富士箱根伊豆国立公園 箱根
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2017年10月03日箱根のすすき草原
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
箱根仙石原のすすきが見頃を迎えています。すすきの穂が出始めると、いよいよ秋の観光シーズンの到来という気がします。
3月に火入れが行われ、いったんは更地になったすすき草原。その後、再び命のサイクルが始まり、春から秋へと成長を続けてきました。
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
今の時期は、茎や葉が緑色でフレッシュな感じのすすきを堪能できます。今後は、茎や葉が茶色になり、草原全体が黄金の絨毯のようになります。
日に日に表情を変えていくすすき草原。
過去に来たことがある方も、ぜひ前とは少し時期をずらして一味違ったすすき草原をお楽しみ下さい!
2017年09月04日秋に向けて 自然観察会の下見へ!
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
最近では1日ごとに少しずつ涼しくなり、秋の気配を感じるようになってきました。
秋の箱根を楽しめるのはまだもう少し先ですが、秋の自然観察会の下見をしてきましたので、その様子をお届けします。
**自然観察会情報*****************************************************
平成29年11月7日(火)
「紅葉の箱根路を訪ねて」
主 催:箱根地域自然に親しむ運動実行委員会
開催担当:環境省 箱根自然環境事務所
コ ― ス:恩賜箱根公園~箱根旧街道杉並木~箱根旧街道石畳~お玉ヶ池~石仏群と歴史館
時 間:9:30~12:30(予定)
費 用:100円(保険代)
詳細は後日こちらに掲載されます。
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晴天の中、準備体操をしてコース通り出発しました。
まず最初に「箱根旧街道杉並木」
芦ノ湖海岸に続いており、暑い日差しを遮ってくれる見事な杉並木を両側に約500m歩きます。杉の樹齢は370年ほどで、自然観察会の当日にはゆっくりと箱根地区パークボランティアによる解説を聞きながら歩く事ができます。
観光客で賑わう元箱根を通った後は、「箱根旧街道石畳」に差し掛かります。
以前作成した「わらじ」の出番!とも思いましたが、今回は大人しく登山靴で石の上を歩きます。息があがりますが、箱根の歴史を感じつつ一歩ずつ登っていきます。
終盤のお玉ヶ池では、
青色がキレイなシオカラトンボや、
中々写真を撮らせてくれなかったミルンヤンマなど、トンボ達が一面飛び交っていました。
この日の下見は解散地点である石仏群と歴史館に到着して、無事終了しました。
秋が近づいてくるのも、自然観察会当日も楽しみです。
皆さまの参加をお待ちしております!
2017年08月30日箱根地区パークボランティア8期生誕生!
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
平成29年8月26日(土)に箱根地区で活躍するパークボランティアのメンバーの中に8期生として31名が新たに登録されました。
計5回実施した養成研修では
・箱根の自然や歴史について学び
・箱根の自然情報収集や自然観察会の案内人としての役割を学び
・野外活動で必要な救命講習を学び
・歴史のあるビジターセンター活動でクラフト教室や活動拠点の使用方法を学び
・登山道補修や特定外来生物の駆除について学び
そして、それらの受講が終了した方が箱根パークボランティア8期生として登録されました。
今回は第5回養成研修と認定式の様子を少しだけご紹介いたします。
【特定外来生物:オオハンゴンソウ駆除実習の様子】
手分けして、大捜索しています!
最後には種が飛ばないように、コンクリートの上で株数を数えます。
【登山道補修:杭作り作業の様子】
丸太から登山道補修に使用する杭を作っていきます。研修では土に差し込みやすいように先を尖らせる作業を行います。
〈レンジャーからの認定証授与の様子〉
認定式では1名ずつ名前を呼ばれ、レンジャーから認定証を授与、そして携帯認定証、パークボランティアのワッペンを賞与されます。ここからようやく8期生の活動が開始となります!
111名となった箱根パークボランティアさん達と一緒に、これからもより箱根の自然と触れ合えるよう尽力していきますので、皆さんも是非箱根に来られた際にはパークボランティアにお声掛けください!
またこちらのページ【箱根の四季】では、箱根パークボランティアにより箱根の旬な情報をお届けしています。興味のある方は、一度訪れてみてください。
2017年08月25日運が良ければこんな景色も!<富士山頂編>
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
皆さんはもう富士山に登りましたか?
