富士箱根伊豆国立公園 箱根
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2018年09月12日子どもパークレンジャー(箱根地域)第3弾!
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
ご報告が大変遅れました。
先月8月22日に子どもパークレンジャー第3弾「子どもパークレンジャー箱根サマースクール2018~富士箱根伊豆国立公園の成り立ち~」の開催についてご報告いたします。
今回は箱根町が町内在住の小学3年生から6年生までを対象にした「箱根町子ども教室(自然体験)」の一環として開催致しました。
午前中のみのイベントでしたが、地図の上に乗って箱根地域や富士山、伊豆半島や伊豆諸島を探して地形の様子を学んだり、パズルを使って地質年代順に並べてみたりと、遊びながら楽しく学ぶことが出来ました!
↑静岡県全域および富士箱根伊豆国立公園管内が印刷された赤色立体図
↑赤色立体図に乗って箱根地域探し!見つけて外輪山や中央火山群の様子など上から箱根地域を観ることが出来ました。また印刷なのに立体に見えてくるのがとても不思議でした。
↑相原レンジャーによる国立公園の紹介
箱根ビジターセンター内の展示やパンフレットを使って箱根地域以外の場所(伊豆半島や伊豆諸島など)を紹介しました。共通点は「火山」だと紹介すると、子どもたちはとても驚いていました。
↑火山と地震の発生のメカニズムの説明。紙芝居になっているため、どのように噴火するのかとても分かりやすいものでした。
↑地質年代が分かる木製パズル
静岡県ですが、箱根外輪山の西側は静岡県のため、地質年代を把握するのにはうってつけのパズルです。
組み立ててみると国立公園内では伊豆半島が一番古く、次に箱根地域、最も新しいのは富士山というのが分かりました。
↑岩石クイズ
第2弾でも行った4つの地域(富士山、箱根、伊豆半島、丹沢)の石がどんな特徴があるのか調べながらクイズに答えていくものです。前回も参加してくれたお子さんもいらっしゃいましたが、やはり富士山と箱根が難しいようで、復習となって良かったと喜んでいました。
今年度の子どもパークレンジャーのイベントはこれにて無事終了。参加した子どもたちが将来自然を守る仕事に就いてくれたら嬉しく思います。ご参加いただきありがとうございました。
来年度ももっと楽しいイベントを計画していけたらと思いますのでそのときはまた参加していただけると幸いです。今からどんなお子さんが参加してくれるかな?
2018年08月20日箱根路から精進池にかけて(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
箱根といったらやはり「温泉」「大涌谷(黒たまご)」「歴史(関所・旧街道)」が有名でしょうか。
このお盆休みもそれを目当てかは定かではないですが、箱根はとても賑わっています。
先日、台風12号の通過した直後に11月に開催行事の下見に行ってきました。
下見のコースは「県立恩賜箱根公園⇒旧街道⇒お玉ヶ池⇒精進池」の順で進み、道中には「旧街道」で有名な杉並木や石畳も含みます。台風後だったのもあって落枝や葉が散乱していましたが、特に斜面が崩れるといった大きな被害はありませんでした。
そして台風通過した直後にもかかわらず、多くの外国人観光客とすれ違い、天候にかかわらず来て楽しんでいただけていることにとても嬉しく思いました。
↑旧街道の杉並木。樹齢400年を超す大木が立ち並びます。休日にはたくさんの人が訪れ、関所と合わせて観光、散策される方が多いです。
↑小田原方面の道標。石畳と相まって歴史の重厚感が感じられます。
旧街道から外れ、精進池方面に進むと手前にお玉ヶ池が現れます。名の由来は、伊豆へ帰ろうと関所破りをして役人に捕まった「お玉」という少女が処刑され、その池で首を洗われたと言う悲しい伝説あり、いつしかそう呼ばれるようになったそうです。台風一過のおかげか、そんな風には思えないほどとても綺麗な場所でした。
↑お玉ヶ池。奥に見えるのは下二子山。山頂は特別保護地区に指定されている場所です。ゆったりとした時間が流れる素敵な場所でした。
↑周辺に咲くヌマトラノオ。水辺や湿地帯に上に伸びて咲く白く可憐な花です。
また、お玉ヶ池から約15分から20分の所に精進池があり、この周辺には鎌倉時代に彫られた石仏が多くあります。
↑精進池。奥に見えるのは駒ヶ岳。
この周辺で9月9日(日)に「初秋の湯坂路と石仏石塔群」という観察会を行います。
申込み締切は8月29日までなので、宜しかったら是非お申込みを!詳細は下記のページです。
http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html#
また、今回のコースは約3時間から4時間程度で散策出来るコースです。
スタート地点とゴール地点にはどちらも駐車場があり、バスで行き来することが出来ます。
箱根フリーパスを使っても良し!車で来てどちらかに駐車してバスで戻ってきても良し!
