ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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小笠原国立公園

133件の記事があります。

2018年07月26日こどもパークレンジャー in母島『島の虫を描クンジャー!』開催

小笠原国立公園 和田慎一郎

ニュースでは連日の記録的猛暑が取り上げられていますね。

亜熱帯の小笠原ですが、爽やかな海風のおかげでこの時期は

むしろ内地より過ごしやすいかもしれません。とはいえ、

強力な日差しの下での作業は熱中症に要注意。

島の人たちは毎日のように海で泳いで対策しています!

そんな夏の盛りの715日、

母島で「こどもパークレンジャー」を開催しました。

テーマは「虫さがし」!

貴重な固有生物の宝庫である小笠原ですが、外来種の影響で数が減っていたり、

厳重に保護されていたりと、様々な理由で気軽に虫取りができない環境です。

そうはいっても島の将来を担う子どもたちには、

できるだけ島の自然と触れ合う機会をつくってあげたいところ。

そこで今回は子どもたちをパークレンジャーに任命し、虫調査に参加してもらいました!

場所は母島の新夕日ヶ丘自然再生区。

ここでは外来種のグリーンアノールの侵入を防ぐ柵をつくり、

グリーンアノールの低密度状態を維持しています。

そのため母島の中でもたくさんの虫が生息している場所です。そんな新夕日ヶ丘にて、

実際の昆虫調査でも採用されているビーティング法やスイーピング法で虫を捕まえて観察しました!

虫、いっぱい落ちてきたかな?

朽木の中に幼虫を発見!

よく観察してスケッチ。気づいたことはどんどん書いてみよう!

調査では15名のこどもパークレンジャーがたくさんの虫を発見。

クワガタの幼虫にも脚が6本あった!

ゾウムシはすぐに死んだふりして落ちちゃう!

クモには目が8つもある!

似ている種類がいるけど、脚の模様がちがう!

虫メガネでよ~く観察してみると色々な発見があったようです。

観察してスケッチして、気づいたことは野帳にメモ。

イベントの終わりには、それぞれイチオシの虫を発表してもらいました!

「環境省こどもパークレンジャー in母島」は全3回の開催予定。

次回は虫たちの住処やエサとなる「島の森づくり」をテーマに、

自然再生区内で固有植物の植樹を体験してもらいます。

次回も、集まれ!こどもパークレンジャー!

イベントの様子は8月中に下記HPに掲載予定です。是非ご覧ください。

https://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/

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2018年07月02日小笠原 アクティブ・レンジャー写真展開催!!

小笠原国立公園 荻野裕太

こんにちは、小笠原自然保護官事務所の荻野です。

6月26日に小笠原諸島が日本復帰50周年を迎え、

一昨日30日には小笠原村主催の返還記念式典祝賀パレードが開催され、

小笠原は祝賀ムードに包まれています。


さて、今年度もアクティブ・レンジャー写真展を開催します!

私たち、関東管内で活動するアクティブ・レンジャー(自然保護官補佐)

総勢19名が各地域の選りすぐり写真を小笠原世界遺産センターで展示します!

各国立公園の豊かな自然や動植物をご観覧ください。

また、写真展以外にも夏休みにはクイズラリー&観察スケッチなど特別企画が盛りだくさんです!

ぜひ、来島された際は小笠原世界遺産センターへお越しください。

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2018年06月07日50周年

小笠原国立公園 田谷以生

みなさん、こんにちは。小笠原自然保護官事務所の田谷です。

本州は梅雨入りしたようですね。

小笠原では村の花、ムニンヒメツバキが咲き始め、ボニンブルーの海の透明度も増してとっても良い季節です。

上)ムニンヒメツバキ 下)父島境浦海岸

6月と言えば梅雨、ジューンブライド、祝日がない月、などなど。

皆さんにとって6月はどんな印象でしょうか?

小笠原では6月と言えば返還祭!

