尾瀬国立公園
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2016年04月18日春の訪れ
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは
ただ今尾瀬沼ビジターセンターなど
環境省所管施設の開所作業真っ最中なのですが・・・
御覧の通り、下に水が通っている所は雪が溶けたり割れたりしています。
尾瀬沼の氷も薄かった所は大分溶け、
「例年より早い春の訪れを感じています。」(と尾瀬関係者の方がおっしゃっていました)
大江湿原の道標も写真の通り、しっかり見えています。
そして、雪解けが進んでいるので
踏み抜きの危険性が高くなっています。
割れている箇所は通らないなど、気をつけなくてはなりません。
そして、話は変わりますが
沼山で発見した足跡
果たしてシカなのかカモシカなのか・・・私には判別できず断念。
急ぎ足で訪れる春
今年の尾瀬は何がおきるのでしょうか。
2016年04月05日至仏山利用ルール(暫定版)
尾瀬国立公園 柳澤美果子
こんにちは。
新年度がスタートし、早くもアクティブ・レンジャー2年目の春を迎えました。
今年度もよろしくお願いします!
各地で桜が満開となり見頃を迎えていますが、ここ片品村に桜が咲くのは例年4月の下旬頃。
本格敵な春の到来が待ち遠しい今日この頃です。
さて、至仏山保全対策会議による「平成28年シーズン至仏山利用ルール(暫定版)」が
尾瀬保護財団のホームページに掲載されたのでお知らせします。
平成28年残雪期(4月22日~5月6日)至仏山入山の皆様へ(暫定版).pdf
3月22日に、鳩待峠から至仏山間に設置してある積雪深計の積雪量を確認しに行ってきましたが、
3箇所の積雪量はすでに昨年4月の半分程でした!
4月15日に、至仏山保全対策会議の残雪調査が予定されているので、
また状況をお知らせしたいと思います。

