ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年12月

22件の記事があります。

2020年12月14日トキの威嚇行動

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

先日、冬期湛水している水田にコハクチョウとオオハクチョウがおりていました。トキの餌となる生きものが育まれる冬期湛水。ハクチョウなどの渡り鳥にとっても大切な餌場や休息場所になっているようです。

さて、ハクチョウの近くで餌を探すトキたちを観察していた際、トキ同士の小競り合いを目撃しました。

今回は、トキの威嚇行動について紹介します。

(※日頃観察している私なりの解釈であり、科学的に証明されているものではありません)

トキの小競り合いは、とまり木の取り合い(良い休息場所の確保)や餌場の取り合いをする時に見られます。餌場の取り合いと言っても、水のたまった同じわだちに一緒に頭を突っ込んで食べるような至近距離の時に生じることが多く、水田に広く散って餌を探しているときにはあまり起こりません。

この日、あぜに沿って餌を探しながら進んでいたトキ2羽が、ちょうど鉢合わせになるような状況で小競り合いは起こりました。

鉢合わせになった2羽のトキ。お互い頭を低くして相手の出方を見ているようです。

(左側のトキは今年9月に放鳥されたトキで、背中には、放鳥したトキの行動を調べるために装着されたGPS発信器が付いています)

2羽とも大きく鳴きながら威嚇を始めました。右側にいたトキが翼を下げて初列風切羽を広げています。初列風切羽は特に「とき色」が濃い部分ですが、これを見せつけることで何か意味があるのかもしれません。

数秒鳴き合った後、GPSの付いたトキが鳴きながら相手をつつこうとしています。

同じくGPSの付いたトキが、付近に落ちていた枯草(武器のつもり?)をくわえ、のっし!のっし!と大股で追いかけます。

相手のトキは退散しました。枯草をくわえているGPS付きのトキは追うのをやめ、何となく満足そうに見えます。

小競り合いの起こった水田は広く、追いやられたトキは数メートル離れた場所で再び落ち着いて餌を探し始めました。

小枝や枯草などを渡す行為は、トキの求愛行動としても知られています。


<お互いに枯草をくわえ合うトキのペア>

ですが、必ずしも枯草をくわえて相手に近付くことが求愛行動というわけではないようです。

トキの行動には様々なパターンがあり、私たちが理解しているのは、そのごく一部なのでしょう。

先入観にとらわれることなく、よく観察し、トキへの理解を深めていきたいと思いました。

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2020年12月11日【那須】 箱庭山岳は絶景の嵐 後編

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

前回は那須の最も基本的な登山ルート、

ロープウェイ山頂駅発の茶臼岳・朝日岳登頂 の、前半を紹介しました。

(ロープウェイ山頂駅 - 茶臼岳山頂 - 峰の茶屋避難小屋 - 恵比須大黒)

今回は、《 恵比須大黒 - 朝日岳山頂 - 峰の茶屋避難小屋

        - 無間地獄 - 牛ヶ首 - ロープウェイ山頂駅 》

の区間を紹介します。

※ 写真は様々な季節のものを使用しています。

峰の茶屋避難小屋から朝日岳山頂に向かう途中は岩場が多く、注意が必要です。鎖場もあって、慣れない人にはやや不安かもしれませんが、慌てずにゆっくり進めば大丈夫です。

両手が十分使えるように身支度し、足回りなど装備はきちんと調えてください。

いくつかの岩場を渡るとやがて「朝日の肩」に出ます。

朝日岳頂上はもうすぐです。

         【 朝日の肩から朝日岳を望む 】

◎ 朝日岳は見る場所によって様々に姿を変えます。

いよいよ朝日岳山頂。ここに立つと、

北は 那須連山を望み、

西は 裏那須の山々、

南から東に 那須野ヶ原が広がり、

そして南隣には、

        【 茶臼岳 那須の盟主です 】

左手には広大な那須野ヶ原が広がっています。

ここから茶臼岳を見ると、溶岩ドームであることがよく分かります。

さて朝日岳を後にして、峰の茶屋避難小屋に戻り、そこから再び茶臼岳周回線に入って茶臼岳を一周します。

          【 茶臼岳の西側はトラバース道 】

茶臼岳の西側はとても崩れやすく、大雨の後は登山道のどこか数カ所様子が変わってしまいます。細かなメンテナンスの必要な歩道ですが、多くのボランティアの方々のお力で支えられています。

