろになります。

思い切って折りたたみの長靴などを持って行くと良いでしょう。新しく木道階段が作られており、少しずつ歩きやすい道に変わってきています。

<見晴新道の新しい木道階段>

<柴安嵓(2,356m)から臨む尾瀬ヶ原>

今まで通りとはいかない半年でしたが、来年はより多くの方が来られることを祈っています。

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2020年07月13日檜枝岐小学校in尾瀬!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

みなさんこんにちは!

尾瀬国立公園檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

7月1日から尾瀬の入山自粛が解除され、御池から沼山峠までのシャトルバスも運行を始めています。

あいにく、天気が雨模様ですが、大江湿原にはワタスゲが咲き誇り、ニッコウキスゲも蕾が多いですが元気に咲いてきています。

△大江湿原のニッコウキスゲ

先週、檜枝岐小学校の皆さんと尾瀬自然体験学習のガイドとして参加しました。

小学生の人数が少ないので全体の1から6年生を3つにして3人のガイドをそれぞれ付けます。

どんなことを話すかいろいろ考えていたのですが、いざガイドをすると緊張してしまい頭から飛んでしまったこともありました・・・

△ギンリョウソウ

しかし、皆が聞き入ってくれたので、尾瀬の歩道は昔には無かったことや尾瀬はゴミ持ち帰り運動発祥の地であることなど、私が今まで尾瀬で経験したことなども交えて話しました。

子どもたちはこの後に尾瀬についての作文を書くらしいので少しでも力になれたら嬉しいです。

子どもたちは、小さい頃から学校の行事で尾瀬に行く機会が多く、小学校に上がる前は山小屋で過ごしていた子もいます。今回の経験をずっと覚えていることは難しいかもしれませんが尾瀬は楽しかったという記憶はどこかに残っていて欲しいなと思います。

△燧ヶ岳

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2020年06月11日#STAYHOME  シカから守る大江湿原の柵設置

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

尾瀬国立公園 檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

尾瀬や檜枝岐も今週辺りから日差しが強い日が続き、初夏を感じる季節になりました。

610日に尾瀬沼の近くにある大江湿原のシカ柵を設置しに行きました。

ニホンジカが大江湿原内のニッコウキスゲなどの芽を食べてしまうため、平成26年度から全長3.5㎞の柵を設置しています。毎年、一般のボランティアを集めて設置作業に取り組んでいましたが、今年は感染防止のため関係者のみの設置となりました。

△柵設置作業の様子

約3mの金網をロープに引っかけ、紐で結ぶという作業を繰り返し、湿原を囲う柵を作ります。

設置後もシカの移動する10月頃まで定期的に巡回し、柵が壊れていないか、隙間がないかなどを確認します。

昨年は、数年に一度のニッコウキスゲの群生が見られ黄色一色に染まる大江湿原が非常に美しく感動しました。

今年も旬の7月から8月にかけて、たくさんのニッコウキスゲが見たいですね。

△昨年の大江湿原

【お知らせ】尾瀬への入山自粛について(2020.6.11現在)

https://www.oze-fnd.or.jp/archives/99378/

-----「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」について-----

 利用者の皆様におかれましては、入山自粛へご理解・ご協力いただきありがとうございます。

 尾瀬では「#STAYHOME」の取組に賛同し、「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛により、国立公園を訪れていただくことができない状況の中で、来訪を楽しみにされていた方に向けて、また、収束後に国立公園の美しい自然や文化を満喫したいと思っている多くの方に向けて、国立公園の魅力をインターネット上で広く情報発信することを進めていきます。

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2020年05月22日尾瀬の日本百名山!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

みなさんこんにちは!

関東ではアジサイが咲き始める梅雨の時期がやってきましたね。

福島県会津地方ではヤマブキやスズランが咲いている姿を見ますが、関東では見頃は終えたようで、同じ日本でも季節の巡りが遅れてやってくることを実感し、特別な気持ちになります。

今回は、尾瀬国立公園内の山について紹介します!

尾瀬の中には東北最高峰の燧ヶ岳(福島県域)と、至仏山(群馬県域)、会津駒ヶ岳(福島県域)の3つが日本百名山に入っています。

今回はそれぞれどのような山なのか紹介します。

【燧ケ岳】

標高2,356ⅿの東北以北の最高峰の山で、尾瀬を代表する成層火山です。山頂付近からは尾瀬沼や尾瀬ヶ原を見渡すことができ、国内有数のブナの原生林が広がる山麓付近では貴重な生態系が育まれています。

△広沢田代のワタスゲの群生

御池から入る登山道、尾瀬沼から入る長英新道、群馬県側から一番近いルートである見晴新道、ナデックボ道の4つのルートから登ることができますが、ナデックボ道はガレ場なのでおすすめできません。長英新道(約3時間30分)と、御池から入る登山道(約4時間)は比較的登りやすい道となっています。

