富士箱根伊豆国立公園
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2020年12月03日アクティブ・レンジャー写真展in伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」<沼津・下田合同開催>
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
あっという間に12月ですね。ここ数日業務もプライベートも年末を感じる忙しさで慌ただしく充実した日々を送っています。ふと新年に立てた目標を思い出そうとしましたが、何も思い出せません、、、
一緒に目標を立てた管内の同僚に聞いてみようと思います。思い出せない時点で達成していない可能性が高いですよね。年末まで気を引き締めてがんばろうと思います。
今回は12月3日(木)より沼津・下田管理官事務所で合同開催している"環境省 アクティブ・レンジャー写真展in伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」"のご案内をしたいと思います。
関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園、15の国指定鳥獣保護区があります。それらの地区に配置された環境省職員「アクティブ・レンジャー(以下、AR)」が日々の業務で撮影したひとコマをご紹介します。
会場には、各AR選りすぐりの一枚が展示してあります。写真以外にも「アクティブ・レンジャーとはどんな仕事をしているのか?」を紹介したパネルや、撮影したARの紹介などもありますので、併せて見ていただき国立公園の事やARについて少しでも知っていただければと思います。
【 展示の様子 】
会場の「ジオリア」では、ジオシアターによる伊豆半島の成り立ちや、プロジェクションマッピングを使った伊豆半島の地質や各地の魅力、温泉分布などを知ることが出来ます。ジオリアに立ち寄り伊豆半島の歴史や見どころを知ることで、より一層旅が楽しくなること間違いなしです。
【 ジオリアの展示を説明する専任研究員の朝日さん 】
開催場所/開催期間
<場 所>
伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」
静岡県伊豆市修善寺838-1 修善寺総合会館内
<期 間>
12月3日(木)~ 1月26日(火)9:30~16:30
休館日:水曜日、年末年始(12月30日~1月3日)、1月16日13時以降
開催事務所の沼津管理官事務所からは富士山の湧水が流れ落ちる白糸の滝と、伊豆山稜線歩道・猫越岳山頂の池で見つけたモリアオガエル、下田管理官事務所からは奥石廊に広がるユウスゲと、爪木崎の青い海の写真4点を展示しています。その中から2点紹介します。
【 また来年この場所で 撮影:山田(沼津) 】
【 楽園の冬 撮影:齋田(下田) 】
普段から頻繁に国立公園内の巡視をするアクティブ・レンジャーならではの珠玉の一枚をぜひ会場でご覧になって下さい。お待ちしております。
新型コロナウイルス感染拡大防止対策については施設の指示に従って下さい。
▼伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」
https://georia.izugeopark.org/
▼開催案内
2020年11月20日アサギマダラの旅立ち(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回はアサギマダラという蝶のお話です。
少し前のお話なのですが9月から10月にかけて、箱根ビジターセンターではアサギマダラの幼虫が展示され、羽化までの変化を観察することが出来ました。
【 アサギマダラ幼虫 9/25撮影 】
地元箱根在住の蝶研究家の御庭で、9月下旬にアサギマダラの幼虫が見つかりました。お客様に紹介できるようにとのご厚意から、箱根ビジターセンターでの展示を開始しています。定期的に食草も運んで頂き、成長を見守っていたところ、見事に成長し・・
【 サナギ 10/1撮影 】
2匹が同時にサナギとなりました。きれいな緑色のサナギが隣り合わせで並んでいます。
同じような場所を選んだことは驚きでした。
蝶のサナギには寄生蜂が宿ることも多く、必ず正常に羽化するとは限らないそうです。もしかしたらうまくいかないかもと思いながらも、見守りました。
すると、1羽目は10/13、気がつくと無事に成虫となっていました。この1羽は状態が安定したのを見計らって、野に放っています。そして、もう1羽。どうなるかと心配しながら数日観察していましたが、10/15朝に飼育ケースをのぞき込むと、緑色だったサナギの表面が透明に変わり、中で真っ黒な物体がもぞもぞと動いていました。驚いて見ていると、そのまま成虫の羽化が始まり、ビジターセンターにいたお客様と一緒に一部始終の観察をすることが出来ました。ご一緒したお客様も、とても感動していました。
あまりの驚きに、羽化中の写真は撮れませんでしたが、羽が開ききった成虫がこちらです。
【 羽化直後の成虫 10/15撮影 】
