ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 沼津

231件の記事があります。

2011年03月02日冬の上り御幸歩道

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

「上り御幸歩道」は、天城峠から八丁池を結ぶ歩道で、昭和5年(1930年)に昭和天皇がここを歩いて八丁池まで行かれたことからこの名前が付いたと言うことです。

ブナやヒメシャラなどの木々の間を行くこの時期の歩道は、ほとんどの木々が葉を落としているので、夏と冬では違う印象の景色となります。


上の写真は、同じ場所の8月と2月の写真です。
今回巡視をした時には木々の葉が落ちていたため、木から木へ飛び移るシジュウカラの姿をしっかり見ることができました。

シジュウカラ

上り御幸歩道を登りきった所にある八丁池は「天城の瞳」と言われ、とても景色の良い場所なのですが、巡視を行った2月25日の八丁池周辺は強風と霧のため、景色を見ることはできませんでした。
そんな天気でしたが、八丁池ではハイキングに来ていた数人が休憩していました。
夏でも冬でも、山の天気は平地と違いますし変わりやすいので、しっかりとした装備でお出かけ下さい。

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2011年02月09日西伊豆歩道

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島西側の海岸近くには「西伊豆歩道」があります。
北は大瀬崎から南は堂ヶ島まで10コース(大瀬崎・井田・戸田舟山・小土肥・通り崎・丸山・廻り崎・今山・燈明ヶ崎・堂ヶ島)に分かれており、それぞれに特色があります。
沼津自然保護官事務所の担当区域は大瀬崎から廻り崎までの7コースです。

先日、通り崎・丸山・廻り崎コースの巡視を行いましたが、その中の廻り崎コースをご紹介します。
伊豆市小下田地区と小峰地区間を歩くこのコースの大部分は、国立公園の第2種特別地域内に位置します。
コースの途中には小さな港や観光地としても知られる恋人岬があります。また、駿河湾をはさんで富士山が見えたり、海岸に迫る急斜面をウバメガシが覆う様子が見られたりと、バラエティに富んでいるコースです。


港の様子。

海岸沿いの斜面を覆うウバメガシ。

遠くには富士山が見えます。

廻り崎コースの距離は約3㎞、所要時間は1時間10分から15分ほどです。(西伊豆歩道パンフレットより)
多少の起伏がありますが、自然を楽しみながらゆっくりと歩ける歩道の1つです。

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2011年01月26日城ヶ崎海岸の松枯れ防止対策

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

城ヶ崎海岸は、大室山溶岩流によって形成された溶岩海岸と松林が見事な景勝地で、たくさんの人が訪れる場所です。
しかし、昭和40年代からマツノザイセンチュウ病による松枯れの被害が確認されるようになり、松枯れ防止のために薬剤散布などの対策が行われてきました。松への薬剤注入も対策の1つで、城ヶ崎海岸では「城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会」が10年前から毎年冬に行っています。
今年も1月15日16日の早朝6:30から、松の樹幹に薬剤を注入する作業が行われました。
樹幹注入作業を冬に行うのは、マツノザイセンチュウが侵入する前(春~夏)に、松全体に薬剤が行き渡るようにするためです。(マツノザイセンチュウはカミキリムシの体に付いて移動し、カミキリムシが松の幹を食べた場所から松に侵入します。)薬剤が松の木全体に行き渡っていれば、たとえマツノザイセンチュウが侵入してきても、樹木内で増殖するのを抑えることができるのです。また、早朝から作業をするのは、蒸散が盛んになる前に注入すると、薬剤を吸いやすくなるからです。
このような条件があるので、まだ薄暗くて寒い中、みなさん続々と集合場所にやってきます。そしてグループに分かれて作業にとりかかります。
私は昨年も参加したのですが、昨年以上にみなさんの手際が良く、次から次へと薬剤の取り付けを終わらせていきます。

この作業をするために、会の方々が数日前から松周りの下草刈りをしたり、樹木医の先生が薬剤を吸いやすい部分に印を付けるといった作業をしていたとのこと。みなさん、本当に熱い想いで城ヶ崎海岸の自然を守ろうとされているのです。
薬剤を取り付けた後は、数時間様子を見ることになるのですが、その間も薬剤の吸い具合を確認したり、吸い終わったものがあったら、吸いが良くない部分から薬剤を移したりと、やることはたくさんあります。そして最後に、薬剤を外して専用の殺菌剤と粘土で穴埋めの作業をします。

