富士箱根伊豆国立公園
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2020年03月10日柱状節理の岩壁(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
昨年箱根は台風19号の被害を大きく受けましたが、復旧が各所で進んできました!
先月には、「飛龍の滝自然探勝歩道」の通行止めが解除されています。
再開したばかりということで、安全確認も含めて遊歩道を巡視してきました。
一時壊れていた橋が再建されていました。
このコースの見所のひとつが、柱状節理の大岩壁です。
箱根の山は、40万年前から噴火を繰り返してきました。
特に大きな噴火を5回繰り返し、今の形が出来ています。
吹き出した溶岩は、急激に冷やされることで不思議な形に固まりました。
5角形や6角形の石柱を束ねたような岩の塊が形成されています。
これが「柱状節理」です。
箱根の歴史をこの大岩壁が静かに語っています。
更に奥に行くと飛龍の滝が見られます。
滝のすぐ下まで近づくには、もう少し復旧に時間がかかりそうです。
少し遠目に、箱根のパワースポットを眺めてきました。
スミレの花も咲き始め、春は間近です。
「畑宿」バス停から「湯坂路入り口」バス停まで、ゆっくりと2時間弱で歩けるコースです。
ただし、意外と急な上り坂ですし、足元も段差が大きく、雨上がりにはぬかるみます。
軽装で入らずに、運動靴や登山用の靴を履いて、リュックを背負って行ってください。
すると安心安全で、楽しい箱根ハイキングを満喫できます。
是非、立派な柱状節理岩壁を見上げに、「飛龍の滝自然探勝歩道」を訪れてみてください。
2020年02月27日噴火で出来た『小室山』の絶景
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
暖かい冬で過ごしやすいですね。家の庭先で春の花が次々と咲き始め、庭が明るくなりうれしい反面、日本ならではの四季の変化が崩れているようで複雑な気持ちになる今日この頃です。既に花粉もかなり飛散しているようなので、今年は長期間苦しみそうな予感です。
今日は先日巡視に行った『小室山』を紹介したいと思います。
小室山は静岡県伊東市にある、およそ1万5000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群に属する標高321mの火山です。お椀をひっくり返したような円すい状の形をしていて、スコリアと呼ばれる穴のあいたごつごつした軽石がつもって出来たスコリア丘です。標高の低い山なのに絶景なんて?と思われる方がいるかもしれませんが、侮るなかれ、中腹から山頂にかけてすばらしい景色が広がっています。山頂は"富士山がある風景100選"に選定された場所の一つです。
【 梅と小室山 】
小室山の山頂に行くには、リフトを使用するか、歩いて登るか選べます。リフトは一人乗り用ですが、小型犬(10㎏未満)は一緒に乗車することが出来ます。
歩いて登る場合は、歩道の途中に恐竜の遊具がある恐竜広場と、言葉通り展望がすばらしい展望広場を通りながら山頂まで30分程度で登ることが出来ます。展望広場はとても広く遊具のほかにも休憩スペースやベンチなどもありますので、お弁当を持参して訪れるのもおすすめです。巡視の際は見ごろを終えた早咲きの桜の花びらが風に舞っていました。この桜は1月の下旬頃咲き始めるので、新年早々、広場でお花見も楽しめそうです。
展望広場の眼下には相模灘が広がり、正面には伊豆大島、南西には三宅島をはじめとした伊豆七島を望むことが出来ます。真っ青な海に浮かぶ伊豆の島々を前に、つい時間を忘れてカメラのシャッターを切ってしまいました。
【 展望広場から見える伊豆大島 】
山頂には眺望デッキがあり、デッキの先端まで行くと目の前には見渡す限り海が広がっています。北に富士山や伊東の街を望め、少し東に目を向けると房総半島まで見渡すことが出来ます。写真では雲がかかっていて分かりにくいですが、肉眼では丹沢山地や箱根山を確認出来ました。また、南には小室山と同じスコリア丘の大室山や、天城山(万二郎岳)を眺められ360度自然の大パノラマに囲まれています。また、火山の歴史を知る、火山灰の地層のはぎ取り標本がリフト乗り場横に展示してあり、伊豆東部火山群4万年間の歴史に触れることが出来ます。
【 眺望デッキから見える相模灘 】
【 山頂から見える北東方面の眺望 】
麓のつばき園では、現在見ごろを迎えている1000種類ほどのつばきを楽しむことが出来ます。4月の下旬には、つつじ園で10万本のつつじが咲きほこり一面を真っ赤に彩ります。春の小室山には感動がいっぱいです。
▼伊東市観光情報
2020年02月21日2月23日は何の日?!?!(富士五湖エリア)
富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒
こんにちは。富士五湖事務所の小西です。
1月には富士五湖では35cmの積雪があり、大雪により事務所も1日半ほど閉鎖になりました。
この冬前半は富士五湖付近での降雪回数が少し多いように感じていましたが、これも暖冬の影響だったようですね。その後は、例年より暖かい日が続いています。
富士五湖エリアの春は遅いですが、このまま春に向かってくれればいいな~と思っています。
積雪翌日の富士山:中腹より上はしっかりと雪に覆われました(1月29日8時)*
さて、2月23日は何の日でしょうか?
