富士箱根伊豆国立公園
353件の記事があります。
2016年07月15日国立公園のルールについて ×富士山で実はこんな事をしたらNGです×
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
富士山と富士山周辺は昭和11年(1936年)に国立公園に指定され、今年で指定80周年を迎えました。国立公園では、自然公園法という法律によって、優れた風景地を守るために色々な行為に規制がかかっています。特に富士山五合目以上は特別保護地区という特に規制が厳しいところとなっています。
つい、うっかりやってしまう行為であっても、富士山では法律違反になってしまうことがあります。
そんな、NG行為についてまとめました。
○動植物の採取
富士山の五合目以上では、亜高山帯~高山帯になりますので、背の高い樹木がなくなり、植物の種類と数も少なくなってきます。そんな中で時折、健気に咲いている花を見ると、登山の疲れの中でも心が癒されますね。そんな厳しい環境でがんばっている植物の姿は記憶だけに留めて、採取は行わないようにしましょう。また同様に、昆虫の採集もやめましょう。
○溶岩や石の持ち出し
富士山に登った記念に溶岩を持って帰ろうという方は意外と多くいます。これも法律で規制されています。各個人が「石ころ一つ位ならいいだろう」という気持ちでも、毎年、何十万人の登山者が来る富士山ですので、みんながやると大変なことになってしまいます。また、石を並べて文字をつくったり、積み上げたりする行為もやめましょう。
○テント設営やたき火
富士山頂でテントを張って、日本一高いところからロマンチックに星を見る...なんてことを想像している方はいませんか?各ルートに山小屋が多数ありますので、宿泊はテントではなく、山小屋でお願いします。
また、たき火も行わないようにしてください。
○落書き
旅の恥はかき捨て、と言いますが、落書きのあとはずっと残ります。建造物にはもちろんのこと、岩や石に落書きすることも規制されています。
○ペット等の放し飼い
特別保護地区内で動物を放すのもNGです。また富士山の登山道は火山砂利のため、ペットとともに登山すると、ペットの足にダメージを与える可能性がありますので、なるべくペットを連れてくることは控えましょう。
また法律では規定されていませんが、マナーとして注意していただきたい行為もあります。
・バーナーやコンロの使用は禁止されていませんが、火災を起こすおそれがあるため、山小屋周辺や人ごみを避け、周囲に注意して使用するようにしましょう。
・富士山でゴミを拾いながら歩くと色々な種類のゴミがあることに気が付きます。食べ物の包み紙、壊れた傘、尿が入ったペットボトルなど...。これらは置いて行ったからといって消えてなくなるわけではありませんので、出したゴミは責任を持って持ち帰りましょう。
・登山道を外れて歩くと貴重な生態系に影響を及ぼすため、登山道以外は歩かないようお願いします。
また登山道を外れると落石を起こす危険性もあります。渋滞をしているからと言って、道を外れることはやめましょう。
世界遺産にも指定された美しい富士山の姿を後世まで残すよう、また全ての登山者が気持ちよく登山ができるよう、皆様のご協力をお願いいたします!
2016年07月15日花の百名山【神津島】
富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 森山希美
暑くなってまいりました。
もうすぐ、夏休みという方も多いのではないでしょうか。
まだ旅行先を決めていない方は伊豆諸島の島々にぜひおいでください。
海はもちろん、登山やお花の観察もお楽しみいただけます。
伊豆諸島のひとつ、神津島で天上山のガイドをされている方より素敵な花の便りをいただきました。
写真の掲載についても許可をいただいたので、一部をご紹介します。
(サクユリ)
(ハマジャシン)
(コガンピ)
(スカシユリ)
神津島の天上山は「花の百名山」と呼ばれており、四季折々の花が楽しめます。
花と言うと春のイメージが強いかもしれませんが、神津島ではご紹介した花以外にも、
キキョウやハチジョウオトギリなど、これからの季節もいろいろな花が見ごろを迎えます。
暑さに負けず、咲き誇る姿をぜひ見にいらしてください。
余談ですが、来週末よりこの神津島にて
「富士箱根伊豆国立公園80周年記念 国立公園・野生生物写真展」を実施いたします。
昨年度(27年度)のアクティブ・レンジャー写真展にて展示した写真の一部と
伊豆諸島自然保護官事務所で所蔵している写真を展示し、雄大な自然や動植物など
各地域の様子をご紹介します。
開催期間:7月22日(金)から 8月18日(木)
開催場所:まっちゃーれセンター(前浜港船客待合所)
神津島にお住まいの方、神津島へ行かれる方、皆様お気軽にお立ち寄りください!
