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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

6月・7月の野外業務

2024年08月08日
奥多摩 青木 敏彦
 AR日記をご覧の皆さまこんにちは !
奥多摩自然保護官事務所の青木です。
奥多摩の勤務を始めてから、早いもので1年半以上が経過しました。    

 今回は6月・7月の梅雨のさなかと梅雨開け後の、奥多摩自然保護官事務所の野外の業務について主なものを紹介いたします。

1. 雲取山方面巡視

 6月下旬に埼玉県秩父環境管理事務所との合同巡視を行いました。
雲取山荘の主人も同行いただき、コース上の主要ポイントについて時代背景と共に解説をいただきつつ、道標・案内看板、歩道設備などを補修しながらの有意な巡視ができました。
 埼玉県側から登る三峯神社からのコースは自然林の中のアップダウンを繰り返し、時折り出現する絶景ポイントで眺望を楽しみながら、深山に踏み込む感覚で東京都側の登山コースと趣の違いが楽しめます。
 三峰ルートが未経験の方にお勧めしたいコースです。

明るい自然林を辿る
雲取山荘が近い !
 2日目は当事務所単独行動で、激しい雨の中、三条ダルミより三条の湯経由でお祭り・鴨沢方面に下りました。
途中、過去の大雨で登山道が痩せていた水無尾根付近の修復状況の確認もできました。
 三条の湯で休憩後、後山林道を約10Km、雨に打たれながら3時間程度で鴨沢バス停到着。
後山林道は晴れた日にゆっくりと歩きたいと感じさせる静かな林道でした。
雨の雲取山頂
山中の異空間。三条の湯

2. センサーカメラのメンテナンス

 5月下旬の雲取山巡視と同じ内容です。
6月下旬に国師ケ岳周辺と三国峠周辺にて実施しました。
夢の庭園付近
ミツバオウレン群生
奥秩父主脈らしい針葉樹林帯
三国峠の作業は雨
 7月下旬は、梅雨明けの酷暑の中でしたが甲武信ヶ岳周辺・雁坂嶺周辺及び十文字峠周辺にて実施しました。
都心は猛暑でも標高2,000mを越えると肌寒く感じました。
雁坂嶺付近では、埼玉県側にゲリラ豪雨をもたらした雨雲に巻き込まれ、凄まじい風雨に遇い気象判断の重要性を再認識しました。
木賊山付近からの甲武信ヶ岳
シラビソの森
破風山避難小屋(笹平)
ハクサンシャクナゲ
雁坂嶺付近。風雨強い
十文字小屋付近。かもしか展望台からの眺望
十文字峠付近の抹茶色の樹林帯(とても美しい)

3.倉戸山山頂付近の登山道整備

 7月上旬に東京都多摩環境事務所・東京都レンジャー(サポートレンジャー含む)が行った整備作業に参加しました。
 倉戸山は奥多摩地域で川苔山に次いで山岳遭難が多く、道迷い遭難が特徴です。
山頂が平坦で下山口を見つけるのが難しい地形なため、迷いこみやすい場所を特定して、倒木・落枝等を利用し、下山口がわかりやすいよう整備を行いました。
山頂での作業の様子
作業後の登山道
 これから、夏本番を迎えます。
水を潤沢に蓄えた秩父多摩甲斐国立公園は苔が生き生きして驚くほど抹茶色に染まると共に、豊かな水流が流れ下る幾筋もの沢を眺めながらの、混雑のない快適な山歩きが楽しめるものと思います。  
 標高がさほど高くないエリアでは熱中症対策を万全にしてお出かけください。