富士箱根伊豆国立公園 沼津
231件の記事があります。
2015年02月12日富士山ガイダンスが開催されました。
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
2月10日(火)、新宿御苑にて【富士山ガイダンス2015】(主催:富士山における適正利用推進協議会)が開催されました。
<プログラム>
・富士山における火山対策について
①火山としての富士山と噴火時の留意点(気象庁火山噴火予知連絡会会長 藤井俊嗣氏)
②富士山火山防災対策の検討状況(山梨県・静岡県)
・富士登山における安全対策等について
①富士山における救護・救助の実態(静岡県警)
②最近の登山者の状況(山梨県富士山レンジャー)
③「富士山における安全確保のためのガイドライン」について(静岡県・山梨県)
・平成27年の登山シーズンへの対応について
①平成27年夏の開山期間、マイカー規制(山梨県)
②「富士山保全協力金」の平成27年夏の実施(山梨県)
③国立公園におけるルールとマナー(環境省)
参加者は40名ほどで、主にツアーを企画する旅行会社の方でした。
最初のプログラムは『火山対策』です。
(気象庁火山噴火予知連絡会会長 藤井氏)
昨年9月27日に御嶽山の噴火があったこと、富士山でも様々な話が出ていることから、みなさんの表情は真剣そのもの。私も興味深く拝聴しました。
噴火に関しては、行政や地元でも様々な対策が検討されているところですが、万が一の時には「噴火場所と風向きを見極めて避難すること」ということでした。
次の『安全対策』では、それぞれ「事前準備(装備や知識・計画)」「体調管理」「心構え」をしっかりとして、「何かあっても冷静に対処できるようにして富士登山に望むことが大切」といったお話しをいただきました。
(山梨県富士山レンジャー)
これは、私も富士山の巡視をしていて常に感じていたことで、楽しく安全に富士登山をするために、何度でもお伝えしたいことのひとつです。
そして『平成27年の登山シーズンへの対応について』は、開山期間やマイカー規制・富士山保全協力金のここ、国立公園におけるルールとマナーのお話しでした。
(環境省 房村自然保護官)
来年度の情報については、これから決定していくことなので、富士登山を計画されている方は、富士登山オフィシャルサイトを随時ご確認いただきますようお願い致します。
また、富士山は富士箱根伊豆国立公園内にあり、様々な規制等によって自然環境が守られています。
富士登山の際にも、「動植物の採取禁止」「溶岩や石の持ち出し禁止」など、自然公園法で禁じられていることやルールがあります。
こちらも合わせてご確認をお願い致します。
<富士登山オフィシャルサイト>
2015年02月04日伊豆の山でも要冬装備!
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
暦の上では初春の2月となりましたが、寒さはまだまだ続きそうですね。
伊豆半島は他の地域よりも降雪の少ない場所ですが、山沿いではしっかり積もることがあります。
下の写真は、日本百名山のひとつである万三郎岳(ばんざぶろうだけ)を巡視した際に撮影したものです。
(2010年2月4日撮影)
着任したばかりで伊豆半島は暖かい地域という認識でいたため、「こんなに積もるのか!?」とても驚きました。
降雪時に風が強かったのか、樹氷(じゅひょう)を見ることもできました。
(別名:海老の尻尾)
眺望の良い場所から下界を見ると、"すぐそこ"に見える所にまったく雪がないのも不思議な感じでした。
(下田市方面)
このように、伊豆半島の山でも雪が積もり、場所によっては凍って滑りやすいところもあります。
「暖かい地域、それほど高くない山」と思わず、どんな状況にも対応できる装備を整えて登山にいらして下さい。
2015年01月14日シンポジウム「ジオパークでつながる人と地域」を開催しました。
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
1月10日(土)、沼津市にある静岡県総合コンベンション施設【プラザ・ヴェルデ】にて、
シンポジウム「ジオパークでつながる人と地域」~伊豆半島、箱根、伊豆大島ジオパークと富士箱根伊豆国立公園の連携を考える~(主催:環境省関東地方環境事務所、伊豆半島ジオパーク推進協議会)
が開催されました。
来場者はおよそ200名。
会場の入口では、午前中から伊豆半島ジオパークの会員団体などがポスター発表を行い、あちらこちらで解説する人・解説を聞く人で賑わっていました。
(写真:ポスター発表の様子)
午後は基調講演から始まり、静岡大学の小山真人教授が「火山がつくった富士箱根伊豆の大地」、