そんな厳しい環境の中でも、ガンコウランやウラジロタデ、ミヤマニンジンなどが生育し、季節ごとに彩り豊かな装飾をしてくれます。

        【 ミヤマニンジン 9月中旬 】

岩場に白い花が咲き、同時に果実が赤く色づいて、とても目を引きます。

※那須も含めた日光地域ではシラネニンジンが有名だと思いますが、茶臼岳周辺には、シラネニンジンによく似たミヤマニンジンもあります。ミヤマニンジンは花の白と果実の赤のコントラストが特徴のようで、私はとても気に入っています。是非、逢いに来てください。

トラバース道を進んで行くと、何やら白い煙が上がっているのが見えてきます。1881年(明治14年)の小噴火で形成された無間火口から上がる噴気です。

           【 無間(むげん)地獄(無間(むげん)火口) 】

火口形成以来、耐えることなく噴気をあげていて、その後も降灰を伴う微噴火を繰り返しています。(1963年の微噴火以降は、噴火は観測されていません。)

無間地獄に近づくと、ゴー、ゴッゴーという音が聞こえてきます。強い硫黄の臭いもしてきます。まさに自分が活火山の上に身を置いていることを実感します。噴気は、茶臼岳のあちこちで見られます。

無間地獄を過ぎると、右手下に平らな所が広がっているのが見えてきます。姥ヶ(うばが)(だいら)です。ここは紅葉の名所として有名です。

           【 姥ヶ平 10月初旬 】

紅葉の時期には人の渋滞が発生します。ロープウェイの駐車場への道も渋滞しますので、ご注意ください。

姥ヶ坂の入り口を過ぎるとすぐに牛ヶ首に着きます。ここはミネザクラの群落のある日の出平への分岐になりますが、今回はそちらへは行かず、ロープウェイ山頂駅方向に向かいます。

やや起伏のあるトラバース道を進みます。左手には茶臼岳の溶岩ドームが様々な様相に変化し、右手には那須野ヶ原が次第に広がって見えてきます。

この道の途中で仰ぎ見る茶臼岳のドーム、この姿に私は畏怖の念を感じます。

山の、自然の経歴の前にあって、人の知識・経験の至らなさ感じる場です。

トラバース道はやがて茶臼岳山頂に向かう歩道に合流して周回路一周が終わります。ここからロープウェイ山頂駅に戻っておよそ半日の登山終了です。

どうでしょう。絶景でお腹いっぱいになりましたか?

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2020年12月10日【小笠原】マイマイの野生復帰!Reinforcement

小笠原国立公園 玉井徹

こんにちは。父島の玉井です。

11月末に、日本初!マイマイの野生復帰を行いました。

上の写真はまさに、マイマイのタマゴを移殖している様子です。

少し緊張気味ですね。

マイマイとは陸産貝類(カタツムリ)のことです。

小笠原のマイマイは島で独自の進化を遂げ、固有種はおよそ100種類にもなります。

しかし、残念なことに現在父島では、

ニューギニアヤリガタリクウズムシ(プラナリアの一種)の侵入により

固有のマイマイが絶滅の一途を辿っています。

一方で、その影響を受けていない周辺の無人島には細々と生き残っています。

巽島もそのひとつです。

【巽島】

ここには、チチジマカタマイマイとアナカタマイマイが現在も暮らしています。

しかし、ネズミ類の防除や、異常気象による環境の変化などの影響で

その数が減りつつあります。

そこで世界遺産センターで飼育しているマイマイを

いよいよ野外へ戻すステージへと進めてきました。

外来種の防除や、生息環境の予備調査などを入念に行い

まずは、新たな寄生虫を持ち込むリスクの少ないタマゴでの移殖が決定!