このようになっているのを見かけたら、それは樹幹注入を受けた松です。

今回は、83本の松に樹幹注入を行いました。
この活動は、城ヶ崎海岸の松を守るために今後も続けられていくそうです。

城ヶ崎海岸の松

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2011年01月12日田貫湖に氷が張りました。

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

昨年末から寒い日が続いていましたが、1月10日、田貫湖へ行ってみると湖面に氷が張っていました。


(2011年1月10日11:15撮影)
氷は気温が上がるにつれて溶け始めていましたが、湖の南側を中心に張っていて、富士山をうっすらと映している場所もありました。

(2011年1月10日11:50撮影)
このような状態だったので、キンクロハジロなどの水鳥は氷が張っていない場所に集まって過ごしていました。
写真を撮りに来ていた地元の方から、「このように氷が張るのは久しぶり。昔はスケートができるくらい厚い氷が張ったんだけどね」と、環境の変化を感じるお話しを聞くことができました。寒いとは言っても、昔ほどの寒さではないのでしょう。

この日、水鳥は湖の中程にいましたが、田貫湖をぐるりと囲む歩道の巡視中には、他の鳥たちの声がひっきりなしに聞こえてきます。今回は1羽のジョウビタキがすぐ近くまでやってきました。

(ジョウビタキの雌)

この日は3連休の最終日で、たくさんの人が田貫湖やふれあい自然塾などを訪れて、自然を楽しんでいました。
まだ寒さは続くと思いますが、冬になるとやってくる渡り鳥や雪をかぶった富士山など、この季節だからこその田貫湖をぜひ見に行ってみて下さい。
※湖畔の歩道の一部分で工事が行われていますので、通る際には足元等にお気を付け下さい。

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2010年12月21日アクティブレンジャー写真展

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

平成22年12月18日(土)より、田貫湖ふれあい自然塾にて「国立公園・野生生物フォトコレクション~関東アクティブレンジャー写真展~」を開催しています。
関東地方には、日光・尾瀬・秩父多摩甲斐・南アルプス・富士箱根伊豆・小笠原の6つの国立公園と、小佐渡東部・佐潟・福島潟・瓢湖・谷津・鳥島・西之島・小笠原群島の8つの国指定鳥獣保護区があります。
写真展では、これらの場所で活動するアクティブレンジャー15人が、パトロールなどの業務中に撮影した風景や動植物を展示しています。


田貫湖ふれあい自然塾は、年末年始も開館してプログラムなど実施していますので、近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。

写真展の期間:平成22年12月18日(土)~平成23年1月10日(月)
       ※今後の写真展開催中の休館日は12月27日(月)です。

田貫湖ふれあい自然塾の開館時間:9:30~16:30

田貫湖ふれあい自然塾HP:http://www.tanuki-ko.gr.jp/

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2010年12月08日不法投棄防止統一パトロール

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

12月3日(金)、県が中心となって行っている「不法投棄防止統一パトロール」に参加してきました。
静岡県は12月が「不法投棄撲滅月間」となっており、いつも以上に啓発活動やパトロールに力を入れています。
この日は県内各地の陸・海・空から不法投棄の監視・発見のためにパトロールが行われました。その中で、私たちのグループは沼津市街から愛鷹山方面のパトロールをしました。
不法投棄される場所というのは、たいてい車道脇の草むらや斜面なので、そういった場所を重点的に見て回ります。

投棄されたタイヤを発見しました。
車道脇の側溝には、大量のペットボトルが袋に入った状態で捨てられていました。



別の場所では、バラバラになった箪笥らしきものや椅子、冷蔵庫などを発見しました。中には、市が指定するゴミ袋に入れた上で投棄されている一般家庭ゴミもありました。
これらの不法投棄物は、後日、市が中心となって回収し適切に処理されます。
多くの人が日々このような活動を行っていますが、不法投棄は後を絶ちません。
環境省でも多くの方々の協力のもと、様々な取組みを行っています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.env.go.jp/recycle/ill_dum/index.html(環境省不法投棄等対策関連のページ)

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2010年11月24日冬鳥がやってきました。

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

先日、田貫湖ふれあい自然塾の早朝調査に参加してきました。
すっかり秋の装いとなった田貫湖の朝は、非常に寒かったです。

霜がおりた笹の葉

それでも、体に日射しが当たるとポカポカしてきて、太陽の力の偉大さを感じずにはいられませんでした。
そんな暖かい日射しが降り注ぐ田貫湖には、冬鳥がやってきていました。


手前:ホシハジロ(オス)、奥:オオバン

オオバン

この他にキンクロハジロなども確認できました。
これからもっとたくさんの鳥たちが田貫湖やその周辺にやってきます。
しっかりと寒さ対策をして、冬だからこそ見られる鳥たちを見に行ってみるのはいかがでしょうか?

