富士箱根伊豆国立公園 沼津
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2016年01月04日西伊豆の冬
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
2016年となりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
年末年始は各地で暖かい日が続きました。
事務所がある沼津も同様で、どうしても気候が「真冬!」という感じがしません。
それでも12月22日に西伊豆歩道を巡視した際には、やはり季節が変わっている事を感じました。
この日は、いくつかのコースに分かれている歩道のうち、大瀬崎と井田の2コースを確認してきました。
陽射しが出ていて良いお天気だったせいか、歩いているだけで汗だくになりました。
坂道を登っているならわかるのですが、平坦な道でも坂道を下っていても汗をかくのです。
「これは夏の富士山山頂の方が涼しいぞ・・・」と思いました。
そうは言っても、景色はさすがに夏のようには見えません。
やはり木々の葉は色づき、落ちて夏とは違った印象です。
(井田の煌めきの丘から)
残念ながら、富士山は雲の中でした。
歩きながら歩道脇を見れば、トベラの実が割れて赤々とした種の姿を見せてくれています。
そして、海際にある明神池には、寒くなってくると姿を見せるようになるオオバンの姿がありました。
一方で、明神池周りの歩道ではムラサキカタバミ(花期:夏)の姿が・・・。
やはり、伊豆半島は暖かいようです。
寒さはこれからが本番です。
日本各地の国立公園では、冬ならではの景色が広がることでしょう。
「その瞬間を逃さないぞ」と各地を訪れる方もいらっしゃるかと思います。
ぜひマナーを守り、楽しくお過ごし下さい。
2015年11月18日秋の黄色い花(城ヶ崎海岸)
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
各地で見られる紅葉が落葉し始め、富士山も時折白い姿を見せてくれるようになりました。
伊豆半島も標高の高い場所では紅葉が終わりに近づきつつあります。
標高の低い場所はというと、まだ秋を感じることができます。
11月18日、城ヶ崎海岸を巡視した際には紅葉の素晴らしさは見られませんでしたが、
歩道脇の足元には秋の花が咲いていました。
イソギク
ツワブキ
海岸線ならではの秋の花ですね。
群生している所もあるのですが、すでに花が終わりかけていて、
残念ながら壮観な様子は見られませんでした。
城ヶ崎海岸は、松林の景観だけではなく、熔岩が固まってできた海岸線の景観も有名な場所です。
天気が良い日には、海岸から伊豆大島や伊豆七島が見えますし、
すぐ目の前の海を覗くと浅瀬の海の底が見えるほど水がきれいで感動します。
これから寒くなる時期ですが、比較的暖かな伊豆半島は、お出かけにオススメです。
城ヶ崎海岸の門脇吊橋は観光地として知られていますが、平成27年11月4日~12月28日の間は、
ワイヤーの付け替え工事などのため渡ることができませんので、ご了承下さい。
工事に関するお問い合わせ先は下記となります。
伊東市建設部建設課(電話:0557-36-0111)
ご不便をおかけしますが、ご協力の程、よろしくお願い致します。
2015年10月21日秋の天城山(万二郎岳~万三郎岳)
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
10月20日、歩道の施設などを確認するため、万三郎岳線歩道を巡視しました。
伊豆半島の天城山系にある万二郎岳(ばんじろうだけ)万三郎岳(ばんざぶろうだけ)は、天城高原ゴルフ場近くの駐車場横に入口があります。
今回の巡視は、駐車場→万二郎岳→馬の背→石楠立(はなだて)→万三郎岳→シャクナゲコースで駐車場へ戻るルートで実施しました。
当日の天気予報は「晴れ」でしたが、巡視中は時折陽が射すものの、ほとんど雲に覆われた空となりました。
10月下旬の時期なので紅葉を期待していたのですが、少々遅かったようです。
(万二郎岳下の展望地より馬の背を望む)
それでもところどころで秋を感じられる風景や植物に出会いました。
(石楠立から万三郎岳へ向かう途中のブナ林)
(歩道脇に咲いていたエンシュウハグマ)
この他、歩道脇にリンドウ、沢の岩上にダイモンジソウも咲いていました。
これからは、木々の葉が落ちて眺望が良くなる場所もあります。
お天気の良い日には、富士山を見ることもできます。
今回のルートの所要時間は、5時間~6時間ほどです。
途中にトイレはありませんので、出発前に駐車場のトイレで済ませておくと良いでしょう。
また、傾斜が急な場所や岩がゴロゴロしているところもあります。
しっかりした装備を整えてお出かけ下さい。
2015年09月09日富士山の登山者カウンターとデータ回収
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
富士山の夏山シーズンが、間もなく終了となります。(静岡県側は9月10日、山梨県側は9月14日)
