ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園

353件の記事があります。

2018年08月14日子どもパークレンジャー(箱根地域)第1弾

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

台風12号が通過し、神奈川県では小田原市~湯河原町にかけての海岸沿いに高波の影響で大きな被害が出てしまっているようです。箱根地域は看板が飛ばされる被害がいくつかあったようですが、大きな事故もなく少しほっとしました。

さて、毎年7~8月にかけて子どもパークレンジャーイベントを開催しています。先日7月25日(水)には地元の小学校との共催で小学生を対象にしたサマースクールイベントを開催しました。

イベントテーマは「子どもパークレンジャー体験」「溶岩染め」「自然観察会」「クラフト~キーホルダーづくり~」の4つに分かれており、参加者は体験したいテーマを選び、体験するイベントです。夏休みに入った子どもたちは元気いっぱい!大盛り上がりなイベントになりました。その様子をご紹介します!

【子どもパークレンジャー体験】

箱根火山の歴史や火山の噴火について、地域の動植物など箱根特有の自然環境を学ぶとともに、国立公園の歴史や保護されてる理由などを実験などでわかりやすく学ぶプログラムです。

↑軽石の紹介をするNPO法人ホールアース研究所スタッフ。富士箱根地域のジオ関係にとても詳しく、わかりやすく解説してくださいました。

↑コーラを使った噴火実験。コーラをマグマに見立て、振る(地震が起きる)とどんなふうに中身が噴出するのか実験して、噴火のメカニズムを学びました。奥の子どもはとても上手に噴出していますね!

【溶岩染め】

粉末状の富士山の溶岩を水で溶かして染液を作り、刷毛や筆を使って白い布に絵を描く染物体験です。古くからの技法や文化を体験しました。

↑染液作り。粉末状の溶岩と染色粉、水をバットに入れて染液を作ります。少し風が強くて粉が飛ぶハプニングがありましたが、無事に染液が完成!

↑溶岩染め体験。手前の作品は箱根の風物詩「大文字焼き」をイメージして描いたそうです。それぞれ良い作品がたくさん出来ました。それにしてもみんな上手!

【自然観察会】

↑箱根ビジターセンターの職員が周辺の散策路を案内してくださり、昆虫を中心に箱根の動植物を観察しに行きました。

【クラフト-キーホルダーづくり-】

↑箱根ボランティア解説員連絡会の協力の下、木の輪切りや木の実などを使ったキーホルダーを作りました。素敵な作品がたくさん出来ました。これで夏休みの自由工作は完璧かな?

それぞれのプログラムでたくさん遊び、学ぶ事ができた1日でした。

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2018年07月25日夕方限定 南伊豆の絶景!! ユウスゲ公園

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

 

【ユウスゲ公園】

伊豆半島最南端の石廊崎から少し西へ行ったところにあるのがユウスゲ公園です。

伊豆半島の火山が生み出した地形と海が作り出す絶景スポットです。

 

【ユウスゲの群生】

草原の丘をいっぱいに埋め尽くすユウスゲの花が7月下旬~8月中旬にかけて見頃になります。ユウスゲは、夕方に花が開き、翌日の午前中にはつぼんでしまう花です。

時間帯は、15時~18時頃であれば開花していると思います。写真は16時頃に撮影したものです。 

 

【出会いの鐘】

丘の上に登ると「出合いの鐘」があります。この鐘を鳴らすと良い出会いがあるのか無いのかは、ご自身でお確かめください。 

 

【ユウスゲの花】

夕方暑さが和らいできた時間、海風に揺れるユウスゲの花を見に立ち寄ってみてください。

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2018年07月18日芦ノ湖西岸 散策(箱根)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