オススメのコースですので、是非夏休み・シルバーウィークに散策してみてはいかがでしょうか。
※雨上がりの石畳はとても滑りやすいです。十分にご注意ください。
2018年08月16日富士山のトイレチップ(協力金)のその後、、、!
富士箱根伊豆国立公園 池田興平
今回の日記は富士山頂にある公衆トイレの協力金(チップ)についての記事をお届けします。
登山者の皆様から頂いた、富士山頂の公衆トイレのチップの回収作業は
富士山環境保全協議会が行い、環境省がサポートしています。
(山頂公衆トイレ)
山頂公衆トイレは一回の使用につき300円のチップをお願いしています。
(回収箱にチップを入れる様子)
富士山頂の公衆トイレでチップの協力のお願いをしている背景としては山頂という特殊な環境下であるため維持費用が多く掛かるためです。
一般的に富士山のトイレは、オガクズやかき殻を用いたバイオ式のトイレであるためバイオにより一次処理後は廃棄物を麓まで運んでから処理します。
このような運搬費のほか、清掃要員の人件費や施設のメンテナンスなど多くの費用が掛かってきます。
詳しくは富士山オフィシャルサイトの【富士山のトイレ】を参照してください。
そしてトイレのチップは山頂から麓まで運搬されます。
ひとえに回収作業といっても、このように雲の上から運ばれてくると考えると、大変な労力がかかっているのだなと感じます。
それにしても、晴れ間の富士山頂からは絶景ですね!
そして五合目まで運ばれたチップを車に積み替えます。
このような作業工程を通常2、3週間程度に一回のサイクルで行います。
そのため回収するタイミングによってチップの重さは変わってきます。
今回の協議会によるチップ回収作業は
おおよそ100キロの重さのトイレのチップを回収できました。
さて、回収したトイレのチップはというと、、、
塵や埃をタオルでふき取る作業をします。
銀行に入金をする際に、機械が壊れないようにする目的があります。
100キロのものチップを次々ときれいにしていく作業は根気が必要とされますが、皆様から協力いただいたお金のため丁寧に作業をしてきます。
今後も世界遺産である富士山の環境保全のためと、登山者の皆様が安心して登山が出来るように、トイレ使用時にはご理解と、ご協力をお願いいたします。
2018年08月16日子どもパークレンジャー(箱根地域)第2弾
富士箱根伊豆国立公園 箱根 三瓶雄士郎
暑い日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。 箱根地域は猛暑も過ぎ去り、さわやかな風が吹き抜け、どこか秋の様子を感じます。
今回は8月7日に開催した「箱根ジオパーク2018『国立公園を守る子どもパークレンジャーになろう』をご報告いたします。
午前は箱根ジオミュージアムで箱根火山群の成り立ちや火山の基礎知識についてスライドでの紹介や、お手製の実験器具を使った噴火実験や岩石の見極めクイズなどをして、箱根ジオパークの重要性・希少性を楽しく詳しく教えていただきました。
↑箱根火山群を教えてくださった学芸員の山口氏。映像を交えながら箱根火山の歴史を教えてくださいました。
↑噴火実験の様子。噴火したときに火口からどのように岩石が噴出するのか学ぶことが出来ました。写真は噴石が飛び出した時の様子。子どもたちが意外にも冷静なのが一番の驚きです・・・。
↑岩石クイズの様子。NPO法人ホールアース研究所 津田氏の解説の下、富士箱根伊豆国立公園+丹沢で見られる岩石クイズを行いました。写真は塩酸を垂らして石灰岩を見極める実験の様子。
午後は箱根ビジターセンターへ移動し、金太郎岩までの道のりを自然観察しながら散策したり、事務所前で第1弾でも行ったコーラでの噴出実験やホットケーキミックスを使った「マグマケーキ」作りをして、箱根の自然と岩石の成り立ちをについて美味しく、楽しく学びました。
