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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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小笠原国立公園 小笠原

257件の記事があります。

2007年08月29日皆既月食

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

 ご無沙汰しております。小笠原ARの沼田です。

 昨日は皆既月食でしたね。
 内地はほとんど雨模様だったみたいですが、小笠原快晴でばっちり見ることができました。
 私は途中から観測したのですが、最初から見ていた人によるとちゃんと水平線から月が昇ったみたいです。
 皆既月食を見るのは初めてなので、お腹がすいているのを忘れるぐらい夢中になって見てました。
 食が最大になったときは星がたくさん見えてきて、月のそばを何回か流れ星が流れたんですよっ☆彡

 こんなステキなショーを見れてとても感激しました。
 小笠原は海・山もいいですけど、夜もステキですよ。
 私が一番好きなのは風のない日に川面に映る満点の星空です。こんなの見れる所は他にそうそうないと思います!
 お越しの際にはぜひ天体観測も楽しんで下さいね。

 

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2007年07月18日小笠原のネコ

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

 こんにちは。小笠原ARの沼田です。
 今回から、小笠原の自然環境の保全と再生に関する基本計画について順序よくご説明しようと思ったのですが、ちょっと珍しいことが起きたのでその事件についてお話します。
 
 現在小笠原では父島と母島(と一部の無人島)にノネコがいて問題になっております。
 ノネコとはノラネコとは違い、人間から餌をもらったり町中をうろついているのではなく、主に山野にいてネズミや鳥などを捕獲して生活しています。
 特に母島のノネコは野性味溢れていて、まさに小さいトラ!って感じです。

 ノネコの捕食対象の大半は同じ外来種のクマネズミですが、メグロ、オガサワラカワラヒラ、アカガシラカラスバトなどの陸鳥類、カツオドリやミズナギドリ類などの海鳥類、オガサワラオオコウモリやオガサワラトカゲなどの固有種も捕食します。
 正?直、クマネズミだけを食べてくれるならありがたいのですが、貴重な鳥類も大打撃(平成17年には母島南崎の海鳥類のコロニーが消滅の危機にあった)を受けているので、かわいそうですけどノネコは外来種として捕獲されています。
 
 対策としては、条例をつくり飼い猫の登録を義務付けたり、野良猫なども捕獲して不妊去勢手術をしたり、コロニーに入れないよう侵入防止柵を設けたり、アカガシラカラスバトの繁殖地域に捕獲ワナを設けたりして、小笠原固有の生物を守っています。
 また捕獲したノネコは獣医師団体の協力を得ながら捕獲したノネコの島外搬出と終生飼養を前提とした引取りを実施しています。(小笠原 マイケルで検索するとその事例が出てきますよ。)

 さて、普段はノネコ捕獲→受け入れ先を見つけて→島外搬出なんですけど、何とっ、今回母島で捕獲したノネコがははじま丸に乗って父島に来る最中に出産してしまったのです!!
 母島を出たときは1匹だったのに父島に着いたら4匹になっていたのです!
 こりゃ大変だぁってことで、みんなあたふたあたふた・・・
 産まれたての赤ちゃんがいるので、一時飼育もいつも以上に神経を使います。
 先便で島外搬出する予定でしたが台風のうねりの影響もあり、ネコ達に余計な負担を与えたくないから搬出も延期しました。
 今でもここ小笠原自然保護官事務所で元気に育ってます。
 しかし、毎日見てるとだんだん可愛くみえてきて、離れるのが寂しい気がしてきます。
 内地にいったら早く人に慣れて幸せになるんだよーー

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2007年07月04日小笠原の自然環境の保全と再生に関する基本計画

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

 小笠原は海洋島(島が誕生してから一度も大陸と繋がったことが無い島)としての独特の生態系を有する地域で、独自の進化を遂げた小笠原固有の生物種が多く、国内のみならず世界的に見ても希少かつ固有な自然環境をもっています。
 しかし、近年においては多くの外来種による影響等により固有種、希少種の減少や自然環境の劣化が進行しています。
 そこで環境省は、小笠原に関わりの深い各分野の専門家や地元関係団体、関係行政機関等の参加を得て検討会を実施し、小笠原における自然環境の保全と再生、とりわけ外来種対策についての基本的考え方をとりまとめました。
 「小笠原の自然環境の保全と再生に関する基本計画」はこの検討会での検討の成果をとりまとめたものであり、小笠原における外来種対策についての基本的な考え方と具体的取組に対する技術手法及び対策の方針を示しています。
 基本計画では4つの基本方針があります。それらは、