もちろん、戻す個体は巽島で保護した個体の子孫です。

しかしながら、この巽島という無人島は

海況や、天候のコンディションが良い日でなければ上陸が難しい島です。

今回も何度か渡島を断念し、1度は海岸に接岸したものの、

危険と判断し、出直しました。

【タマゴを背負い、】

【崖を登る(普通に危ない・・・)】

【冒険感あり】

【アナカタマイマイ移殖中!モニタリングできるようにして、本来の環境に近い状態で土に戻します。】

野生復帰とは、飼育下にいた動物が野生に戻ることで、いわば里帰りです。

国内ではコウノトリやトキの事例が有名ですね。

小笠原でもすでに、兄島でオガサワラハンミョウの野生復帰に取り組んでいます。

野生復帰にはいくつか種類があり、

すでに絶滅した場所に戻すことを"再導入"といい

まだ生き残っている場所に戻すことを"補強"と使い分けています。

いずれにしても、野生に戻される個体としては野生復帰になります。

巽島は、まだ野生の個体が生息しているので、今回の場合は"補強"となります。

2011年から域外保全を始め、ここまでおよそ10年の道のりです。

種の存続が目的ですが、そのためには生態系の保全、生息環境の維持が重要になり

これからも長い取り組みとなりそうです。

まずは、前例のない中で、一歩踏み出せた事は大きな前進だと思います。

玉井

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2020年12月10日日光パークボランティア(NPV)活動です!

日光国立公園 大森健男

皆様こんにちは!

 奥日光では雪道を歩く機会も多くなり、しっかりと防寒対策をしないとつらくなってきています。湯元温泉の湯気がとても愛おしく感じられる今日この頃です!!

 そんな寒い小雪の降る中、戦場ヶ原でパークボランティアの方々と環境省日光国立公園管理事務所の職員による資材運搬作業を実施しました。

 戦場ヶ原では昨年の台風により被災した木道の復旧工事を進めていますが、木道を解体した敷板材を再利用して、仮設歩道の「う回路」のぬかるみ対策に活用するものです。

 木道や歩道を小車・リアカーで、階段は背負子・肩や手など、ありとあらゆる方法で運搬作業を実施しました。         

       

  戦場ヶ原に現れた「ボッカ?」隊    林間学校の子供たちからはご苦労様の声が

                          木道敷板の解体材・・水分を含んで重いのもあり    マンパワーがすべて!

                   

  

   アクティブレンジャーも当然、主力?メンバー

「う回路」は通行止め区間の解消のため林間に作成された仮設歩道で、日光パークボランティア(NPV)の維持管理活動にお世話になっています。

 

          「迂回路ぬかるみ対策などの維持補修活動」

 日光パークボランティアは昭和60年(1985年)に設置され、主に奥日光を活動の場として現在58名が登録されています。
 国立公園でのゴミ拾いや看板拭きをする清掃活動、動植物の調査、自然ふれあい活動などを通して、魅力的な奥日光の自然を伝えるとともに訪れる方々が気持ちよく国立公園を利用出来るような活動を続けています。

  

 「開花調査活動」・・・旬の花・植物を調査し、ビジターセンター掲示板等に表示して日光の自然を紹介

   「外来植物除去作業」

   ・・暑い夏、オオハンゴンソウやメマツヨイグサなどの抜き取り作業

 これから奥日光は雪の季節で、スノーシューやクロスカントリースキーの利用者も多くなり、パークボランティアの活動は赤布付けや利用の指導などの「雪上パトロール」活動が中心となります。

 このように四季を通じて奥日光ではNPVが活動しています。

 パークボランティアを見かけたら、ぜひお気軽にお声かけください。奥日光が大好きな人たちばかりですので、いろいろな話しが聞けると思います。

 

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2020年12月09日富士山がある風景100選 in伊豆半島

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

一富士二鷹三茄子。元日の夜には枕の下に富士山の写真を忍ばせる齋田です。

今年は一富士から六座頭まで全ての写真を保存したスマートフォンを用意しましたが、掠りもしませんでした。

さて、初夢に現れると縁起が良いとされる富士山ですが、みなさんは「富士山がある風景100選」をご存じでしょうか?

