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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

「 裏砂漠の、黄・紫・赤! ~ 心を掴む秋の彩 (+スマホを活用した自然観察) 」

2025年11月11日
伊豆諸島 小野可蓮
こんにちは。鳥と花が好きな小野可蓮です。
10月は、夏のような天気で始まったかと思いきや?
半ばから一気に冬めいて、体よりも頭がついていけてなかった気がします。
そしてなんと!やっっとダイビングのライセンス取得ができました。めでたしめでたし!
キンモクセイの香りをゆっくりと嗅ぐ暇もないまま、11月に突入してしまいましたとさ。
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△ 近所でみかけたタヒバリ ミサゴやヒヨドリ、タシギやカワセミも、冬鳥として毎年渡ってきます
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△ サンセットパームラインからの景色 また富士山が綺麗に見られる季節になりました

< 秋の裏砂漠の様子 >


数か月ぶりに行く、裏砂漠の火災があった場所。
周辺が燃えてから、2度目の秋を迎えました。
( 火災一年後の様子 ・ 火災直後の様子 )
 
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△ 右半分が燃えた箇所(2025年11月初旬)
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△ 空もすっかりと秋めいています
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△ 昨年の秋の様子(2024年11月中旬)
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△ ハチジョウススキがキラキラ
昨年の写真と比べてみると、どうでしょう?
昨年の方が、圧倒的にハチジョウススキの穂が多いように感じますね。
燃えた木々の茶色も目立ちます。
 
それと比べて今年は、例年通りの景色に戻りつつあるのか、ハチジョウススキは黄色っぽくなっています。
燃えた直後の方が、ススキの勢いがあって青々としていたのと、今年は雨が少なかったなどの理由で、あまり穂が出ていないのかもしれません。
やはり定点写真を撮ると、ぱっと見で比較できて良いですね。
 
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△ 奥山砂漠からの景色 黒い溶岩に、黄金のススキが映えますね
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△ カニ?カタツムリ?てっぺんの二本のススキがアクセントに

< 伊豆大島らしい秋色 >


今回は、裏砂漠の秋の彩に注目!
こんな黒、茶色、ベージュの中に、散りばめられた「カラフル」なあれこれ。
 
(写真の一部は、後に説明する、スマートフォンのマクロモードで撮影しています!)

黄:マルバアキグミ

まずは、「マルバアキグミ」。
海沿いの環境に適応した、アキグミの変種です。
 
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△ 白っぽい葉っぱのおかげで、遠くからでも見つけやすいです
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△ 実が下の方に付くため、しゃがむと見えます
ザラザラな質感の白っぽい葉っぱと、オレンジの実が特徴的。
おいしそうな見た目ですが、地元の方からはかなり渋いと聞いており、未だに試せていません。笑
 
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△ 色合いがクリスマスのような雰囲気でぴったり
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△ 実も葉と同じようにザラザラしているのが伝わりますか?

紫:オオムラサキシキブ

次に、一度見たら忘れられない紫!
「オオムラシキブ」も結実中。
 
個人的には、冬芽(ふゆめ)も見どころのうちの一つ。
多くの植物の冬芽は、低温や乾燥から身を守るため、鱗のような組織に覆われている「鱗芽(りんが)」です。
 
それに対して、ムラサキシキブの仲間は鱗のような組織がない「裸芽」で、全体的に露出しています。
細かい毛(ムラサキシキブの場合は星状毛と呼ばれています)に覆われているのが、伝わると嬉しい、、!
植物たちは、夏の間に冬、そして次の年に備えているのですね。
 
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△ オオムラシキブ きゅんとするような、可愛らしい紫色 
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△ 真ん中に裸芽 細かい毛に覆われた、葉っぱのベビーです

赤:サンキライ(トゲナシサルトリイバラ)

そしてなんといっても、この季節、一番心躍る色。
誰よりも真っ赤な、「サンキライ(トゲナシサルトリイバラ)」。
遠くからでも一目瞭然な鮮やかさを誇ります。
 
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△ 砂漠のスター!サンキライ
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△ 真っ赤な色は、遠くからでも一目瞭然
一方で、切り花としての需要が高く、特別保護地区内でも採取されてしまうことがあることは、大きな課題です。
特別保護地区外で採取されたものは、クリスマスに合わせてリースなどの飾りとしての利用もされますが、ほとんどは島外に売り出されています。
 
