尾瀬国立公園
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2016年07月15日はるか遠く
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは。
ニッコウキスゲも見頃を迎え
尾瀬のシーズンも折り返しを迎えました。
さて、皆さんは山にはどのような目的で行かれるのでしょうか。
頂上を踏むこと・花々を愛でること・森林浴をすることなどなど。
山が千差万別あるように、山に向かう目的も色々あり、
その中の一つに「はるか遠くを望むこと」もあるかと思います。
尾瀬国立公園の燧ヶ岳から日光や那須の山々、
越後三山などの新潟の山は見えやすいかと思います。
今回は、さらに向こう側に見える景色を御紹介いたします。

言わずと知れた日本最高峰。
世界文化遺産になったことも記憶に新しい、
美しいコニーデ型の火山です。
富士山から直線距離で約180kmほど離れている場所からでも
秩父の山々の後ろから突き出た富士山は
遠い福島の地でも、その威風堂々たる存在感を
放っているように感じました。
奥にうっすらと見える双耳峰のような山の
向かって左側が妙高山です。
そして、妙高山のさらにその奥に、
北アルプスの山々が見えますでしょうか?
澄み切った空だと、はっきりと分かるぐらい見られるそうです。
青山一髪のこの景色は、天気が良くないと見られません。
皆さんも、天候に恵まれた日には、
遠くを望んでみてはいかがでしょうか。
2016年07月14日ゆっくり流れる流れ星
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは。
皆さんの場所では七夕の夜、星空が広がりましたでしょうか?
あいにく尾瀬では雲が広がってしまい、星を眺めることはできませんでした。
しかし、尾瀬には今の時期にしか見られない「星」があります。
ヘイケボタル【学名: Luciola lateralis】
そう、ホタルです。
このヘイケボタルは、
日本産ホタルの中では体長10mmほどの小型の種。
水田や湿原を主たる生息地としています。
私は、本州最大の湿原である尾瀬ヶ原(面積760ha)で撮影したのですが、
飛んでいるホタルもいれば、湿原内で光るホタルもいました。
この日は先に述べた通り、雲が広がっていて星一つない暗闇でした。
その中でホタルが放つ光は、天の川よろしく幻想的な光景でした。
そして話変わってこちら
湿原内にある休憩スペースのすぐ脇にニッコウキスゲが咲いています。
ロープを張って予防はしていますが、それでも腰を下ろした時に、
足を湿原内に下ろす方が見受けられます。
尾瀬では湿原を形成する泥炭は年間約1mmしか堆積しないそうです。
足を下ろした部分が1cm沈んだとしたら、
踏む前に戻るだけで約10年かかるわけです。
これでは翌年花が咲かないかもしれないし、
靴底に外来種の種が付着していたら、外来種が湿原内に侵入する恐れがあります。
話が脱線してしまいましたが、写真のように、
人間が歩く所のすぐ側にも生命は芽吹くのです。
「自分だけ、ちょっとだけだから」と思わずに、自然の中に行く時は、
人間側が訪問者という自覚を持って行動して下さい。
そんな尾瀬ですが、7月14日現在、
尾瀬沼周辺のニッコウキスゲが見頃を迎えております。
夏の暑さから逃れたい方、気分をリフレッシュされたい方など、
皆様のお越しをお待ちいたしております。
詳しい情報は尾瀬沼ビジターセンターFacebookを御覧下さい。
2016年07月06日夜空に煌く一番星
尾瀬国立公園 野原英廣
明日7月7日は七夕ですね
月遅れの所もあるかと思いますが、
各地で多くの行事が行われることでしょう。
尾瀬だけに限ったことではないのですが、
人里離れた自然の中では人口の光による影響が少なく、
気象条件が良いと満天の星空が広がります。
むしろそれが本来の夜空の姿なのでしょう。
尾瀬でも静寂に包まれた闇夜に燦然と輝く星々が見られます。
都市部の夏の、うだるような暑さから逃れ、山小屋に泊り、
心行くまで星空を観察してみてはいかがでしょうか。
夜空をぼーっと眺めてみたり、
自分だけの星座を作るのも面白いですよね。
どこまでも透き通っていて、
果てしない世界がここにはあります。
さあ、皆さんは星たちにどんな願いを託しますか?