ゆっくりであれば難しい登山ではありません。

途中に水場はないため十分な水分と携行食などを持っていきましょう。

私は汗っかきなので夏場は500mlペットボトルを3本持っていきます。

△燧ケ岳山頂から見た尾瀬ヶ原と至仏山

コンビニなどで売っているような膝丈くらいのカッパを一枚着ていらっしゃる方がおられますが、段差があるところで枝や岩にひっかかることがあるので、アウトドアショップなどで販売している上下に分かれたカッパの方が歩きやすいです。

【会津駒ケ岳】

標高が2,132ⅿあり雪解けが進む7月頃には山頂付近に駒大池が現れ、周辺にはハクサンコザクラが群生します。また、中門岳に延びるなだらかな稜線沿いには地塘が点在し、遠く広がる山並みと湿原の組み合わせが訪れた人を楽しませます。

△会津駒ケ岳から少し降りて望む中門岳方面

一般的なルートは滝沢登山口から登る約3時間半のコースです。コースの真ん中近くに水場があるので、そこで水分補給ができます。「駒の小屋」という山小屋に荷物を置かせてもらい約20分で頂上に向かうことができます。途中の水場以外には補給するところがないので、駒の小屋に宿泊する際は十分な水と自炊用の食料を持っていきましょう。(駒の小屋内でも水のペットボトルを販売しています)

ピンク色の小さなかわいらしい「ハクサンコザクラ」が近くで見られるので、是非撮影して思い出として残していただければと思います。

△ハクサンコザクラ

木道が非常に滑りやすいので(特に雨などで濡れている際)、下山中は滑って転ぶことを考えて身構えながら降りると受け身が取りやすいです。

【至仏山】

標高2,228ⅿの燧ケ岳と並び尾瀬を代表する山です。山体が蛇紋岩からなるため、登山道沿いにはカトウハコベ、ホソバヒナウスユキソウ、オゼソウなどの希少な蛇紋岩植物が見られ、山頂からは尾瀬ヶ原が見渡せます。

群馬県側にある山で至仏山の登山だけを目的とするなら鳩待峠登山口から入ることをおすすめします。鳩待峠登山口から山ノ鼻ビジターセンターまでは1時間ほどのコースでセンター付近に登山の入口があります。

3時間コースで、晴れていれば後ろに尾瀬ヶ原と燧ケ岳を一望することができます。

私が初めて登った際の印象は頂上付近が滑らかな標高なので、なかなかゴールが見えず階段の木道なので疲れてしまいまいした。

△ゴールが見えない木道階段

しかし、一度登るとどの程度の体力を残しておけばよいかなどがわかるので、山は一回ではなく二回以上登ることで楽しさが深まるのだと思いました。

初めて登る方も自分のペースで疲れる前にこまめに休憩を取りながら進めば、至仏山の魅力を十分に感じて楽しい登山ができると思います。

コース内に水場はありませんので、登山前と後にある施設で十分な水分を持っていくと良いでしょう。

△至仏山山頂から見た尾瀬ヶ原と燧ケ岳

以上、3つの山について紹介しました。

山は天候によってさまざまな景色を見せてくれます。快晴だったり霧で周りが見えなかったりと一回目ではやはり山のほんの一部しか知ることができないと思います。

もし、尾瀬の山に興味がありましたら一回だけでなく是非もう一度訪れてみてください。

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2020年05月11日#STAYHOME 尾瀬の花を紹介します!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

みなさん、こんにちは!檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

緊急事態宣言が延期されたため、今後の尾瀬国立公園内の施設も昨年とは大幅に運営状況が変わってきております。

今のところ入山自粛は変わりなく、宿泊やキャンプの利用はできません。

御池登山口より前の御池ロッジに入る分岐の道路は封鎖されております。

外出自粛中に息抜きすることはなかなか難しいところですが、この状況が終息した際には是非、尾瀬に遊びにいらしてください!

そこで今回は、尾瀬に咲いている花の中で「私が好きな花ベスト4」を紹介します!


1位「コオニユリ」

7月下旬から8月下旬にかけて湿原によく見られる尾瀬の夏を代表する花の一種。

鮮やかなオレンジ色に黒い斑点がたくさん付いており、晴れたとき青空をバックに撮影するとオレンジと青のコントラストがとてもきれいに見えます。

しかし、花は下向きに咲いているので下からのぞき込むように撮影することをオススメします。


2位「ワタスゲ」

花の後の花穂は白い綿に包まれており、風が吹くとワタが舞い上がり幻想的な雰囲気になります。群生している姿は雲の上にいるような感覚で、低い位置から見るとさらに密集具合がよくわかります。似た植物に「サギスゲ」があり、こちらはワタが癖っ毛のように跳ねて尖った印象です。


3位「ギンリョウソウ」

葉緑素を持たないため光合成をせず、栄養を菌類から取っている腐生植物と呼ばれる植物です。森林内に生育しており、目の前にいきなり現れたように出会うことがあるので少し驚きます。見た目や生態も不思議な植物ですね。


4位「サワラン」

湿原に咲く花で一輪に1~2個付く花は大きく開くことはないですが、色鮮やかな濃いピンク色をしています。絵の具で塗ったかのように目立つ色のため、小さい花ながらも見つけやすいかと思います。

以上、「私が好きな花ベスト4」でした!

