富士箱根伊豆国立公園 箱根
228件の記事があります。
2020年03月18日芦ノ湖の水はどこに流れる?(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
3月になり、芦ノ湖の釣りが解禁され、釣り人が増えてきた箱根です。
今回は、「深良水門(ふからすいもん)」をご紹介します。
箱根ビジターセンターから、この水門まで「芦ノ湖西岸コース」遊歩道の一部が台風被害から復旧しました。
※まだコース全体は復旧していません。
復旧した部分までのコース状況を確認するために、巡視を行って来ました。
コースの途中、まず「湖尻水門」が目に入ります。
芦ノ湖の水は普段、川には流れません。
ただし、増水時だけこの「湖尻水門」を解放して「早川」に水を流すことがあります。
この湖尻水門を通り抜けて、芦ノ湖沿いを歩くと「深良水門」が見えてきます。
300年ほど前の江戸時代、約4年をかけて「箱根用水」が作られました。
人力のみの大工事で、箱根外輪山にトンエルを掘り、用水路を駿河湾まで通したのです。
当時の職人たちの、技術の高さに驚かされます。
そして、静岡県裾野市付近にあった深良村の干ばつを救いました。
静岡県に芦ノ湖から命の水を送った、箱根用水の取水口「深良水門」。
このコースを歩くと、そんな歴史に触れることが出来ます。
自然も豊富な散策路です。
鬼も縛れる?茎が折れずに、ロープのようにしなる「オニシバリ」
緑色のお花がこの時期咲いて、良い香りが漂います。
図鑑で調べると、学名にjaponicaの名が付いていました。
かわいらしい青い花に、心が温かくなりました。
動物の足跡や、春の蝶たちも観察しています。
深良水門まで歩きやすい道が続き、散歩にもほどよい距離です。
箱根の湖尻地域に来たときには、是非「深良水門」まで足を伸ばしてみて下さい。
2020年03月10日柱状節理の岩壁(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
昨年箱根は台風19号の被害を大きく受けましたが、復旧が各所で進んできました!
先月には、「飛龍の滝自然探勝歩道」の通行止めが解除されています。
再開したばかりということで、安全確認も含めて遊歩道を巡視してきました。
一時壊れていた橋が再建されていました。
このコースの見所のひとつが、柱状節理の大岩壁です。
箱根の山は、40万年前から噴火を繰り返してきました。
特に大きな噴火を5回繰り返し、今の形が出来ています。
吹き出した溶岩は、急激に冷やされることで不思議な形に固まりました。
5角形や6角形の石柱を束ねたような岩の塊が形成されています。
これが「柱状節理」です。
箱根の歴史をこの大岩壁が静かに語っています。
更に奥に行くと飛龍の滝が見られます。
滝のすぐ下まで近づくには、もう少し復旧に時間がかかりそうです。
少し遠目に、箱根のパワースポットを眺めてきました。
スミレの花も咲き始め、春は間近です。
「畑宿」バス停から「湯坂路入り口」バス停まで、ゆっくりと2時間弱で歩けるコースです。
ただし、意外と急な上り坂ですし、足元も段差が大きく、雨上がりにはぬかるみます。
軽装で入らずに、運動靴や登山用の靴を履いて、リュックを背負って行ってください。
すると安心安全で、楽しい箱根ハイキングを満喫できます。
是非、立派な柱状節理岩壁を見上げに、「飛龍の滝自然探勝歩道」を訪れてみてください。
2020年01月25日登山道補修隊、活動中!(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回は「登山道補修隊」という活動についてご紹介します。
今年は暖冬。箱根は雪が現状少ない日々です。
ようやく1月18-19日、箱根の山間部に雪が降りました。
しかし、芦ノ湖周辺はあっという間に溶けています。
そしてこの週、登山道補修隊の活動がありました。
事務所周辺から見える山には、うっすら残雪が。
山での作業は難しい為、この日の活動は「資材作り」となりました。
※登山道補修隊は、普段は資材班と補修班に分かれて作業を行います。
2019年5月31日登山道補修活動(箱根地域)記事では補修班作業を紹介しています。
こちらも見てみてくださいね。
補修作業に必要なもの、木の杭をひたすら作ります。
箱根ビジターセンター周辺で出る間伐材を、手作業で加工です。
チェーンソーで、ある程度の大きさに切られた丸太を。
くさびと槌で、割る!
さらに割る!
ナタで、削る!
現場で使いやすい、地面に打ち込みやすい形へ整えます。
力任せにナタを降るだけでは、すぐに手が痛くなって作業が続きません。
うまくナタの重みを利用します。私は最初、大変苦労しました!