↑箱根ボランティア解説員連絡会の太田氏による自然観察。赤いウィンナーのような物がぶら下がっているのが特徴の「ツチアケビ」やスギやヒノキの違いなど、箱根地域の動植物の紹介をしてくださいました。
↑金太郎岩の紹介。この岩はどこから転がってきたのか、この岩は火山岩なのかをNPO法人ホールアース研究所 津田氏が解説してくださいました。写真は金太郎岩の破片に磁石をくっつけて火山岩なのか調べている様子。
↑マグマケーキ作りの様子。溶岩から出来る石はなぜボコボコしているのか理解するため、ホットケーキミックスを使ってカップケーキを作り、膨張剤で生地が発砲している様子をマグマと火山ガスに見立てて解説してくださいました。
最後に相原レンジャーより国立公園の説明や今起きている箱根の環境問題について、箱根ビジターセンター内の展示を使用しながら分かりやすく説明してくださり、国立公園について、自然の大切さを教えていただきました。
↑「シカ問題」について解説している様子。「町内で見たことあるよ!」と声が上がっていました。
箱根での子どもパークレンジャーは残すところ、あと一回となりました。
箱根町内に住む小学校3年生から6年生が対象ですが、親子参加も出来ます。
第4回 平成30 年8 月22 日(水) 9:30~12:00
「子どもパークレンジャー箱根サマースクール2018~富士箱根伊豆国立公園の成り立ち~」
について開催致します。
前日の8月21日まで募集しておりますので、是非お申込みをお待ちしております!
2018年08月14日子どもパークレンジャー(箱根地域)第1弾
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
台風12号が通過し、神奈川県では小田原市~湯河原町にかけての海岸沿いに高波の影響で大きな被害が出てしまっているようです。箱根地域は看板が飛ばされる被害がいくつかあったようですが、大きな事故もなく少しほっとしました。
さて、毎年7~8月にかけて子どもパークレンジャーイベントを開催しています。先日7月25日(水)には地元の小学校との共催で小学生を対象にしたサマースクールイベントを開催しました。
イベントテーマは「子どもパークレンジャー体験」「溶岩染め」「自然観察会」「クラフト~キーホルダーづくり~」の4つに分かれており、参加者は体験したいテーマを選び、体験するイベントです。夏休みに入った子どもたちは元気いっぱい!大盛り上がりなイベントになりました。その様子をご紹介します!
【子どもパークレンジャー体験】
箱根火山の歴史や火山の噴火について、地域の動植物など箱根特有の自然環境を学ぶとともに、国立公園の歴史や保護されてる理由などを実験などでわかりやすく学ぶプログラムです。
↑軽石の紹介をするNPO法人ホールアース研究所スタッフ。富士箱根地域のジオ関係にとても詳しく、わかりやすく解説してくださいました。
↑コーラを使った噴火実験。コーラをマグマに見立て、振る(地震が起きる)とどんなふうに中身が噴出するのか実験して、噴火のメカニズムを学びました。奥の子どもはとても上手に噴出していますね!
【溶岩染め】
粉末状の富士山の溶岩を水で溶かして染液を作り、刷毛や筆を使って白い布に絵を描く染物体験です。古くからの技法や文化を体験しました。
↑染液作り。粉末状の溶岩と染色粉、水をバットに入れて染液を作ります。少し風が強くて粉が飛ぶハプニングがありましたが、無事に染液が完成!
↑溶岩染め体験。手前の作品は箱根の風物詩「大文字焼き」をイメージして描いたそうです。それぞれ良い作品がたくさん出来ました。それにしてもみんな上手!