今年からは多くの人は「天皇誕生日」と答えると思います。正解です。でも実は、、、、
「富士山の日」でもあるんです!!!
ふもとっぱらキャンプ場でのダブルダイヤモンド富士(3月初旬)
富士山を抱える、山梨・静岡両県では
日本の象徴である富士山について県民が学び、考え、思いを寄せ、富士山の豊かな恵みに感謝するとともに、富士山を後世に引き継ぐことを期する日
として条例で2(ふ)月23(じさん)日を「富士山の日」として定めています。
そのもととなる理念は、両県が共同で制定した「富士山憲章(平成10年11月18日制定)」に定められています。
1 富士山の自然を学び、親しみ、豊かな恵みに感謝しよう。
1 富士山の美しい自然を大切に守り、豊かな文化を育もう。
1 富士山の自然環境への負荷を減らし、人との共生を図ろう。
1 富士山の環境保全のために、一人ひとりが積極的に行動しよう。
1 富士山の自然、景観、歴史・文化を後世に末長く継承しよう。
山梨・静岡両県が、保護と適正な利用をもとに、世界に誇る日本のシンボルとして富士山を後世に引き継ぐことを決意した憲章です。
「富士山憲章」(静岡県HP)
https://www.pref.shizuoka.jp/bunka/bk-223/fujisannohi/kensyouzenbun.html
麓に住んでいて富士山があるのが当たり前になっていましたが、改めて憲章を読んでみて、富士山があることのありがたさ、大事にしたいという自分の中にある気持ちを再確認しました。
「富士山の日」は山梨、静岡県だけで定められているものですが、はからずも国の祝日となったのも「日本一の山」として、何かのご縁なのかな、と思ったりもします。
この理念が日本人一人一人に伝わるよう、折に触れ、発信していきたいと思います。
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山梨、静岡県では毎年2月23日に各地で富士山に関連する様々なイベントや施設の割引が実施されます。
令和初の富士山の日にぜひ遊びに来てください!
*なお、両県主催の「富士山フェスタ2020」については新型コロナウイルス感染予防の観点から中止となりました。その他のイベント等も中止や変更になっている可能性がありますので、事前に確認をお願いします。
【山梨県】
富士山の日イベントガイド
https://www.pref.yamanashi.jp/fujisan/fujisannohi-223/fujisannohi.html
【静岡県】
富士山の日イベントのお知らせ:
http://www.pref.shizuoka.jp/bunka/bk-223/fujisannohi/fujisannohi-events2020.html
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*インターネット自然研究所(富士山北麓フラックス観測サイト)映像を使用
2020年02月04日長者ヶ岳・田貫湖で富士山撮影!
富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明
皆さまこんにちは!
まだまだ寒いですが、2月になってだんだんと日も長くなってきましたね。
沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。
先日の1月31日(金)に長者ヶ岳と天子ヶ岳を巡視してきました。長者ヶ岳と天子ヶ岳は、富士山の西側に位置していて、富士山を目の前に見ることが出来る場所です。また、田貫湖が近いことから「富士山と湖」という良い構図の写真を撮れるスポットです。今回は長者ヶ岳と田貫湖で撮影した写真を紹介しつつ、その魅力をPRしたいと思います!
