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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

聟島日帰り海ごみ回収

2024年09月17日
小笠原 中川竜希
こんにちは、小笠原の中川です。

今年もやってまいりました、聟島の海ごみ回収。

環境省では小笠原国立公園の景観保護などのため、海岸に漂着したごみ(海ごみ)の回収を行っており、その一環として聟島での海岸清掃を行っています。

今回は恒例の泊まりではなく日帰りでの海ごみ回収を行いました。

これまでの聟島海ごみ回収の様子はこちらから ⬇
さて、今回の作業場所は南浜という砂浜です。

前回、別の業務で南浜へ上陸した際に多くの海ごみを確認したため今回の清掃場所として選びました。

しかし、どうやら今回までの期間中に小笠原を通過した台風により隣のゴロタ浜に多くの海ごみが移動してしまったようで、以前と比べてとても少なくなっていました・・・。

移動運搬用のゴムボートの都合上、ゴツゴツした岩が中心のゴロタ浜には上陸ができないため、予定通り南浜の海岸で作業を行うことにしました。
〈南浜の隣のゴロタ浜〉
〈南浜〉
砂浜で目立つ大きな海ごみが消えていても、よくよく目をこらすと大きさが5mm以下のマイクロプラスチックが漂着物と一緒に打ち上がっていたり、海辺から奥に離れた植物(クサトベラ)の中に漁網などが絡まっていたりしていました。

6人で3時間という短時間での作業でしたが、1トンの重量物を運べる袋(トン袋)4袋分の海ごみを回収できました。
〈クサトベラに絡んだ漁網〉
〈マイクロプラスチック〉
〈回収した海ごみ総量〉
目に映る大きな海ごみは、例えば海鳥の体に漁網が絡まってしまう、ウミガメがクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまうなど、生き物たちを死亡させてしまう原因にもなっていますが、今回のように目立たない小さなマイクロプラスチックも生き物たちに悪影響を及ぼす可能性があります。

プラスチックには有害物質を吸着する性質を持っており、その状態で海中に漂ってしまっているマイクロプラスチックなどをプランクトンや小魚が食べてしまうと、さらにそれを食べる大きな魚や鳥、最終的に私たち人間の体内へ知らぬ間に入り込んでしまう可能性があります。

聟島にも多くの海鳥たちが生息しており、既に彼らの体内へマイクロプラスチックが取り込まれてしまっているかもしれません。
〈アカアシカツオドリとカツオドリ〉
〈カツオドリの親子〉
そういったことを少しでも減らすためにも、海ごみを回収するということはとても大切です。

「ごみをなるべく出さない」「ごみは捨てずに持ち帰る」

というちょっとした行動が今後の未来や私たちにとって重要になっていくので、少しずつでも皆さまのごみゼロへのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。