【自然観察会】
↑箱根ビジターセンターの職員が周辺の散策路を案内してくださり、昆虫を中心に箱根の動植物を観察しに行きました。
【クラフト-キーホルダーづくり-】
↑箱根ボランティア解説員連絡会の協力の下、木の輪切りや木の実などを使ったキーホルダーを作りました。素敵な作品がたくさん出来ました。これで夏休みの自由工作は完璧かな?
それぞれのプログラムでたくさん遊び、学ぶ事ができた1日でした。
2018年07月18日芦ノ湖西岸 散策(箱根)
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
関東地方が梅雨明けをして早2週間。都心部では気温35℃を超す猛暑日が続いていますが、箱根地域では気温30℃以下の日が多く、木陰に入るとより涼しく感じます。
今月10日(火)に箱根地域の自然情報を収集しているパークボランティアと一緒に芦ノ湖西岸歩道を巡視してきましたので、その様子をお伝え致します。
芦ノ湖西岸コースは、全長約11.5km、コースタイム約4時間。アップダウンが少なく、自動車が通らず、人工的な建物がないコースなので長距離のトレイルウォーキングを楽しみたい方、自然の中でゆっくり楽しみたい方にはオススメのコースです。
今回は地図とは逆のコース(スタート:箱根町港、ゴール:箱根ビジターセンター)で巡視をしました。
↑芦ノ湖西岸歩道のコースマップ
僕がこのコースで実感した見所は様々な芦ノ湖の景色です。
火山活動によって出来た芦ノ湖は地形が複雑で、遊歩道から降りられる砂浜から見る景色が全く違います。
【箱根町港】夏らしい青空と遊覧船(海賊船)がとても良く合います。
【白浜】箱根町港から歩いて1時間で来られるゆっくりとした時間が流れる砂浜。
【真田浜】箱根火山群(矢印左側から大涌谷、神山、駒ヶ岳、二子山、大観山)が一望でき、見える人工物が少なく、自然を満喫できるオススメスポット。コースの中間部でお昼を済ますにはちょうど良い場所です。
【深良水門前】外輪山最高峰の金時山(矢印左側/標高1,212m)と箱根地域の最高峰神山(矢印右側/標高1437.8m)が望むことが出来ます。
また、コース上は広葉樹林と針葉樹林を交互に通過するため、それぞれの環境を好む動植物に出会えます。
↑シロバナイナモリソウ。木陰にひっそりと咲く小さな植物です。
↑ヒグラシの抜け殻。もちろん成虫にも出会いましたが、路沿いの足下でたくさん羽化した跡が見られました。
↑西岸遊歩道の様子
コースタイムでは約4時間ですが、自然観察やバードウォッチングをするとかなりの時間がかかります。今回の巡視では、ゆっくり歩いたこともあって約7時間もかかりました。とても気持ちが良いコースですが、途中に待避する小屋や売店などはありません。しっかりと水分や行程を確認して行かれることをオススメします。
また、芦ノ湖には遊覧船があります。桃源台港もしくは箱根町港に駐車し、西岸を通ってどちらかの港から遊覧船に乗って戻ってくる事も出来ますので、丸1日のんびりと箱根の自然を堪能してみてはいかがでしょうか。
2018年07月12日都心から近くの大自然(箱根)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 池田興平
関東甲信地方は観測史上最速で梅雨明けしたようですが、
箱根ではまだ雨が降る日が続いております。
そんな中、今回は貴重な晴れの日に金時山に登ってきました。
画像は公時神社方面の山頂付近から撮った写真になります。
ご覧下さい。この眺望を。
中央左にグリーンの芝の様に見えますが、こちらが仙石原ススキ草原です。
秋になるとススキが黄金色に染め上げ、多くの観光客が訪れるスポットでもあります。
また、雲の配置や空気の層によって青色が微妙に違うあたりなど、初夏を感じて美しいなぁと思います。
もうすぐ山頂ですが、足を止めて思わず深呼吸をしてから出発しました。