?海洋島に残された「固有種・希少種」、「独特の生態系」の保全

?「外来種に攪乱された生態系」の健全化

?自然と共生した「島づくり」

?小笠原の自然を保全・再生するための「仕組みづくり」と「小笠原ルール」

です。
次回から具体的にどんなことを進めているかご紹介致します。

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2007年06月12日沈水カルスト地形

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

小笠原の紹介写真といえば南島(の扇池)の写真が多いです。
南島の景観はとてもすばらしく、ラピエという鋭く尖った石灰岩、白い砂浜、入り江などの独特の景観を見ることができます。
また島にはカツオドリなどの海鳥が繁殖しており、扇池と呼ばれる砂浜はアオウミガメの産卵場所にもなってます。

南島と父島の南西海域一帯は、学術的にも典型的かつ特徴的な沈水カルスト地形が見られます。
沈水カルスト地形とは、第三紀(約5,000万年前から2,000万年前)、海面が低下した時期に石灰質の土地が雨などで浸食されてできたカルスト地形が、その後地殻変動で再度沈んでできた独特の地形のことです。

・・・とよくガイドブックなどに書いてありますが、なかなかイメージが捕らえにくいですよね。
実際に海でてもよく分からないし・・・と思っている方!朗報です!
よく分かる写真を入手したのでお見せいたします!!
どうです?この写真を見ていただけると沈水カルスト地形がどーゆーものか分かるかと思います。

ちなみにこのあたりの海域にはイルカがよく出没しますよ。
もしかしたらイルカも写っているかも!?

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2007年05月23日嫁島植栽

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

早くも台風がやってきました。
この時期から台風養生をするなんて久々だったみたいです。
結局、小笠原群島をかすったぐらいで感覚的には『そこそこ風が強いかな』ぐらいでした。

この前、森林再生の為にボランティアの方々と嫁島に行ってきました。

かつて嫁島は森林が広範囲に分布していたと考えられていました。
しかし、森林破壊やノヤギの食害等により草地植生が大半を占めるようになり、今では、侵略的外来種が幅を利かせている状態です。

そこで嫁島を昔の状態に戻すため、苗木や種を植える活動をしています。
また、外来種を駆除したり、海岸を清掃したりと、いつの日か昔みたいにキレイな嫁島に戻ることを夢見て・・・

この活動は観光客の方でも参加できますので、機会があればぜひ参加してみて下さい。

植栽ボランティアに行くとステキなおまけも付いてきます。
今回は、可愛いクロアシアホウドリの雛もたくさん見れたし、ちょうど帰る時に100頭近いイルカの群れも見れました。

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2007年05月09日小笠原はどこ?

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

皆さんこんにちは!
小笠原アクティブ・レンジャーの沼田です。
これから小笠原のことを少しずつ紹介していきたいと思います。

皆さん小笠原はどこにあるかご存知ですか?
たまーに沖縄あたりにあると勘違いしている人もいますが、
れっきとした東京都です!車のナンバーは品川です!
東京から南に約1000kmほど行ったところにあります。

小笠原諸島は小笠原群島と火山列島からなっており、
小笠原群島は聟島列島(北之島、聟(むこ)島、媒(なこうど)島、嫁島など)、
父島列島(孫島、弟島、兄島、父島など)、
母島列島(母島、姉島、妹島、姪島など)から構成されています。
主要な島の名前に親族の名前がつけられているのは、
1861?62年に幕府が行った小笠原探検の際に名づけられたものが多いそうです。

火山列島は、最近映画で話題となった硫黄島、北硫黄島、南硫黄島などがあります。
正しい言い方は「いおうとう」です。

それに、日本最東端の南鳥島、日本最南端の沖ノ鳥島、西ノ島を加たのが小笠原諸島です。
小笠原は東西約1800km、南北約1000kmにわたる広大な地域なのです。
普通の人が行けるのはほんのわずかだけですが…

また、小笠原はいまだ大陸と地続きになったことがない大洋(海洋)島です。
ゆえに独自の進化をした固有の植物がたくさんあります。
小笠原の自然は世界的に見てもとても貴重なものばかりです。
しかし近年、環境破壊や外来種の進入により固有種が絶滅の危機あります。

小笠原では地域一丸となって、希少動植物の保護や外来種の駆除等を行っています。
これからこの日記では小笠原の紹介と共に小笠原の自然環境保全活動も
お伝えしていこうと思いますのでよろしくお願いします。

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2007年04月26日初めまして。

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

初めまして。
4月からから小笠原保護官事務所の
アクティブ・レンジャーになりました沼田伸一です。

こういった仕事に就くのは初めてですので、
他のアクティブ・レンジャーの方より知識・経験は薄いですが
楽しみながら小笠原の自然環境保全の為にがんばります!

これからよろしくお願いします。

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