関東地方が梅雨明けをして早2週間。都心部では気温35℃を超す猛暑日が続いていますが、箱根地域では気温30℃以下の日が多く、木陰に入るとより涼しく感じます。

今月10日(火)に箱根地域の自然情報を収集しているパークボランティアと一緒に芦ノ湖西岸歩道を巡視してきましたので、その様子をお伝え致します。

芦ノ湖西岸コースは、全長約11.5km、コースタイム約4時間。アップダウンが少なく、自動車が通らず、人工的な建物がないコースなので長距離のトレイルウォーキングを楽しみたい方、自然の中でゆっくり楽しみたい方にはオススメのコースです。

今回は地図とは逆のコース(スタート:箱根町港、ゴール:箱根ビジターセンター)で巡視をしました。

↑芦ノ湖西岸歩道のコースマップ

僕がこのコースで実感した見所は様々な芦ノ湖の景色です。

火山活動によって出来た芦ノ湖は地形が複雑で、遊歩道から降りられる砂浜から見る景色が全く違います。

【箱根町港】夏らしい青空と遊覧船(海賊船)がとても良く合います。

【白浜】箱根町港から歩いて1時間で来られるゆっくりとした時間が流れる砂浜。

【真田浜】箱根火山群(矢印左側から大涌谷、神山、駒ヶ岳、二子山、大観山)が一望でき、見える人工物が少なく、自然を満喫できるオススメスポット。コースの中間部でお昼を済ますにはちょうど良い場所です。

【深良水門前】外輪山最高峰の金時山(矢印左側/標高1,212m)と箱根地域の最高峰神山(矢印右側/標高1437.8m)が望むことが出来ます。

また、コース上は広葉樹林と針葉樹林を交互に通過するため、それぞれの環境を好む動植物に出会えます。

↑シロバナイナモリソウ。木陰にひっそりと咲く小さな植物です。

↑ヒグラシの抜け殻。もちろん成虫にも出会いましたが、路沿いの足下でたくさん羽化した跡が見られました。

↑西岸遊歩道の様子

コースタイムでは約4時間ですが、自然観察やバードウォッチングをするとかなりの時間がかかります。今回の巡視では、ゆっくり歩いたこともあって約7時間もかかりました。とても気持ちが良いコースですが、途中に待避する小屋や売店などはありません。しっかりと水分や行程を確認して行かれることをオススメします。

また、芦ノ湖には遊覧船があります。桃源台港もしくは箱根町港に駐車し、西岸を通ってどちらかの港から遊覧船に乗って戻ってくる事も出来ますので、丸1日のんびりと箱根の自然を堪能してみてはいかがでしょうか。

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2018年07月17日天城山自然観察会開催のお知らせ

富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明

皆さまこんにちは!沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。

突然ですが、8月11日は何の日かご存知でしょうか?」

はい!そうです!「山の日」です!!

山の日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨に、2016年から施行された祝日です。なので、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

そんな素晴らしい日に、伊豆半島の天城山にある八丁池とその周辺に広がるブナの森にて自然観察会を行います!

△イベントチラシ表面

※クリックで拡大可能

△イベントチラシ裏面

※クリックで拡大可能

2018年4月17日にユネスコ世界ジオパークにも認定された伊豆半島にある天城山の遊歩道を歩きながら、天城を代表するブナなどの原生的な自然とその成り立ちを、プロのガイド達が楽しく解説する観察会です。

ちなみに、当日は下の写真のような風景が観られますよ!

いかがでしょうか?この写真に写っているのはごくごく一部ですし、実物の樹はとーっても大きいですよ。

このような様ざまな形をしたブナの巨木やヒメシャラなどの豊かな広葉樹林を楽しむことができます!

これを機に登山を始めてみたいという初心者の方や天城山周辺は一度登ったことあるけど詳しくは知らないという方、自然に癒されたいというそこのあなたも大歓迎です。

奮ってご参加ください!どうぞよろしくお願いします!