金時山は箱根外輪山の最高峰(1212m)で10万人超の登山者がいる人気の山です。
さて今回の目的は、その金時山の登山者カウンターのデータを回収することです。
最近は雨が続いていたので、約一ヶ月半ぶりのデータ回収となりました。
こちらが実際に使っている登山者カウンターです。
登山者カウンターはバッテリーと太陽電池によって稼働します、通常は太陽で利用しているのですが、曇りや雨天時などではバッテリー稼働に切り替わります。
金時山には6つの登山口(公時神社、矢倉沢峠、乙女峠、南足柄、夕日の滝、足柄駅)があり、その中で山頂付近の公時神社、乙女峠、南足柄の3つそれぞれにルートにカウンターを設置しています。
一番人気のコースは公時神社ルートで、一ヶ月の登山者数の平均をして8,000人程が登り、特に多くの登山者が訪れるのはGWや紅葉シーズンの11月になります。
金時山の登山道では動植物との出会いに恵まれました。
淡い紅色の【シモツケ】
尻尾が取れた【ニホントカゲ】
季節ごとに出会う動植物が違うので、登る度に新鮮なのも登山の醍醐味の一つですね。
雪解けをした富士山、金時山山頂にて。
7月に入って雨も続く中、富士山が見られるのは珍しい事なので、運が良かった!
ぜひ、箱根に来た際は金時山に登りにいらしてください!
2018年07月05日【箱根地区】平成30年度第1回パークボランティア研修会 実施報告
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
6月30日は箱根地域で活動されるパークボランティアの皆様に向けて、今年度第1回目の研修会を開催致しました。その様子をご紹介します。
まず、パークボランティアとは国立公園において、自然観察会等の解説活動や美化清掃、利用施設の簡単維持管理などの各種活動について、広く国民の参加を求め、一層の活動の充実を図るとともに、自然保護の普及啓発を図ることを目的として、これらの活動に自発的に協力して頂ける方の事で、各地区でさまざまな活動を行っています。
箱根地域のパークボランティアは、上記の他にも学校や一般の団体から自然解説活動のガイド依頼があります。今回の研修会では「自然ガイド」をテーマに箱根ビジターセンター周辺で座学と実技を合わせた研修会を実施しました。
10:00 開会式
↑開会式の様子、石川所長の挨拶より始まりました。
10:10 講義「箱根ビジターセンターにおける自然解説活動と解説時の注意点」
今回の研修会では(一財)自然公園財団箱根支部(箱根ビジターセンター勤務)の加藤 氏 他3名の職員に講師を依頼し、箱根ビジターセンターではどのような活動をしているのか、どんなところに気をつけて解説しているのかなど、事例を交えながら講義をしていただきました。
↑加藤氏による講義の様子、スライドを使って解説では何が重要か、解説する前の下見の重要性などを説明してくださいました。
↑職員の石原氏 毎週日曜日開催の「四季観察会」事例発表。箱根の四季を感じながら周辺の動植物を中心に観察し、四季の様子を体感してもらうプログラムです。
↑職員の築紫氏 毎週土曜日開催の「子ども自然遊び塾」事例発表。0歳からのお子様とその保護者を対象に、自然観察ではなく自然のモノや道具を使って自然の中で遊ぶ楽しさを体感してもらうプログラムです。
それぞれの事例発表を聞いていると「下見」を大事にしていると話されていました。書面での企画も大事ですが、下見で実際の自然環境の様子、どこに危険な箇所(ハチの巣、ウルシ類、落枝、転倒)があるか把握することで、安全に楽しく箱根の自然を満喫してもらうことが出来ると強く言われていました。
11:40 「グループワーク〈ミニ自然観察会〉」の計画と実施
ここからは財団職員と当職が考案したグループワークです。
参加者を4班に分け、その中で一名ずつミニ自然観察会のリーダーとなって実際にその班のメンバーに向けて自然解説をしてもらう実技研修です。計画から下見、実施を実際にしてもらうことで、現在の自分に何が良かったのか悪かったのか知ることが出来るとともに、他のパークボランティアの自然解説が聞くことが出来るため、解説の幅を広げてもらおうと計画しました。