翌日まで羽が乾くのを待ち、野に放つこととしましたが、その前に研究家の指導を受けて一作業。アサギマダラは驚くほどの長距離を飛行し、旅する蝶として有名です。全国で研究のためにマーキングが施され、その研究結果によると本州から沖縄や台湾まで移動をしたという記録も残っています。そこで箱根ビジターセンターでも、研究協力を試みることになり、指導を受けながら羽にマーカーで日付と生まれた場所が分かるようにマーキングを行い、放蝶しました。
【 ヒヨドリバナにおいた直後 10/16日撮影 】
周辺で良く咲いていたヒヨドリバナの上にのせたところ、すぐに給蜜を始めました。おなかがすいていたのでしょう。旅のエネルギーを貯めるように、夢中で蜜を吸っていました。
【 ハコネビジターセンターとアサギマダラ 10/16撮影 】
その後、しばらくは箱根ビジターセンターの正面で休んでいましたが、夕方には姿を消していました。さて、今頃はどこまで飛んでいったでしょうか。南に向かって、旅の最中であることを祈るばかりです。
時折このようなマーキングのあるアサギマダラがいるため、アサギマダラを見かけた際にはマーキングの有無も是非確認して見て下さい。もし「ハコネVC」の文字があったときには、観察した場所の情報を箱根ビジターセンターまでご連絡頂けると嬉しいです。
箱根ビジターセンターHP ⇒ http://hakonevc.sunnyday.jp/
ご協力頂きました地元蝶研究家様、貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
2020年11月18日箱根、明神ヶ岳(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
10月初旬に、箱根外輪山の「明神ヶ岳」へ巡視に行ってきました。
箱根で人気の登山スポット金時山を横から見ることができ、人気の山です。
山頂に向かう途中、すれ違ったハイカーさんから質問をされました。
「山頂付近の青い花は何の花ですか?」
その時はわからなかったのですが、探しながら進むと、ありました。
【ヤマトリカブト】
質問の答えはヤマトリカブトでした。猛毒で有名な植物ですので、二ホンジカは食べません。背丈が短く直立した形状のものは、特にハコネトリカブトといわれます。風が強く植物にとって生存が厳しい「風衝地帯」でも生き残れるように、ヤマトリカブトが環境に適応した姿といわれます。
この山では金時山と同様に、登山者カウンターを設置して、ハイカーの数を数えています。
写真は高木アクティブレンジャーがカウンター確認をする姿です。
雲が晴れていると、金時山の向こうに富士山をみることができます。
この日は残念ながら、富士山はお休みでした。
【登山者カウンターメンテナンス中】
山頂付近には自然の崩落があり、ロープ柵により立ち入りを制限した箇所があります。過去この崩落部において、植生復元の為の作業を実施しました。
作業の様子 → https://kanto.env.go.jp/blog/2018/01/post-457.html
その時植えたフジアザミが、写真のように咲いていました。崩落部の土に根を張って、頑張っています。
【元気なフジアザミ、隣のアザミ類と比べて花の大きさが格段に大きいです】
実は明神ヶ岳は、箱根に増えつつある二ホンジカが丹沢方面や山梨県側から入ってくる入り口的な場所と考えられています。ホタルブクロやマツムシソウは食べられたせいか、矮小化し地面すれすれのところで花をつけています。この付近ではシカによる植生への食害影響が大きく、そのため神奈川県では周辺での捕獲対策を実施しています。
【背丈のほぼない、ホタルブクロとマツムシソウ】
山頂付近には二ホンジカの足跡が残されていました。
【崩落部立ち入り禁止ロープの向こうに、ニホンジカの足跡】
ロープ沿いには、フジアザミが咲いています。ニホンジカもアザミ類は棘があり、今は食べずに避けているのでしょうか。イノシシはフジアザミの根を堀り返して食べるようですが、ここではそのような被害はまだありませんでした。
この時の巡視からは約1ヶ月以上が経ちました。季節はすっかり秋めいており、箱根は紅葉の見頃を迎えています。明神ヶ岳に行くときには、金時山や富士山の姿はもちろん、足元のフジアザミの様子も眺めてみてください。花の後に観察できるタンポポの綿毛のような「冠毛」をつけた種子の様子や、「ロゼット」といわれる地面に平たく葉を広げた越冬用の変身した姿を観察して、来年のフジアザミ開花を楽しみにしてください。もしかしたら、アクティブレンジャーとすれ違うこともあるかもしれません。
2020年11月16日AR写真展開催のお知らせ【箱根地域】
富士箱根伊豆国立公園 高木俊哉
AR日記をご覧の皆様、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
今回は、告知もかねてのご紹介です。
10月27日より11月26日まで、当事務所に隣接する箱根ビジターセンターにおいて
「環境省 アクティブ・レンジャー写真展 ‐国立公園・野生生物の姿‐」(AR写真展)
を開催しています。
▲AR写真展パンフレット
AR写真展では、日光や南アルプス、さらには小笠原諸島まで含む関東地方のアクティブ・レンジャー(AR)が、写真を通して国立公園内や国指定鳥獣保護区の雄大な自然や動植物を紹介しています。
▲展示会場の様子
各ARの渾身の一枚をご覧ください!