626日に小笠原諸島は返還50周年を迎えます。

太平洋戦争中は全島民が強制疎開させられ、激しい戦渦に巻き込まれました。

終戦後はアメリカの統治下におかれ、23年後の1968626日に日本に復帰しました。

毎年626日は父島で返還祭が開催されますが、今年は50周年という大きな節目を迎えるということで、記念式典や祝賀パレード、母島での記念セレモニーも行われます。

屋台の出店、太鼓やフラ、南洋踊り、カヌーレースの練習など島では各々がイベントに向け準備に忙しそうで、活気に湧いています。

昨年のアウトリガ―カヌーレース出場の様子

返還祭に先がけテレビや新聞の取材の方が多く来島しています。

普段はなじみが薄いかもしれませんが、6月下旬から7月にかけて「小笠原」を目にする機会が増えるかと思います。皆さん注目してみてください。

2018年は1年を通じて例年よりもパワーアップしたイベントが盛りだくさんです。

世界遺産センターでも、観光や島民の皆さんに楽しんでいただけるようなイベントを企画中です。

ぜひ小笠原へ、世界遺産センターに遊びにいらして下さい。

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2018年06月01日小笠原諸島・兄島のカタツムリを救う!

小笠原国立公園 玉井徹

こんにちは!

はじめまして、小笠原自然保護官事務所・新任アクティブレンジャーの玉井です。

今回は小笠原諸島・兄島でのカタツムリを守る対策についてご紹介します。現在小笠原では、"独自の生態系""固有種"を守るために、さまざまな外来種駆除の取り組みが行われています。なかでも兄島では、固有のカタツムリを捕食しているクマネズミの駆除活動が進められています。

〉上 ネズミに補食されたカタマイマイ

〉下 兄島固有のクチベニカタマイマイ

〉兄島。奥に父島が見える。

兄島は父島の北、約500mの海峡をはさんだところに位置しています。無人島で、世界的にも珍しい乾性低木林が広がっており、今でも原生の自然が残っています。また、兄島固有のカタツムリも多く生息しています。

クマネズミの駆除を行うため、兄島へは、父島の宮之浜というビーチから出発します。宮之浜は、町からもアクセスがよく、海の底はほとんどがサンゴで人気のあるビーチです。ここから兄島へ向かうわけですが・・・このときからすでにカタツムリ保全の取り組みは始まっています!靴底についた泥の中にはプラナリアが潜んでいる可能性があります。このプラナリアは、カタツムリを捕食し、絶滅へと追いやってしまいます。そのため、兄島にプラナリアを持ち込まないために、履物はすべて泥を落としてきれいな状態にします。さらに、お酢のスプレーを使って死滅させます。また、リュックや衣服についていないかもチェックします。これでようやく乗船です。

船に揺られること約10分。さっそく、兄島のビーチに着きました。ここから険しい道のりを歩荷します。

〉海抜0mからの急な登り、安全には十分注意します。

設置予定エリアに到着、作業開始です。

この日の作業はベイトステーションの設置です。

〉とにかく暑いです!日差しが非常に強く、5月でも汗が滝のように流れます。水分・栄養補給は欠かせません。

〉ベイトステーション。両端に入り口があり、ネズミがそこから入って、中の殺鼠剤を摂食するという仕組みとなっています。

作業は事前に決めておいたルート上にベイトステーションを設置していきます。もちろん、整備された道ではないので、作業中、足下には十分注意します。なぜなら、何気ないところでも落ち葉の下には固有のカタツムリがたくさん生息しているからです。作業によって、カタツムリへの影響を及ぼすことのないように気を配ります。この日は約80個のベイトステーションを設置し作業が終わりました。今後は殺鼠剤の補充や痕跡の確認、調査などが始まります。

このように、兄島にプラナリアを持ち込まないことや、ネズミを駆除することで、固有のカタツムリの保全に取り組んでいます。小笠原諸島は世界自然遺産であるとともに、人が自然を守る最前線であることを知ってもらえたらと思っています。

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2018年02月21日おがにゃんDAY開催しました

小笠原国立公園 田谷以生

2月2日といえば。。。

ニャンニャンの日ですね。

ネコを飼っている方も多いのではないでしょうか。

ネコは昔から人間と共に暮らしてきた、とても身近で愛されている動物です。

しかし、野外では優秀なハンターとして困った問題も引き起こしてしまいます。

日本だけでなく世界的にも、野生化したネコによって希少な生き物が絶滅の危機にさらされています。

小笠原でも、固有の生き物を守るため、ノネコの対策をしています。

山域に生息するノネコを捕獲したり、海鳥やアカガシラカラスバトの繁殖地に

ノネコが入らないように柵で囲んだり、飼い猫の適正飼養を呼びかけるなど

様々な対策が行われています。

そんな小笠原のネコ対策について一般島民の方々にもっと知ってもらうために

イベントを開催しました。題して おがにゃんDAY 2018!!