「富士山がある風景100選」とは、日本のシンボルでもある富士山の魅力をみなさんにお伝えするため、環境省と周辺の都県・市町村が中心となり、富士箱根伊豆国立公園と周辺地域の代表的な富士山の展望地をと定めたものです。

富士山から遠く離れた下田管理官事務所が管轄する伊豆半島南部のエリアにも、なんと8地点の展望地が選定されています!

今回の日記では、そのうちの2地点の展望地から望むことができる美しい富士山をご紹介したいと思います。

この日記を読んで頂ければ、みなさんの初夢に富士山が現れること請け合いですね。

一つ目にご紹介するのは、静岡県松崎町の雲見海岸から望む富士山です。

【静岡県松崎町 雲見海岸から望む富士山】

夏には多くの海水浴客で賑わう雲見海岸ですが、冬のあいだは波の音だけが響く静かな浜辺です。

海に浮かぶ二つの大岩は雲見海岸を象徴する「牛着岩」。雲見地区に大きな被害をもたらしたとされる文化13年の大洪水の際に、家畜の牛が漂着して生きながらえたことが名前の由来と言われています(諸説あります)

牛着岩との共演は、構図として絵になるばかりか、その由縁を知ると大変縁起の良い一枚だと感じられます。

二つ目にご紹介するのは、静岡県西伊豆町の仁科峠から望む富士山です。

【静岡県西伊豆町 仁科峠から望む富士山】

黄金崎や駿河湾が一望できる、「伊豆で最も美しい峠」と呼び声が高い仁科峠。

展望所のすぐ隣には駐車場があり、アクセスが容易であるため、休日には多くのカメラマンで賑わいます。

また、全長約43kmからなる伊豆山稜線歩道のルート上に位置するため、多くのハイカーがその素晴らしい眺望に足を止めます。

天気の良い日には富士山を眺めながら遊歩道を歩いてみてはいかがでしょうか。

仁科峠を経由する伊豆山稜線歩道の紹介はこちら

伊豆半島の南部から望む富士山はいかがでしたか?

富士箱根伊豆国立公園の富士山地域や箱根地域から見られる雄大な富士山の美しさもさることながら、伊豆半島地域から海越しに眺める富士山もなかなかに趣がありますね。

さて、これで来年こそは富士山の初夢が見られることでしょう。夕飯には高菜と茄子を食べようと思います。

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2020年12月08日西口登山口から夜叉神峠へ

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1127日、夜叉神峠にニホンジカの食害状況確認に行ってきました。普段の夜叉神峠の巡視は夜叉神峠登山口(夜叉神ヒュッテ前)ですが、今回は夜叉神峠西口登山口から入山しました。

西口登山道の入口は山梨交通のバス停が設けられており、マイカー規制中は途中下車ができます。山頂まで約1時間。夜叉神峠登山口と同様、危険箇所は特にありませんが、マーキングが少なく、分岐など分かりづらい場所があります。歩き始めからトラバース道までの傾斜が若干きついですが、登山者が少ないため、静かな山歩きを楽しめます。山頂付近にはカラマツ林が広がっており、紅葉の時期はきっと綺麗なハズ!¨メインルートとは違う登山道で夜叉神峠に行ってみたい!¨という方におすすめです。