(尾瀬沼湖畔から燧ヶ岳と星空を臨む)
2016年07月04日鈍色の空を山吹色に染めて
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは!
先日は、尾瀬国立公園内にあります
会津駒ヶ岳・燧ヶ岳の山開きが行われ
いよいよ尾瀬も賑わってまいりました。
尾瀬沼周辺ではレンゲツツジは終わりに近いのですが
アヤメやツマトリソウなどが咲き、華やかになってきました。
ゴゼンタチバナも森林内を彩っています。
また、トンボたちも活発に飛び始め
初夏の尾瀬を感じるようになりました。
(ハクセキレイの幼鳥)
以前の日記で紹介した個体と同一かと思われます。
この場所が好きなのか、いつも遊びに来ます。
たまに人に近づきすぎて
近くで見ていた親鳥にたしなめられる姿も(笑)
そんな尾瀬の今日この頃なのですが
例年では7月下旬頃が盛りなニッコウキスゲが
ちらほら咲き始めました。
会うは別れの始まりとは言いますが、
夕日に向かって咲いていたこの花も
明日は違うつぼみが花開きます。
そんな花を優しく包み込むかのように、
静けさを取り戻した湿原は夕日に照らされ、
ニッコウキスゲと同じ山吹色に染まるのでした。
2016年06月28日花盛りの至仏山へ!
尾瀬国立公園 柳澤美果子
こんにちは。
例年7月1日に山開きをし、登山道規制が解除される至仏山ですが、
日記でもお伝えしてきた「今年の異常な少雪」の影響で、
例外的に鳩待峠~至仏山間の登山道規制が6月23日に解除になりました。
※山ノ鼻~至仏山間の東面登山道は、登山道工事の関係もあり、例年通り7月1日解除です。
また、ルートは登り専用で下山出来ませんのでご注意下さい。
詳しくはこちら↓
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/71768/
そんな至仏山へ27日に巡視に行ってきました。
至仏山は今が丁度花盛りです!
開花状況は花にもよりますが、やはり全体的に早まっているものが多い印象です。
ツマトリソウ
森の中にも色々な花がひっそりと咲いています。
樹林を抜けると・・・
シナノキンバイがお出迎え
その先にはお花畑が広がっています!



左上から時計回りで
ジョウシュウアズマギク・オゼソウ・ジョウエツキバナノコマノツメ・クモイイカリソウ
どれも尾瀬では至仏山にしか咲かない花たちです。
そして日本版エーデルワイスのこの花も↓
ホソバヒナウスユキソウ
岩場ではユキワリソウのピンクの花が彩りを添えていました。
そして山頂からは・・
尾瀬ヶ原が一望できます!
よく見ると、木道も、見晴地区の山小屋も見えます。
「あそこが○○で・・。」普段歩いている所を空から見るのも、なんだか地図を眺めているみたいで
楽しいものです。
至仏山、たくさんの花たちとキレイな景色が待っていますよ!
しっかりした登山装備と、登山道から外れないなどのマナーを胸に、出かけてみてはいかがでしょうか?
2016年06月23日薫風にそよぐ
尾瀬国立公園 野原英廣
暦の上では夏を迎えた日本ですが
尾瀬では日中は日差しが強いと暑いのですが、
朝晩はまだまだ冷え込むのでフリースが手放せません。
上の写真は燧ケ岳山頂から尾瀬沼方面への眺望です。
奥の方に見える山々を先日歩いたかと思うと
改めて公園の広さを実感しました。
そんな尾瀬では続々と花々が見頃を迎えています。

(広沢田代の写真)
ワタスゲの果穂をつけた姿も今が旬。
昨年よりも少ないそうですが、
それでもふんわりと優しく咲く姿に
多くのハイカーが癒されていることでしょう。
2016年06月21日あの道 この道 続く道
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは!
平成19年に日光国立公園から
分離独立した29番目の国立公園・・・。
それが尾瀬国立公園なのですが、
元々日光と尾瀬は1つの公園だったと言うことは
近くにお互いがいるわけで、
そんな日光と尾瀬の境界を歩いてきました。
今回歩いたルートはこちら

