ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 富士五湖

94件の記事があります。

2014年08月07日【富士山日記第10号】山頂登山だけではない富士山の魅力

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

8月1日に富士登山オフィシャルサイトにアップした富士山日記第10号です。
シャクナゲの見頃ももうそろそろ終わりに近づいています。

シャクナゲをご覧になりたい方はお早めに遊びに来てくださいね!


<富士山のイメージは??>

梅雨も明け夏本番になり、富士山も連日多くの登山客で賑わっています。

みなさん富士山についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
砂走りに代表されるように、「溶岩や砂礫ばかりの山」という
イメージをお持ちの方も多いかと思います。

でも、そればかりではありません!
「富士山にはこんな場所もあるんだ!」と驚くような
別の顔を見せてくれる場所がいくつもあります。



このようなイメージを持っている方が多いのでは?


<自然豊かな御中道>

富士山中腹には「御中道」と呼ばれる歩道があります。
かつては富士山の五合目辺りをぐるっと一周していた修行の道でしたが、
現在は一部危険区域があるため一周することはできません。

気軽に楽しめるのは山梨県側のスバルライン五合目から
御庭まで約2.4kmです。

スバルライン五合目から少し歩道を歩くだけでも、
ぐっと静かになり、突然視界が開け富士山頂を臨むこと事
ができます。

そしてカラマツ、ダケカンバの樹々、シャクナゲをはじめ
コケモモと言った可愛らしい花々など豊かな自然が
目を楽しませてくれます。

私自身、初めて歩いた時、その豊かな自然を目にし
「これが富士山の中腹?」ととても驚きました。


樹々の緑が爽やかです(2014年7月30日撮影)
雪の重みで幹が大きく曲がっています。



<シャクナゲ最盛期>

そんな御中道は今シャクナゲの最盛期です!!
その他にもコケモモ、ベニバナイチヤクソウなどなど
様々な花が出迎えてくれます。



淡いピンクがあでやかなシャクナゲ。(2014年7月30日撮影)

途中で目にする雪崩で倒れた樹々や雪の重みで
曲がった幹を見て、自然の厳しさに思いを馳せながら歩くと、
そんな中一生懸命に生きている植物達に元気をもらえる気がします。


<富士山の別の楽しみ方>
日本一高い富士山頂にたどりついた時の達成感、
山頂から見る御来光は素晴らしいものですが、
それと同じくらい麓や中腹にも魅力があります。

すでに富士山頂に登られた方、これから登ろうとされている方、
そして五合目まで観光にいらした方みなさんに
富士山の違った魅力を発見していただきたいです。

今回ご紹介した御中道の他にも、「富士山自然休養林
ハイキングコース」や「青木ヶ原樹海」など様々な
ハイキングコースがありますので、是非お気に入りを見つけてください!

その他の登山道・ハイキングコース




<お得な情報>

スバルライン五合目「富士山五合目総合管理センター」
では五合目周辺の自然解説を行っています。
(無料・事前申し込み制)

富士山五合目自然解説ご案内・申込み




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2014年07月18日【富士山日記第6号】時間ずらして快適登山♪♪<吉田ルート>

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

先日お伝えしたように、富士登山オフィシャルサイトでは
「富士山日記」がスタートしています。

同じ内容をアクティブレンジャー日記にも
アップしていきたいと思います。


★★ 海の日の連休は例年混雑します! ★★

今週末は海の日ですね。関東甲信地方の梅雨明けは
平年7月21日頃だそうですので、梅雨明けも間近かでしょうか。

海の日の連休は富士山の登山シーズンの中でも
最も混雑する週末の1つです。昨年度の登山者数が
番多かった日は海の日の連休中日の7月14日(日)、
10,040人(4登山道合計)でした。


平成25年度 登山者数トップ5

1 10,040人  7月14日(日)
2 9,691人  7月27日(土)
3 9,556人  8月 3日(土)
4 8,807人  7月20日(土)
5 8,540人  7月13日(土)