オヤマ沢田代手前から至仏山 3月22日撮影
2016年03月17日尾瀬沼ビジターセンター雪下ろし2016
尾瀬国立公園 野原英廣
皆様初めまして。
昨年の8月より檜枝岐自然保護官事務所に着任しました、野原と言います。
よろしくお願いします。
先日、尾瀬沼集団施設地区内の雪下ろしが行われ、私も同行してまいりました。
尾瀬沼集団施設地区の様子です。
およそ1.5mほどの積雪でした。
環境省所管施設である尾瀬沼ビジターセンターの様子です。
屋根の雪は落ちていましたが、その落ちていた雪の量のすごいこと。
しかし、尾瀬関係者に話を伺うと、
今年は例年になく雪が少なく、昨年の3分の1ぐらいだそうです。
雪が滅多に降らない地域出身の私としては十分すぎる量。
いやはや、自然につくづく敬服するばかりです。
それではまた。
2016年03月16日尾瀬の雪はどれくらい?
尾瀬国立公園 柳澤美果子
こんにちは。
今日は積雪の状況確認をしに尾瀬ヶ原の山ノ鼻に行ってきました。
山小屋などの長年尾瀬にいらっしゃる方々からも今年は雪が少ないという声を耳にしますが、
やっぱり、雪が少ない!!!積雪はおよそ1メートル位。
堅い雪の上に新雪が20センチ程積もっていました。山ノ鼻ではスノーシューを使わなくても楽に歩ける程です。この先暖かい日が続けば、さらに雪解けが進むことでしょう・・。
山ノ鼻ビジターセンター
昨年のこの時期は、2階の窓まで雪に埋もれていたそうです!
原の川上川橋
例年埋まっているという橋梁もすでに現れています。
山ノ鼻からみた至仏山
例年この時期は真っ白だという山肌は、岩や木々が顔を出して黒く見えます。
例年至仏山保全対策会議よりみなさまにお願いしている「至仏山利用ルール」については、
詳細が決まりましたらお知らせします。
2015年11月13日尾瀬閉山
尾瀬国立公園 柳澤美果子
秋の日はつるべ落としと言いますが、日が過ぎるのもあっという間で、
11月も中旬になってしまいました。
10月中旬、木々が葉を落とし始めると、入山者もポツリポツリと少なくなりました。
順々に山小屋も今シーズンの営業を終え、尾瀬はだんだんと静かで寂しくなってきました。
尾瀬は豪雪地帯。冬の間は深い雪にすっぽりと覆われてしまうので、
閉山を前にいろいろな所で雪対策がとられます。![]()
小屋じまいした山小屋
窓や扉に板を張って、がっちりガード!
川にかかる橋の橋板も雪の重みに耐えられないため、撤去です。
橋板撤去作業の様子(11月5日)
骨組みだけになった上ノ大堀川橋
落ちたら大変です・・。
枯れ木?
ではなく案内表示板を外した道標です。(山ノ鼻)
そしてついに、先日の9日、尾瀬の入山口である鳩待峠と大清水へ続く道路の
ゲートが閉まりました。
冬期閉鎖期間
戸倉~大清水間 11月9日から4月15日
戸倉~鳩待峠 11月9日から4月下旬
これで、いよいよ尾瀬は閉山を迎えました。
この後、来年の5月まで、長い冬の眠りにつきます。
冬を前に静まりかえる尾瀬
尾瀬は閉山しても、片品自然保護官事務所は冬期も閉所しません。
そして、私にとって片品村で過ごす初めての冬がやってきます。
まわりの方々から色々と脅かされて、今からドキドキしていますが、
雪に、寒さに負けず頑張りたいと思います!
2015年09月17日草紅葉のアヤメ平
尾瀬国立公園 柳澤美果子
こんにちは。
アヤメ平から八木沢道経由で尾瀬ヶ原まで巡視に行ってきました。
尾瀬では幸いにも先日の大雨による大きな影響はなく、
今回歩いたコースも異常はありませんでした。
アヤメ平は標高約1900mの山上に広がる湿原です。
その名前から、さぞかしキレイなアヤメのお花畑があるのかと思いきや、
実は、キンコウカの葉をアヤメと間違えて名付けたのが由来といわれています。
それだけキンコウカが一面に広がり、夏の黄色い花や、秋の草紅葉は見事!
そして、これからがちょうど草紅葉がきれいな季節です。![]()
色づくキンコウカの葉
池塘も点在し、その奥に燧ヶ岳や周辺の山々が見える光景は別天地のようです!
アヤメ平から望む燧ヶ岳 青空を写す池塘
前回の至仏山の記事で植生復元について紹介しましたが、
ここアヤメ平も長年、植生復元を実施している場所として知られています。
かつて天空の楽園と呼ばれたアヤメ平には、尾瀬ブームといわれた昭和30年代に大勢の登山者が押し寄せ、
湿原が踏みつけられぬかるみが広がり、泥炭がむきだしになるなど、その姿は様変わりしてしまいました。
昭和40年代頃から、群馬県や東京電力を中心に植生復元が行われています。
40年間かけてその姿は戻りつつあるものの、いまだ回復していない箇所などもあり、
自然の保護と利用について考えさせられる場所でもあります。![]()
今も残る過去の爪痕
尾瀬ヶ原もだんだんと草紅葉が進んできています。見頃は例年9月下旬から10月上旬です。
初夏から色とりどりの花が咲いた尾瀬にもエゾリンドウが咲き、花のシーズンに終わりを告げます。![]()
![]()
エゾリンドウ 池塘に浮かぶヒツジグサの葉も色づいています
尾瀬では気温がぐっと低くなり、日も短くなってきました。
余裕を持った計画をたて、防寒服やライトなどの装備を用意して、秋の尾瀬を楽しんでください♪
2015年09月09日植生回復作業@至仏山
尾瀬国立公園 柳澤美果子
こんにちは。
9月5日に、至仏山の東面登山道(山ノ鼻~至仏山間)の植生回復作業に参加してきました。
毎年沢山の登山者が訪れる至仏山。
しかし、長年の登山の影響によって、登山道周辺の植生が踏みつけなどによって荒廃し、
裸地化(植物がなくなり土壌や岩がむき出しになった状態)が進むなど、深刻な問題を抱えています。
群馬県では、平成4年から群馬県至仏山保全対策等事業により
裸地化した個所の植生回復や登山道の荒廃防止対策を実施しています。
当日は群馬県・尾瀬保護財団・ビジターセンター職員、尾瀬ボランティアさん等、
総勢15名で作業を行いました。
まず、作業用資材の荷上げという大きな仕事が待っていました。![]()
麻袋にササを詰めたもの(土のう代わりに使用)を背負子に背負い、いざ出発!
(これがなかなか重かった・・)
肩にずっしりとした重みを感じながら、ようやく至仏山中腹の作業現場に到着。
今回の作業現場は標高1900m付近の裸地化した山腹です。
作業内容は、これ以上土壌が流出し、水道(みずみち)化するのを抑えるため土のうを設置し、
さらに緑化ネットを敷いて植物が生育しやすい環境を整えることです。![]()
作業中の様子
緑化ネットで地面をおおい、ネットを竹串や石で固定します。![]()
緑化ネット設置後の様子
こうすることで、土壌の流出を防ぎ、土を安定させ、植物が生育しやすくなります。
以前、緑化ネットを敷いた箇所や、人が立ち入らないようロープを張った場所では、
植物が成長し、少しずつ成果がでているとのこと。
私は今回が初参加でしたが、地道に継続することの大切さを感じ、なんだか嬉しくなりました。
今回作業した場所が、この先どのように変化していくのか、楽しみに経過を見ていきたいです!
![]()
少しずつ植物が回復しつつある過去の作業現場
残念ながら、今でも時々、登山道を外れて歩く人が見られます。
一度荒廃してしまうと、復元するまでに多大な労力と時間がかかります。
至仏山の美しい自然をこの先も残していくために、登山道からは決して外れないようにお願いします。
![]()
作業現場から見えた尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
ここからの眺めは最高です!
2015年09月03日尾瀬サミット2015
尾瀬国立公園 柳澤美果子
8月31日から9月1日、尾瀬サミット2015が尾瀬沼で開催され、
3県知事をはじめ、尾瀬に関わる多くの関係者が参加しました。
【サミット会場の様子】
テーマは「尾瀬の輝ける未来を考える」
主に、ニホンジカ対策についての取り組みや、適正利用の推進、
外国人旅行者の対応などについて報告や意見交換がされました。
ニホンジカ対策については、平成26年度の環境省・群馬県・福島県の
合計捕獲頭数が463頭で、前年よりも増加した事が報告され、
今後も継続して捕獲・対策を実施していく事が確認されました。
適正利用推進については利用分散化が大きな課題の1つです。
現状では、入山者の半数以上が鳩待峠口を利用しており、利用の偏りが課題となっています。
そのため、尾瀬の多用な魅力をゆっくりと楽しんでもらおうと、
今年6月から大清水から一ノ瀬間の低公害車の運行が始まりました。
大清水から尾瀬へのアクセス時間が短縮されることで、尾瀬にゆっくり滞在し、
これまで足を伸ばせなかった場所における様々な尾瀬の魅力を、より多くの人に
楽しんでいただけることが期待されます。