環境省では、富士山の開山期間中(静岡県側:7月10日~9月10日、山梨県側:7月1日~9月14日)の登山者数を把握するために、各登山道八合目付近に赤外線カウンターを設置しています。
(富士宮口八合目池田館脇に設置中のカウンター)
このカウンターは、赤外線センサーの前を人が通るとカウントされるものです。
もちろん、右から左、左から右へ行く人をカウントしますので、登山者と下山者それぞれの人数がわかります。
充電はソーラーパネルでおこない太陽電池に貯蓄されるので、曇りや雨の日でもきちんとカウントすることができます。
カウントされた数値は、赤外線センサー内に保存されるので、そのデータを回収するためアクティブレンジャーは定期的に富士山に登ります。
お天気の良い日は気持ち良く回収に向かえるのですが、悪天候の日はできれば登山を控えたいのが正直なところです。(あまりにもひどい天候の時は日を変えて回収に行きます)
実際、今回は9月1日に回収する予定でしたが、その日の富士山は普通に歩けない程の暴風雨だったため、9月3日に変更しました。
9月3日に回収した時は、朝からどんよりした空模様で、五合目に着いた時には富士山頂付近に笠雲が出始めていました。
登山道を登っている最中も、その笠雲は富士山頂から少しずつ標高を下げ、元祖七合目に到着した時には、自分が笠雲の中に入っていました。
(富士宮口元祖七合目付近にて)
笠雲の中はとにかく強風です。
時には、右から左から下から上からと風や雨が吹き付けてきて、立っているのがやっとという状況になります。
バランスを崩して転んでしまうこともあるので、強風・暴風の日は登山を控えていただきますようお願いいたします。
この日は、何とか耐えられる程度だったため、カウンターに保存されているデータを回収することができました。
そのデータは、9月11日に環境省関東地方環境事務所・富士箱根伊豆国立公園のホームページで公表となります。(7月1日~8月31日の登山者数)
関東地方環境事務所:http://kanto.env.go.jp/topics.html
富士箱根伊豆国立公園:http://www.env.go.jp/park/fujihakone/
<おまけ>
宝永火口周辺で、立派なフジアザミに出会いました。
富士山の登山道(御殿場口・須走口・吉田口は五合目~山頂、富士宮口は六合目~山頂)は閉鎖されますが、五合目までは行くことができます。(富士宮口は六合目まで)
これからどんどん寒さが厳しくなる富士山ですが、装備を整えて散策を楽しむのもオススメです。
2015年08月26日富士登山と自然を楽しむために
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
富士山の夏山登山シーズンも後半。
お盆を過ぎた途端、富士山は秋の気配が漂い始めました。
青空が広がり太陽の陽射しが照りつける富士山頂でも、風が冷たくなり、日陰にいると寒く感じるようになりました。
これから富士山登山を考えていらっしゃる方は、防寒対策をしっかりとしましょう。
●自然現象
8月24日(月)の早朝、御来光前から登山者の様子などを確認するために巡視をおこないました。
下の写真は、朝4:00過ぎの富士山富士宮口頂上の様子です。
(8月24日4:33 撮影:橋本)
濃い霧に覆われて、ヘッドライトもぼんやりしています。
実際に歩くと、数メートル先が霧で見えない状態です。
こんな状態でしたが、たくさんの人が御来光を見るためのポジションを求めて、山頂歩道上を行き来していました。
これでは御来光が見られないだろうと思いがちですが、この日は風が少し強く吹いていて、5時頃には眼下に雲海が広がるのを見ることができるようになりました。
そして御来光もこの通りです。
(8月24日5:11 撮影:橋本)
雲海から快晴の空に昇る太陽を確認した後、太陽に背中を向けると火口側には雲がかかっていました。
その雲の中に珍しい自然現象が発生していました。
(8月24日5:37 撮影:橋本)
ブロッケン現象と白虹(霧虹)です。
何度も富士山の巡視をおこなっていますが、ブロッケン現象と白虹に出会えることはなかなかないので、この日は貴重な体験ができました。
この日、富士山頂にいた人がみなこの現象を見たのかというと、そうではありません。
その時にいた場所、その時の体調、その時見ていた方向などによって変わってきます。
●装備・準備はしっかりと
富士山登山を楽しむためには、やはりきちんとした装備と準備が必要です。
富士山はもう秋です。
暖かい服装や装備を整えて行けば、寒さに震えながら待つことはありません。
また高所順応をする、きちんと睡眠を取る、水分補給はしっかりと、といった体調を整える準備をすれば、具合が悪くなる可能性を減らすことができます。
そして、同じグループで行動する時は、できるだけ一緒に行動する、離れそうな場合は連絡が取れるようにする、合流場所をきちんと決めておくなどの対策をして、全員が楽しく過ごせる富士登山になるよう心がけましょう。。
2015年08月13日富士山頂お鉢めぐり
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