イベント当日はパネル展示の他、実際に使用している捕獲カゴなども展示しました。

島民の方のペットたちのベストショットが集まりました。

子どもたちはお絵かきコーナーで思い思いのネコを描いてくれました。

ネコ対策について動画でご紹介。ネコ捕獲隊によるスペシャル解説中。


動物対処室の獣医師による室内飼養の解説も実施しました。

当日は平日にも関わらず、150名以上の方にご来館いただきました。

ペットの飼い主さんや子どもたちでとても賑やかでした。

写真展や一部のパネルは現在も展示中です。

今後も楽しいイベントをどんどん開催したいと思いますので、

ぜひ小笠原世界遺産センターに遊びに来てください。

小笠原のネコに関心のある方は是非ホームページ「小笠原ネコプロジェクト!」をご覧ください。

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2018年02月05日おがにゃんDAY開催しました

小笠原国立公園 管理者(TEST用ID)

2月2日といえば。。。

ニャンニャンの日ですね。

ネコを飼っている方も多いのではないでしょうか。

ネコは昔から人間と共に暮らしてきた、とても身近で愛されている動物です。

しかし、野外では優秀なハンターとして困った問題も引き起こしてしまいます。

日本だけでなく世界的にも、野生化したネコによって希少な生き物が絶滅の危機にさらされています。

小笠原でも、固有の生き物を守るため、ノネコの対策をしています。

山域に生息するノネコを捕獲したり、海鳥やアカガシラカラスバトの繁殖地に

ノネコが入らないように柵で囲んだり、飼い猫の適正飼養を呼びかけるなど

様々な対策が行われています。

そんな小笠原のネコ対策について一般島民の方々にもっと知ってもらうために

イベントを開催しました。題して おがにゃんDAY 2018!!

イベント当日はパネル展示の他、実際に使用している捕獲カゴなども展示しました。

島民の方のペットたちのベストショットが集まりました。

子どもたちはお絵かきコーナーで思い思いのネコを描いてくれました。

ネコ対策について動画でご紹介。ネコ捕獲隊によるスペシャル解説中。


動物対処室の獣医師による室内飼養の解説も実施しました。

当日は平日にも関わらず、150名以上の方にご来館いただきました。

ペットの飼い主さんや子どもたちでとても賑やかでした。

写真展や一部のパネルは現在も展示中です。

今後も楽しいイベントをどんどん開催したいと思いますので、

ぜひ小笠原世界遺産センターに遊びに来てください。

小笠原のネコに関心のある方は是非ホームページ「小笠原ネコプロジェクト!」をご覧ください。

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2018年01月26日オガサワラグワがシンボルの森を目指して

小笠原国立公園 古田貴士

こんにちは。小笠原の古田です。

先週の20日、小笠原村主催のイベント「オガグワの森(仮称)の地図づくり」に

スタッフとして参加しました。

オガグワとは小笠原固有種オガサワラグワの略称です。

オガサワラグワは、戦前に有用な材として伐採されたため、めっきり少なくなってしまいました。

環境省のレッドリスト2017で最も絶滅の危機にある、絶滅危惧ⅠA類に分類されています。

このイベントは、返還50周年を記念した小笠原村事業の一環です。

村民の方々が小笠原の自然を身近に感じることのできるよう、

住民参加・協働の森として父島の村有林を整備しています。

オガサワラグワは、この森のシンボルとして今年11月に植栽される予定です。

当日のイベントの流れです。

最初に、オガサワラグワの説明がありました。(中央に写る苗木がオガサワラグワです)

次に、村民のみなさんに林内を歩いてもらう中で、

どういう森にしていきたいかを考えてもらいました。

その後、A0サイズの地図に付箋で色々アイディアを張り付けていき、発表しました。

滑り台、ツリーハウス、炭焼き・ピザ窯、案内解説版、休憩用のベンチを作りたい、

今生えている果樹を有効利用したい等といった沢山のアイディアが出てきました!