★★ 混んでる日でもちょっと時間をずらすだけで・・・・ ★★

やはり、渋滞しているより空いている方が安全・快適に
登山することができます。登山日を平日にずらすのが
一番ですが、混雑する週末でも、登る時間帯をずらすだけで
驚くほど混雑状況が変わってきます。


吉田ルートはツアーでの登山者が多いです。
どのツアーもおおよそ似たスケジュールで行動するため、
どうしても混雑が集中してしまいます。

ですので、コツはツアーで混雑する時間帯を避ける!
ということです。



ツアー登山者で混雑する吉田口5合目



数珠つながりの登山客


★★ 最混雑時間帯は12時~14時(6合目通過) ★★

多くのツアーは昼前後に5合目に到着し、
5合目でしばらく滞在し高度順応してから出発します。


昨年度の6合目の時間帯別通過登山者数は

 1位:13~14時
 2位:12~13時
 3位:11~12時
 4位:14~15時
 5位:15~16時
(富士吉田市富士山課調べ)

でした。

5合目を10時台に出発すれば登山道はずっと
空いています。(10~11時の6合目通過は第9位)


山小屋に早く着いたらゆっくり休息をしたり、
高度に体を慣らすために荷物を山小屋に置いて、
少し上まで登ってみるのもいいですね。(その際にも
雨具、飲み物など最低限のものは持って行ってください)


※ただし早く着くと山小屋によってはすぐにチェックイン
できない場合もあります。お泊りになる山小屋に事前に
確認をお願いします。



7月12日11:42 6合目登山道の様子
(まだ混んでいません)


7月12日12:59 6合目登山道の様子
(混雑してきました。)

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2014年07月02日富士山日記スタートしました!!

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

今年もいよいよ富士山の登山シーズンがやってきました!
山梨県側の吉田ルートは7月1日から登山道が開通しました。
(静岡県側は7月10日開通の予定です(ただし、残雪状況や気象状況等により変更となることがあります))

この夏富士登山を計画されている方も数多くいらっしゃると思います。
より楽しく、安全で快適な登山にするためにも事前の情報収集や
体力づくりはとても大切です。

昨年、環境省、山梨県、静岡県合同で富士登山オフィシャルサイトを
オープンしました。富士登山に必要な情報が網羅されていますので
是非登山前にチェックし、準備万端でおでかけください。


富士登山オフィシャルサイト




情報満載の富士登山オフィシャルサイト


そして今年度より新しい試みとしてオフィシャルサイトにて
富士山日記をスタートしました!
週に2回程度、保護官やアクティブレンジャーが
現場より富士山の生の声をお伝えします。

第一弾は普段はなかなか見る事のできない開山前の登山道
の状況をレポートしました。

富士山日記第一号



富士山日記第一号!

楽しく、有益な内容にしていきたいと思っていますので
よろしくお願いします。

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2014年05月30日合同巡視with 富士山レンジャー

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

新緑がまぶしい富士五湖事務所からお届けします。

皆さん、富士山レンジャーをご存知ですか?
2005年に富士山地域における自然保護、観光客や登山者に対する
マナー啓発等の目的で山梨県が設置したもので、
地方自治体としては東京都に次いで全国で2番目です。

昨年度までは4名体制でしたが、4月より7名体制にパワーアップし、
富士山周辺のパトロールや学習会等々の活動をしています。

富士五湖自然保護官事務所では、様々な業務の折に
富士山レンジャーと協力をしています。

今年度は週に1回ペースで利用者の多いルートを中心に
合同でパトロールすることを計画していて、
さっそく第1回目を実施しました。今回は約11キロの行程。



設置されているベンチを確認中。(2014年5月20日撮影)


どんな点に注意をしながらパトロールをしているかと言いますと、

●登山道に危険箇所がないか
●標識が間違っていないか、老朽化していないか
●ベンチやあずまやに問題はないか
●稀少種などの植生状況
●利用者の状況(どれくらいの人が利用しているか等)
●より魅力的なルート・スポットの探索

等々、皆さんが安全かつ快適に自然を楽しむ事ができるよう
色々な視点からチェックをしています。


『危なくないかな・・・?』利用者の気持ちになってチェックします(2014年5月20日撮影)


もし何か問題を見つけた際は、簡易的なものであればその場で修理をしますが、
不可能な場合は、登山道の管理者に随時報告をしています。




緩んだ標識を固定中の富士山レンジャー(2014年5月20日撮影)


利用されているみなさんの声はとても大切です!
もし登山道などで黄色いレンジャー服(環境省)、
カーキ色のレンジャー服(山梨県)を見かけたら
気軽に声をかけてくださいね!

