ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 沼津

231件の記事があります。

2012年06月20日ヘビとの遭遇

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

担当地域内で巡視を行っていると、シカ・ニホンカモシカ・イタチ・イノシシなど様々な動物に出会います。
たいていはこちらの姿を確認すると、立ち止まって様子をうかがったり、身を翻して逃げていきます。
先日、伊豆山稜線歩道を巡視した際には、歩道にいたシカの親子が私に気づき、しばらく様子をうかがった後、去って行きました。


歩道にいたシカの親子

このような大きな動物や、すぐに逃げていく動物は、こちらもすぐに気がつくのであまり驚くことはありません。
しかし、そうではないものもいます。それはヘビです。
このところ巡視でヘビとの遭遇率が高いため、周囲に気を配りながら歩いているのですが、ほとんどの場合、「急に目の前にいる」状態なので非常に驚きます。
ヘビにとっては、「人が近づいてくる」という危機に直面しているからじっとしているわけですが。
そんなじっとしているヘビを、遠巻きに撮影しました。


模様からするとマムシでしょうか。

撮影し始めたら、尻尾の方を震わせながら音を出して威嚇してきたので、すぐに静かにヘビから離れました。

ヘビはこちらが近づきすぎたり攻撃したりしなければ、ほとんどの場合攻撃してくることはないと言います。
できるだけこちらが先にヘビの存在に気がつくようにし、もしヘビに遭遇したら何もせずに遠巻きにその場を立ち去りましょう。

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2012年06月06日伊豆山稜線歩道からの眺め

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島の西側の山稜線には、『伊豆山稜線歩道』が整備されています。
この歩道は、伊豆半島北西に位置する戸田峠からまっすぐ南下して仁科峠を経由し、伊豆半島中央部にある天城峠を越えて天城山系の山稜線を通って天城高原まで繋がっています。
この間にはいくつもの展望地があり、様々な方向の眺めを楽しむことができます。
以前のアクティブ・レンジャー日記で、戸田峠から達磨山周辺の眺望をご紹介しましたので、今回は仁科峠や宇久須峠付近の眺望をご紹介します。
巡視を行った日は曇り空でしたが、曇り空ならではの景色が見られました。


仁科峠付近にて
山稜線に続く歩道と、右手の富士山から左方向に駿河湾沿いの山々、その奥に南アルプスがうっすらと見えています。


宇久須峠の北側にて
仁科峠方面へ続く歩道が見えます。


宇久須峠北側にて
歩道の東側には、今いる歩道が続いている天城連山があります。
曇り空の割には遠くまで見渡せて、運が良かった日でした。

伊豆半島山稜線歩道は、距離も長くアップダウンのあるコースです。また公共交通機関もありませんので、きちんと準備をしてお越し下さい。

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2012年05月25日毛無山

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

毛無山(けなしやま)は、富士山の西側、静岡県と山梨県の県境に位置する標高1945.5mの山です。
雲のない日の山頂からは、朝霧高原から大沢崩れ、富士山頂までを見ることができます。
先日、登山道調査を行った際には、頭上は晴れているのに富士山方面に雲がかかってしまい、毛無山山頂からは富士山を見ることができませんでした。
しかし、毛無山付近の山稜線の歩道を調査している時に少し雲が薄くなり、ちょっと幻想的な雰囲気の富士山を見られました。


(タカデッキ付近にて)

この日の目的である登山道調査は、大きな荒れもなく良好な状態であることが確認できました。
そんな登山道脇には小さな花が咲いていました。

左:ミヤマカタバミ 右:バイカオウレン

毛無山は、麓という地区から山頂を往復するのが一般的な日帰りルートですが、
他にも山梨県側からの登山道や、本栖湖から天子ヶ岳まで縦走できるルートなどいくつかあります。
また、比較的傾斜がきつい登山道ですので、しっかりと計画を立て、
きちんとした装備でお出かけ下さい。

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2012年05月09日富士宮口五合目

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

4月27日に、富士山スカイラインの二合目から五合目までの冬季閉鎖が解除されました。
先日、五合目の状況と五合目より上の残雪状況を確認してきました。


道路は除雪されて雪はありませんでしたが、
登山道入口は写真のようにまだまだ雪に覆われていました。
また、下の写真は山頂付近を撮影したものですが、
この時期にしては雪が多いように思われます。

富士山の登山道は現在通行止めとなっていますので、
無理な登山はなさらないようにお願い致します。

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2012年04月25日今週末、富士山スカイラインが開通します。

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

間もなくゴールデンウィークです。
お出かけの計画を立てている方もいらっしゃることと思います。

富士山では今週末、富士宮口・御殿場口・須走口の各五合目までの道路の冬季閉鎖が解除されます。
ただし、富士宮口五合目まで続く富士山スカイラインは、凍結の恐れがあるため、夜間(午後5:30~午前7:30)通行止めとなります。
詳細については、静岡県のホームページにてご確認下さい。
http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-000/topics/mt_fuji_road.html

また、富士宮口では、今月19日に雪崩が発生し落石防護柵などの施設が損傷しているため、一部区間の通行が規制されます。ご了承下さい。


西伊豆スカイラインより(2012年4月12日撮影)

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2012年04月17日春の訪れ

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

4月も半ばを迎え、事務所がある沼津はずいぶん暖かくなってきました。
しかし、先日巡視を行った天城峠から仁科峠の稜線は、まだまだ寒々しい装いでした。

(天城山三蓋山付近にて)

それでも春は確かにやってきています。
歩道を歩きながら、オニシバリやアセビの花を見ることができました。
また、立ち止まってよく見ると、小さな花も咲いていました。

(ハナネコノメ)