歩き始めて15分ほどで食害が多く見られるようになってきました。樹皮剥ぎや植物の先が食べられており、生育しているササの背はとても低い状況でした。

ニホンジカの簡単な痕跡調査として「糞がどれだけ落ちているか」を調べる方法があります。けもの道もよく見かけられますが、ニホンジカ以外の動物が利用している可能性もあり、利用しているかどうかの判断は難しくなります。

西口登山道は夜叉神峠登山口に比べて登山者が少ないためか、シカが警戒していないようで糞があちこちに落ちており、利用している場所が多いようでした。登山道上に糞が落ちている場所もあり、人間が利用する場所との区別が全くなく、気味が悪く感じました。

落ちている糞の色によって、排泄時間のおおよそを推定できます。排泄されてから時間が経つにつれて真緑色、茶色、黒と徐々に色が変化します。

写真左は乾燥しているため黒く、写真右は比較的新しいため水分を含んだ茶色っぽくなっていることから、排泄時間に差があることが分かります。山林内に落ちている糞ですが、よく見ると個体の生活が見えてくるので面白いです。(衛生的な問題もあるので、手にとっての観察はおすすめしません。)

この日の夜叉神峠からの景色は真っ白で何も見えず・・・。平日だったこともあり、登山者も2~3人程度でした。

20201127日撮影)

撮影日から約10日が経ちます。夜叉神峠から見る白峰三山は白くなっているのでしょうか。次回の巡視の楽しみにとっておこうと思います♪

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2020年12月07日【小笠原】 漁するカツオドリ

小笠原国立公園 小笠原 鈴木尚之

こんにちは、小笠原の鈴木です。

最近、肌寒さを感じる事がありますが、よく考えたら既に師走。半袖で生活していることがおかしいのかもしれません。

さて先日、母島へ出張してきました。母島へは「ははじま丸」に乗って往復4時間。

船酔いにおびえながら、帰りの船では1時間ほど船の周りを飛ぶカツオドリを眺めていました。

母島から出航すると次第に船の近くに集まってきて、気づけば周囲には10羽以上のカツオドリ。

カツオドリたちは船に寄り添って飛び、魚を見つけると海にダイブ!

大小さまざまな魚を捕まえていました。

<大きな魚を捕獲中>

<トビウオを捕まえた!>

大きい魚は無事飲み込めたのでしょうか?

失敗しても再チャレンジ!

次の機会のために船の前方まで飛んで戻っていきます。船より早く飛べるんですね。

参考までに、ははじま丸の航海速力は16.5ノット(時速30.5㎞)です。

カツオドリは船のすぐ近くを飛んで戻っていくため、かなり近くで見ることができました。

<少し見切れてしまったカツオドリ>

出航から1時間も経ち船の上から父島も母島も見える頃には、あんなにたくさんいたカツオドリも残るは3羽ほど。船の揺れが激しくなってきたので私も船内へ。

まだ魚を捕れていないであろうカツオドリたちは頑張って!

しかし、どことなく気の抜けた顔をしている気がするカツオドリですが、魚を捕る姿はカッコいい!嘘だと思う方はぜひ小笠原で実物を確認してみてください。

<新型コロナウイルス対策について>

来島にあたっての最新情報等は小笠原村のHPをご確認ください。

https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/

小笠原 鈴木

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2020年12月04日【お知らせ】モンベル諏訪店でアクティブ・レンジャー写真展開催中!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

本日より、長野県諏訪市にあるモンベル諏訪店で「環境省 アクティブ・レンジャー写真展」を開催しています。

★ 環境省 アクティブ・レンジャー写真展

開催場所:モンベル諏訪店 2階サロンスペース

     長野県諏訪市沖田町5-10 諏訪ステーションパーク

開催期間:令和2年12月4日(金)から25日(金)※25日は12時まで

◇ 営業時間や店舗情報につきましては、Webサイトをご覧ください。

⇒ https://store.montbell.jp/search/shopinfo/?shop_no=618854

関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園、14の国指定鳥獣保護区があります。このアクティブ・レンジャー写真展では関東地方環境事務所管内の自然の素晴らしさや大切さ、国立公園の魅力、環境省職員であるアクティブ・レンジャーによる自然環境保全や適正な利用促進の業務について紹介するため、平成22年度から開催しています。

