2013年1月17日
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2013年01月17日未公開施設内をご紹介します ~標本収蔵庫~
富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒
14日の40cmほどの積雪でまだ道路には雪が多く残っており、
朝晩の通勤・通学時間に渋滞が起きている富士五湖よりお届けします。
本日はアクティブレンジャーの業務とは少し離れた話題をお届けします。
私が勤務をしている「富士五湖自然保護官事務所」は
富士北麓にある環境省「生物多様性センター」建物内にあります。
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生物多様性センター(H25年1月15日撮影)
生物多様性センターは日本国内の生物多様性の保全を推進し、
世界の生物多様性の保全に貢献するための中核的拠点として
平成10年に設立されました。
その業務の一環として、トキやイリオモテヤマネコなどの
希少野生動植物種をはじめ、様々な動植物標本を収集し、
標本収蔵庫に保存しています。
それらの標本は、館内展示スペースでの標本展示や
博物館などへの貸出し、調査研究等、
生物多様性の保全に役立てられています。
残念ながら標本収蔵庫は通常一般の方には
公開されておりませんが、昨年末、収蔵庫内を
見学する事ができましたので、その様子をお伝えします。
収蔵庫には約65,000点(うち57,000点は昆虫)の標本が
収蔵されています。
収集する際は、種や個体群の保全に悪影響を
及ぼすことがないよう、交通事故など不慮の事故で
死んでしまった動物を標本化したり、
既に標本化されているものを収集したりして
種の保全を第一に考えた収集を行っているそうです。
標本収蔵庫では大切な標本を守るため、
様々な仕掛けがあります。
その一つが害虫トラップで、
収蔵庫各所には害虫の侵入を防ぐための粘着式の
トラップが設置されています
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よく人間が引っ掛かるようです・・・。
また室内は急激な温湿度変化のないように
一定の範囲内に管理され、標本が傷まないように
してあるそうです。
何故かというと、温湿度の管理をきちんと行わないと
カビの発生や、害虫の大量発生が起きてしまう可能性
があるから、とのこと。なるほど!!
収蔵庫中には特定外来生物や
多様性を顕すような標本、そして希少生物種の標本等
が保存されています。
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左上:南米原産ヌートリア。大食漢の為農作物等への被害があり特定外来生物
右上:マイマイカブリ。同じ種でも地域によって大きさ等が違うんです!
左下:ジュゴンの骨格標本
右下:天然記念物のツシマヤマネコ
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こちらは人工飼育のために昭和56年に捕獲された
日本で最後の野生のトキ5羽のうちの1羽「キイロ」のはく製です。
とても貴重ですね。
上記のような標本は普段は見る事ができませんが、
生物多様性センターでは、展示スペースにて収蔵標本の一部を
見ることができるほか、年一回行われる「生物多様性まつり」では
収蔵庫ツアーが行われ、標本収蔵庫を一般公開しています。
これは貴重なチャンスですね!!