が、ボランティアさんたちは鮮やかな手つきで、杭を量産していきます!
木の性質を見極めて作業を行うと、きれいな三角形が出来上がるそうです。
この日は、総数222本の杭を作成しました。
ハイカー皆さんが安全に楽しく箱根の山を歩ける様に!
そして、箱根の貴重な自然環境を守るために!
登山道補修隊は、箱根の山を愛する熟練ボランティアさんたち中心に、1年を通して活動を行っています。
いつもありがとうございます!
箱根の登山道は、春からのハイキングシーズンに向けて準備が進んでいます。
4月以降にはスミレを始め、たくさんの花が間もなく咲き始めますよ。
これから訪れるハイカー皆さん。
箱根の春を5感で体感することを楽しみに、遊びに来てくださいね。
そして、登山道を歩いた際には、時々登山道補修隊のことも思い出してみてください。
箱根町では登山道補修ボランティアを随時受け付けています。
ご興味のある方は是非、ご登録の上ご参加ください。
一緒に活動しましょう!
いつもとは違った角度から箱根の山を見ることが出来ますよ。
詳細はこちら(箱根町ハイキングコース補修活動https://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/11,2310,60,html)
《おまけ》
ヒノキ材を割っていると中から虫が!何の幼虫でしょう??
ヒノキにはあまり虫はつかないと言われていますが。
珍しい出来事のようです!
箱根ビジターセンターで、しばらく観察予定です!
2019年12月23日年末の大掃除!(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 池田興平
いよいよ今年も残すところわずかとなりました。
年末と言えば「大掃除」をする人も多いかと思いますが、先日(12月6日)、箱根地域ではゴミの美化清掃として不法投棄防止一斉パトロールを行いました。
例年この時期に、富士箱根伊豆国立公園箱根地域におけるゴミの不法投棄防止・美化向上を図るため、関係行政機関や事業者に呼びかけ実施している活動です。
当日は各機関で手分けをしてパトロールしながら、不法投棄されたゴミを回収していきました。
今年度も残念ながら、道路の脇や下などにはゴミが散乱していました。
プラスチックゴミや工場の機械部品、生活用品などあらゆるゴミがありました。
ゴミの中にはガラスの破片も混ざったりしているので、怪我しないよう注意しながら作業を行います。
ゴミを捨てるのは簡単でしょうが、それらを拾い集める労力は大変なものです。
私の班では、2時間ばかりの間に、なんと1トントラックの荷台がいっぱいになる程のゴミを回収しました。
作業の後、各機関が回収したゴミの計量と分別を行い、ゴミ処理場へ運んでいきます。
今回の参加団体は10機関及び11事業者の計65名で、拾い集めたゴミの総重量は約934㎏となりました!
今年も尽力いただきました関係機関及び事業者の皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。
ご協力誠にありがとうございました。
(今年度の参加機関・団体、及び事業者は以下の通り)
【機関・団体】
林野庁東京神奈川森林管理署 神奈川県(県西地域県政総合センター 自然環境保全センター箱根出張所 県西土木事務所小田原土木センター) 箱根町 御殿場市 裾野市 神奈川県公園協会 自然公園財団箱根支部 環境省富士箱根伊豆国立公園管理事務所 計10機関・団体
【事業者】(五十音順)
芦ノ湖スカイライン株式会社 伊豆箱根交通株式会社 伊豆箱根バス株式会社 伊豆箱根鉄道株式会社 小田急箱根ホールディングス株式会社 株式会社小田急リゾーツ 箱根観光船株式会社 箱根ターンパイク株式会社 箱根登山バス株式会社 箱根ロープウェイ株式会社 株式会社プリンスホテル 計11事業所
2019年12月20日【開催報告】パークボランティア研修会(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
はじめまして!
2019年12月より富士箱根伊豆国立公園管理事務所に着任しました山口と申します。
今回ご縁があって箱根地域で働くこととなりました。
箱根と言えば、豊かな自然と温泉のイメージです。
大地のパワーを時折温泉に浸かっていただきながら、
これからこの箱根地域で、人と自然をつなぐ架け橋のような活動を
お手伝いできると嬉しいです。
よろしくお願いします。
今回は、12月8日(日)に行われた、
箱根地区パークボランティア(以下:PV)研修会のご報告です。
普段お客様に箱根の山々を案内するガイド、インタプリターとして活動する
PVの皆さんが、次年度に向けてガイド力向上を目指して研修参加しています。
皆さんは「ネイチャーゲーム」をご存じでしょうか?