富士山は、時期や時間や天候によって様々な表情を見せてくれます。
今回は運が良ければ見られる山頂での光景をご紹介します。
(山頂以外でも見られるものも含みます。)
<ブロッケン現象>
ブロッケン現象と白虹
昔の人々は日の出の時刻に太陽の昇る東側ではなく、西側を向いていたと言われています。
何故人々は太陽の反対側を見ていたのでしょう?
実は人々はブロッケン現象を拝んでいたのです。
ブロッケン現象とは太陽光の反対側の霧などに自分の影が映り、その周りに虹が出る現象です(この写真では影がすこし分かりづらいですが...)。
昔はこの影を、光輪を背負った仏様だと考え、「御来迎(ごらいごう)」として拝していたようです。
そして時が経ち、いつしか人々は太陽そのものを「御来光」として拝むようになったようです。
この写真の外側にある白虹は、別名「霧虹」と呼ばれ普通の虹のように色が付いておらず、白っぽく見えます。虹が映る水滴の大きさの関係でこのような現象が起きます。
<御来光>
待ち望んだ瞬間
光のシャワーを浴びる
毎日太陽は昇っていますが、街中にいるとなかなか日の出の瞬間を見ることができません。富士山に登り、地平線の彼方から昇る太陽を見た瞬間、普段意識をしていなかった自然の偉大さ、荘厳さを感じることでしょう。
下界が曇っていても、富士山の標高の高い所では雲海の下から昇る御来光を見られるチャンスがあります。
<影富士>
朝の影富士
太陽の斜光線が富士山に当たり、その影が伸びていくと、太陽の反対側に富士山のシルエットが浮かび上がります。高さ3,776mの大きさの影ともなるとその姿は雄大で、街がすっぽりと富士山の影に覆われてしまいます。
夕方の影富士
綺麗な影富士を見られるチャンスは日に2回あり、日の出後と日没前の時間です。
朝の影富士は太陽のご来光の反対側の、朝霧高原や田貫湖の方向で見られます。夕方の影富士は逆に、山中湖や小山町方面に見ることができます。
<このしろ池に映る景色>
空を映すこのしろ池
富士宮ルート頂上部から富士山最高地点の剣ヶ峰へ向かって歩いて行くと、山頂公衆トイレの前の開けた場所に水たまりがあります。実はこの水たまり、「このしろ池」というれっきとした名前があります。この水は山頂の雪解け水が湧き出ているとも言われています。条件によっては「逆さ剣ヶ峰」が映るかもしれません。
次回は富士五湖の小西アクティブ・レンジャーによる麓から見た「運が良ければこんな景色も!」をお届けしますのでお楽しみに!
2017年08月15日富士山で道迷いをしないために
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
今年の富士山シーズンも中盤に差しかかりました。
沢山の人が訪れる富士山では、例年多くの道迷いが発生しています。今年も道を間違え、誤った所へ向かってしまう事例が多々発生しているようです。
今回は富士山で道に迷わないための注意点を挙げていきたいと思います。
・富士山には4つの登山口と登山ルートがある
富士山の山頂へ至る登山ルートは4つあります。それぞれ登山の起点となる登山口が異なります。
吉田ルート(黄色)の登山口:富士スバルライン五合目
須走ルート(赤色)の登山口:須走口五合目
御殿場ルート(緑色)の登山口:御殿場口新五合目
富士宮ルート(青色)の登山口:富士宮口五合目
上記の図のように富士山ではルート毎に色分けが決められていて、登下山道にある標識などもこの色付けがなされています。自分のルートの色を覚えておき、標識の色と合っているか確認しながら歩きましょう。(富士山のルート案内)
また万が一道に迷うなどして救助を求める場合は、標識に書かれている位置番号が現在地を示す手がかりになりますのでその番号をお伝えください。(緊急時の救助について)
須走ルートだったら標識に赤色が塗られています。○印の中が位置番号。
・登山道と下山道の確認を
各登山ルートによって登山道と下山道が同じであったり別であったりします。
吉田ルート:登山道と下山道は別(登山道は本八合目から須走ルートと共通・下山道は八合目まで須走ルートと共通)。
須走ルート:登山道と下山道は別(登山道は本八合目から吉田ルートと共通・下山道は八合目まで吉田ルートと共通)。
御殿場ルート:登山道と下山道は別(七合目から上では同じ)。
富士宮ルート(青色)の登山口:富士宮口五合目
文章で書かれると難しい感じがしますが、しっかりと地図で確認しながら行けば大丈夫です。(富士山のルート案内)
・吉田ルート・須走ルートの下山道分岐点に要注意!
