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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

聟島1泊2日海ごみ回収【小笠原】

2023年08月04日
小笠原 中川竜希
皆さま、お久しぶりです。小笠原の中川です!
約1年ぶりの投稿になってしまいました…。
今年はAR日記を多めにあげられるよう頑張ります!

さて、今年もやってまいりました。聟島での船中1泊海ごみ回収。

環境省ではマリンワーカー事業として海ごみの回収を行っており、その一環として昨年から聟島での海岸清掃を行っています。
聟島は普段私たちの住んでいる父島から北へ70キロ離れている無人島で、ケータ島とも呼ばれています。

昨年の聟島海ごみ回収時の総量はトン袋(1トン分の重量物が入る袋)18袋と大収穫でしたが、今年は目標12袋としていました。
また、なんと今年は日帰りでの海ごみ回収組もおり、泊まり組と日帰り組で別々の浜の海ごみを回収することになりました。

果たして、今年はどれほどの量になったのでしょうか…。

※昨年度の聟島海ごみ回収のAR日記はこちらです。

~海ごみ回収初日~

小笠原父島を7時30分に出船し、11時頃に聟島に到着しました。

今年は「大浜」という、昨年に海ごみ回収を行った「亀之浜」の横にある砂浜で海ごみ回収を行いました。

今回も多くの海ごみが打ち上げられておりましたが、総勢8名で14時くらいまで作業し、「大浜」も大分スッキリしました。
写真で比較すると、より違いが分かって気分爽快です!
海岸清掃前の写真
▲Before
海岸清掃後の写真
▲After
集めて見てみると、昨年に比べて思いのほか少なく感じてしまい、「大浜横の名無しの浜」の海ごみも回収することに(これが後々思わぬ事態になるとは…)。

ゴムボートで移動後、16時まで海ごみを集積したところで、1日目の作業が終了しました。
大浜の写真
〈大浜〉
大浜横にある名無し浜の写真
〈大浜横の名無し浜〉

~海ごみ回収2日目~

この日は集めた海ごみをゴムボートで回収して、漁船へ運ぶ作業をメインに行いました。

まずは、日帰り組が「小花浜」で回収しきれなかった海ごみの集積と回収を行うことに。
小花浜の写真
〈小花浜〉
5時30分頃から1~2時間ほどで日帰り組が集めた海ごみを回収し終え、実際に漁船上でトン袋に詰めてみると3袋と思いのほか多くなりました。

次に「大浜」の海ごみを回収。
ゴムボートの往復20回以上、およそ4時間かけて海ごみ全てを漁船に積み込みましたが、ここで持ってきていたトン袋15袋を全て使用してしまいました。

なんと「大浜」だけで目標の12袋が達成出来ていたことに…!

この時点で「大浜横の名無しの浜」の海ごみ全ては漁船に積み込めなくなってしまったため、土嚢袋に入れていた分だけを回収、残りは波でさらわれない場所に残置しました(泣)

集めた海ごみ全てを回収しきれなかったのが心残りです。
大浜にて海ごみをゴムボートへ積み込んでいる最中
▲ゴムボートへ海ごみ積み込み中@大浜

~今年の海ごみ総量は?~

一先ず無事に父島へ帰港し、海ごみの全体量を計測した結果…。

トン袋が約25袋、土嚢袋が約5袋(ガラス類・危険物)と大大収穫となってしまいました!!

今回は大浜・名無しの浜(大浜横のゴロタ浜)・小花浜の3浜で海岸清掃実施したとはいえ、
前回の聟島海岸清掃時よりもトン袋7袋分も多く回収し、目標の12袋の2倍以上に。

少々やりすぎてしまいましたが、その分綺麗になったと思いましょう…。
今年と昨年の海ごみ総量
▲今年と昨年の海ごみ総量
今回、予定以上の海ごみを回収してしまいましたが、聟島に漂着している海ごみはまだまだたくさんあります。

海ごみは生き物たちの誤飲や体に絡まって死亡する原因になってしまい、また、私たちが食用としている魚などが海ごみを食べてしまうと、私たちの体内にも知らない間に入り込んでしまう可能性があります。

そのため、人の住んでいない聟島の海ごみを回収することも、遠く離れた場所に住む生き物たちや私たちへの影響を減らすことの出来る大事な行いです。

「ごみをなるべく出さない」「ごみは捨てずに持ち帰る」

というちょっとした行動がやはり大事になっていくと思いますので、
少しずつでも、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします!
マネキンからのお願い
▲マネキン@海ごみ