実技の設定は某外部団体から「自然解説をしてほしい」とガイド依頼があり、解説リーダーとなって解説してもらうこととしました。
対象は「小学校団体」「中高生団体」「子どもが交ざる一般向け」「中高年団体」の4つに分け、それぞれの参加者にくじ引きで選び、当たった対象に向けて自然解説を計画実施していただきました。
↑くじ引きの様子
くじ引き後は昼食を挟んで、解説場所へ下見に行きました。
12:45 下見と計画
場所はビジターセンター前の広場や散策路です。
対象によって、解説内容や注意する点が異なります。アドバイザー(財団職員+事務所スタッフ各一名)が同行しているので、何に注意した方が良いか、こんな解説はどうだろうか相談しながら解説内容を組み立てていました。
↑下見の様子。それぞれで得意分野があるため、たくさんの発見があって、和気藹々とした雰囲気でした。
↑財団職員からもネタのアドバイス。
13:45 ミニ自然観察会 開始
1人の持ち時間は10~15分。ジオを解説する方、植物を解説する方、自然の中で遊ぶ方など様々な手法があって、皆さん緊張されていましたが、とても楽しそうに解説をされていました。
↑「子どもが交ざる一般向け」に解説をするパークボランティア。葉っぱで鳥の鳴き真似をする遊びを披露した。
↑「中高年団体向け」に解説をするパークボランティア。観察しやすい植物を中心に解説されていました。
↑「小学校団体向け」に解説をするパークボランティア。
小学生になりきった皆さんに散策路沿いに落ちている自然のモノを拾いながら観察しました。
普段から観察会で解説されるベテランガイドも、不得意な対象に当たり苦戦されていました。また、解説している方以外はその対象になりきって解説を受けるので、「対象者になりきる」と言うのがなかなか難しいところでもありました。(特に小学校・中高生団体・・・。)
15:00 ミニ自然観察会を終えての反省会
皆さんに解説をしていただいた後、ビジターセンターに戻り、班ごとに反省会を行いました。それぞれの反省点では「動植物が分からなくてもどかしかった。」「知らないうちに専門用語ばかりで解説してしまっていた。」「参加者を置いてさっさと先に歩いてしまった。」などやってみて気づいた事が多くありました。また、班での反省会後は、班ごとに何を解説したのか2名ずつ発表し、皆さんに共有していただきました。
↑反省会の様子
今回は15分と短い解説でしたが、実際依頼を受けると1時間くらい解説します。この短い自然解説をたくさん用意するとあっという間に1時間の解説が出来るようになります。
今回を基にまだ参加したことなかった外部団体対応や自然観察会対応に少しでもパークボランティアがリーダーとなって参加していただけたら嬉しく思います。
2018年06月26日6月17日(日)「深緑の箱根湖畔 九頭龍の森で遊ぶ」行事報告
富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎
こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
箱根地域では一般の方により箱根の自然を知ってもらうべく【箱根地区 自然に親しむ運動委員会】(環境省・神奈川県・箱根町・(公財)神奈川県公園協会・(一財)自然公園財団箱根支部)が主催する「箱根地域自然に親しむ運動」というイベントを年9回開催しております。
6月17日(日)は私ども環境省が担当する自然観察会「深緑の箱根湖畔 九頭竜の森で遊ぶ」を開催致しました。
この行事は九頭龍の森でネイチャーゲームや生きもの観察会を実施するお子さんから大人まで楽しめるイベントです。当日は梅雨の晴れ間に当たり、季候も良く、箱根らしい初夏の雰囲気が漂う中での開催となりました。
9:30 開会式