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△ たわわになっている様子 雌雄異株なので、実をつけるのはメスの木だけ
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△ つやつやで、ぴかぴか 冬中鮮やかな色合いを保ち続けます
巡視の際に、国立公園内で採取している方を見かけた際には、特別保護地区内での行為規制に関する注意喚起を行いながら、
・国立公園や特別保護地区とは?
・なぜ伊豆大島が国立公園に指定されているのか?
・なぜ自然は大切なのか?
などを説明し、理解を得られるような対話を心掛けています。
 
規制の内容や必要性を伝えるだけでなく、「地域特有の自然の大切さ+資源としての価値」に気付いてもらうことこそ、長期的な保全に繋がると考えています。
 
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△ サクユリが結実していました この角度からだと、人の頭のようでなんだかユーモラス

< 活用していますか? なんでもあり! なスマホ機能 >

最近では、スマホを使うことで、自然をもっともっと気軽に楽しめるのをご存知ですか?
今回はそんな便利機能を、2つ紹介したいと思います!

マクロモード

写真を撮る時に、被写体に近付くだけで、自動的にマクロモードに切り替わります。
ピントも、1秒くらい待てば、勝手に合わせてくれるんです。
 
ただ少しコツがあって、使い方としてはルーペに似ています。
こちらから、カメラと被写体の距離を調節することで、ピントが合うポイントを探す、的な、、?!
(伝わるでしょうか。笑)
 
つい最近まで使い方が分からず、無視していたのですが、使いだすとめちゃくちゃ楽しい!
だって、なんでも撮れちゃうんですもの。
 
花や虫を撮る場合、表面の凸凹までちゃんと写るので感動します。
一眼で撮ったような傑作は撮れないにせよ、手軽さを考えればとても良いです。
 
(以下も、マクロモードで撮った草花です!)
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△ イガアザミ キク科は小さな花が集まってできています 優しいモーブ色に癒されますね
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△ ハチジョウイタドリ 種に翼がついていて(ハート形)、遠くまで種を飛ばします
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△ ノコンギク 中心の筒状花がよく見えます 葉っぱのザラザラ感も少しですが写り込んでいました
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△ ハチジョウススキの種 翼の代わりに毛が風を拾うことで、遠くまで飛んでいきます

種名検索

AIはもはや身近なツールとなってきましたね。
iPhoneでは、撮った写真を上にスライドすると、自動的に種名を出してくれるようになりました。
(Androidの場合は、Google Lensなどで調べれば出てきます)
 
ただ難点が一つあって、それは日本に対応しきれていないこと!笑
日本にしかいない生き物は、分からない傾向にあります。
 
その分、外来種にはめっぽう強い。
すぐに種名、もしくは何の仲間か分かるので、こちらも大変便利です。
 
もちろん、その種名が正しいかは、別途検索して確認してくださいね。
AIはあくまでもヘルプであって、正確な情報を知りたい場合は詳しい方に教えてもらうことがベストです!

< 自然を楽しむためのヒント >


動植物を自分で識別できるようになるということは、生物多様性への理解を深めるのにも役立つのではないかと考えています。
例えば、わたしが好きな花も、なぜそのような見た目や香りをしているか、どのような生き物と繋がることで子孫を残しているかなど、全体像に思いを馳せる癖がつくからです。
 
また、自然の恵みは、生物多様性のおかげという場合がほとんどです。
豊かな暮らしに欠かせない、食・生活環境・娯楽など、どれも自然由来のものばかりではないでしょうか。
いかに自然に生かされているか、一人一人が感じることで、自然の大切さが身に染みるのではないかと思います。
 
誰でも簡単に学べる環境になったからこそ、それを最大限活用し、楽しんでもらえたら嬉しいですね。
やってみたよ、という感想、お待ちしています!
 
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△ 島にはあまりない落葉樹の紅葉 この子の名前は?
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△ メジロがミズキの木にぽつり シルエットがかわいらしいです 冬は葉っぱがないおかげで、バードウォッチングにはもってこい!

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