早速ですが、長者ヶ岳山頂へ至る登山道途中の休憩スペースと山頂から撮影した写真が下の2枚です。
▲登山道途中の休憩スペースから撮影した富士山と田貫湖(手前の湖)
今の時期は空気が澄んでいて、富士山の輪郭がくっきりと見える日が比較的多いので、撮影をしに行くなら、オススメの時期です。山を登って眼前に富士山が見える風景は圧巻で、いつもその風景に癒されています。普段の巡視でこのような風景に出会えるので、綺麗な富士山を現場でみると沼津管理官事務所で働けてよかったー!と心から思えます。
また、今の時期に気になるのは残雪状況だと思います。1月31日の段階では、雪は山頂付近や中腹の日陰の部分に少しあるぐらいで、登るのは難しくありませんでした。
登るのは難しくないとはいえ、下山は用心が必要です。午前中に気温が上がり、雪が融けて冷たい空気に晒されれば、夕方から早朝にかけてはその部分が凍ってツルツルと滑ります。雪道に慣れていない方や心配な方はチェーンスパイクや軽アイゼンを持っておくと、転倒などの事故を防げると思います。自然の中に入ることは非常に楽しいことですが、常にリスクも伴っていることを認識して、より良い時間を過ごしてくださいね!
加えて、田貫湖畔の展望デッキから見える富士山も非常に綺麗だったので、それも載せておこうと思います。
▲田貫湖展望デッキからの富士山
この展望デッキは、田貫湖の南側にあり、富士山の有名な撮影スポットになっています。4月下旬か8月中旬ごろには、「ダブルダイヤモンド富士」(富士山頂から昇る朝日が光輝く様子が湖面にも映し出されることから、ダブルダイヤモンド富士と呼ばれている)が見られるので、その時期もオススメです。
なお、撮影するために展望デッキ上に三脚等を放置し、場所取りをするような人も見受けられます。このような行為は他の方の迷惑になりますので、ご遠慮いただくようにお願いします。
最後に、長者ヶ岳や田貫湖は富士山を撮影するには非常にいいスポットで、これらは「富士山がある風景100選」(http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html)に選定されている場所になります。他にも様々な場所が上記のWebサイトで紹介されているので、気になる方はチェックしてみるといいかもしれません!
皆さんが素敵な富士山の写真が撮れることを願っています!
沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)
2020年01月25日登山道補修隊、活動中!(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回は「登山道補修隊」という活動についてご紹介します。
今年は暖冬。箱根は雪が現状少ない日々です。
ようやく1月18-19日、箱根の山間部に雪が降りました。
しかし、芦ノ湖周辺はあっという間に溶けています。
そしてこの週、登山道補修隊の活動がありました。
事務所周辺から見える山には、うっすら残雪が。
山での作業は難しい為、この日の活動は「資材作り」となりました。
※登山道補修隊は、普段は資材班と補修班に分かれて作業を行います。
2019年5月31日登山道補修活動(箱根地域)記事では補修班作業を紹介しています。
こちらも見てみてくださいね。
補修作業に必要なもの、木の杭をひたすら作ります。
箱根ビジターセンター周辺で出る間伐材を、手作業で加工です。
チェーンソーで、ある程度の大きさに切られた丸太を。
くさびと槌で、割る!
さらに割る!
ナタで、削る!
現場で使いやすい、地面に打ち込みやすい形へ整えます。
力任せにナタを降るだけでは、すぐに手が痛くなって作業が続きません。
うまくナタの重みを利用します。私は最初、大変苦労しました!
が、ボランティアさんたちは鮮やかな手つきで、杭を量産していきます!
木の性質を見極めて作業を行うと、きれいな三角形が出来上がるそうです。
この日は、総数222本の杭を作成しました。
ハイカー皆さんが安全に楽しく箱根の山を歩ける様に!
そして、箱根の貴重な自然環境を守るために!
登山道補修隊は、箱根の山を愛する熟練ボランティアさんたち中心に、1年を通して活動を行っています。
いつもありがとうございます!
箱根の登山道は、春からのハイキングシーズンに向けて準備が進んでいます。
4月以降にはスミレを始め、たくさんの花が間もなく咲き始めますよ。
これから訪れるハイカー皆さん。
箱根の春を5感で体感することを楽しみに、遊びに来てくださいね。
そして、登山道を歩いた際には、時々登山道補修隊のことも思い出してみてください。
箱根町では登山道補修ボランティアを随時受け付けています。
ご興味のある方は是非、ご登録の上ご参加ください。
一緒に活動しましょう!