シーズン中に1000人もの人が道間違えをするポイントがあります。山頂から吉田口・須走口へ下山する場合、下山道八合目までは同じ下山道を下りますが、その下山道八合目からでそれぞれの登山口へ別れる分岐点です。分岐点は少し分かりづらい上、疲労で注意力が落ちているとは思いますが、間違えないようこのポイントをしっかりと意識して下山して下さい。(道迷いに注意)
下山道分岐位置図。
分岐点のイメージ。
時間によっては分岐点にナビゲーターの方がいますので、道が分からなかったら聞いて下さい。
・情報収集は十分に
当日に登山地図を持参するのはもちろんのこと、どの登山ルートから登り、どの登山ルートから下りるのか事前にしっかりと確認しましょう。また最近ではスマホのGPS機能を利用した登山用地図アプリなども存在するので、それらを活用するのもいいかもしれません。
富士山は日本一高い山ですので、万全の準備をして登山に向かってください。
備えあれば憂いなし!
皆さんばっちり準備をして富士登山を楽しんでください!
2017年07月13日【富士山がある風景100選】駒ヶ岳(箱根周辺エリア)
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
みなさん、こんにちは。
今回は、富士箱根伊豆国立公園80周年を記念して選ばれた"富士山がある風景100選"の1つ、駒ヶ岳山頂からの富士山を紹介します。
("富士山がある風景100選"については富士五湖小西アクティブ・レンジャーの日記をご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/blog/2017/06/100-1.html)
駒ヶ岳は標高1,356m。箱根の中央火口丘に位置する山です。
植物保護のためのシカ柵を環境省が試験的に設置しているので、
その点検で行ってきました。
空気が澄んだ冬に比べて、どうしても雲が多くなってしまう夏はなかなか富士山が見られるチャンスが少ない箱根、今回はその姿を拝むことができるでしょうか。
現在駒ヶ岳山頂へ通じる登山道は大涌谷の噴気の影響で全て通行止めとなっています(2017年7月現在)。
そのようなわけで山頂へ登れる唯一の手段、ロープウェーに乗って出発です!
動き出すとあっという間に高度を上げていくロープウェー。先ほどまで間近にあった芦ノ湖もぐんぐん小さくなります。
遊覧船もミニチュアのよう。
そして...
富士山見えました~!
この時期に咲くヤマボウシなどの白い花々が山肌の緑に映えてとても綺麗でした。
標高が100m高くなると気温が0.6℃下がるといわれていますので、1,300m以上ある山頂では暑い夏でも少し涼しく感じられます。
上は風衝地のためか高い樹木は育たず広い草原になっています。
夏はホタルブクロ、シモツケ、トリカブトなどが咲きます。
山頂には箱根神社の奥宮もあります。
最近の箱根は外国人観光客がとても多いのですが、駒ヶ岳山頂も例外ではなく沢山の外国人の方達が、富士山や山頂から見られる箱根の景色を写真に収めていました。この日に来られた方はとてもラッキーですね。
富士山と眼下に芦ノ湖。
今回はぼんやりとしか見えませんでしたが、視界が良ければ東の方角に相模湾や東京スカイツリーも見られます。左に小さく映っている「大」の字は、明星ヶ岳の大文字です。毎年8月16日に大文字焼きが行われます。
今回は夏の富士山でしたが、また紅葉の時期や雪化粧をした富士山も見に来たいですね!
++++++++++"富士山がある風景100選"とは +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html
http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html
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2017年06月20日箱根パークボランティア養成中
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
パークボランティアとは国立公園において、自然観察会等の解説活動や美化清掃、利用施設の簡単維持管理などの各種活動について、広く国民の参加を求め、一層の活動の充実を図るとともに、自然保護の普及啓発を図ることを目的として、これらの活動に自発的に協力して頂ける方の事で、各地区でさまざまな活動を行っています。
平成29年6月17日(土)に箱根地区パークボランティア8期研修生30名が参加し全5回の内、2回目の養成研修を実施しました。
第1回では富士箱根伊豆国立公園や模擬観察会を行いましたが、
第2回の養成研修では箱根の「自然」や「歴史」についての勉強、そして野外活動において習得しておくべき「普通救命講習」について1日を通して学びました。
(救命講習の様子(奥は箱根ARの宍戸))
(AED実習の様子)
8期研修生も質問を交えながら、みなさん真剣に受講してくださいました。いざという時、パニックにならず対応できるように、私も何度も復習しなければいけません。
(養成研修案内の様子)
残り3回分の養成研修の案内を行い、第2回養成研修は終了しました。無事全5回の養成研修を終え、箱根パークボランティア8期生として活躍されるのを楽しみにしております!