なお、イベントの詳細は以下になります。ご確認ください。

【天城山自然観察会 -八丁池とブナの森をめぐるコース-】

▼日時

  1. 平成30年8月11日(土・祝日)

    ※荒天時平成30年8月12日(日)に延期予定

  2. ▼コース・歩行時間(休憩・ガイド時間は除く)

    八丁池とブナの森をめぐるコース(静岡県 伊豆半島 天城山)・約4時間20分

  3. ▼募集定員(先着順)・対象

    40名・小学5年生以上

      ※小・中学生は要保護者同伴。

  4. ▼応募締め切り

    8月3日(金) 必着(定員になり次第締め切り)

  5. ▼集合場所 ※いずれかにお集まりください。

    ・伊豆箱根鉄道 修善寺駅南口 バス乗り場(無料駐車場なし)

     受付開始7時30分  8時出発

    ・道の駅「天城越え」昭和の森会館 バス停前(無料駐車場あり)

     受付開始8時15分  8時45分出発

  6. ▼解散 

    ・道の駅「天城越え」昭和の森会館 バス停前 15時45分

    ・伊豆箱根鉄道 修善寺駅南口 バス乗り場  16時30分

  1. ▼費用

    無料

  2. ▼持ち物

    登山(散策)ができる服装・登山靴(運動靴)・帽子・雨合羽(上下に分かれたもの)・ザック・水筒(飲み物)・昼食など

  3. ▼主催等

    主催:環境省関東地方環境事務所

    協力:伊豆市観光協会 天城支部 天城自然ガイドクラブ

  4. ▼応募方法

    メールまたはFAXで下記の内容を事務局までお送りください。

    ①氏名 ②性別 ③生年月日(小・中学生は学年も) ④住所 

    ⑤電話番号(参加希望者全員)⑥集合場所(修善寺駅、道の駅「天城越え」)

    【申し込み宛先】

    伊豆市観光協会 天城支部内 天城自然ガイドクラブ事務局

    メール:yamanohi@izu-angc.org  FAX:0558-85-0766

    【お問い合わせ先】

    伊豆市観光協会 天城支部内 天城自然ガイドクラブ

    電話:0558-85-1056 担当:杉本(月・水・金曜日のみ)

    以上

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2018年07月13日2018年富士登山夏山シーズンが始まりました!!

富士箱根伊豆国立公園 沼津 松岡宏明

皆さまこんにちは!沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。

ついに、今年も富士山登山の夏山シーズンが始まりました!!

7月1日(日)に富士山の山梨県側(吉田口)、7月10日(火)に静岡県側(須走口・御殿場口・富士宮口)が開山となりました。


私自身は開山の準備のために9日から山頂に入り、10日の開山を迎えました。

山頂には御来光を目的とした方々がたくさんおり、非常に賑わっていました。

9日の夜は雨が降っていましたが、10日の早朝には快晴になり、見事な御来光を望むことができました。

△富士山からの御来光

光に包まれてなんだか思わず手を合わせてしまいそうな情景ですよね!

しかし、大変悲しいことに軽装で登山してしまったせいで、御来光を待つ間寒さに体を震わせている方や疲労が溜まりすぎてうつむいたままの方も多く見受けられました。せっかくの綺麗な風景もそんなことでは台無しです。


「富士山」は皆がよく知っている場所ですが、登る山としての富士山は広く知られているとは言えません。富士山が日本一高い標高の山であること、その登山道は険しく時間がかかること、登山には一定以上のリスクが存在していることなどを再度認識していただきたく思います。
登山の前には、自分の体力に合った計画や山登りをする準備をきちんと行い、登山中も十分に注意して歩行してください。

以下のリンクから富士山についての情報等を集められるので、登山をする前に確認されるといいかもしれません。また、富士山山頂が混雑し、登山道が渋滞してしまうような問題もあります。混雑予想カレンダー等も参考にして、混雑を避けてスムーズな登山を心がけるようにしてください。

そして、富士山の美しい景観や文化を思いっきり楽しんでください。

それでは皆様良い登山を!