いつもとは違った角度から箱根の山を見ることが出来ますよ。
詳細はこちら(箱根町ハイキングコース補修活動https://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/11,2310,60,html)
《おまけ》
ヒノキ材を割っていると中から虫が!何の幼虫でしょう??
ヒノキにはあまり虫はつかないと言われていますが。
珍しい出来事のようです!
箱根ビジターセンターで、しばらく観察予定です!
2020年01月24日三原山に雪が! 大島(伊豆諸島地域)
富士箱根伊豆国立公園 竹下実生
こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
先週末、三原山に雪が降りました!!
▲山頂口から眺めた三原山
先週の土曜は気温が低く、大島にしてはかなり寒い日でした。
麓の市街地では雨が降っていましたが、土曜の夕方時点で山の斜面の高いところに少し雪が付いていました。
雨風が止んだ日曜、さっそく三原山へ出かけてみると、見たことのない景色が・・・!
黒い砂漠の上に、黒くゴツゴツした溶岩の上に、白い雪が降り積もっていました。
麓の市街地には積雪がなく、山の斜面の雪はほとんど溶けていたので、カルデラ内だけが雪のある世界になっていました。
▲三原山北側の溶岩流(手前)の上から眺めた櫛形山(左)、三原山中央火口丘(右)
▲1986年の割れ目噴火口から流れ出た溶岩流
歩道部分の積雪は5cm程度、凍結も無く、登山靴だけで快適に歩くことが出来ました。
雪を被った溶岩流は、遠くから見ると、粉糖のかかったチョコレートのようです。
▲お鉢巡りコース東側から眺めた中央火口(右側手前の白いもやは湯気)
中央火口を一周する歩道(お鉢巡りコース)には、所により吹きだまりができており、そのような場所では30cmほどの積雪がありました。凍結は無く、登山靴だけでも歩ける状態でしたが、足下はスパッツを付けるか長靴、雪の状態によっては軽アイゼン、手にはストックがあった方が歩きやすいかもしれません。(強風の場合は立ち入り禁止となっています。凍結時は滑落に注意が必要です。)
▲お鉢巡りコース上、三原新山東側から眺めた中央火口(積雪時)
▲お鉢巡りコース上、三原新山東側から眺めた中央火口(通常時:秋)
上の写真が積雪した時、下の写真が通常(秋)の中央火口です。
通常はダイナミックな火口の壁面がはっきり見えていて、壮大さや厳しさを感じるような景色ですが、白い雪が降り積もっただけで、なんとなく柔らかな優しい印象になるのはなぜでしょうか。
大島では積雪自体が珍しく、この日のような真っ白の雪景色は、雪の降った後数日間だけのものです。
見たことのない景色に興奮しつつ、雪の三原山を楽しみました。
【22日時点の道路状況】
山頂口から山頂までの舗装路(山頂遊歩道)の雪は無くなり、足下を気にせず山頂まで登れるようになっています。お鉢巡りコースや表砂漠では、ところにより30cmほどの積雪が残っています。特にお鉢巡りコースでは、晴れた日の日中に歩道が凍結することはまず無いと思いますが、早朝など気温の低い時に雪が固くなる可能性もあるので、足下に注意が必要です。
【伊豆大島への交通・観光情報】
伊豆大島観光協会http://www.izu-oshima.or.jp/
2020年01月20日一足早い春を『恋人岬』で
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
2020年が始まりました。今年も富士箱根伊豆国立公園・沼津地域内の情報を伝えていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
今年の初巡視は、『恋人岬』に行ってきました。
晴天に恵まれとても暖かくいいスタートになりました。全国的にまだまだ寒さの厳しい1月ですが、日本で一番早く咲くとも言われている「土肥桜」が開花していました。
「土肥桜」は、伊豆でしか見ることの出来ない品種の桜で、有名な「河津桜」より早く咲きます。12月中旬頃からつぼみがほころびはじめ、1月中旬頃には開花します。今年は暖かいこともあり例年より早く開花しています。徐々に咲き始めた桜は2月中旬頃まで楽しむことができそうです。