このときはまだ霧雨が降っていたため、箱根ビジターセンター内で開会式を行いました。
↑開会式の様子
9:50 アイスブレイク「動物交差点(私は誰でしょう)」
このゲームは背中に動物のイラストを付け、その動物を他の人に挨拶をしながら「私の動物は空を飛びますか?」や「地面を歩くほ乳類ですか?」など聞き、何の動物か当てるゲームです。これをやったおかげで、参加者同士はもちろん、パークボランティアやスタッフともうち解ける事が出来ました。
↑アイスブレイクの様子
10:00 九頭龍の森に向け出発
九頭龍の森へは芦ノ湖東岸遊歩道という車の通行を規制している区間を通ります。
途中では箱根の固有植物の「ハコネイトスゲ」や「ハコネシチケシダ」などの観察や葉っぱで卵を守る揺り籠を作る「オトシブミの仲間」を観察しました。
↑「ハコネイトスゲ」を紹介するパークボランティア
↑オトシブミの仲間の観察(丸写真は卵が入った揺り籠)
12:20 九頭龍の森到着 お昼休憩
12:45 2班で行動
1班は九頭龍の森園内の散策と九頭龍神社へ参拝に行きました。
↑九頭龍神社周辺での様子
「九頭龍神社」はその昔、万字ヶ池(まんじがいけ:今の芦ノ湖)に九つの頭を持つ龍が棲んでおり、毎年7月に池から出て近くの村を襲い、住民を殺めたり、田畑を荒らしていたそうです。人々はその悪龍の心を静めるため、若い娘を人身御供(ひとみごくう)として差し出していました。これを聞いた万巻上人(まんがんじょうにん)と言う僧侶が三日三晩、池の畔に作った祭壇で祈祷を行ったことで、悪龍が観念し許しを乞うため出現したところを逆さ杉に鉄の鎖で縛り上げ、懲らしめたそうです。すると不思議なことに九頭龍が九頭の龍神に変身したことで、その奇跡にあやかろうと、その場所に九頭龍神社を造り奉ったことが由来とされています。
↑九頭龍神社。今は恋愛の神様として人気が高く、多くの人が訪れます。
2班は広場に残り、お手製の生きものビンゴで九頭龍の森に棲む生きもの観察をしました。
↑生きもの観察の様子
↑お手製の生きものビンゴブック
13:45 ネイチャーゲーム「カモフラージュゲーム」
このゲームは生きものの「擬態」について学ぶゲームです。生きものは自然の風景に溶け込む模様になっています。それを学ぶため、人工物(ペンやぬいぐるみなど)と自然物(木の実や鳥の羽など)を一定の範囲で森の中に隠し、それらを探すというモノです。意外と見つからず、参加者並びにスタッフも全13個を見つける事が出来ませんでした。
↑カモフラージュゲームの様子
↑この写真だけでもここにあります。
14:10 国立公園3択クイズ
環境省レンジャー考案の国立公園や箱根地域についての3択クイズを実施しました。
箱根地域で一番高い山はどこだとか芦ノ湖に元々生息している魚類はどれだなど全部で5問実施しましたが、ほとんどの参加者が全問正解・・・。意外と皆さん箱根に詳しいと実感しました。
↑3択クイズの様子
14:30 閉会式・解散
今回は参加人数が少なかったですが、みなさんに箱根の自然について楽しんでいただけたようで、満足して帰られました。来年もまた、子ども親子を対象に開催できればと思っています。
九頭龍の森はプリンズホテルズ箱根芦ノ湖が委託管理している施設です。
入園料は大人500円、子ども250円。
入口までは自家用車への乗り入れが出来ず、近隣の湖尻ターミナル箱根園から芦ノ湖東岸遊歩道を通って徒歩もしくは自転車でのアクセスとなります。
入り口までは木陰が多い道なりで箱根らしい涼しい風とヤマアジサイなどの初夏の花々が楽しめるコースです。この夏、涼を楽しみに九頭龍の森併せて芦ノ湖東岸コースへ行かれてみてはいかがでしょうか。
このほかにも今年度はあと5回のイベントを予定しております。ご予定が合いましたら是非ご参加ください。
イベント案内はコチラ!
こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です!