▼登山前に必ず知っておくべきこと(富士登山オフィシャルサイト)

http://www.fujisan-climb.jp/basic/index.html

▼富士山をより楽しむために(富士登山オフィシャルサイト)

http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/index.html

▼混雑を避けて、安全・快適な富士山へ(富士登山オフィシャルサイト)

http://www.fujisan-climb.jp/info/congestion_info.html

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2018年07月12日都心から近くの大自然(箱根)

富士箱根伊豆国立公園 箱根 池田興平

関東甲信地方は観測史上最速で梅雨明けしたようですが、

箱根ではまだ雨が降る日が続いております。

そんな中、今回は貴重な晴れの日に金時山に登ってきました。

画像は公時神社方面の山頂付近から撮った写真になります。

金時山の風景

ご覧下さい。この眺望を。

中央左にグリーンの芝の様に見えますが、こちらが仙石原ススキ草原です。

秋になるとススキが黄金色に染め上げ、多くの観光客が訪れるスポットでもあります。

また、雲の配置や空気の層によって青色が微妙に違うあたりなど、初夏を感じて美しいなぁと思います。

もうすぐ山頂ですが、足を止めて思わず深呼吸をしてから出発しました。

金時山は箱根外輪山の最高峰(1212m)で10万人超の登山者がいる人気の山です。

さて今回の目的は、その金時山の登山者カウンターのデータを回収することです。

最近は雨が続いていたので、約一ヶ月半ぶりのデータ回収となりました。

こちらが実際に使っている登山者カウンターです。

登山者カウンター

登山者カウンターはバッテリーと太陽電池によって稼働します、通常は太陽で利用しているのですが、曇りや雨天時などではバッテリー稼働に切り替わります。

金時山には6つの登山口(公時神社、矢倉沢峠、乙女峠、南足柄、夕日の滝、足柄駅)があり、その中で山頂付近の公時神社、乙女峠、南足柄の3つそれぞれにルートにカウンターを設置しています。

一番人気のコースは公時神社ルートで、一ヶ月の登山者数の平均をして8,000人程が登り、特に多くの登山者が訪れるのはGWや紅葉シーズンの11月になります。

金時山の登山道では動植物との出会いに恵まれました。

シモツケ

淡い紅色の【シモツケ】

ニホントカゲ

尻尾が取れた【ニホントカゲ】

季節ごとに出会う動植物が違うので、登る度に新鮮なのも登山の醍醐味の一つですね。

富士山

雪解けをした富士山、金時山山頂にて。

7月に入って雨も続く中、富士山が見られるのは珍しい事なので、運が良かった!

ぜひ、箱根に来た際は金時山に登りにいらしてください!

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2018年07月05日伊豆下田・南伊豆の大人気海水浴場6選!

富士箱根伊豆国立公園 吉川貴光

海開きを直前に控え、徐々に伊豆半島の海に活気が出てきました。今回は下田、南伊豆にある海水浴場を紹介いたします。

伊豆半島は、元々火山であったことや長い年月をかけて海に浸食されたことによって、周りがジグザクの地形になっています。そのため、伊豆半島の浜は、いくつにも分かれています。地形や環境によってそれぞれ特徴をもっているので自分に合った浜で楽しむことが出来ます。

【白浜大浜海岸】

来客数:約39万人(平成28年)、浜の広さ:770m、水質:AA(平成30年)

下田で圧倒的な人気を誇り、夏場は人で溢れています。常に日焼けした若者達が大はしゃぎしている元気な海。外海から入ってくる波は、勢いがあり、サーファーにも人気。浜を上がるとすぐにコンビニ、バス停、駐車場があり、利便性も抜群の海水浴場。

【外浦海水浴場】

来客数:約6.2万人(平成28年)、浜の広さ:470m、水質:AA(平成30年)

入江になっているため、波が穏やか。遠浅で小さい子どもでも遊びやすい海水浴場。シュノーケリングやシーカヤックをしても楽しい。波がない時は、遠くからでも底の岩などが見え、海水の透明度を実感できる。

 