木によって、濃いピンクと薄いピンクの花を下向きに咲かせ、咲き始めた桜はまるでピンクのサクランボがたれ下がっているようでとてもかわいく、満開になるととても華やかで美しいです。
雪が降るほど寒い日もありましたが、全体的に暖かい日が続いていますので、開花が進んでいます。
【 土肥桜 (1月9日撮影) 】
恋人の聖地と呼ばれている「恋人岬」にはいくつか鐘があり、巡視中も観光で来られた方が鳴らした鐘の音が響き渡っていました。伊豆市に語り継がれていた民話が元になり恋人同士で鐘を鳴らすと幸せになれると言われています。鐘の鳴らし方にルールがあるようで、皆さん熱心に説明文を読んでいました。グアムにも同じ名前の岬があるようで、伊豆とグアム、両方の鐘を鳴らすと大きな幸せが訪れるとも言われているそうです。
【 眺望デッキの鐘 】
鐘のある眺望デッキには、恋人岬駐車場から遊歩道と木製階段を15分程歩けば行く事が出来ます。現在、遊歩道脇には、スイセンや椿が咲いています。耳を澄ましてみると、カサカサと鳥が落ち葉をめくって土をつついている音や、木の上で鳴いているたくさんの鳥の声が聞こえてきます。
【 見頃のスイセン 】
眺望デッキからは駿河湾と富士山、愛鷹山、南アルプスの山々などを一望することが出来ます。デッキの脇の椿も咲き始めていました。ソメイヨシノの木もあるので、春は富士山とソメイヨシノの共演も見ることが出来ます。この日は眺望デッキの横の木にメジロがたくさん止まっていて、木から木へと飛び回っていました。
【 眺望デッキからの眺め 下に写っているのが椿 】
【 メジロ 】
また、恋人岬駐車場から眺望デッキの途中に、西伊豆歩道への入口があるので、岬に沿ってハイキングすることが出来ます。歩道は山道ですので、歩きやすい服装や靴がおすすめです。
年明け早々、伊豆半島では次々に花便りが届き半島を彩っています。土肥桜の開花に合わせてイベントも開催されます。菜の花も各地で見頃を迎えていますので、一足早い春を伊豆半島で感じてみてはいかがでしょうか?あまり雪の降らないイメージの伊豆半島ですが、天城周辺は雪が積もります。先週末も近隣では積雪により道路が通行止めになった所もありました。お車でお越しの際は道路状況をご確認下さい。
▼伊豆市観光情報
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=2528
▼土肥桜開花情報
https://blog.goo.ne.jp/sasuke_9648001
▼道路状況
2020年01月15日三原山山頂口展望台から眺める富士山と伊豆半島の山々 大島(伊豆諸島地域)
富士箱根伊豆国立公園 竹下実生
こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
先週は、新年最初の巡視で三原山へ行ってきました。
三原山山頂口の駐車場付近にある展望スポット「三原山山頂口展望台」では、この冬一番の景色を見ることができました! 今回は、この三原山山頂口展望台から見える山々を紹介します。
▲三原山山頂口展望台からの景色(写真左下は元町港)
▲三原山山頂口展望台から見える主な山と街
展望台からは富士山が大きく見えるほか、箱根~伊豆半島東部の山並みを見渡すことができます。
この日は前日の嵐で空気が掃除されたのか、南アルプス赤石山脈まではっきりと見えました。
離れた場所から本州の起伏を眺めてみると、改めて富士山の高さ、大きさを感じます。
三原山山頂口からの風景は「富士山がある風景100選」に選ばれています。「富士山がある風景100選」とは富士箱根伊豆国立公園の指定80周年を記念して選出された展望地です。伊豆大島からは、
・三原山山頂口展望台
・港の見える丘
・万立浜
の三地点が選ばれています。他のポイントにも、ぜひ足を運んでみてください。
【富士山がある風景100選】http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html
▲大島からは富士山宝永火口がよく見える!
