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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

「初夏の大島2 ~ 海食崖にピンクの花、青く透き通った海に浮かぶウミガメ、栗色の毛をしたキョンの子鹿!」

2025年06月30日
伊豆諸島 小野可蓮
こんにちは。鳥と花が好きな小野可蓮です。
伊豆諸島に来てからは、本当にいろいろな花や植物があるのだなと、感心している日々です。
 
例えば、アカメガシワ。
先駆植物なため、噴火を繰り返している大島では、あちこちで見られます。

花はアカシア(愛称:ミモザ)に少し似ているかもしれませんが、実は葉から「蜜」を出すという、珍しい特徴があるのです。
このように、花以外から蜜を出すことを「花外蜜腺」といいます。
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△ アカメガシワの雄花 葯が丸く開く
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△ 林沿いにたくさん咲く
花外蜜腺は、受粉者を呼ぶための花の蜜とは違い、立派な防御戦略(だと考えられています)。
葉を食べてしまう他の虫を寄せ付けないように、甘い蜜でアリを呼んで、葉を守ってもらおうという作戦です。

アカメガシワに限らず、さまざまな植物がこのような進化をしているようですが、元々アリがいないハワイの島々などでは、花外蜜腺の発達した植物の割合が極端に少ない、という研究もあるそうです。

今の時期は、丸く生え揃った雄しべと、まんまるのつぼみが特徴ですね。
人も花と同じように、十人十色なのが良いよな、とふと考えたりします。
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△ ホシベニカミキリ 離陸寸前! 片方の触覚が切れて短いですね

海食崖とピンクの花


前回に続き、初夏の大島の様々をお届けします。
大島はサンセットパームライン以外でも、海浜植物を見られる場所がたくさんあります。
 
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△ 海岸線沿いの遊歩道の様子 
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△ 大島の東側は海食崖が多いです 
海食崖が見られる場所に行くと、目が喜ぶトーンのピンクを発見!
ハマナデシコです。
ちょうど満開で、小さな虫たちも訪花していました。
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△ スコリアに生えるハマナデシコ 鮮やかなピンクが映えますね 
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△ 見えますか? 蜜標に加えて、毛! が生えていることに気付きました 
最近は毎回のことながらですが、写真を拡大すると、、?
以前ご紹介した蜜標に加えて、花びらに「毛」を確認!
雄しべの青っぽい花粉と、雌しべのビロードっぽい質感も伝わるでしょうか。
(ルーペを持っていけば良かった、、)
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△ 小さな虫が集まっています ケシキスイの仲間? ハナノミの仲間とゾウムシの仲間もいました 
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△ つぼみはつんつくりんです 
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△ スコリアの上にぽつり 絵になる風景ですね 
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△ ピンクが多いですが、稀に白い花の個体も 

溶岩アーチ、青い海にアオウミガメ!


お気に入りの溶岩アーチと景色。
この辺りの海は深いため、大きい魚が釣れるかも?
 
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△ 溶岩のアーチ 
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△ なんとも良い景色 この辺りの海は深いそうです  
と、景色を眺めていると、、
アオウミガメ~~
 
なんとも甲羅の大きなこと!
と思いきや、何頭もいるではありませんか!
 
辺りの海藻を食べに来ているのでしょうか。
お願いしたら、竜宮城に連れて行ってもらえますかね?笑
 
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△ 海食崖付近をぷかぷかするアオウミガメ!  息継ぎの様子がダイナミックでした 
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△ 海の青さと透明度、伝わりますか? 
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△ 後ろ姿も愛らしい 
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△ 前からもかわいらしいお顔 
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△ 何頭もいました 

海辺の林の妖精?キョンの小鹿


遊歩道を歩いていくと、またまたサプライズが。
キョンの赤ちゃんと遭遇!
 
お互いにびっくりで固まってしまいました。
鹿の子模様のある産まれたての子鹿も見たことがありますが、この子は艶やかな栗色の毛に生え変わっていますね。
 
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△ キョンの小鹿がきょとん まるでバンビ! 産まれたては鹿の子模様があります

夏至を迎え、夏も深まっていきます。
あっという間に過ぎてしまうので、暑さ含め、楽しみながら過ごしたいですね。
 
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△ 生い茂る草の間から、柱状節理の景色を堪能 
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△ 遊歩道沿いの雰囲気 

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