【多々戸浜海水浴場】

来客数:約4.5万人(平成28年)、浜の広さ:450m、水質AA(平成30年)

多々戸浜といえば、サーフィンというほどサーファーに人気。夏場でなくともサーファーで賑わっている。とても綺麗な海で、今年の6月にはアカウミガメの卵が100個以上見つかった。

 

【入田浜海水浴場】

来客数:約5万人(平成28年)、浜の広さ:400m、水質AA(平成30年)

多々戸浜と岩壁を挟んで隣の浜。海が抜群に綺麗で、波が引いた後、空が鏡の様に映るほど。浜の横にある岩場には歩いて行くことができ、磯遊びも楽しめる。某有名歌手のPVが撮影された噂もあり、ロケ地としても使われるようである。

【吉佐美大浜海水浴場】

来客数:約3.5万人(平成28年)、浜の広さ:770m、水質:A(平成30年)

白浜大浜と同等規模の広大な浜。下田市街から少し離れるため白浜大浜ほど利用者が殺到せずゆっくりと過ごせるように思います。外国人利用者にも人気で、周りにカフェがあり、他の浜とは少し違った雰囲気。駐車場も広いので市街から足を伸ばしてみるのも良い。

【弓ヶ浜海水浴場】

来客数:約7.2万人(平成28年)、浜の広さ:1200m、水質:A(平成30年)

弓のように弧を描く南伊豆を代表する浜。伊豆半島の南部では最大級の広さを誇る浜だが、夏は海水浴客で埋め尽くされる。遠浅であるため、子供が遊びやすく、ファミリー層に人気。夏時期限定で海に浮かぶ遊具「スプラッシュウォーターパーク」も大人気。

今回紹介した浜以外にもたくさんの浜があります。自分好みの浜を見つけるのも1つの楽しみです。ぜひこの夏は伊豆半島の海へお越しください。

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2018年07月05日【箱根地区】平成30年度第1回パークボランティア研修会 実施報告

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

6月30日は箱根地域で活動されるパークボランティアの皆様に向けて、今年度第1回目の研修会を開催致しました。その様子をご紹介します。

まず、パークボランティアとは国立公園において、自然観察会等の解説活動や美化清掃、利用施設の簡単維持管理などの各種活動について、広く国民の参加を求め、一層の活動の充実を図るとともに、自然保護の普及啓発を図ることを目的として、これらの活動に自発的に協力して頂ける方の事で、各地区でさまざまな活動を行っています。

箱根地域のパークボランティアは、上記の他にも学校や一般の団体から自然解説活動のガイド依頼があります。今回の研修会では「自然ガイド」をテーマに箱根ビジターセンター周辺で座学と実技を合わせた研修会を実施しました。

10:00 開会式

↑開会式の様子、石川所長の挨拶より始まりました。

10:10 講義「箱根ビジターセンターにおける自然解説活動と解説時の注意点」

今回の研修会では(一財)自然公園財団箱根支部(箱根ビジターセンター勤務)の加藤 氏 他3名の職員に講師を依頼し、箱根ビジターセンターではどのような活動をしているのか、どんなところに気をつけて解説しているのかなど、事例を交えながら講義をしていただきました。

↑加藤氏による講義の様子、スライドを使って解説では何が重要か、解説する前の下見の重要性などを説明してくださいました。

↑職員の石原氏 毎週日曜日開催の「四季観察会」事例発表。箱根の四季を感じながら周辺の動植物を中心に観察し、四季の様子を体感してもらうプログラムです。

↑職員の築紫氏 毎週土曜日開催の「子ども自然遊び塾」事例発表。0歳からのお子様とその保護者を対象に、自然観察ではなく自然のモノや道具を使って自然の中で遊ぶ楽しさを体感してもらうプログラムです。

それぞれの事例発表を聞いていると「下見」を大事にしていると話されていました。書面での企画も大事ですが、下見で実際の自然環境の様子、どこに危険な箇所(ハチの巣、ウルシ類、落枝、転倒)があるか把握することで、安全に楽しく箱根の自然を満喫してもらうことが出来ると強く言われていました。