望遠レンズで撮影すると、富士山の表面の形がよく見えます。
山腹の正面には、宝永火口が見えています。この火口は、富士山の一番最近の噴火、江戸時代の1707年(宝永4年)に起きた宝永噴火によってできました。都内から富士山を見ると、この火口を横から見る形になるため、富士山の稜線がでこぼこしているように見えます。大島から見ると宝永火口が真正面に来るため、綺麗な形の富士山が見えるのです。
▲大室山と赤石山脈(南アルプス)
富士山から左へ視線を移していくと、個性的な形の大室山(580m)が見えます。約4000年前の噴火でできた火山で、直径250~300mほどの火口を擁しています。表面が滑らかに見えるのは、伝統的な山焼きによって、斜面が草原の状態に保たれているからです。山全体が国の天然記念物の指定を受けているため、現在は徒歩での登山は禁止となっていて、山頂へはリフトでアクセスできるようです。
大室山の背景には、雪を被った赤石山脈が壁のように連なっています。春~秋にかけてはぼんやりとしか見えず、初めて見た時は横長になびく雲かと思いました。大島から見える峰の名前が分かるようになりたいです。
▲伊豆半島にそびえ立つ天城山
展望台のほぼ正面には、天城の山々、伊豆半島最高峰の万三郎岳(1,406m)、万二郎岳(1,299m)、遠笠山(1197m)、矢筈山(816m)などが見えます。天城山は、格好良く尖った万二郎岳、万三郎岳を中心に、稜線が左右に大きく広がっています。伊豆半島にどっしりとそびえ立つ姿は、海を挟んで見ても迫力があります。展望台から見ると、天城山は距離的に一番近いように感じられるので、勝手に親近感を持っていつも眺めています。
天城山の様子については、沼津管理官事務所 山田さんのアクティブ・レンジャー日記で紹介されています。
http://kanto.env.go.jp/blog/2019/11/post-785.html
遠くに見える山を知っている人が歩いているかもと思うだけで、なんだか嬉しいような感じがしませんか?
三原山山頂口展望台は、バスや車で簡単にアクセスできます。
大島にお越しの際、晴れた日には、ぜひお立ち寄りください。
【大島へのアクセス情報】
大島観光協会 http://www.izu-oshima.or.jp/
【三原山山頂口展望台へのアクセス情報】
・大島バス http://oshima-bus.com/
「元町港」より乗車→「三原山山頂口」で下車(約25分)
・展望スポットは駐車場海側。
2019年12月27日白銀の世界になりました(富士五湖エリア)
富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒
こんにちは。2019年も残り数日ですね。まだ実感が湧きません!
凍てついたナナカマドの実@生物多様性センター(2019年12月24日)
全国的に暖冬でスキー場が雪不足でオープンできなかったりしている中、富士五湖エリアは週末の南岸低気圧の接近により、22日夜から23日明け方までまとまった雪が降りました。
職場である生物多様性センター周辺の積雪は予想以上の30cm位でした!
私の家の窓からは富士山が真正面に見えるので、朝起きたら「今日は富士山見えるかな?」とまずカーテンを開けるのが日課ですが、開けてびっくりの白銀の世界でした。
いくつになっても、雪が降るとウキウキしますね!この辺りはまとまった雪が降るのは年に数回程度なので、雪かきも楽しかったりします。
下記は、環境省が富士山北麓フラックスサイトに設置しているライブカメラが撮影した積雪前後の写真です。
こうやって比べてみると、日々富士山の表情は変わり、1日として同じことはないと改めて感じます。
雪が降りだす当日朝の富士山(2019年12月22日8時)*
すそ野まで雪化粧した富士山(2019年12月23日朝7時)*
すそ野の樹々の雪が消えました(2019年12月24日朝8時)*
雪化粧をした富士山は本当に美しいです。
ライブカメラは23日のすそ野まで広がる白銀の世界をきちんと映像に残していましたが、一方、私はというと一日中窓の外の空とにらめっこをしていましたが、ほとんどの時間雲に覆われてしまっていて、撮ることができませんでした(雲のなかった朝7時はまだ夢の中でした・・・・・)。
そして、日中暖かかったので、翌日の朝には樹々の雪はすっかりなくなってしまっていてガッカリでした。
やっぱりいい写真を撮ることは簡単ではないですね。
でも、そういう自然が相手だからこそ、一瞬の出逢いに感動し、喜びを感じるのだと思います。そんな瞬間を切り取った写真を通して、魅力を皆さんに伝えられたら、と思います。
2020年は皆さん、どのような年にしたいですか?
私は東京オリンピックでワクワクする一方、チケットがちっとも当たらずヤキモキしています。(この富士五湖エリアでも山中湖周辺がロードレースのコースの一部になっています!)