富士山の夏山シーズンが始まり早ひと月半。いよいよお盆です。
お盆の時期は、仕事が休みとなる人が多いためか、富士山も普段より混雑します。
8月10日~11日に巡視を行った際に朝方の富士宮口登山道を確認したところ、写真のように光の列ができていました。(写真中、下の光が登山者の列。上は下界の街の灯り)
(8月11日4:09 撮影橋本)
そんな富士山の山頂には【お鉢めぐり】という1周約3kmの歩道があります。
1周すると、日本最高地点3776mの剣ヶ峰はもちろんのこと、世界文化遺産の構成資産に指定されている信仰遺跡を見ることができます。
下の地図は富士山頂お鉢めぐりを表示したものです。
(番号は下記にご紹介している名称の位置です)
①富士山本宮浅間大社奥宮
②金明水
この他にも③久須志神社や④銀明水などがあります。
日本一高い場所まで登ってきて、空気が薄い場所での移動は体力的になかなか厳しいものがありますが、お鉢めぐりを1周して世界文化遺産の構成資産をぜひともご覧いただきたいと思います。(くれぐれも無理はしないで下さい)
今年は猛暑と言われています。
富士山も昼間は少し暑く感じられることがありますが、早朝や夕方はかなり寒くなります。
8月11日早朝に山頂を巡視した私の格好は、フリースを着てさらに防寒着を着用し、冬用の暖かい帽子をかぶりネックウォーマーという出で立ちでした。
御来光をご覧になる方は、水分補給とともに暖かい服装は必須です。
きちんと準備をして富士山登山に望みましょう。
2015年07月06日富士山頂の状況(7月2日現在)
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
いよいよ富士山の夏山シーズンが始まりました。
とは言え、現在山頂まで行けるのは山梨県側の吉田口のみで、静岡県側の登山道(富士宮口・御殿場口・須走口)は7月10日(金)にそれぞれ山頂まで開通する予定です。
併せて、山頂公衆トイレの供用開始と山頂を1周するお鉢めぐり歩道の全線開通も7月10日(金)の予定です。
それまでは、標識や施設の準備が整っていないので、登山道・歩道は通行止めとなっていますこと、ご了承下さい。
富士山頂を1周する お鉢めぐりに残雪はないので、7月10日(金)に開通を予定しています。
(天候等によって変更となる場合があります)
各施設の開始日や供用期間については、下記の【2015年【地残シーズン(5合目~山頂)(予定)】をご確認下さい。
http://fujisan-climb.jp/basic/season.html
現在は吉田須走口頂上の山小屋両脇で通行止めとなっています。
お鉢めぐり歩道への通行止めロープ:久須志神社脇
お鉢めぐり歩道への通行止めロープ:剣ヶ峰方面
この日は御殿場口下山道を下りましたが、七合五勺付近で雲が晴れてきました。
やはり下界が見えると嬉しいものです。
御殿場口新五合目付近ではシモツケソウがたくさん咲いていました。
シモツケソウ
富士山夏山登山シーズンはこれからです。
安全に楽しくマナーを守って登山をしましょう。
2015年05月15日まぼろしの滝
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
5月14日、雪解けの時期(5月初旬から6月初旬)に現れる、富士山須走口の「まぼろしの滝」を確認してきました。
前日までは台風(静岡県を通過する時は温帯低気圧に変わりましたが)の影響で、須走口五合目付近でも強風が吹いていたそうですが、この日は至って穏やかな良い天気で、まぼろしの滝の見学者が後から後からやってくるような状況でした。
まぼろしの滝は「不浄沢」に現れる滝で、駐車場から西側へ歩いて20分ほどかかります。
道のりは、駐車場からすぐの森林帯の中で少々登りますが、あとはほぼ横移動です。
歩道脇に張ってあるロープに沿って歩いて行けば迷うことはないでしょう。
さて、これまでもまぼろしの滝への歩道状態等を確認するため、毎年巡視を実施してきましたが、いつもタイミングが合わず、滝を見ることができませんでした。
しかし今年は沢筋にまだ雪が残っていましたが、水の流れを見ることができました。
(歩道突き当たりから見える滝の様子。赤丸が滝です)
滝を左手に見ながら岩場を登っていくと、まさに流れ始めたばかりという部分に出会いました。
流れ始めたばかりの水を上から見てみると、素晴らしい景色が広がっていました。
昨年よりも残雪が少ないように見られる富士山ですが、写真からもわかるように沢筋など残雪が深い部分や思わぬ所に雪が残っていることもあります。
また、岩場は足元が不安定ですし、水が流れる部分は岩が削られて滑りやすくなっています。
「五合目周辺なら大丈夫」と思わずに、登山靴の着用など最低限の準備をしてお出かけ下さい。
また、今回の巡視で拾ったゴミは、タバコの吸い殻6本と飴の袋2つと、とても少ないものでした。
日頃からゴミ拾いを行って下さる地元の方がいらっしゃることもあると思いますが、これからもゴミの持ち帰りのご協力について、よろしくお願い致します。
2015年04月30日不法投棄、させない・されない・許さない!