ちょっとした遊びを自然の中で行うことで、
身近な自然の新しい魅力に気がついてしまう、
「見て聞いて感じて5感を養う」自然観察手法のひとつです。
まずは、自らお客様になって、ゲームを体験。
講師は公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会青木先生です。
ゲームの開始時から、熱心に質問をするPVが多く、
青木先生も圧倒されてしまうほどでした。
初めて会ったお客様とガイドは、会話1つ1つにも緊張が漂います。
この壁を、出来るだけ早く取り払うとお客様の楽しい時間は増えます。
ネイチャーゲームの手法が役立つはず!
大まかにきれい!美しい!と見ていた樹木が、
樹皮に実は菱形の模様があってきれい!
なんだかいいにおいが樹皮からしてる!
この木はこんなことを言っているかもしれない!
と、より細かい部分に感覚が研ぎ澄ますと、
新しい世界が見えてくるのです。
不思議ですね、ネイチャーゲームって。
時間がたつと、PV皆さんから童心に帰ったような笑顔が溢れ、
ゲームは大変盛り上がりました。
使っているフィールドはいつもの自分たちの庭、
箱根ビジターセンター周辺なのですが、
これまで気がつかなかった新たなポイントが見えてくる!!
それは楽しくて仕方がありません。
こんな発見があるのねと、皆さんが驚かれていました。
この日味わった新しい感覚、楽しさを、
今度はお客様に味わってもらい、笑顔になってもらうことが研修のゴールです。
来年もたくさんのお客様に、もっともっと箱根の魅力が伝えられますように!!
春からのシーズン開始に向けて、次年度の観察会計画も着々と進行中です。
箱根ファンの皆様も、これから訪れてみたいなと思っている皆様も、
是非来年の自然観察会やイベントへの参加を楽しみにしていてください。
2019年11月20日【開催報告】自然観察会「紅葉の箱根路を訪ねて」(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
箱根の一大観光地「大涌谷」が先週15日(金)に開放され、紅葉も見頃をむかえ、例年同様の賑わいを取り戻しつつあります。未だ10月の台風19号の傷を癒えぬ中、この賑わいは嬉しく思います。
さて、今週19日(火)に箱根地域自然に親しむ運動自然観察会「紅葉の箱根路を訪ねて」を開催しました。当所主催の自然観察会は今期ラストのものです。昨年は雨天中止になってしまいましたが、今年は開催日を例年の2週間後に設定したおかげで、紅葉が見頃を迎えたうえに、雨上がりのため、空気が澄んでおり、ベストコンディションでの観察会となりました。
【散策コース】
この観察会では江戸時代に作られた旧街道を通り、景観が素晴らしいお玉が池と二子山の麓を通って精進池に向かう歴史と自然をテーマにした観察会です。写る景色は全てどれも美しく、終始見応えある楽しい観察会となりました。
【朝日差す旧街道杉並木】
【紅葉の箱根路】
【下二子山とお玉が池】
【彩る道を進み参加者たち】
来年度も同様に箱根の自然に親しんでもらえるような観察会を計画していきたいと思います。3月頃に情報が箱根ビジターセンターホームページ(http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html)アップされますので、またお申込み、ご参加いただけると幸いです。
〈今回のイチオシ写真〉
【暁の箱根と望む雲海】
箱根でもっとも有名な景勝地。霧がかる芦ノ湖に朝日が当たることで、とても幻想的でした。
また、右の雲海は左写真の富士手前に写る山の尾根より撮影した写真です。
同日でも変わった風景を見られて大満足な朝でした。
最後に・・・
私事で恐縮ですが、今年度11月末で富士箱根伊豆国立公園管理事務所のアクティブ・レンジャーを退職する運びとなりました。これまで、私の日記をお読みいただきありがとうございました。
2019年11月18日箱根自然講座-自然を写すんです- 開催報告(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
先週16日(土)に箱根自然解説活動連絡協議会 主催の箱根自然講座「自然を写すんです~写真の構図を学ぼう~」が開催されました。その講座の講師がなんと私が勤めることになり、初めてながら今までの経験と研修会等で学んできた知識を基に初心者向けの撮影について、お話させていただきました。
【(左)スライドの表紙/(右)開催中の様子】
急遽開催したことや他イベントと重なってしまったこともあり、申込者数が思うようにのびませんでしたが、構図やカメラの設定方法など一人一人に細かく教えることができ、充実した内容となりました。天気も雲一つ無い快晴で、紅葉もベストタイミング!写真を撮って撮って撮りまくって、沢山の素敵な写真を皆さんに撮影してもらいました。