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2014年05月02日春と冬

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

2月の大雪は記憶にもまだ新しいかと思いますが、
ご存知の通り山梨では記録的な降雪で、富士五湖地区でも
観測史上最多の143cm(富士河口湖町)を記録しました。


そんな富士五湖にもようやく春が来ました。
事務所の周囲には、まだ雪かきをして積み上げた雪が残っていますが、
麓の町中や森林内の雪はなくなり、
今はフジザクラやミツバツツジが見頃を迎えています。


左:フジザクラ、ミツバツツジ、カラマツの新緑の三重奏(2014年5月2日)
中:ミツバツツジ(2014年5月2日)
右:うつむき加減が可憐なフジザクラ(2014年5月2日)


富士山五合目(山梨県側)までの有料道路富士スバルラインでも
3月に四合目で発生した大規模な雪崩により、
一合目までしか行く事ができない状況が続いていましたが、
ようやく4月25日から全面開通しました。


左 :雪崩の被害にあった四合目休憩所(2014年4月25日撮影)
中左:五合目の様子(2014年4月25日撮影)
中右:五合目登山道入口(2014年4月25日撮影)
右 :御庭周辺駐車場からの富士山頂(2014年4月25日撮影)

ただし当面は例年より営業時間を短縮し、降雨が予想される場合は
事前に通行止めになります。
また営業中に降雨があった場合も通行止めになりますので、
事前に開通状況をご確認ください。

富士スバルライン http://subaruline.jp/


麓は春を迎えていますが、富士山はまだまだ冬の山です。
登山道は6月いっぱいまで閉鎖されています!
吉田口登山道の開山予定は7月1日です。(雪の状況により変更の可能性あり)

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2014年04月18日桜満開です!

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

平成26年度初めての富士五湖自然保護官事務所からのAR日記です。
今年度もよろしくお願いいたします!

厳しい冬が終わり富士五湖にもようやく春が来ました!
河口湖畔の桜は今が9分~満開でまさに見頃です。


今、まさに満開です!(H26年4月18日撮影)


河口湖北岸、河口湖円形ホール周辺(H26年4月18日撮影)


今日はあいにくのお天気でしたが晴れていれば
桜+湖+富士山の共演を楽しめます!


本当は背後に富士山が、、、、(H26年4月18日撮影)


ソメイヨシノから少し遅れてフジザクラも咲き始めます。
ソメイヨシノの華やかさも素敵ですが、フジザクラの可憐さも魅力的です。

桜だけでなく、富士五湖は富士山の裾野に位置しているため、
少し登ると標高が違うこともあり、下の方で咲き終わってしまった花が
まだ咲いていたりと、長く花を楽しむことができます。

まだまだ雪に覆われている富士山と春の花の共演を
是非見にいらしてください!!

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2014年01月17日今年もよろしくお願いします

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

2014年最初の富士五湖自然保護官事務所からのAR日記です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年は富士山の世界文化遺産登録が決まってから
慌ただしい毎日でした。

世界中の注目が集まっている今が様々な環境保全活動や
啓発活動のチャンスでもあると思っています。

皆さんにとってより魅力的な場所になるよう県や市町村を始め、
地元の方々と共に頑張っていきたいと思います。



先週、今年初めての巡視に三ツ峠へ行って来ました。
昨年の今頃のAR日記でも三つ峠を紹介しましたが、
(多彩な魅力の山 「三ツ峠山」(2013年1月8日))
富士山の眺望が素晴らしくプロアマ問わず写真家にも人気の山です。

そんな眺望が自慢の三ツ峠ですが、
この1年で5回以上登ったものの、なかなか富士山は姿を見せてくれず
ついに今回初めてきれいな富士山を見る事ができました!