2016年07月11日現場のレンジャー・アクティブレンジャーが教える快適登山の極意 「ずらして快適富士登山!」
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
今夏の富士山も、1日に山梨県側の登山道が山開きし、10日には静岡県の登山道が山開きし、いよいよシーズン真っ盛りに突入します。吉田口六合目の安全指導センターでのカウントによると、6日までの登山者数が、昨年同時期に比べ6541人(131%)多かったそうです。
ズバリ、ポイントは「ずらし」にあります!
①時期をずらす
昨年、一昨年の登山者数が多かったベスト5です。赤字の日付が海の日~お盆の日になります。例年、お盆以降は登山者が減少傾向になります。
今年も海の日あたりは避けたほうがいいかもしれません。
②曜日をずらす
平日と休日の登山者比
曜日毎の登山者数平均
昨年度の平日と土日祝日の登山者数を比べると、土日祝日の登山者数は平日の2倍にもなります。
全曜日の中では、土曜日の登山者数が1番多くなります。
週末は避けたほうがよいですね。
③時間をずらす
各登山道8合目を通過する登山者数(中央値)
吉田ルートの八合目の登山者数に注目すると、時間によって、ピークが3つあることが分かります。日帰りの登山者は朝早くに出発、途中で山小屋に宿泊する登山者は夕方ごろ、御来光を目指す登山者の深夜のピークも確認できます。1泊2日の場合、お昼より前に出発して、早めに山小屋に着いてゆっくりするプランのほうが、混雑を避けられます。
(ただし、山小屋によっては早めにチェックインができないので、事前に山小屋に確認をお願いします!)
④ルートをずらす
例年、吉田ルートの登山者が最も多く、昨年は全体の6割近くの登山者が吉田ルートを登りました。ルート選びに関しては、各ルート毎に特徴や難易度が違いますので、ご自分の体力や目的に合うよう、じっくり検討して下さい。
⑤場所をずらす
多くの人が御来光を山頂から眺めます。しかし、じっと動かず御来光を待っている時間というのはとても寒く、結構大変です。そこで、御来光を山頂以外で見ることもオススメします。例えば山小屋から御来光を見る場合、ギリギリまで寝ていられますし、寒くなったらすぐ山小屋に入れます。また、陽が登ってから歩くほうが、安全で景色も楽しめます。
以上のずらしポイントふまえて登山計画を立てると、大分混雑の少ない、安全快適な富士登山が楽しめるはずです。
これから富士山に登ろうという方はぜひ「ずらし」を意識してみて下さい!
2016年07月11日深緑の自然観察会!
富士箱根伊豆国立公園 箱根 後藤香奈
蒸し暑い日が続きますね。
7月10日(日)に
「新緑の箱根湖畔 九頭龍の森で遊ぶ」自然観察会が開催されました。
■主催:自然に親しむ運動実行委員会
■開催担当:箱根自然環境事務所
親子向けとして開催された本観察会ですが、
お子さまから大人の方まで多くの皆様が参加してくださいました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!
前日まで雨が降り、開催が危ぶまれましたが
当日は晴天に恵まれ箱根ビジターセンターから九頭龍の森までは、
木陰の中を気持ちよく歩くことが出来ました。
6~7名の班ごとに、植物や昆虫、野鳥などのんびりと観察をして歩きました。
箱根九頭龍の森に到着した後は、
大人グループは園内散策で植物観察や九頭龍伝説のお話を、
子どもグループはトンボを捕まえたり、追いかけっこをしたり...
全体でカモフラージュゲーム・国立公園クイズも行いました。
(カモフラージュゲームの様子♪)
(国立公園クイズの様子♪)
大人も子どもも真剣にゲームを行う姿が見られました!
楽しんで頂けたようで、良かったです!
皆さまの次回の観察会参加も、心よりお待ちしております。
案内は箱根ビジターセンターのホームページをご確認ください!