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
6月の環境月間に向けて、静岡県では4月20日に富士山麓不法投棄防止ネットワーク推進会議が開かれ、各関係機関が集まり、昨年度の状況報告や今年度の予定等を話あいました。
環境省も関東地方環境事務所と沼津自然保護官事務所から職員が協議会に参加しました。
静岡県のまとめによると、昨年度中の不法投棄発見数は増加しましたが、新たな不法投棄数は減少しており、これは不法投棄防止・撲滅活動の効果の現れではないかと思います。
・発見数の増加=パトロールや通報が強化されている。
・不法投棄数の減少=不法投棄する人が少なくなった。
確かに、普段国立公園内の施設を巡視している時や、不法投棄防止パトロールに参加している時に見つける投棄物は、かなり古い物が多いですし、投棄された物を撤去してきれいにした場所にはロープを張るなど対策をとっているため、再び投棄されることは少なくなったと感じます。
(平成26年12月5日の合同パトロール中に発見した不法投棄物:古い冷蔵庫など)
※後日、関係機関が回収してきれいになりました。
今年も6月の環境月間(6月5日は環境の日)中に合同パトロールがあるので、環境省からも参加して見回る予定です。
その時には、新しい投棄物はもちろん、古い投棄物の発見が更に少なくなることを願います。
静岡県では【不法投棄、させない・されない・許さない】を掲げて、様々な対策や啓発活動を実施しています。
(啓発活動のひとつ)
アクティブ・レンジャーは、主に国立公園内の施設を巡視しますが、その際にも不法投棄されたゴミを拾い、ゴミ袋がいっぱいになることがあります。
環境月間には防止活動・啓発活動が強化されますが、日頃の1人1人のマナーや行いで不法投棄は無くすことができるものです。
静岡県に限らずどこの場所でも同じですが、ゴミや不要な物は不法に投棄するのではなく、適正に処理をしていただきますようお願いいたします。
1月17~18日の荒天、みなさん大事なかったでしょうか。
事務所がある沼津市は、17日夜から雨が降り始め、18日の通勤時間帯は強い雨となっていました。
沼津市内は雨模様でしたが、それほど遠くない三島市の山麓や御殿場市などでは雪が降り積もっていたようです。
そして伊豆半島中央部に位置する天城山でも積雪があったかと思いますが、実際のところどのくらい積もったかはわかりません。(19日のお天気が良かったので、だいぶ解けた可能性があります)
先週14日に巡視した際には、とても良い景色に出逢えました。
(万二郎岳下から)
海の向こうに房総半島が見えています。(写真の下から3分の2あたり)
なかなかここまで見られるお天気に恵まれないので、とても運が良かったです。
しかし、やはり季節は冬。
歩道にうっすらと雪がかぶっているところがありました。
(万三郎岳線歩道 1月14日9:30撮影)
この時は良い天気が続いていたので、なぜこのような状態なのか不思議でしたが、降水量の多い天城山は、下界の天気が良くても山は雲の中ということが多いので、納得できる気もします。
しかし今(1月20日現在)はもっと真っ白ではないかと思います。
こちらは2011年2月4日に撮影した天城山中にある【アセビのトンネル】の様子です。
伊豆半島でも山に入るとこんな風に雪が積もります。
最低でも軽アイゼンは必要です。
「こんなに積もっているとは思わなかった」は通用しません。
「万が一」まで考慮して、きちんとした冬装備でお出かけ下さい。