三ツ峠(開運山)山頂からの富士山(2014年1月10日撮影)


新年にきれいな富士山を見ると、いい1年になりそうな気持になるのは
やはり日本人だからでしょうか?


カモシカもすぐ近くに現れ、見つめ合いながら
しばし二人(一人と一頭?!)だけの時間を楽しみました。


お食事中のカモシカと遭遇(2014年1月10日撮影)


今回は三ツ峠山頂までの最短ルートを歩きました。

雪が降った翌日で、なおかつ山頂の山小屋の方が
車で登った後だったため雪が締まっていて
とても歩きやすくアイゼンも必要ありませんでしたが、
ただし気象状況により凍結しますので
6本以上のアイゼン、ストック、防寒具等、
きちんとした冬山装備が必要です。


冬は空気が澄んでいて富士山を眺めるには絶好の季節です。
三ツ峠は山頂の山小屋2軒も通年営業(予約がない場合不在の時もあります)
していますし、ルートもしっかりしていて
冬でも比較的登りやすい山です。


トレースの残る登山道(2014年1月10日撮影)

天気予報をチェックし、しっかりと準備をした上で
富士の冬景色を楽しみに行ってみてはいかがでしょうか?

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2013年12月18日道の駅にて

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

富士山麓はすっかり秋から冬になりました。

冬の間は凍結、雪等の影響で巡視できる場所も
限られてきてしまうので、事務所での業務が
多くなりますが、12月7日(土)は道の駅で行われた
秋から冬になるこの時期だからこその
「富士山麓古タイヤ不法投棄防止キャンペーン」
に参加してきました。



当日約40人が参加しました(2013年12月7日撮影)


富士北麓には、民間企業と行政が一体となり
富士山麓の不法投棄を抑止するための
「富士山麓環境美化推進ネットワーク」が設置されていて、
バス、タクシー等の運輸業を始めとした一般企業、
旅館組合、NPO団体など数多くの団体が構成メンバーになっています。
富士五湖自然保護官事務所もその一員です。
今回はそのメンバーにて「道の駅富士吉田」と「道の駅なるさわ」
でキャンペーンを行いました。


自動車整備振興会の「てんけんくん」「せいびちゃん」も
お手伝いしてくれました(2013年12月7日撮影)


何故「この時期だからこそ」かと言いますと、
富士北麓は積雪はそれほどありませんが
寒さが厳しく道路が凍結しますので、スタッドレスタイヤは必須です。
ちょうど今がタイヤの交換時期ですが、残念ながら中には
交換後の古タイヤを不法投棄する人がいるのです。


過去の清掃活動で発見されたタイヤ(2013年11月1日撮影)


そのため、道の駅を利用する方々に古タイヤの不法投棄防止への
ご協力をお願いしました。

私達や山梨県の富士山レンジャーを始めとした行政が
パトロールを行ったり、富士山麓環境美化推進ネットワークメンバー
の方々も監視に協力をしてくれていますが、
広大な富士山麓に目を配るには一人でも多くの
“監視の目”が必要です。

このような違法行為をする人はごくごく一部ではありますが、
不法投棄をする人がいるという現実、不法投棄が違法行為である事を
皆さんに知っていただいた上で、不法投棄がゼロになり
今まで以上に美しい富士山麓になるように
皆さんと力を合せて行きたいです。
ご協力をお願いいたします!