〈撮影した写真~様々な紅葉のかお〉
参加者にも喜んでもらえたのはもちろん、自分にとっても、貴重な経験をさせていただきました。
これからもキレイな写真を撮れるように技術を磨きながら、みなさんにお役に立てるような事があればぜひ協力させていただきたいと思っています。ありがとうございました。
※今回のイチオシ写真は上の写真です。次回は沢山載せます。
2019年11月15日金時山山頂トイレ清掃を一斉に行いました!(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 池田興平
日増しに秋も深まり、朝夕では寒さも感じる頃となりました。
箱根では紅葉が美しい季節となっており、箱根の自然を満喫できる好条件な時期になっています。
そんな中、例年行っている金時山山頂トイレの一斉清掃を行いました。金時山山頂トイレは自然環境の保護と広域観光の促進を図るため、環境省が平成22年に整備を行いました。
【挨拶の様子】
今年の一斉清掃では南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市、環境省で行いました。
今回は、外壁の汚れや周辺の雑草取りを行う「外回り」、トイレ内の便器や内壁の清掃を行う「トイレ内」、機械室やトイレ用の水タンクなどの清掃を行う「機械室」の3つの分担で一斉清掃を行いました。
【トイレ内清掃】
【機械室の清掃】
汚水処理方式のバイオトイレ(おがくず処理)なのでトイレの裏側には機械室があり、発酵槽に関わる機械等があります。電気は自家発電と太陽光発電で賄っています。
機械室では排気管から出たスス汚れが目立っていたので拭き掃除を中心に行いました。
【外回りの清掃】
普段から金時山山頂トイレに隣接している山小屋の方に掃除等の管理をして頂いていますが、普段行き届かない場所まで満遍なく綺麗にしました。
金時山を巡視していると登山者からは「山頂にトイレがあってとても助かっている」との声を頂くことがあります。金時山の標高は外輪山で最も高い1212mであり、山頂の環境下にバイオトイレを維持し続けることが可能なのは、山小屋の方達が日ごろから清掃等の管理をして頂いていることや、利用料金として皆様から100円のチップを頂き適宜、修繕費に充てるなど適正に管理をしていることから成り立っています。
【金時山山頂トイレ】
今年も関係者が協力し清掃を行った結果、綺麗で快適な金時山山頂トイレを維持できました。
※トイレ利用時の方へ。便器内に落とし物をしてしまう事例がありました、発酵槽内に異物が混入してしまうとトイレの故障の原因に繋がるのでご利用の際はご注意ください。みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
最後に、晴れ渡った青空の山頂で富士山が綺麗に見えたので紹介します。
【金時山山頂からの富士山の眺望】
2019年10月31日台風通過後の箱根(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
10月12日(土)に箱根を直撃した台風19号。通過後より報道各局で連日報道されているとおり、箱根町ではとても大きな被害がありました。芦ノ湖は満水となり、周辺の駐車場は水没。主要道路は土砂崩れや沢や池からの流れ出た水が道路を流れていたため、1週間程度は交通規制がありました。1日の降水雨量が日本一(1000mm)を記録しただけはあります。国道138号線や登山電車の運行も土砂崩れのため、今現在も通行止め、不通になっています。
【台風通過後の元箱根の様子(箱根ビジターセンター(以下:箱根VC)提供)】
(左)芦ノ湖岸の遊歩道。普段は右側に写っている石柱の右側が芦ノ湖。
(中)箱根VC管理の駐車場。芦ノ湖からは5mくらい離れているが、水没していた。
(右)全壊した貸しボート屋の小屋。芦ノ湖沖に漂流していたのを湖岸まで牽引してきたそうです。
台風通過後、神奈川県や箱根町、箱根VCの職員が箱根内の登山道の被害状況を調査しました。微弱ながら当職も協力させていただきました。
【登山道調査に集まった方々】
毎月第4水曜日、箱根町が主催する「箱根登山道補修隊」。今回は確認できていない登山道の調査を行うため、ボランティア含め、16名が参加しました。
【調査ルート(引用:箱根町ハイキングマップ)】
今回は確認できていない登山道4ルートを手分けして踏査しました。当職は③を踏査しました。
①宮城野別荘地~明神ヶ岳~火打石岳~矢倉沢峠~金時山登山口