2016年07月07日箱根にシカ!?
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
現在、箱根ビジターセンターでは箱根のシカ展が開催されています。
巡視などに行くと、たまにシカを目撃することがあります(残念ながらまだバッチリと写真に収められていません!)。シカは全国的に増加しているので、目撃されるのは当たり前ではないかと思う方もいらっしゃると思いますが、実は箱根では過去100年ほどシカが存在していませんでした。しかし80年代頃より、その目撃情報が増加してきました。そして、これまで行われてきた植生の調査や自動撮影カメラの結果などから、現在ではすでに多くのシカが箱根に生息していることがわかってきました。
仙石原湿原の自動撮影カメラに写ったシカ
つい最近では、仙石原湿原周辺で何人かの方達が写真を撮っていたので、何を撮っているのかと思えば、シカの夫婦?が逃げもせずのんびり草を食べていました。地元の方々は「箱根にもシカが来ているんだねー」と話していました。
箱根のシカはいったいどこからきたのでしょうか?
平成26年度に箱根で捕獲されたシカのDNA調査を行ったところ、伊豆半島地域からきているタイプと、丹沢地域から来ているタイプの個体がいることが判明しました。箱根の南北からシカが侵入していることになります。
現在、箱根自然環境事務所では箱根のシカの目撃情報を募集しております。
箱根でシカを見かけたら下記のフォームから、情報の提供をお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/1DTlgK-HfQjdTQZjrKTyialUO73l6LFoSTh9W0phpsUw/viewform
箱根ビジターセンターのシカ展は7月24日まで開催されています。
大きなシカが出迎えてくれますので、ぜひお越しください!
2016年06月30日国立公園・野生生物写真展開催中!【大島】
富士箱根伊豆国立公園 森山希美
こんにちは。
現在、伊豆大島にて、
「富士箱根伊豆国立子園80周年記念 国立公園・野生生物写真展」と銘打って
写真展を開催させていただいております。
開催期間:6月27日 から 7月15日 まで
開催場所:大島町開発総合センター1Fロビー
チラシはこちら↓
(こちらをクリックで拡大版表示)
当写真展で展示させていただいている写真は、昨年度(27年度)のアクティブ・レンジャー
写真展にて展示した写真の一部と伊豆諸島自然保護官事務所で所蔵している写真です。
入場無料の写真展ですので、お時間がある方はお気軽に会場へお越しください。
(会場の様子)
伊豆大島のほかにも、会場の確保などの段取りが整ったところから伊豆諸島の各島で今後巡回展示
して参りますので、スケジュールや開催状況等、この場でお知らせさせていただきます。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
2016年06月28日どこまでが花?
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
雨の日が続きます。
実は箱根は年間の降水量が3500mmにもなり、全国でも有数の、雨が多い地域になります。
そんな雨の多い季節に、ひときわ目立つ存在なのがヤマボウシです。
この時期に山を眺めると、緑のなかに所々白いものを観察できます。
駒ヶ岳ロープウェーからの眺めです。所々白くなっているのを確認できますでしょうか?
これらがヤマボウシの木です。
しかし、一見目立つ白いものは花びらではなく、「総包片」と呼ばれるものです。
いわゆる花の部分は中心にある緑色の部分になります。
赤く丸印を付けたところが花になります。
同じ時期に咲く、同じような形をしたドクダミの白い部分も、同様に「総包片」になります。
道路沿いに植えてあるヤマボウシも多いですし、ドクダミは道端に沢山生えていますので、今度見かけたら一度じっくり観察してみて下さい!
2016年06月21日目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根
富士箱根伊豆国立公園 箱根 後藤香奈
さてさて、今年もやってきました!
箱根での「子どもパークレンジャー」のご案内です!
「子どもパークレンジャー(箱根)」では、
火山の専門家や国立公園のレンジャー(環境省職員)の話を聞いたり、
自然保護や環境保全、火山による恩恵や災害・防災について、楽しみながら学びます。
今年は7月に開催されますので、夏休み中で興味のあるお子さんは
是非ご参加ください!