【一ノ瀬で登山者を待つ低公害車】
また、近年増加傾向にある外国人旅行者の受け入れ方法や、
ルール・マナーの周知についても連携して取り組んでいくことが確認されました。
4県、5市町村にまたがる尾瀬国立公園。
そこには、尾瀬に関わる様々な機関・団体、また尾瀬を愛する人達がいます。
お互いが協力し、連携をとりながら、一丸となって、尾瀬の美しい自然を守り、
その魅力を伝えていくことの大切さを改めて感じました。
【秋へと移り変わる尾瀬を彩るオゼミズギク】
2015年07月10日燧ヶ岳山開き
尾瀬国立公園 長峯 彩
先日7月4日(土)に会津駒ヶ岳山開き、5日(日)に燧ヶ岳山開きが行われました。
4日はあいにくの天気でしたが、5日は曇天ながらも燧ヶ岳山頂からははっきり尾瀬沼を見ることができました。
山頂付近にはコケモモやミヤマキンバイが咲き出しています。
登山道沿いにはチングルマやイワカガミ、コバイケイソウやワタスゲが群生して登山客を楽しませていました。
今年はイワカガミの当たり年らしく、大江湿原や尾瀬ヶ原でもイワカガミが群生しています。丈の低い花ながらも、鮮やかなピンク色はやはり目を引きます。
花によって当たり年が違うので、毎年違う表情を見せてくれるのが尾瀬の良いところだと思います。
山開きされた燧ヶ岳ですが、山頂付近にはまだまだ残雪があります。とても滑りやすくなっていますので、心配な方は軽アイゼンを用意し、安全に登山を楽しんで下さい。



こんにちは!
事務所のある片品村もようやく桜が満開を迎え、辺りも一気に春色に色づいてきました。
外からはウグイスやキジの鳴き声が聞こえてきます♪
さて、先週の4月15日に至仏山の残雪調査に行ってきました。
麓に春がやってきたものの、山の上はまだまだ雪の残る世界。
しかも、この日は雪が吹きつけ、冬に逆戻りしたような寒さでした。
悪天候のため、至仏山山頂までは行くことは出来ませんでしたが、
積雪量など所要な箇所は確認する事が出来ました。
鳩待峠から至仏山間の3箇所に積雪深計が設置されています。

さて、気になる積雪量は・・?
鳩待峠付近:65cm!(2015年4月23日 2m10cm)
なんと1mをきっていました!
昨年ならこの写真の画面はすべて雪に埋まっています!

標高1780m付近:1m (2015年4月23日 2m50cm)
赤いラインが昨年の積雪量です。

1850m付近:1m10cm(2015年4月23日 2m90cm)
赤いラインが昨年の積雪量です。
前回積雪量を確認した3月末と比べても、積雪量はかなり減っています。
このペースで雪がとけ続ければ、大型連休までどれ程の雪が残っているか・・。
滑走可能範囲は、かなり限られており
沢を渉る地点にはスノーブリッジはなく、滑走用具を脱いでの渡渉になります。

4月15日時点のオヤマ沢の徒渉点です。
雪解けが進むと沢の水量が増し、渡渉が難しくなる可能性もあります。
今回の調査をうけて、至仏山の利用ルールが更新されました。
詳しくはこちら↓
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/62812/
今後の雪解けによって状況は変わってきます。
入山される方は最新の情報を確認し、決して無理をせず十分お気をつけ下さい。