さらに、この森の名称が「仮称」だったので、森の名前総選挙を行いました。

いくつかアイディアは出ましたが、「オガグワの森」に決定しました。

シンプルな名前なので、分かりやすくて良いですね。

参加者もスタッフもイベントを大いに楽しむことができました!

来たる24日(日)にはオガグワの森にて、近自然工法の専門家を呼んで歩道整備を行う予定です!!!

AR日記をご覧の方で興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご参加下さい!

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2018年01月03日日本一早い初日の出

小笠原国立公園 田谷以生

新年あけましておめでとうございます。

皆さんはどこで、どんなお正月を過ごされたのでしょうか。

こたつでおせちを食べながら駅伝を見て過ごすお正月も良いですが、

小笠原のお正月といえば日本一早い初日の出と海びらきです!!

朝から降ったり止んだりのあいにくのお天気でしたが、

とってもきれいな初日の出が見れました。

海びらきのイベントも無事に行われ、観光の方も島民の方も新年の海を楽しんでいました。

元旦の海はさすがに冷たく、身が引き締まり清々しい1年のスタートが切れました。

小笠原は今年の6月26日で返還50周年を迎えます。

50周年記念パレードなど、例年に増してイベントが目白押しです。

遺産センターでも楽しい展示を企画中です。

2018年、ぜひぜひ小笠原に遊びにいらしてください。

世界遺産センターでお待ちしております!!

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2017年12月15日小学生向けオガサワラハンミョウ授業

小笠原国立公園 古田貴士

こんにちは。小笠原の古田です。

12月6日、地元の小学3年生に、固有種オガサワラハンミョウ(以下、ハンミョウ)について授業を

行いました。小笠原世界遺産センターに26名の子供達が参加してくれました。

最初に、なぜハンミョウを保護しているかを環境省から説明し、ハンミョウ飼育スタッフによる体の構造や

生活史についての話がありました。

その後、実際に飼育している保護増殖室に移動し、幼虫・蛹・成虫を観察したり、飼育スタッフの手ほどきを受けて幼虫のケア(試験管内の掃除等)を行いました。

・プラケース:1・2齢幼虫が集団飼育されています。(観察用)

・試験管:2・3齢幼虫が個別飼育されています。(観察、ケア体験用)

・シャーレ:死亡した成虫を入れています。(成虫観察用)

子供達はハンミョウの姿や行動に興味津々でした!

12月17日には、一般向けにオガサワラハンミョウのイベント

「ハンミョウの知られざる世界」も開催します!

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2017年12月15日教育関係者向け兄島視察会

小笠原国立公園 小笠原 古田貴士

こんにちは。小笠原の古田です。

兄島では固有の陸産貝類や昆虫類等を保護するため、外来種のグリーンアノール、ネズミ、モクマオウ

(樹木)等の駆除作業が行われています。そうした取組を地元の方に知って頂くため、11月23日に父島の教育関係者を対象とした兄島視察会を行いました。地元の小、中、高校等から12名の先生方等に参加頂きました。

対策箇所までは険しい道を注意しながら登っていきます。

兄島では、関係機関による様々な対策が実施されています。

対策の現場がよく見える台地上の高台に移動した後、環境省によるアノール駆除トラップ、アノール侵入防止柵(A,Bライン)、希少植物保護、固有陸産貝類保護などについて説明したほか、林野庁による外来植物

対策、東京都によるノヤギ駆除の歴史、アノール侵入防止柵(Cライン)の整備状況、小笠原村役場から、

世界から見た小笠原諸島について、クイズ等を交えて説明をしました。


昼休憩後は希少植物種を観察しました(写真はコヘラナレン)。

林内では固有陸産貝類の観察も行いました。カタマイマイ、カドオガサワラヤマキサゴ、

ヘタナリエンザガイ、ハハジマキセルガイモドキ等が見つかりました!

今回は地元の先生方に小笠原世界遺産の価値を知って頂くことができたのではと思います。

小笠原 古田

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