11:40 「グループワーク〈ミニ自然観察会〉」の計画と実施

ここからは財団職員と当職が考案したグループワークです。

参加者を4班に分け、その中で一名ずつミニ自然観察会のリーダーとなって実際にその班のメンバーに向けて自然解説をしてもらう実技研修です。計画から下見、実施を実際にしてもらうことで、現在の自分に何が良かったのか悪かったのか知ることが出来るとともに、他のパークボランティアの自然解説が聞くことが出来るため、解説の幅を広げてもらおうと計画しました。

実技の設定は某外部団体から「自然解説をしてほしい」とガイド依頼があり、解説リーダーとなって解説してもらうこととしました。

対象は「小学校団体」「中高生団体」「子どもが交ざる一般向け」「中高年団体」の4つに分け、それぞれの参加者にくじ引きで選び、当たった対象に向けて自然解説を計画実施していただきました。

↑くじ引きの様子

くじ引き後は昼食を挟んで、解説場所へ下見に行きました。

12:45 下見と計画

場所はビジターセンター前の広場や散策路です。

対象によって、解説内容や注意する点が異なります。アドバイザー(財団職員+事務所スタッフ各一名)が同行しているので、何に注意した方が良いか、こんな解説はどうだろうか相談しながら解説内容を組み立てていました。

↑下見の様子。それぞれで得意分野があるため、たくさんの発見があって、和気藹々とした雰囲気でした。

↑財団職員からもネタのアドバイス。

13:45 ミニ自然観察会 開始

1人の持ち時間は10~15分。ジオを解説する方、植物を解説する方、自然の中で遊ぶ方など様々な手法があって、皆さん緊張されていましたが、とても楽しそうに解説をされていました。

↑「子どもが交ざる一般向け」に解説をするパークボランティア。葉っぱで鳥の鳴き真似をする遊びを披露した。

↑「中高年団体向け」に解説をするパークボランティア。観察しやすい植物を中心に解説されていました。

↑「小学校団体向け」に解説をするパークボランティア。

 小学生になりきった皆さんに散策路沿いに落ちている自然のモノを拾いながら観察しました。

普段から観察会で解説されるベテランガイドも、不得意な対象に当たり苦戦されていました。また、解説している方以外はその対象になりきって解説を受けるので、「対象者になりきる」と言うのがなかなか難しいところでもありました。(特に小学校・中高生団体・・・。)

15:00 ミニ自然観察会を終えての反省会

皆さんに解説をしていただいた後、ビジターセンターに戻り、班ごとに反省会を行いました。それぞれの反省点では「動植物が分からなくてもどかしかった。」「知らないうちに専門用語ばかりで解説してしまっていた。」「参加者を置いてさっさと先に歩いてしまった。」などやってみて気づいた事が多くありました。また、班での反省会後は、班ごとに何を解説したのか2名ずつ発表し、皆さんに共有していただきました。

↑反省会の様子

今回は15分と短い解説でしたが、実際依頼を受けると1時間くらい解説します。この短い自然解説をたくさん用意するとあっという間に1時間の解説が出来るようになります。

今回を基にまだ参加したことなかった外部団体対応や自然観察会対応に少しでもパークボランティアがリーダーとなって参加していただけたら嬉しく思います。

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2018年06月26日6月17日(日)「深緑の箱根湖畔 九頭龍の森で遊ぶ」行事報告

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

箱根地域では一般の方により箱根の自然を知ってもらうべく【箱根地区 自然に親しむ運動委員会】(環境省・神奈川県・箱根町・(公財)神奈川県公園協会・(一財)自然公園財団箱根支部)が主催する「箱根地域自然に親しむ運動」というイベントを年9回開催しております。