(左:ムカゴネコノメ、右:イワボタン)
イワボタンは別名ミヤマネコノメソウとも言います。
ムカゴネコノメとイワボタンは、これから花が開いていくようですね。
これからどんどん暖かくなり緑が増えていくことを考えると、なんだか嬉しくなってきます。

暖かくなればハイキングや登山を考える方もいらっしゃると思いますが、訪れる先に適した準備・装備を整えて、楽しく過ごしていただきたいと思います。

<注意>
現在、伊豆山稜線歩道の天城峠から西へ向かう歩道では、昨年の台風等により歩道が一部崩れており、通行止めとなっております。ご了承下さい。

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2012年03月28日一碧湖

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

一碧湖は、伊豆半島東側の伊東市にある湖で、『伊豆の瞳』とも呼ばれています。
湖の周囲は約4kmあり、遊歩道が整備されています。

一碧湖湖畔より

巡視を行った日はとても穏やかな天候で、遊歩道を散策する人、釣りをする人などがのんびりと一碧湖での時間を楽しんでいました。
遊歩道は、大きなアップダウンがなく、比較的歩きやすくなっています。また、休憩施設(テーブルやベンチ)も整備されているので、その場でゆっくりと静けさを楽しむこともできます。

遊歩道の様子

遊歩道を歩けば、四季折々、様々な植物を見ることができますし、湖畔の一角には一碧湖神社や与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑などもあります。

これから春に向かって緑も増え、ゆっくり散策するには良い季節となります。
伊豆半島にお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

<注意>
一碧湖をはじめとする伊東市周辺では「タイワンリス」を見かけることがあります。
「タイワンリス」は外来種として『特定外来生物』に指定されている動物で、樹皮や農作物の食害や小鳥の卵や雛を食べてしまうなど、様々な被害が報告されています。
見た目がとてもかわいい「タイワンリス」ですが、餌付けはしないようお願い致します。

ツバキの花をかじるタイワンリス

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2012年03月15日城ヶ崎海岸の奇岩

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島東側にある城ヶ崎海岸は、約4000年前に大室山が噴火して流れ出た溶岩と海の浸食作用により造られた、入り組んだ海岸線が特徴的な場所となっています。
その海岸線に整備された遊歩道を歩いていると、柱状節理やポットホールなどを見ることができます。


(左)柱状節理 (右)ポットホール

他にもプールのようになった潮溜まりや、日蓮聖人が置き去りにされたと言われる俎岩などがありますが、その中の一つにゾウの姿に見える岩があります。


先日、城ヶ崎海岸の巡視を行った際に、この岩が崩れているのを発見しました。



以前から少しずつ崩れていて、いつかなくなってしまうのではないかと思っていましたが、こんなに早く崩れるとは思っていませんでした。
これも自然の流れだとわかっていても、やはり寂しいものです。
この岩は崩れてしまいましたが、他の場所については大きな変化は見られませんでした。

自然研究路は約6kmと少々長い遊歩道ですが、奇岩だけでなく様々な植物を見ることもできますので、ぜひ足を運んでみて下さい。

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2012年02月24日富士山の日

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

 昨日、2月23日は「富士山の日」でした。
 2001年に山梨県富士河口湖町(当時は河口湖町)が先駆けて2月23日を「富士山の日」とする条例を制定し、その後、2009年に静岡県が、2011年に山梨県が制定しました。
 この「富士山の日」には、各地で様々なイベントが開かれます。
 その目的は「富士山について学び、考え、想いを寄せ、富士山憲章の理念に基づき、後世に引き継ぐことを期する」ことです。

 ※<富士山憲章>
  1.富士山の自然を学び、親しみ、豊かな恵みに感謝しよう。
  1.富士山の美しい自然を大切に守り、豊かな文化を育もう。
  1.富士山の自然環境への負荷を減らし、人との共生を図ろう。
  1.富士山の環境保全のために、一人ひとりが積極的に行動しよう。
  1.富士山の自然、景観、歴史・文化を後世に末長く継承しよう。

 今年は天気に恵まれず雨に降られた1日となり、中止になってしまったイベントもあるようですが、「富士山の日」だけではなく、日頃から富士山についての理解や関心を持っていただけると、富士山で活動をするアクティブ・レンジャーとして嬉しい限りです。


田貫湖から見た富士山

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2012年02月08日雪上の足跡と氷が張った八丁池

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

先日、およそ10cm~20cm程度の積雪の中、天城峠から八丁池を結ぶ『上り御幸線歩道』の巡視を、天城自然ガイドクラブの方達と行いました。
豪雪地域と比べればはるかに少ない積雪ですが、安全のため軽アイゼンを装着しました。
雪の中を巡視すると、雪上に残る足跡から様々な動物がいることを実感できます。


ウサギ(左上)、ヤマドリ(右上)、タヌキ(左下)、右下はムササビでしょうか?
他にもシカやテンとみられる小動物の足跡も見られました。
そんな動物たちの足跡や植物の様子、歩道上の標識や状況を確認しながら歩き展望台にたどり着くと、眼下には氷が張った八丁池が見えました。


富士山はちょうど雲の中に隠れていました。
池まで下りていくと、氷の上の雪は10cm程であることがわかりました。


昔は、多くの人がこの氷の上でスケートを楽しんでいたと、一緒にパトロールした天城自然ガイドクラブの方が教えてくれました。
この日は、この雪景色を見に家族連れや女性グループが八丁池を訪れていました。
積雪時の登山は滑ったり転倒しやすく、また通常よりも時間がかかりますので、きちんとした装備やコースタイムを考えて登山するようにして下さい。

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