<山梨県内で不法投棄を発見した際の連絡先・注意点など(山梨県HP)>
http://www.pref.yamanashi.jp/kankyo-sb/fuhoutouki/tuuhou.html

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2013年12月12日最上級の修験道 ~御中道②~

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

前回のAR日記から1か月以上過ぎてしまいましたが、
御中道巡視の続きをお届けしたいと思います。

御中道の途中の御庭から大沢崩れまでは往復3~4時間の行程です。
前回ご案内したとおり自然が豊かな歩道で、高低差もほとんどありません。
ただし所々道が細かったり、足場の悪い場所もあるので注意が必要です。

かつては富士山中腹を1周していた御中道ですが、
現在は大沢崩れで行き止まりになっています。

大沢崩れは富士山頂直下から標高2,200m付近まで
最大幅500m、長さ1.2km深さ150mという
日本最大規模の侵食谷です。
今までに崩壊した土の量はなんと東京ドーム約60杯分!!!
現在も崩壊は進行中で年間10tトラック約3万台分もの
土砂が流出していると言われています。

実際に大沢崩れ展望地から見ていると、
時折音がして岩や土砂が崩れていきます。
危険ですので、くれぐれも先に進まないようにしてください。

ここから見上げる富士山は遠くから眺める
なだらかなすそ野が美しい富士山とは全く違った
荒々しい姿をしています。


右岸から見た大沢崩れ(2013年11月6日撮影)


過去には大沢崩れからの土砂の流出で下流域は度々被害を受けてきました。
そのため昭和57年より国土交通省による砂防工事が続けられています。
今回は国土交通省富士砂防事務所の方々に工事の現状を説明・案内
していただきました。

常に崩壊の続いている危険な場所ですので、ヘリコプターによる
無人作業が行われていました。
日本に3台しかない大型ヘリコプターだそうです!!


右:コンクリートブロック設置作業をしているヘリコプター(2013年11月6日撮影)


普段目にすることは少ないですが、
富士山では数多くの方が私達の安全のために
働いている事を実感した1日でした。



左岸からの大沢崩れ(2013年11月6日撮影)

<富士山砂防事業についての詳細(国土交通省 富士砂防事務所)>
(http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/jigyou/sabojigyou_top.html)

既に富士山は冬山です。
五合目でも雪、凍結、強風でスバルラインが通行止めになる日も
多くなってきました。
御中道にご興味のある方は来年の夏に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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2013年11月13日最上級の修験道 ~御中道①~

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

二十四節気の立冬も過ぎ、暦の上では冬になりましたね。
日に日に寒さが厳しくなってきている富士北麓でも、
河口湖で12日にはこの秋初めて最低気温が氷点下になりました。


11月6日に富士山五合目付近の御中道を巡視しました。
その様子を2回にわたってお伝えしたいと思います。


御中道とはかつては富士山中腹をぐるりと1周するルートで
富士講(富士山信仰)の信者達の中で富士山頂に3回以上の
登山経験のある人のみに許された最上級の修行の道でした。

現在では、富士山西斜面の大沢崩れと呼ばれる箇所が
大きく崩壊しているため、スバルライン五合目~大沢崩れ
区間のみが通行可能です。

富士山というと、砂や石ばかりというイメージの方も
多いかもしれませんが、標高2,300m付近にある御中道では
そんなイメージを覆す様々な自然があり変化が楽しい歩道です。
私も初めて歩いた時は、「ここが富士山の中腹か!」
と驚きました。


御中道の苔むした幻想的な景色

シラビソ、カラマツ、ダケカンバ、シャクナゲなど
の木々の中を歩いたと思うと、とつぜん視界が開け
山頂から麓までを見渡すことができます。




(左)青空と雲海、黄葉のコントラストが美しい
(右)意外に近くに見える山頂 (ともに2013年11月6日撮影)



また所々、過去の雪崩によってなぎ倒された木々を目にし、
自然の脅威を感じます。
今年の春は雪崩が特に多かったようです。


雪崩によってなぎ倒された木々


今回の巡視は途中の御庭から出発し大沢崩れまでを歩きました。
次回はその巡視の様子をお伝えします。


※御中道はまだ歩くことは可能ですが、標高は2300mです。
平地と比べ10℃以上の温度差がありいつ雪が降っても
おかしくありません。
防寒対策をしっかりして安全なハイキングを楽しんで下さいね。

<御中道情報(富士の国やまなし 観光ネット)>
http://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_2100.html

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