サワランをどうしても入れたかったのでベスト4まで紹介しました。

他にも紹介したい植物がたくさんあるので今後も楽しみにしていてください。

-----「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」について-----

 利用者の皆様におかれましては、入山自粛へご理解・ご協力いただきありがとうございます。

 尾瀬では「#STAYHOME」の取組に賛同し、「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛により、国立公園を訪れていただくことができない状況の中で、来訪を楽しみにされていた方に向けて、また、収束後に国立公園の美しい自然や文化を満喫したいと思っている多くの方に向けて、国立公園の魅力をインターネット上で広く情報発信することを進めていきます。

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2020年04月27日#STAYHOME 尾瀬国立公園を楽しもう!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

こんにちは、檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため緊急事態宣言が全国に発令されたことで、尾瀬国立公園の環境省施設や山小屋等においても、5月中旬頃までは営業を休止している状況です。

利用者の皆様におかれましても、入山自粛のお願いをさせていただいておりますが、今後の影響次第では延長される可能性もあります。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

       「尾瀬入山口に掲示されているチラシ」

環境省尾瀬国立公園のホームページ

https://www.env.go.jp/park/oze/index.html

尾瀬保護財団公式サイト

https://www.oze-fnd.or.jp/archives/99378/

尾瀬では「#STAYHOME」の取組に賛同し、「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛により、国立公園を訪れていただくことができない状況の中で、来訪を楽しみにされていた方に向けて、また、収束後に国立公園の美しい自然や文化を満喫したいと思っている多くの方に向けて、国立公園の魅力をインターネット上で広く情報発信することを進めていきます。

今後も尾瀬のプチ情報などを、日記を通して皆様にお伝えしていきますので、楽しみにしてください!

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2020年02月25日檜枝岐小学生からの冬尾瀬インタビュー!

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

こんにちは。檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

あっという間に2月も中旬に入り、お正月気分も過ぎ去ってしまいました。

2月に入ったというのに豪雪地帯として有名な檜枝岐村は例年より雪が少なく先月と変わっていない状況です・・・

遅霜で花が枯れてしまうこともですが、ニホンジカが日光から尾瀬に移動する時期も早まってしまうので食害が心配です。

【令和2年2月事務所裏】

【平成31年1月事務所裏】

先日、檜枝岐小学校の3,4年生たちが事務所に訪れて冬の尾瀬の状況についてインタビュー行いました!

事務所に子どもたちが来ると普段2人事務所の寂しい雰囲気が一変して華やかな雰囲気になり活気が出た気分になりますね・・・

子どもたちは最初にしっかりあいさつをして、考えてきた質問を緊張しながらも尋ねてきました。

【インタビューの様子】

山の中にあるピンクテープは何ですか?

冬の間雪で木道が見えなくなってしまうから迷わないように冬の自然界にはないような色で目印を付けているんだよ。

花はなんで枯れないんですか?

雪が降る前に種を落としておいて冬の間に栄養を吸収し、雪が溶けた春に芽吹くからだよ。だけど、雪が早くに溶けてしまうと霜が下りて枯れてしまうかもしれないんだ。

他にも、尾瀬はどうやってできたの?冬に人は尾瀬で何をするの?などなど少し難しい質問もありましたが絵や写真を使ってなんとか答えました。

【事務所裏によく現れるカモシカの足跡】

やはり子どもたちは常識にとらわれない純粋な思考を持ち、それに比べると自分の想像力が常識の枠にはまっていることに気付かされます。

慣れ始めると次第に新鮮な気持ちは薄れていってしまいますが、新しい情報を求め続けることで自由な想像力を持ち続けられると思っています。

私達にとってもとても良い体験になりました。

インタビューから良い発表ができることを願います。

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2020年01月07日冬の足跡

尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希

檜枝岐自然保護官事務所 細川です。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、冬の間も私たちは檜枝岐村の自然保護官事務所で勤務しております。巡視などで体を動かしていた夏とは違い冬はほとんど動くことがなく、早く春が来てほしいと待ち望んでいます。

唯一体を動かすのは雪かきの時で、重い雪を持ち上げては投げ持ち上げては投げを繰り返すので筋肉痛になります。しかし、今年の雪は例年よりも少なく所々路面が見えているほどで、雪かきの回数も少なく生活は楽ですが、雪が十分に降らないと雪の下の植物たちが栄養を吸収しきれずそのまま春になるため開花の期間が短くなったりするので、雪が少ないのも困りものです。

動物のように冬眠したくなるような毎日ですが実は夏よりも冬の方が野生動物の痕跡を見つけやすいのをご存じでしょうか。

雪が積もる地域では、地面を見ると時々可愛らしい足跡が残っていることがあります。

(クマの足跡 111日)

(シカの足跡 511日)

夏には足跡の外にもクマ剥ぎや動物が草木を食べた跡、フンなどもよく見られます。

(クマ剥ぎ 黒岩山方面 718日)

(カモシカ 尾瀬 裏燧林道)

(シカ 尾瀬 木道脇)

足跡を見つけたらどんな動物が歩いていたか想像すると楽しいかもしれません。

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