また、その他にも生物多様性についての展示室や映像シアター、
自然散策路などもございますので、富士五湖周辺へお越しの際は
ぜひ足を運んでみてください。
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左:一般公開されている触れるはく製
右:展示ロビーの様子
<生物多様性センター>
http://www.biodic.go.jp/center/tenji.html
開館時間:9:00~17:00
休館日:冬季期間(12月~4月)の土・日・祝日、年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料
朝晩の通勤・通学時間に渋滞が起きている富士五湖よりお届けします。
本日はアクティブレンジャーの業務とは少し離れた話題をお届けします。
私が勤務をしている「富士五湖自然保護官事務所」は
富士北麓にある環境省「生物多様性センター」建物内にあります。
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生物多様性センター(H25年1月15日撮影)
生物多様性センターは日本国内の生物多様性の保全を推進し、
世界の生物多様性の保全に貢献するための中核的拠点として
平成10年に設立されました。
その業務の一環として、トキやイリオモテヤマネコなどの
希少野生動植物種をはじめ、様々な動植物標本を収集し、
標本収蔵庫に保存しています。
それらの標本は、館内展示スペースでの標本展示や
博物館などへの貸出し、調査研究等、
生物多様性の保全に役立てられています。
残念ながら標本収蔵庫は通常一般の方には
公開されておりませんが、昨年末、収蔵庫内を
見学する事ができましたので、その様子をお伝えします。
収蔵庫には約65,000点(うち57,000点は昆虫)の標本が
収蔵されています。
収集する際は、種や個体群の保全に悪影響を
及ぼすことがないよう、交通事故など不慮の事故で
死んでしまった動物を標本化したり、
既に標本化されているものを収集したりして
種の保全を第一に考えた収集を行っているそうです。
標本収蔵庫では大切な標本を守るため、
様々な仕掛けがあります。
その一つが害虫トラップで、
収蔵庫各所には害虫の侵入を防ぐための粘着式の
トラップが設置されています
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よく人間が引っ掛かるようです・・・。
また室内は急激な温湿度変化のないように
一定の範囲内に管理され、標本が傷まないように
してあるそうです。
何故かというと、温湿度の管理をきちんと行わないと
カビの発生や、害虫の大量発生が起きてしまう可能性
があるから、とのこと。なるほど!!
収蔵庫中には特定外来生物や
多様性を顕すような標本、そして希少生物種の標本等
が保存されています。
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左上:南米原産ヌートリア。大食漢の為農作物等への被害があり特定外来生物
右上:マイマイカブリ。同じ種でも地域によって大きさ等が違うんです!
左下:ジュゴンの骨格標本
右下:天然記念物のツシマヤマネコ
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こちらは人工飼育のために昭和56年に捕獲された
日本で最後の野生のトキ5羽のうちの1羽「キイロ」のはく製です。
とても貴重ですね。
上記のような標本は普段は見る事ができませんが、
生物多様性センターでは、展示スペースにて収蔵標本の一部を
見ることができるほか、年一回行われる「生物多様性まつり」では
収蔵庫ツアーが行われ、標本収蔵庫を一般公開しています。
これは貴重なチャンスですね!!
また、その他にも生物多様性についての展示室や映像シアター、
自然散策路などもございますので、富士五湖周辺へお越しの際は
ぜひ足を運んでみてください。
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左:一般公開されている触れるはく製
右:展示ロビーの様子
<生物多様性センター>
http://www.biodic.go.jp/center/tenji.html
開館時間:9:00~17:00
休館日:冬季期間(12月~4月)の土・日・祝日、年末年始(12/29~1/3)
入館料:無料
最近よく頭の中で『津軽海峡冬景色』が流れます。
常に周りに雪がある環境にいるせいでしょうか。
片品自然保護官事務所近辺では、14日の雪で40㎝程積もりました。
そんな真冬の時期に暖かい季節を思い出すべく、
シーズン中に撮影した写真をいくつかご紹介したいと思います。
まずはツマグロヒョウモン(♀)というチョウの仲間です。
(平成24年7月24日撮影)
このチョウはもともと温暖な地域に分布しており、
日本では1980年代まで近畿地方より西においてしか確認されていませんでした。
しかし、近年は地球温暖化などの影響により分布が北へ広がっていると言われています。
この写真は、標高1600mの尾瀬沼付近で撮影しましたが、
その後は1度も見かけませんでした。
つづいての写真は、ハッチョウトンボのメスです。
(平成24年7月26日撮影)
写真で見ても背景の色に紛れてよく分かりませんよね?
ハッチョウトンボというと赤いオスが有名ですが、メスはこのような色をしているのです。
体長2㎝程しかないハッチョウトンボが余計に見つけにくくなります。
(平成24年9月21日撮影)
木道から下を眺めているのはアカハライモリです。
池塘で泳いでいる姿はよく見かけますが、この時初めて木道の上で遭遇しました。
冬眠するための寝床を探して移動中でしょうか。
開山まであと4ヵ月ありますが、
今年も目を凝らして歩き回りますのでよろしくお願いいたします。