2020年が皆さんにとってよい年になるようお祈りします。
1年間ありがとうございました。来年もどうぞアクティブ・レンジャー日記をよろしくお願いします。
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インターネット自然研究所のホームページから全国の国立公園に設置されているライブカメラの映像を
見ることができます。
富士山周辺には、3箇所設置されています。
過去の映像も見ることができますので、季節や年ごとの変化を見るのも楽しいですね
http://www.sizenken.biodic.go.jp/index.php
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*インターネット自然研究所(富士山北麓フラックス観測サイト)映像を使用
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
もう3月ですね。沼津管理官事務所に来て1年が過ぎようとしています。
今日は先日紹介した『小室山』に引き続き、旬な話題が豊富な『大室山』を紹介したいと思います。
大室山は静岡県伊東市にある標高580mの火山で、およそ4000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群の中で最も大きいスコリア丘です。山全体が国の天然記念物に指定されていて、山体を守るため、登山は禁止されており、山頂に行くにはリフトを使用します。
この景観を守るため、毎年2月の第2日曜日に行われている(今年は天候不良により3回延期され、2月24日に実施されました)伝統行事「大室山山焼き」が、先日催されました。この行事は700年以上の歴史があり、麓に点火された炎が勢いよく山頂に駆け上がり、山をまるごと焼き上げる光景は圧巻です。毎年この時期になると全国から多くの見物客が訪れて賑わいます。山焼きの後は、冬の枯草色の山体が、真っ黒になります。真っ黒の山体が見られるのはこの時期限定です。下の写真を比べると分かりますが、約2ヶ月後には新緑が山を覆い始めます。
【 山焼き後の大室山(3月9日撮影) 】 山焼きから約2ヶ月後 → 【 昨年の4月18日撮影 】
山頂の噴火口を周回する約1㎞30分程の遊歩道は、周りに遮る物もなく、まるで空に続く道のようです。遊歩道からは、火山が作った伊東の大地、真っ青な相模灘、伊豆七島、房総半島、そして富士山と360°の大パノラマを楽しめます。大室山山頂は"富士山がある風景100選"に選定された場所の一つにもなっています。
火口跡へ続く遊歩道の中腹には「浅間神社」があります。全国各地にある浅間神社と、総本宮「富士山本宮浅間大社」のご祭神は、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。しかし、ここ大室山浅間神社のご祭神だけは、姉の磐長姫命(いわながひめのみこと)なのです。なぜ大室山のご祭神が他の浅間神社と異なるのか、それには悲しい神話がありました。
この姉妹はとても仲の良い姉妹でしたが、ある日、若い男の神様、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が、容姿の美しい木花咲耶姫に一目惚れして姉妹の父親に結婚を願い出たそうです。父親は、姉妹2人一緒なら許すと、容姿の醜い磐長姫と一緒に嫁がせることになりました。ところが、瓊々杵尊は木花咲耶姫ばかり溺愛し、磐長姫は子を身籠もったものの、父親のもとへ返されてしまったそうです。磐長姫は嫉妬から、木花咲耶姫に恨みをもってしまったとか。
とても仲が良かった姉妹が恨み合うことになり、今も磐長姫(大室山)と木花咲耶姫 (富士山)は、にらみ合っていると言われています。そんな神話からか、大室山から富士山が美しく見えても褒めてはいけないという言い伝えが残っています。ちなみに、この神社は、安産、縁結び、不老長寿などのご利益があるそうです。
【 山頂遊歩道の様子 】
そして、先日発表されました、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(第6版)では、大室山が1つ星を獲得しました!!覆面調査員が現地を訪れ、9つの選定基準を評価して選定されるそうです。その結果、豊かな自然や多彩な文化遺産に触れることが出来る場所として評価され紹介されています。この本を通して、たくさんの国の人が、お椀を伏せたような不思議な形をしている大室山を知るきっかけになってくれたら嬉しいです。
四季によって、山体の色を変える大室山は、どの季節に訪れてもその存在感に圧倒されるはずです。
【 満開の城ヶ崎桜と大室山 】
隣接するさくらの里では、40種類、3000本の桜がほぼ1年中(9月~5月)咲いていると言われています。桜と大室山の共演を楽しめます。現在は城ヶ崎桜が満開になっていました。今月開催予定の夜桜鑑賞会は、伊東市の新型コロナウイルス感染症に係わるイベント等の開催指針に則り、残念ながら中止になりました。1日も早く終息することを願うばかりです。季節が進み、種類の違う桜の開花が楽しみです。
▼伊東市観光情報
https://itospa.com/spot/detail_54003.html