公益財団自然保護助成基金の目代(もくだい)邦康主任研究員が「国立公園とジオパークの連携した保全活用の推進」で、講演して下さいました。
お2人のお話を聞いて、富士箱根伊豆国立公園は様々な自然に恵まれていることを改めて実感しました。
続いて下田自然保護官事務所の浜自然保護官による「自然公園法制度と富士箱根伊豆国立公園の概要」発表と、伊豆半島ジオパーク推進協議会(吉川事務局長補佐)の「世界ジオパークネットワークへの加盟申請の概要と今後の見込み」の発表がありました。
(写真:発表する浜自然保護官)
最後のパネルディスカッションでは「連携」をテーマに意見交換が行われました。
(写真:パネルディスカッションの様子)
楽しく利用しながらジオについて知り、様々な人と連携してどのように守っていくか、それぞれの立場からの意見交換はとても参考になりました。
シンポジウムで学んだことを念頭に、今後の巡視活動などに役立てていこうと思います。
2015年01月08日1月10日 シンポジウム「ジオパークでつながる人と地域」が開催されます
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
新年あけましておめでとうございます。
今年も皆様に国立公園の魅力など現場からお伝えしてきたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
今週末に開催されますシンポジウムについてのご案内です。
下記内容でシンポジウムが行われますので、ご興味のある方は是非ご参加下さい。
******************************************************************************
伊豆半島は、昭和30年に富士箱根伊豆国立公園の一部として指定され、来年(平成27年)は指定60周年という節目の年にあたります。また、伊豆半島は近年ジオパークの取り組みが盛んになっており、平成24年には日本ジオパークに認定され、来年は世界ジオパークネットワーク加盟に向けた様々な活動が予定されています。
伊豆半島のすばらしい自然環境の保全と利用をますます推進していくために、国立公園と伊豆半島ジオパークの連携の方向について、地域住民と行政との連携、周辺ジオパークとの連携により生まれる力とは何か、「連携」をテーマとしたシンポジウムを平成27年1月10日(土)に静岡県沼津市で開催します。
******************************************************************************
1. 名 称
シンポジウム「ジオパークでつながる人と地域」
~伊豆半島、箱根、伊豆大島ジオパークと富士箱根伊豆国立公園の連携を考える~
2. 日 時
平成27年1月10日(土)
午前10時30分~午後4時00分(予定)
3. 場 所
静岡県沼津市大手町一丁目1番4号
ふじのくに千本松フォーラム(プラザ ヴェルデ)
4. 主 催
環境省関東地方環境事務所(担当:下田自然保護官事務所)
伊豆半島ジオパーク推進協議会
5. 後 援
静岡県(申請中)
箱根ジオパーク推進協議会
伊豆大島ジオパーク推進委員会
6. 概 要
こちらをご覧ください。
7. 参加費
無料(一般参加歓迎)
8. 申込先
伊豆半島ジオパークのHP(http://izugeopark.org/)から専用お申し込みフォームへアクセス頂くか、またはFAX(044-965-0032)から事前の申し込みをお願いしております。※当日参加もできますが、会場準備のためなるべく事前申し込みをお願い致します。
9. 本シンポジウムの内容に関する問合せ先
伊豆半島ジオパーク推進協議会事務局 TEL: 0557-32-1784
環境省下田自然保護官事務所(担当:浜) TEL: 0558-22-9533
2014年12月10日不法投棄防止統一パトロール
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
12月5日(金)、不法投棄撲滅月間の取組みのひとつである不法投棄パトロールが実施されました。
富士山麓周辺の市町ごとに実施されるパトロールの中、沼津自然保護官事務所は沼津市のパトロールに参加しました。
パトロールするのは、人通りや車通りが少なく人の目につきにくい投棄されやすい場所です。
今回パトロールしたのは写真のような山の中の道路沿いでした。
赤丸の中には大きめの冷蔵庫の本体やドアが散らばっています。
別の場所には家庭ゴミ(ペットボトル・漂白剤の容器・洗面器など)が捨てられていました。
これらの投棄物は、沼津市が回収・処理することになりました。