6月17日(日)は私ども環境省が担当する自然観察会「深緑の箱根湖畔 九頭竜の森で遊ぶ」を開催致しました。

この行事は九頭龍の森でネイチャーゲームや生きもの観察会を実施するお子さんから大人まで楽しめるイベントです。当日は梅雨の晴れ間に当たり、季候も良く、箱根らしい初夏の雰囲気が漂う中での開催となりました。

9:30 開会式

このときはまだ霧雨が降っていたため、箱根ビジターセンター内で開会式を行いました。

↑開会式の様子

9:50 アイスブレイク「動物交差点(私は誰でしょう)」

このゲームは背中に動物のイラストを付け、その動物を他の人に挨拶をしながら「私の動物は空を飛びますか?」や「地面を歩くほ乳類ですか?」など聞き、何の動物か当てるゲームです。これをやったおかげで、参加者同士はもちろん、パークボランティアやスタッフともうち解ける事が出来ました。

↑アイスブレイクの様子

10:00 九頭龍の森に向け出発

九頭龍の森へは芦ノ湖東岸遊歩道という車の通行を規制している区間を通ります。

途中では箱根の固有植物の「ハコネイトスゲ」や「ハコネシチケシダ」などの観察や葉っぱで卵を守る揺り籠を作る「オトシブミの仲間」を観察しました。

↑「ハコネイトスゲ」を紹介するパークボランティア

↑オトシブミの仲間の観察(丸写真は卵が入った揺り籠)

12:20 九頭龍の森到着 お昼休憩

12:45 2班で行動

1班は九頭龍の森園内の散策と九頭龍神社へ参拝に行きました。

↑九頭龍神社周辺での様子

「九頭龍神社」はその昔、万字ヶ池(まんじがいけ:今の芦ノ湖)に九つの頭を持つ龍が棲んでおり、毎年7月に池から出て近くの村を襲い、住民を殺めたり、田畑を荒らしていたそうです。人々はその悪龍の心を静めるため、若い娘を人身御供(ひとみごくう)として差し出していました。これを聞いた万巻上人(まんがんじょうにん)と言う僧侶が三日三晩、池の畔に作った祭壇で祈祷を行ったことで、悪龍が観念し許しを乞うため出現したところを逆さ杉に鉄の鎖で縛り上げ、懲らしめたそうです。すると不思議なことに九頭龍が九頭の龍神に変身したことで、その奇跡にあやかろうと、その場所に九頭龍神社を造り奉ったことが由来とされています。

↑九頭龍神社。今は恋愛の神様として人気が高く、多くの人が訪れます。

2班は広場に残り、お手製の生きものビンゴで九頭龍の森に棲む生きもの観察をしました。

↑生きもの観察の様子     

          

↑お手製の生きものビンゴブック

13:45 ネイチャーゲーム「カモフラージュゲーム」

このゲームは生きものの「擬態」について学ぶゲームです。生きものは自然の風景に溶け込む模様になっています。それを学ぶため、人工物(ペンやぬいぐるみなど)と自然物(木の実や鳥の羽など)を一定の範囲で森の中に隠し、それらを探すというモノです。意外と見つからず、参加者並びにスタッフも全13個を見つける事が出来ませんでした。

↑カモフラージュゲームの様子

↑この写真だけでもここにあります。

14:10 国立公園3択クイズ

環境省レンジャー考案の国立公園や箱根地域についての3択クイズを実施しました。

箱根地域で一番高い山はどこだとか芦ノ湖に元々生息している魚類はどれだなど全部で5問実施しましたが、ほとんどの参加者が全問正解・・・。意外と皆さん箱根に詳しいと実感しました。

↑3択クイズの様子

14:30 閉会式・解散

今回は参加人数が少なかったですが、みなさんに箱根の自然について楽しんでいただけたようで、満足して帰られました。来年もまた、子ども親子を対象に開催できればと思っています。