7月26日(火)
「目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根」
■主催:環境省 箱根自然環境事務所
■運営:NPO法人ホールアース研究所
■後援:箱根ジオパーク推進協議会
☆ 小学5年生~中学3年生 までの20名を募集しています ☆
※人数多数の場合は抽選させて頂きます。
環境省職員(レンジャー)のお話や、火山の専門家のお話を聞いたり、
火山の実験や自然観察など、当日は楽しめる内容が盛りだくさんです!
※大涌谷及び規制区域には入りません。
(平成27年火山の実験の様子)
詳しくは環境省のページを
開催場所の情報は箱根ビジターセンターのページを
ご確認ください。
皆さまのご参加をお待ちしています、
これから蒸し暑くなる一方ですが、
外に出るときは熱中症に気を付けてください!
2016年06月09日初夏に見る草花と石仏♪
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
梅雨に入り、曇りや雨が多くなってきました。
皆様は体調を崩されておりませんでしょうか?
今回も先日行われた、箱根の自然観察の様子を報告いたします。
6月4日(土)に動植物観察や石仏石塔群を歩き箱根の歴史を感じる
「初夏の湯坂路と石仏石塔群を訪ねて」が開催されました。
■主催:自然に親しむ運動実行委員会
■開催担当:箱根自然環境事務所
当日は少し風が強いものの、とても歩きやすい気候でした!
参加者の皆さんも、予定より早く集まってくださり
早めに出発することが出来ました。
何点か石仏がありましたが
見応えのある、鎌倉時代の磨岩仏群(計26体)が彫られている
「俗称 二十五菩薩」の前では
参加者から感嘆の声があがっていました!圧巻ですね!
(参考:国指定史跡・重要文化財 元箱根石仏・石塔群パンフレット)
また、今回初夏に開催されたということで、
コアジサイが咲き誇っておりました!小さな花が可愛らしいですね。
今回は「健脚向け」としておりましたが、
「自然に親しむ運動」では他にも様々な場所で自然観察会を開催しております。
◆来月7月にも
「親子向け」(もちろん大人の方のみの参加もお待ちしております!)としている
「7/10(日) 深緑の箱根湖畔 九頭龍の森で遊ぶ」が開催されます。
〈☆拡大版はこちらをクリック☆〉
植物や動物を探して歩き、自然の中で楽しむゲームを行います。
是非皆さまもご参加ください!
次回観察会でも皆様のご参加をお待ちしております。
詳細は箱根ビジターセンターのホームページをご確認ください!
野外の活動では、熱中症にお気を付けくださいね。
梅雨もひと段落して、また暑くなってくるようですね。
7月26日(火)に箱根での子どもパークレンジャー
「目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根」が開催されました。
■主催:箱根自然環境事務所
■運営:NPO法人ホールアース研究所
■後援:箱根ジオパーク推進協議会
その時の様子を少しお伝えします!
当日は晴天!とはなりませんでしたが、暑くも寒くもないちょうど良い天候、
参加者の皆さんもやる気いっぱいで、早めのスタートとなりました!
どんな内容だったか?というと、
環境省職員(レンジャー)による国立公園やレンジャーの仕事の話を聞いたり
「目指せ火山博士」!ということで、
火山についての話や箱根の大涌谷の映像を見たり
コーラやメントスを使った、軽石、溶岩の仕組みや噴火の実験
野外での自然観察に加え、
他ではなかなか出来ない草木染めならぬ「溶岩染め」も行いました!
模型を使った噴石実験も実施し...
盛りだくさんの内容でしたが、
参加した皆さんは最後までしっかりと楽しんでくれたようです!
特に溶岩染めや噴火実験が楽しかったようですね♪
来年の子どもパークレンジャーや他の自然観察会でも皆様のご参加をお待ちしてお
ります!AR日記や箱根ビジターセンターのホームページを今後もご確認ください!
また、箱根・大涌谷では子どもパークレンジャーが開催された
7月26日から大涌谷園地と箱根ロープウェイ全線の運行が再開されました!
※9時から17時までの間、園地の一部に立入ることができるようになりました。
※大涌谷周辺のハイキングコース及び自然研究路は引続き立入禁止です。
今回の「目指せ火山博士!子どもパークレンジャーin箱根」に参加された皆様も、
これから箱根に訪れる皆様も、最新の情報を確認した上で
再び入れるようになった大涌谷に、ぜひぜひお立ち寄りくださいね!