 

写真のほかに、アクティブ・レンジャー含む、レンジャーが着用しているレンジャー服の展示や、南アルプスユネスコエコパークのパンフレットや南アルプスジオパークについてのパンフレットの配布を行っています。

また、モンベルクラブ会員の方はレジにてモンベルクラブカードをご提示いただくと、南アルプス国立公園オリジナルの焼き印コースターのプレゼントもあります!

南アルプス国立公園を象徴する『ライチョウ』、『キタダケソウ』、『ヤマトイワナ』、南アルプス国立公園50周年記念の際に作られた南アルプス国立公園のシンボルマークのイラストの4種類があります。コースターは南アルプス自然保護官事務所がある芦安地域で倒木などのため伐採されたリョウブやウリハダカエデ、コナラなどを使用しています。ひとつひとつ手作りなので、焼印の位置や濃さにばらつきがありますが、ご了承ください。(※パンフレットおよび焼印コースターともに、なくなり次第配布終了です。)

お近くに来られる際は、ぜひお立ち寄りください!

◆ ◇ ◆ モンベル諏訪店 入店時について ◆ ◇ ◆

コロナ対応のため注意点がございます。

・マスクを着用してください。

・手指を消毒してください。

・咳や発熱などの症状がある方はご入店をおやめください。

・できるだけ短時間でのお買い物をお願いします。

・状況により入店制限を行う場合があります。

※補助犬同伴での入店が可能です

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2020年12月04日紅葉の箱根路を歩く(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

芦ノ湖に、今年も水鳥が多く飛来し始めました。

11月初旬から、オオバンやキンクロハジロ、ホシハジロの群れが観察されています。

【芦ノ湖のキンクロハジロ】

そんな中、芦ノ湖周辺から400年の歴史がある杉並木をパークボランティアの皆さんと歩いてきました。

来年度の親しむ運動ハイキングコースガイド「紅葉の箱根路を歩く」実施に向けた自主研修です。

天候が良いと富士山と箱根神社の鳥居を一緒に撮影出来る芦ノ湖絶景ポイントを通過します。

【 富士山と箱根神社鳥居 】

今回のコースは、恩賜箱根公園から杉並木を通り、芦ノ湖湖畔からお玉ヶ池や二子山を眺めながら、石仏群と歴史館までゆっくりと歩くコースです。約5㎞を5時間程でゆっくり歩くので、ハイキング初心者の方たちには安心のコースです。今回お客様はいませんが、コロナ禍の中ですので、ガイドマイクやマスクの使用をしっかりと行って、研修を実施しました。

【 杉並木や箱根旧街道石畳を、ガイドを聞きながら歩きます 】

個人で回るのも楽しいですが、パークボランティアさんと一緒に歩くと、箱根の植物や歴史についての説明を詳しく聞くことが出来る面白さがあります。ハイキングの充実度が増し、箱根をより好きになっていただけることでしょう。

【 左:キッコウハグマ 右上:紅葉 右下:紅葉が写るお玉ヶ池水辺を歩くコース 】

今年は秋の雨が少なく、お玉ヶ池の水位が低かったので、水辺を半周歩くこともできました。水面に映りこんだ二子山の紅葉がとても美しかったです。道中では紅葉や、季節の花も観察することが出来ました。パークボランティアの皆さん、来年度に向けての自主研修をご一緒させていただきありがとうございました。