九頭龍の森はプリンズホテルズ箱根芦ノ湖が委託管理している施設です。

入園料は大人500円、子ども250円。

入口までは自家用車への乗り入れが出来ず、近隣の湖尻ターミナル箱根園から芦ノ湖東岸遊歩道を通って徒歩もしくは自転車でのアクセスとなります。

入り口までは木陰が多い道なりで箱根らしい涼しい風とヤマアジサイなどの初夏の花々が楽しめるコースです。この夏、涼を楽しみに九頭龍の森併せて芦ノ湖東岸コースへ行かれてみてはいかがでしょうか。

このほかにも今年度はあと5回のイベントを予定しております。ご予定が合いましたら是非ご参加ください。

イベント案内はコチラ!

http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html#

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2018年06月13日長者ヶ岳・小田貫湿原巡視報告

富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明

皆さまこんにちは!富士箱根伊豆国立公園の沼津管理官事務所アクティブ・レンジャーをしています、松岡宏明でございます。
今回は、長者ヶ岳を中心に周辺を巡視してきたので、張り切ってその内容を報告させていただきます!

今日紹介させていただくのは、富士山の西方にある、長者ヶ岳と小田貫湿原(こたぬきしつげん)です!


まずは、長者ヶ岳です。
この日は快晴で前日が雨だったこともあり、草花や木々がキラキラ、イキイキとしていてとても活力をもらいました。しかし、登山道がぬかるんでいる箇所や木道がつるつるしていて滑りやすくなっている場所もあったので、雨上がりに登山される際は注意が必要です!
長者ヶ岳の登山口は主に3か所ありますが、今回は東海自然歩道入口から登りました。序盤は階段が続き、標高を稼ぐにはいいですが、体力的にはしんどいかもしれません。
しかし、頑張って歩を進めて、休憩がてら周りを見渡してみると...!

△ 緑輝く登山道

木漏れ日あふれる綺麗な世界が広がっています。それに加えて、今の時期だとコアジサイが可愛らしい花をたくさん咲かせています。

△小さい花が特徴のコアジサイ

青くて小さい花がなんともキュートですよね!道中を少しだけほっこりさせてくれます。
また、長者ヶ岳には富士山の展望地点もあって、その景観を見れば登山の疲れをいやしてくれること間違いなしです!その中でも、長者ヶ岳山頂は「富士山がある風景100選」(http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html)にも選ばれている場所です。この場所だけではなく他の選定地も富士山が綺麗に見える場所なので、富士山を自然の中で観たい!撮影したい!という方は巡ってみてもいいかもしれません。
さてさて、そんな長者ヶ岳山頂からはこんな景色が広がっています。

△ 長者ヶ岳山頂からの富士山(冬季)

どどーん!と壮麗ですね!
...え、なぜ今の時期に富士山に雪があって、周りの木々が寒い感じかって?...実は、この日雨上がりだったこともあり、富士山に巨大な雲がかかってしまい、まったく見えませんでした...。なので、11月ごろに撮影した長者ヶ岳山頂から撮影した写真を使用させていただきました。すみません。
上の写真のように晴れていれば、とても綺麗な景観が待っています。長者ヶ岳に登る際は富士山に雲が多くない日を選んで登山することをおすすめします。皆さんは私のようにならないように注意してくださいね!

そして、次に紹介するのが長者ヶ岳の登山口からほど近いところにある、小田貫湿原です。

△ 小田貫湿原の木道

ぐるりと森林に囲まれて、ながーい木道とカエルの鳴き声やサラサラと草がこすれる音が自然と聞こえてくるような癒しスポットです。
湿原ならではの花や植物、生き物たちもたくさん観察でき、段差や危険な箇所も少ないので、お子さんを連れていかれるのもいいかもしれません。田貫湖周辺を訪れた際はぜひお立ち寄りください!

次回は、今回の巡視で上記の二つの他に巡視した田貫湖ふれあい自然塾(http://www.tanuki-ko.gr.jp/)と白糸の滝(http://www.fujinomiya.gr.jp/shiraito/index.html)について紹介したいと思います!乞うご期待です!

沼津管理官事務所 松岡宏明

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