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2010年11月11日東海自然歩道

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

東海自然歩道とは、東京の高尾国定公園と大阪の箕面国定公園を結ぶ全長1697.2㎞の自然歩道で、コース上には豊かな自然はもちろん、歴史を伝える文化財や名所も多くあります。
沼津自然保護官事務所では、その内の天子ヶ岳(田貫湖の南西に位置する山)から割石峠(静岡県と山梨県の県境)間のパトロール等を行っています。
この区間の特徴と言えば、「富士山の眺望の良さ」です。


(2010年1月、根原より撮影)

お天気が良いと、このように富士山とその裾に広がる朝霧高原を見渡すことができます。
また、コースの途中には、上流から流れてくる水と溶岩層の隙間から湧き出す水が滝となっている「陣馬の滝」があります。

陣馬の滝

このコースは、天子ヶ岳・長者ヶ岳と割石峠近くを除いては比較的平坦なコースですが、歩く際はしっかりとした装備を心がけて下さい。

<おまけ>

静岡県と山梨県の県境「端足峠(はしたとうげ)」からの富士山。
※東海自然歩道からはずれ、竜ヶ岳へ向かう途中にある峠です。

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2010年10月27日子どもパークレンジャー大瀬崎

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

10月24日(日)、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域の大瀬崎で、子どもパークレンジャーを開催しました。

<プログラム内容>
・活動1:大瀬崎の海の中の生き物を観察しよう!(体験ダイビング)
・活動2:大瀬崎の海岸の植物や生き物を観察しよう!(ネイチャービンゴ)
・活動3:大瀬崎の海岸をきれいにしよう!(清掃活動)

朝から雲が空を覆うお天気でしたが、風もなく波の状態も良い中での体験ダイビングとなりました。
足が届く深さで行ったダイビングですが、陸上からは見ることのできない海の中には、たくさんの魚がいたようで、ダイビングを終えてきた子たちは「きれいな魚がいた!」と、とても楽しかった様子でした。


インストラクターさんとマンツーマンで体験ダイビング!

さて、海の中でのプログラムの後は、陸上でのプログラムです。
今回は、「ネイチャービンゴ」を準備しました。
ビンゴ表には大瀬崎で見られる植物や昆虫の写真があり、実物を探して観察しながらビンゴを作っていくというものです。


池の中にいるのはなんだろう?

そして最後は清掃活動です。
海岸に下りて、15分ほどゴミ拾いをしたのですが、あっという間にたくさんのゴミが集められました。
ほとんどが海から流れ着いたものでした。流木や板きれに混ざって、ペットボトルなど家庭ゴミもたくさんありました。


たくさんのゴミも、みんなで拾うとあっという間です。

集めたゴミの中には海外からのものもあり、みんなビックリすると同時に、「ゴミをなくしたい」「動物や植物を守りたい」といった気持ちを強くしていたようでした。
環境省では各地の国立公園で、子どもパークレンジャーを開催していますので、ぜひ参加してみて下さい!

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2010年10月20日富士山地域のオフロード車等乗入れ防止パトロール

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

先日、富士山山麓(静岡県側)のオフロード車等乗入れ防止パトロールに参加しました。
このパトロールは、静岡県をはじめ各行政や地元の有志の方々が、富士山麓の樹木や貴重な植物の保護、自然地形の改変等を防ぐために行っているものです。
対象となるのは、自動車・バイク・自転車等ですが、今回はそういったものの乗入れやその痕跡は見られませんでした。
しかし、一緒にパトロールをした自然公園指導員や富士山エコレンジャーの方達の話しによると、「まだまだ乗入れ規制地区に入ってくる車輌は後を絶たない」ということなので、今後もパトロールは続けていかなければなりません。


車輌の乗入れによって傷つけられた木は、成長してもこのような状態です。

一見して岩がごろごろしている砂地ですが、この中にも多くの植物が生息しています。
自然環境を守るためにも、車輌乗入れ規制地区での走行はしないで下さい。

富士山地域の公園計画図については、下記のアドレスをご参照下さい。
http://www.env.go.jp/park/fujihakone/intro/files/area_1.pdf

2010年10月中旬の富士山と紅葉。

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