このような場所の近くには、得てして良い眺めの場所があるものです。
(淡島・沼津市街・愛鷹山・雲の中には富士山)
「良い眺めなのに足元にはゴミがあるなんて悲しいな」とは、一緒にパトロールした方の言葉です。
まったくその通りだと思いました。
普段から地元の方や関係機関がパトロールを行っており、投棄物発見件数は減少傾向にありますが、不法投棄は後を絶ちません。
環境や景観の保全のためにも、不法投棄をせず適切な処理をしていただけますようお願い致します。
2014年11月26日天城の瞳
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
11月19日、旧天城峠と八丁池を結ぶ上り御幸(のぼりぎょうこう)線歩道を巡視した際の八丁池は、そよ風程度の風のおかげで水面がぴんと張り、まさに「瞳」のように空を映し出していました。
(八丁池:2014年11月19日撮影)
写真にも写っているように、池の周りの木々の葉が落ちて紅葉は終わっていましたが、風に揺れる木の葉の音が少なくなり、静けさが辺りを包んでいました。
これから冬を迎えると、雪に覆われたり水面に氷が張ったりして、また違った印象となる八丁池。
年間を通して訪れることができる場所ですが、人が訪れるとやはり景観やゴミの問題が発生します。
19日の巡視の際に拾ったゴミは、紅葉シーズン前よりも多く、少々残念な気持ちになりました。
どんな場所を訪れても同じですが、ゴミはきちんと持ち帰り、次に訪れる人が気持ち良く過ごせるよう心がけていただけると嬉しいです。
秋も終盤となりあまり花の姿が見られなかった今回の巡視ですが、下山中にキッコウハグマと出会いました。
足元に咲く小さな植物のためにも、マナーを守って自然の中で過ごしましょう。
<おまけ>
天城山中の紅葉は終わり間近ですが、沼津事務所の目の前にある香貫山(かぬきやま)は、紅葉シーズン真っ盛りです。
(11月26日撮影)
10月29日のアクティブレンジャー日記の写真と比べると一目瞭然です。
2014年11月14日植生保全活動
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
前日実施の予定が雨で延期となり、この日も朝からどんよりしたお天気で実施が危ぶまれましたが、お天気が回復する見込みだったので実施となりました。
実施場所は田貫湖の南西の端、休暇村富士の建物やダイヤモンド富士が見られる展望デッキの前です。
この場所では時期が来るとアサマフウロなどの植物が見られますが、放っておくと鬱蒼となってしまうため、定期的に下草刈りの作業が行われています。
(作業開始直後の様子)
草刈り機を動かしながらも、草の中からポイ捨てゴミを拾ったり、地面の上の小石が飛び散らないように気をつけたり、残しておかなければならない植物を刈らないようにしたり・・・様々なことに気を遣っています。
機械での作業が終わると、今度は手作業で刈った草を運び出します。
そして草を運び出した後の様子がこちらです。
湖畔を歩く方々からもきれいになった様子が好評でした。
ただ、この作業は見た目がきれいになることが目的ではなく、この場所の植生を保全するためであることを忘れてはいけません。
そんな下草刈り作業の中、注意を払って守られたリンドウがいました。
今回の作業中に出てきたゴミは空き缶1本でした。
田貫湖畔を利用する方々と地元の方々のご協力があってこそのゴミの数だと思います。
これからも環境保全のためにご協力をお願い致します。
2014年10月29日天城山の紅葉
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
そんな時期ですが、沼津事務所の目の前にある香貫山(かぬきやま)は、まだ木の葉がうっすらと色づき始めたばかりです。
(香貫山:静岡県沼津市内)
沼津市は伊豆半島付け根の海沿いにある海抜数mの場所なので、これから色づき始めるところですが、伊豆半島の中程にある天城山はすっかり紅葉シーズンを迎えていました。
(2014年10月24日撮影)
上の写真は、万二郎岳(ばんじろうだけ)と万三郎岳(ばんざぶろうだけ)の間にある石楠立(はなたて)付近の紅葉です。(標高1,300m前後のところです)
万三郎岳の西側、万三郎岳下分岐付近にはブナ林が広がっています。
(2014年10月24日撮影)
ちょうど見頃を迎えていました。
今年の天城山の紅葉は、少々寂しい気もしますが、自然の中で季節の移り変わりを感じられるのは嬉しいものです。
あと少しの時期、紅葉を楽しめると思いますので、ぜひ装備を整えてお出かけ下さい。
2014年10月15日国立公園・野生生物フォトコレクション開催中!
