関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
1件の記事があります。
みなさん、こんにちは!
日光国立公園の太田です。
少し前のことになりますが、7月中旬に、檜枝岐自然保護官事務所の2名と日光国立公園管理事務所の2名、計4名で、尾瀬沼-黒岩山-奥鬼怒湿原-大清水の巡視を行いました。
尾瀬国立公園と日光国立公園は黒岩山-四郎岳の稜線で接していますが、黒岩山へは尾瀬側からも日光側からもそれなりに遠く、登山道も倒木が多く、営業小屋は無くなかなか巡視に出かけにくい地域です。
奥鬼怒湿原の避難小屋を利用して、福島・栃木・群馬3県にまたがる尾瀬・日光国立公園の最奥部を1泊2日で巡視・調査しようという計画です。
前日に尾瀬沼に入り、朝6時半から行動開始します。尾瀬沼を取り巻く樹林帯を抜けると、湿原に出ます。
【小淵沢田代】
小淵沢田代です。標高約1800mで尾瀬ヶ原より約400m高所にあります。木道は狭く、沈下のため水を被る箇所もありますが、人の訪れの少ない静かな湿原です。
小淵沢田代を過ぎると、また樹林帯に入ります。これから辿る登山道は、オオシラビソを主体にした静かな樹林を抜ける道です。登山道は標高1800m-2000mの間で急な登り下りの少ない、しかし展望がほとんど無い、人によってはツマラナイとも言える道を辿ります。
【樹林帯の道】
登山者の少ないコースだけに、野生動物の痕跡は多く登山道にはシカの足跡が多く見られました。
尾瀬沼を出て5時間を越えるころ黒岩山への分岐につきます。黒岩山は福島・群馬・栃木3県の県境に位置する山で、尾瀬と日光国立公園の境界にもなる山です。
【黒岩山分岐の標識】
このあたりでは、尾瀬で見られるような立派な標識は無く、薄い鉄板に手書きペイントで仕上げ、倒木に打ち付けたもので落葉が積もれば隠れてしまいそうです。分岐から1時間程度はかかり、先を急ぐ我々は山頂は断念することにしました。
黒岩山を過ぎると、いよいよ倒木が多い地域です。
【倒木地帯】
オオシラビソのおそらく風倒木が非常に多く見られます。一部は切断されていますが、跨いだり潜ったりする箇所もあります。
【倒木のトンネルを潜る】
1泊2日の重いザックなので、かがむように潜る箇所は結構つらいですが、トンネルような面白い場所もあります。倒木地帯は踏み跡が輻輳している箇所もありますが、周辺にはピンクテープが大体ついていますので、注意深く探して見てください。
尾瀬地域でも最近はシカが湿原植物を食害したり、湿原を踏み荒らしたりという被害が出ていますが、尾瀬や奥日光から遠く離れたこのあたりでも、シカの植生への影響が見られます。
【カニコウモリの植生】
オオシラビソ樹林の下草は、シカの忌避するシダ植物やカニコウモリが多く見られ、広葉樹の稚樹は少ない様に感じました。
このあと、小松湿原の水場で各自2Lの水を背負い、今夜の宿泊箇所の奥鬼怒湿原を目指しました。その報告は、次回報告します。
ページ先頭へ↑
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
みなさん、こんにちは!
日光国立公園の太田です。
少し前のことになりますが、7月中旬に、檜枝岐自然保護官事務所の2名と日光国立公園管理事務所の2名、計4名で、尾瀬沼-黒岩山-奥鬼怒湿原-大清水の巡視を行いました。
尾瀬国立公園と日光国立公園は黒岩山-四郎岳の稜線で接していますが、黒岩山へは尾瀬側からも日光側からもそれなりに遠く、登山道も倒木が多く、営業小屋は無くなかなか巡視に出かけにくい地域です。
奥鬼怒湿原の避難小屋を利用して、福島・栃木・群馬3県にまたがる尾瀬・日光国立公園の最奥部を1泊2日で巡視・調査しようという計画です。
前日に尾瀬沼に入り、朝6時半から行動開始します。尾瀬沼を取り巻く樹林帯を抜けると、湿原に出ます。
【小淵沢田代】
小淵沢田代です。標高約1800mで尾瀬ヶ原より約400m高所にあります。木道は狭く、沈下のため水を被る箇所もありますが、人の訪れの少ない静かな湿原です。
小淵沢田代を過ぎると、また樹林帯に入ります。これから辿る登山道は、オオシラビソを主体にした静かな樹林を抜ける道です。登山道は標高1800m-2000mの間で急な登り下りの少ない、しかし展望がほとんど無い、人によってはツマラナイとも言える道を辿ります。
【樹林帯の道】
登山者の少ないコースだけに、野生動物の痕跡は多く登山道にはシカの足跡が多く見られました。
尾瀬沼を出て5時間を越えるころ黒岩山への分岐につきます。黒岩山は福島・群馬・栃木3県の県境に位置する山で、尾瀬と日光国立公園の境界にもなる山です。
【黒岩山分岐の標識】
このあたりでは、尾瀬で見られるような立派な標識は無く、薄い鉄板に手書きペイントで仕上げ、倒木に打ち付けたもので落葉が積もれば隠れてしまいそうです。分岐から1時間程度はかかり、先を急ぐ我々は山頂は断念することにしました。
黒岩山を過ぎると、いよいよ倒木が多い地域です。
【倒木地帯】
オオシラビソのおそらく風倒木が非常に多く見られます。一部は切断されていますが、跨いだり潜ったりする箇所もあります。
【倒木のトンネルを潜る】
1泊2日の重いザックなので、かがむように潜る箇所は結構つらいですが、トンネルような面白い場所もあります。倒木地帯は踏み跡が輻輳している箇所もありますが、周辺にはピンクテープが大体ついていますので、注意深く探して見てください。
尾瀬地域でも最近はシカが湿原植物を食害したり、湿原を踏み荒らしたりという被害が出ていますが、尾瀬や奥日光から遠く離れたこのあたりでも、シカの植生への影響が見られます。
【カニコウモリの植生】
オオシラビソ樹林の下草は、シカの忌避するシダ植物やカニコウモリが多く見られ、広葉樹の稚樹は少ない様に感じました。
このあと、小松湿原の水場で各自2Lの水を背負い、今夜の宿泊箇所の奥鬼怒湿原を目指しました。その報告は、次回報告します。