箱根はすっかり秋らしい、ひんやり冷たい風が吹くようになってきました。ススキが穂を出し始め、箱根地域で有名な「仙石原ススキ草原」も葉で緑一色だった草原が、先週から徐々に黄金色に染まり始めてきました。見頃まであともう少し・・・!その様子はまた後日アップ致しますのでご期待ください。
今回は9月9日(日)に箱根地域自然に親しむ運動の第6回目「初秋の湯坂路と石仏石塔群を訪ねて」を開催致しました。
=箱根地域自然に親しむ運動とは?=
箱根地域では一般の方により箱根の自然を知ってもらうべく【箱根地区 自然に親しむ運動委員会】(環境省・神奈川県・箱根町・(公財)神奈川県公園協会・(一財)自然公園財団箱根支部)が主催するイベントです。
今年度は9回の開催を予定しております。
内容は、鎌倉~室町時代にかけて造られた石仏や石塔が残る芦ノ湯付近を巡った後、古道「湯坂路」で自然散策をしながら小涌谷駅までトレッキングするイベントです。雨天が心配されましたが、無事開催することが出来ました。
↑今回のコース
この回での魅力は「石仏石塔群」。この地域は昔「地獄」と呼ばれ天候が不安定になりやすく、強風や雨が多い地域だったことや火山活動による噴気や硫黄臭、山からの落石が絶えず発生していた場所だったからそう呼ばれていたそうです。いつぞや「地獄に落ちる」と恐れられていたため、地獄に落ちてもお地蔵様が救ってくださるよう願いを込めて、沢山の石仏石塔が造られたそうです。
↑出発の様子。先に見える御堂の中に石仏石塔群でシンボル的存在の「六道地蔵」が保管されています。
↑六道地蔵(約1300年に造立:国の重要文化財)
高さは約7m以上もある輝石安山岩に丸彫りされた高さ約4mの磨崖仏(まがいぶつ)。
磨崖仏とは自然の岩壁に彫られた仏像の事で、その時代から残る磨崖仏としては関東一の大きさを誇ります。
↑二十五菩薩像(約1293年から造立:国の重要文化財)
国道1号線を挟み、岩に二十六躰半(阿弥陀如来像1躰、観音菩薩像1躰、地蔵菩薩像24躰半)が彫られています。幾年にも渡って彫られたと考えられたそうです。名の由来として「二十五菩薩像」の数に近いことからそうなぞられて呼ばれているそうです。着任してからこの場所に何回か訪れていますが、いつ訪れても言葉が出ないくらい圧巻の姿です。
石仏石塔群を巡った後は古道「湯坂路」で自然観察会です。
↑湯坂路の様子
秋の植物が花を咲かせ、とても良い雰囲気が漂っています。この道は、かの豊臣秀吉公が北条攻めの時の通った道でもあるそうです。
↑オミナエシ。秋の七草の一つ。黄色の花が特徴で、この時期は虫のレストランになります。
↑ヤマホトトギス。花の斑模様が野鳥の「ホトトギス」の腹の模様に似ていることからそう呼ばれています。
↑千条の滝(ちすじのたき)
斜面から染み出た水が直接滝になっている地学的にとてもユニークな場所です。開催直前まで雨が降っていたため、水量はいつもより1.5割増し。普段は細い水筋がいくつも流れていますが、今日は滝らしい太い水筋がいくつも流れていました。
この後は小涌谷駅まで行き、解散しました。
参加者からは「身近にこんな石仏石塔群があったとは知らなかった」や「湯坂路の雰囲気がとても良かった」などのコメントをいただき、開催の成果は得られたかなと思います。
残る「箱根地域自然に親しむ運動」イベントは残り3回。
◆10月6日(土)「箱根火山を眺める、箱根外輪山ロングトレッキング」(主催:(一財)自然公園財団箱根支部)
◆11月6日(火)「紅葉の箱根路を訪ねて」(主催:環境省)
◆11月23日(金・祝)「箱根の冬鳥観察会」(主催:(公財)神奈川県公園協会)
他にもパークボランティアが主催する自然観察会もございます。
◆10月14日(日)「バリヤフリーで楽しむ秋の箱根」(環境省との共同開催)
◆10月27日(土)「芦ノ湖水門と歴史を訪ねて」
各イベントについてメールまたは往復はがきで申込を受け付けております。締切は各開催日より10日前ですので、ご注意ください。詳しくは下記のURL先をご覧ください。
http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html#
ご参加お待ちしておりまーす!