2017年06月15日仙石原湿原の青草刈り
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
暖かくなってきたなと思ったら、また肌寒い日が続いている箱根です。
そんな中でも仙石原湿原の植物はすくすくと育っています。
今回は箱根町が主催する仙石原湿原の青草刈りに参加してきました。この青草刈りは仙石原湿原内でススキやヨシなどの背の高い植物を何カ所か刈り、光が必要な植物の育成を促進する目的で行っています。2000年から行われているので、今年で18年目になります。
仙石原湿原は場所によって、地面の乾燥具合が異なります。
こちらの箇所では水位が高いのでヨシが多く育っています。ヨシはすでに人が隠れるほど大きくなっていました。
ヨシは1本1本の茎が太いので刈りやすいです。
順調に作業は進み...
刈取り終了!
これによって、ヨシの下に隠れていた植物にも光が当たります。
こちらの場所は乾燥しいて、背丈の低いススキが多く生えていました。
ススキの本数も多く、他の植物を誤って切らないようにして刈り取る作業は骨が折れます。
最後は総出で作業。
綺麗に刈れました!
以前、同じ方形区内で半分を手刈り、半分を機械刈りで試したところ、選択的に刈取りを行える手刈りの方がやはりその後の植物の出現種数が多かったようです。
今後、刈り取った場所とそのままの場所でどのような植生の違いが出てくるのか楽しみです。
2017年04月20日箱根に春がやってきた!②
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
後藤アクティブ・レンジャーに引き続き、箱根の春の情報です。
現在箱根では周辺の地域より一足遅い春が訪れ、花々が咲き、彩りも豊かになってきました。
今回は仙石原の様子をお伝えします。
(国指定の天然記念物『仙石原湿原植物群落』)
仙石原では毎年3月頃に野焼きが行われています。昔は仙石原のススキ草原は屋根材や堆肥、牛馬の飼料として利用され、人為的に草刈りや火入れが行われていました。それらの活動によって草原環境が保たれ、貴重な生態系が残されてきました。いつの日か人間の活動による草原の利用がなくなり、火入れが行われなくなると、草原は森林化していきました。その後、貴重な草原環境を守ろうと、再び火入れが行われるようになりました。
今年も3月9日に火入れが行われ、辺り一面が真っ黒になりました。
(3月24日撮影。正面、天然記念物指定地は草刈りのみ。)
一見すると死の世界になってしまったようですが、4月に入り暖かくなると、再び新たな命が芽吹いてきました。
(4月20日撮影。)
地面がうっすら緑色になってきているがお分かりになりますでしょうか?
地面に顔を近づけてみると、小さな芽があちらこちらに生えてきているのがよく分かります。
これからさらに暖かくなるにつれて、植物もぐんぐんと背を伸ばし、辺り一面が緑の世界へ、そしてその後、黄金色の世界へと変わっていきます。
これからもそんな仙石原の変化をお伝えしていきますので、お楽しみにしていてください!
金時山山頂の公衆トイレをご存じですか?
この山頂トイレは平成22年に建てられました。
実は金時山山頂は2県1市2町の境になっており、トイレも神奈川県と静岡県にまたがっています。
今回、神奈川県、南足柄市、箱根町、御殿場市、小山町、環境省の職員が共同で山頂トイレの一斉清掃を行いました。
日常の清掃では中々行き届かない部分まで清掃することができました。
またトイレの現状(故障箇所・問題点等)を共有することができました。
このトイレはバイオ式で、し尿は全てその場で処理されています。
1.出されたし尿がトイレの下に設置してある発酵槽に入ります。
2.発酵槽には、おが屑が入っており、スクリューによってし尿と一緒に撹拌されます。
3.微生物の活動による熱で発酵槽の中の温度は60℃~70℃になります。し尿の水分は蒸発し、固形分は微生物によって分解されます。
この発酵槽に異物(パンツ・ズボン・ストックなど)が混入し、スクリューが破損してしまうケースが起こっています。ご利用の際には、便槽にトイレットペーパー以外は入れないようご注意下さい。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。