(ざっくり描いたので参考までに)
尾瀬沼を出発して
黒岩山から日光との境界を歩き、
途中、鬼怒沼に寄り道してから境界を離れ、
低公害車が運用されている大清水に下りました。
途中、日光と尾瀬の境界では人の通りが皆無な為か、
登山道の真ん中にオサバグサが咲いていたりもしました。
また、
落ち葉などで元々狭かった斜面沿いの道が
埋まってしまい滑落の危険が高かったり、
多くの倒木によって登山道が分断され、
所によっては人の踏み跡のない開けた場所もありました。
ですので、自分の現在地や進むべき方角の把握など、
多少なりとルートファインディングの技術が必要なルートかと思います。
しかし、苦労して歩いてきた疲れも吹き飛ぶほどの
景色が私を待っていました。
(鬼怒沼湿原北端からの景色)
湿原の向こうにそびえるは
関東以北最高峰の「日光白根山」
湿原に出るまでは樹林帯だったので
なおさらこの景色に感動しました。
そして、
境界を離れ大清水に下っていると・・・
出ましたギンリョウソウ!
ハ虫類感のある容姿が本当に格好良い(私感が多分に含まれます)
鬼怒沼で休憩している時以外は
大清水に下りるまで誰1人とも出会わなかった
風と鳥の声しかしない静かなコースでした。
日光国立公園と隣接しているのに遠く感じるこの距離。
しかし
尾瀬を通るあの道も日光へと続く道であり、
尾瀬を通るこの道も他の国立公園へと続く道なのでした。
今回のルートは時間がかかるので頻繁に通れませんが、
また機会をみて歩きたいと思います。
2016年06月17日尾瀬を満喫する三つの方法
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは。
今回は尾瀬沼ビジターセンターで催されるプログラムを御紹介。
毎日開催 朝9時30分より
「尾瀬を感じるミニツアー」
どなたでも気軽に参加できる
尾瀬沼集団施設地区近辺を巡るミニツアーです。
ミズバショウやニッコウキスゲなど、尾瀬沼のアイコン的存在以外にも
尾瀬を支え・彩るものたちはあるのです。
(ミニツアーの様子)
意識せず歩いていては気が付きにくい、
そんな尾瀬を感じることができます。
その他
金曜日・土曜日・祝日の前夜 19時より
「夜のスライドショー」
尾瀬沼に宿泊される方たちに、有意義な夜を過ごしてもらえるよう、
尾瀬の動植物や自然保護の歴史などを紹介します。
また、天気の良い日には夜の尾瀬を感じる
「尾瀬沼ナイトハイク」に変更する場合があります。
尾瀬で見る満天の星空は格別なものがあります。
日曜日(土日月の三連休では月曜日開催) 朝7時30分より
「日曜朝イチ観察会」
連日開催されるミニツアーよりも早い時間に行われます。
早朝ならではの風景や生き物たちを、より深く理解するためのプログラムです。
そんな日曜朝イチ観察会ですが、
この度、6月19日と26日に、早朝ならではの"鳥"に特化したプログラムを開催いたします!
柳澤AR監修のもと、鳥に始まり鳥に終わる
鳥づくしの内容となっております。
最近の尾瀬沼ビジターセンターの周りでは
イワツバメや
ハクセキレイ (写真は幼鳥)などなど
たくさんの鳥たちが生息しています。
中にはアレンジを加えて独特な鳴き声を発する鳥もいるのだとか・・・。
鳥が好きな人はもとより
朝から尾瀬を満喫したい方
他の人とはちょっと違う体験をしたい方
尾瀬に来られた方にオススメです!
鳥のさえずりが最も多いこの時期に、
ぜひ尾瀬沼に宿泊してみてはいかがでしょうか?
さ ら に
柳澤AR作成の展示コーナーに

(モデルはビジターセンタースタッフです。掲載に関して本人の了承を得ています)
檜枝岐村の猟師さんが保管していた
上質なシカの毛皮(冬毛)を追加展示しました。
同じくビジター内に展示してある他の毛皮とは違う
ふわふわもふもふ感を是非味わってみて下さい!
尾瀬沼ビジターセンターの最新情報は
Facebookをチェック!
2016年06月13日2016年 田代山 山開き
尾瀬国立公園 野原英廣
皆さんこんにちは!
先日は南会津町、猿倉登山口において
田代山の山開きが行われました。
また、山開きにあわせて「尾瀬ごみ持ち帰り運動」も実施されました。
普段の田代・帝釈山とは打って変わって、
この日は多くの登山者で賑わいました。
記念に配布された鈴付きの登山記念手形をバックに携えて
一斉に登る姿に圧倒されてしまいました。
そんな我々を出迎えてくれたのは
葉が6枚にならないと花をつけないゴゼンタチバナや、
鶴が舞う姿を連想させるマイヅルソウ
ベニサラサドウダンが咲いていました。
ギンリョウソウもひっそりとお出迎え。
また、田代山の平らな山頂にある田代湿原に出ると
イワカガミ・タテヤマリンドウ・チングルマ・ヒメシャクナゲ
白いふわふわの果穂をつけたワタスゲが待っていました。
湿原の水が少なく、乾いている感じを受けましたが、
それでもしっかりと生命は息づいていました。
これかも、色々な表情をみせてくれる尾瀬から目が離せません!


皆さんこんにちは!




7月9日(土)より
アクティブレンジャー写真展 in 尾瀬 檜枝岐
が開催されております!!
環境省関東地方環境事務所所属の6箇所の国立公園から集まった
いずれ劣らぬ写真を展示しております。
ただ今開催されている場所は
尾瀬国立公園は福島県側の入口にあります
檜枝岐村村営宿舎「御池ロッジ」併設の施設
"尾瀬ぶなの森ミュージアム"のロビーで開催しています。
少しだけ会場の様子を御紹介
夏も盛りになり、行楽シーズンとなりました。
尾瀬にお出かけの際は是非、
「ぶなの森ミュージアム」にお立ち寄りください。
【開催期間】7月9日から7月31日
【開館時間】8時から16時(定休日なし)