富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子
<国立公園・野生生物フォトコレクションとは>
関東地方環境事務所管内で活動するアクティブ・レンジャー(11地区16人)が、業務中に撮影した国立公園内の風景や野生動物などを写真で紹介するものです。
<開催について>
場所:田貫湖ふれあい自然塾(住所:静岡県富士宮市佐折633-14)
期間:平成26年10月8日(水)~10月29日(水)
時間:9:30~16:30(田貫湖ふれあい自然塾の開館時間)
※入館は無料です。
※開催中の休館日は10月20日(月)と27日(月)となります。ご注意下さい。
(田貫湖ふれあい自然塾自然体験ハウス内の様子)
田貫湖ふれあい自然塾では、専門のスタッフが案内する様々な自然体験プログラム(無料・有料)により、自然について遊びながら学ぶことができます。
屋内には自然の知識を得られる資料が多くありますし、屋外には「冒険の森」と呼ばれるアスレチックなどもあります。もちろん歩道を歩きながら森林浴を楽しむこともできます。
そんな田貫湖ふれあい自然塾の1階の展示会場には、16人のアクティブ・レンジャーが撮影した写真3枚ずつ、合計48枚が展示されています。
アンケートもありますので、ご協力をよろしくお願い致します。
(写真展示の様子)
田貫湖ふれあい自然塾の隣にある田貫湖畔には、1周約3kmの遊歩道が整備されています。
晴れた日には、ちょっと足をのばして雄大な富士山を眺めながら自然豊かな湖畔を散策するのもオススメです。
下の写真は、冬場に田貫湖畔の歩道を巡視した際、北側にある駐車場から少し坂道を登ったところにある「たぬき展望台」から田貫湖と富士山を撮影したものです。(写真展に展示していませんが、眺望が良くオススメの撮影スポットです)
もう少ししたら、こんなふうに雪を被った富士山が見られますね。
少しずつ暖かくなり、遠くまではっきり見えていた景色が霞む季節になりました。
沼津事務所から見える富士山や箱根の山々も、以前よりぼんやりとして見える日が多くなりました。
この時期になると、少し気になり始めるのが『ダイヤモンド富士』です。
富士山の西麓にある田貫湖では、年に2回(4月20日前後と8月20日前後)、富士山頂中心から太陽が昇るタイミングがあります。
もちろん毎日自分が湖畔を移動すれば、中心から昇るタイミングは何度か得られますが、お天気が悪くて見られなかったり、すでに多くの人がいてベストポイントにたどり着けなかったりしてなかなか難しいものです。
それでも、毎年多くの人が見に訪れる田貫湖からのダイヤモンド富士。
昨年撮影に行った際には、中心から少し右にずれてしまっていました。
(2014年4月25日撮影)
多くの方が写真に収めるダイヤモンド富士ですが、中には写真を撮らずに見ている方もいらっしゃいます。
私もカメラを手にするとついついシャッターを押すことに一生懸命になってしまうので、時にはただじっと「見る」ことに集中することがあってもいいなと思います。
この時期は、たくさんの方が訪れることから、良い撮影場所を確保するための行動が見られますが、マナーを守ってお互いに迷惑とならない行動を心がけていただけますようお願いいたします。