②宮城野~明星ヶ岳~塔ノ峰~塔ノ沢
③湯坂路入口~鷹巣山~千条ノ滝~浅間山~宮ノ下
④箱根関所前~屏風山~甘酒茶屋
【(左)台風通過前の千条ノ滝/(右)通過後の様子】
登山道自体は倒木以外、通行止めになるほどの被害はなかったのですが、自然観察会で通過している千条ノ滝の滝壺と排水路が土砂で埋まり、滝前の広場は水浸し。小涌谷駅から続く遊歩道も斜面から出る沢の水が溢れて、水浸し。水が引くまでしばらく通行止めになるそうです。
そして昨日、事前に土砂崩れが発生し通行止めになっていた宮ノ下の堂ヶ島遊歩道の補修活動に行ってきました。
【登山道補修の様子】
従来の登山道はしばらく崩落が予測でき、復旧できないため迂回路を新たに作りました。
斜面には階段、ぬかるみには石畳、手慣れたベテランボランティアの技術は相変わらず惚れ惚れします。
【打ち上げられたゴミの回収】
この場所は早川と蛇骨川の合流地。両河川からの大量の水が押し寄せたため、川岸から数十m離れた登山道まで増水したようです。そのため、両川からの漂着ゴミが登山道場に散乱していました。漂着ゴミのほとんどは、発泡スチロールやペットボトル。日頃からゴミ拾いをしていますが、この量が流れ着くとは正直どこに捨てられていたのか怒りを覚えます。
【(左)回収後の様子/(右)回収したゴミの量】
70Lのゴミ袋10袋。袋が足りず、まだ藪の中に今回拾ったゴミくらいの量が隠れています。いつ拾いに行くか・・・。
他のコースの踏査も終わり、全ての登山道の調査が終わりました。今回確認したコース上では千条ノ滝周辺以外は通常通り散策可能ですが、未だ斜面から水が湧き出て、登山道がぬかるんでいる箇所があるため、注意して下さい。
また、登山道情報は、箱根町と箱根VCが協力して登山道情報をまとめて下さり、それぞれのホームページに現在の状況を掲載していますまた、箱根町のホームページには箱根町内の道路交通情報も掲載されていますので、箱根にお越しになる際は必ずご確認いただいてからお越し下さい。
◆箱根ビジターセンター(http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html)
◆箱根町(https://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/10,4102,48,181,html)
〈本日の一押し写真〉
【雲に浮く箱根山】
今朝、北西側の外輪山から見た様子。箱根の場合は標高1000m以上の場所に行くと雲海が見やすいです。
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回は、箱根ビジターセンター周辺の自然情報を紹介します。
【箱根ビジターセンターはここ】 → http://hakonevc.sunnyday.jp/access.html
観光スポットの元箱根や箱根神社から、車で15分程度の「湖尻」という地域にあります。
箱根の自然に触れたい方々には、「湖尻」まで足を伸ばすことをおすすめします。
4月、箱根や富士周辺に自生する桜、「マメザクラ」が咲き始めました。花の付き方が独特で、1輪ずつのかわいらしい花が枝に下向きで付いています。下から見上げると、桜花1輪1輪が、すべてこちらを向いてくれます。また、遠目に見ると、霧のような、粉雪のような、周囲に溶け込む美しい桜です。
こんなマメザクラを楽しみながら、ビジターセンターから徒歩10分程度で「野鳥の森」に到着します。
ここには、小さな池があり、野鳥観察小屋から小鳥たちの水浴びなどを観察できるポイントです。
まだ寒い2月、この池ではヤマアカガエルの産卵が観察されました。
カエルといえば、春まで冬眠するのが一般的ですが、ヤマアカガエルはこの寒い時期に一度目を覚まし、ほかのどのカエルたちより早く産卵を行います。今年の3月にはオタマジャクシがこの池に大発生し、びっくりするような状態でした。そんな池で、4月3日、たまたま近くを通ると、たくさんのカエルの声がするではありませんか。
なんと、アズマヒキガエルが繁殖行動の最中でした。
数日後、また見に行くと、立派なチューブ状のアズマヒキガエルの卵が確認できました。
無事成長することを祈り、しばらく観察を行っていきましたが、事件が起こります。
ヤマアカガエルのオタマジャクシが、卵を食べているではありませんか!
自然界は厳しいですね。
生存競争を目の当たりにし、驚きつつも、2月に厳しい環境の中卵を産むヤマアカガエルのたくましさが感じられた出来事でした。2種類のカエルが過酷な生存競争を繰り広げた隣では、メジロたちが平和に水浴びをしています。春の水辺は、生物たちが活性化しています。