箱根は観光客が戻ってきていますが、新型コロナ感染症に油断は禁物です。日常の感染防止対策をしっかりと行うことで健康維持を心掛け、冬を迎えていきましょう。

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2020年12月03日ねぐら出一斉カウント調査

佐渡 菅野萌

皆さんこんにちは。

佐渡自然保護官事務所の菅野です。

佐渡の紅葉もピークを過ぎてきたようで、いよいよ冬が迫ってきていることを実感します。去年はそれほど多く雪は降りませんでしたが、今年はどうなるのでしょうか。

▲葉が散ってしまう前に、なんとか秋らしい写真が撮れました

さて、そんな中11月17日~20日に今年2回目の「トキのねぐら出一斉カウント調査」が行われました。

これは、ねぐらから飛び立つトキを一度に数える調査で す。ねぐらに集まるトキが最も多くなる9月と11月に、環境省が地域の活動団体の皆様と協力して行っています 。

この調査で得られた記録は、佐渡島内の野生下トキの個体数を推定するために使われます。

「一度に数える」とは言っても、野生下のトキは島内のあちこちに分散しており、ねぐらもたくさんあります。到底1日では調査できないので、島内を大きく3つのエリア(東側:両津・新穂・金井地区、西側:畑野・真野・佐和田・相川地区、南側:羽茂、赤泊地区)に分けて、計3日間(追加調査を行うこともあるので4日間になることも)で調査を行っています。

普段のモニタリングは環境省・新潟大学・地域のボランティアの方々からなるモニタリングチームで行っていますが、この調査を行うためには各ねぐらを観察する調査者が足りません。そこで「人・トキの共生の島づくり協議会」の構成団体やその関係者にも協力してもらい、今回は計39名で調査を行いました。

▲ねぐら出するトキ(この写真は別の時期に撮影したものです)

この調査の前にモニタリングチームではトキのねぐら探しを行います。

トキは毎日特定の場所でねぐらをとるのではなく、頻繁にねぐらの場所を変えます。そのため、急に新たなねぐらが出来たり、今までたくさんのトキが使っていたねぐらが使われなくなったりすることもあります。一斉カウント調査で正確にトキの個体数を数えるためには、事前にトキがねぐら出している場所を把握しておく必要があります。

使っているねぐらを見つけるには、過去にねぐらになっていた記録のある林や地域住民の目撃情報があった近辺の林を観察し、ねぐら出があるかどうかを確認します。

時には、エサ場におりているトキの羽数と、その周辺のねぐらから飛び立ったトキの羽数の違いもヒントになることがあります。

例えば、観察していた各ねぐらから飛び立ったトキが合計5羽だったのにもかかわらず、周辺のエサ場に10羽もトキがいたとしたら、その付近に別のねぐらがあるかもしれない!と考えるのです。

ちょっとした推理ゲームみたいですよね。

▲他の場所からねぐら出しているのかも!

もっとも、遠く離れた所からねぐら出したトキが飛んできて合流しただけとも考えられるので、その辺りは他の地点の記録なども参考にしながら判断します。

そんな事前調査を終えて迎えた調査当日。

トキは日が昇り始めると活動しだすので、調査者は日の出前に各ねぐら周辺にスタンバイします。最初は暗い車の中で一人ねぐら出を待つので寂しいのですが、辺りが明るくなり始めるとトキのねぐら出があちこちで始まり、「○○から20羽出ました!」「××から3羽!あっ・・・4羽!」などと無線が飛び交って賑やかになります。

ちなみに、私も調査日1日目と3日目はねぐらの付近でスタンバイして羽数を数える役割でしたが、残念ながら両日とも私が観察していたねぐらからはトキが出てきませんでした・・・・。

さて、今回の調査結果ですが、佐渡島内24か所のねぐらから合計388羽のねぐら出を確認することができました!現在、島内には野生下のトキが458羽生息していると推定されているので、8割程度の確認となりました。

次のねぐら出一斉カウント調査は来年の9月。

その頃には、野生下のトキはどのくらいの個体数になっているのでしょうか。

▲多くのトキがいる平野部からはずいぶんと離れた場所でねぐら出していたトキ

追加調査で確認したこのトキたちもきちんとカウント数に含めました

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