※箱根ビジターセンターの開館時間は、午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)となっています。
なお、ビジターセンター内では、富士箱根伊豆国立公園の情報や、箱根の自然の見どころに関する情報なども展示していますので、是非お立ち寄りの際には併せてご覧ください。
また、紅葉やススキも見頃となっておりますので是非一度足を運んでみてください。
▲仙石原ススキ遊歩道の様子
感染症対策に気を付けながらの外出が必要となる状況が続いておりますが、
箱根ビジターセンターでは、館内入口への手指消毒アルコールの設置や換気の実施など、
各種感染症対策を実施していますので、ご理解とご協力をお願いします。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
(箱根ビジターセンターの感染予防策:http://hakonevc.sunnyday.jp/osirase1.html)
2020年11月16日読めない!?『八丁池』紅葉のタイミング
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
今年は紅葉が早いと思っていましたが、先日発表された静岡県の今後1ヶ月予報によると、例年より気温が高く紅葉は全体的に遅くなる可能性が高いそうです。あっという間に冬の景色になるより長い時間秋の景色を楽しめていいですね。紅葉は深緑と違い、見頃の時期の木枯らしや雨の影響で落葉してしまいますのでタイミングが合うと感動もひとしおです。山々がパッチワークのように色づくのが楽しみです。
今回は紅葉の時期に天城山巡視が何度か重なり、八丁池周辺の紅葉のタイミングの難しさを痛感しましたので敢えて日記で紹介したいと思います。
日本百名山の一つである天城山は、東は遠笠山から万二郎岳(標高1,299m)、伊豆半島の最高峰の万三郎岳(標高1,406m)など伊豆半島のほぼ中心を東西に貫く連山です。年間を通して雨が多く、年間降水量は4,000㎜を超える多雨地帯で、苔や樹木が育つ最適な環境です。八丁池は標高1,173mにある池で、「天城の瞳」の愛称で呼ばれています。池の周囲が八丁(約870m)あることから名付けられたと言われていますが、実際は580mほどしかないそうです。
八丁池へは一年に何度か訪れていますが、池の色は天気や季節によって毎回違う色に見えます。天然記念物の「モリアオガエル」産卵地としても知られていて、今年も梅雨頃にたくさんの卵を確認出来ました。池の周りは「モリアオガエル」の保護のため、半周ほどで通行止めになっています。
【 深緑の八丁池(見晴台から2020.6.15撮影) 】
1枚目の写真は、今年6月の八丁池です。深緑の八丁池は緑が眩しくパワーを感じます。この日はこの時期には珍しく富士山も見えています。
【秋の八丁池(見晴台から2020.10.26撮影)】
2枚目は10月26日巡視の際に撮影した1枚です。天気は曇りで少し暗いですが、まだ紅葉しているとは言えない感じですね。
【秋の八丁池(見晴台から2020.11.10撮影)】
そして、3枚目が11月10日に撮影した八丁池です。
なんと言うことでしょう、、、八丁池奥の木々が落葉しています。2週間であっという間に景色が変わってしまいました。
八丁池は冬になると池が凍るほど気温が低くなります。そのため紅葉もあっという間に進み、この場所に来ないと確認出来ないので、この時期に何度か巡視をしていますが、紅葉の八丁池をまだ見たことがありません。今年は紅葉の時期に連続して巡視が重なったので、絶好のタイミングで美しい紅葉の八丁池を紹介しよう!!と意気込んでいましたが、残念ながらタイミングを逃してしまいました。八丁池の紅葉を楽しんだ方の話では、今年は台風の影響も少なく、朝晩と日中の寒暖差もあり葉が鮮やかに色づいていたそうです。改めて八丁池の紅葉のタイミングの難しさを実感しました。
【冬の八丁池(見晴台から2020.1.14撮影)】
そして、最後の写真はもう少し季節が進んだ冬の八丁池です。少しさみしい感じもしますが、冬は八丁池に空の濃い青が映り格別です。そして富士山周辺に比較的雲が少なく雪化粧した富士山がよく見えます。
八丁池は冬になると池の水が凍ります。私は一部凍っているところしか見たことがありませんが、今年はどうでしょうか?池が凍るタイミングで巡視に行くことが出来たら日記でご紹介出来ればと思います。
今回八丁池の美しい紅葉を見ることは出来ませんでしたが、自然の面白さを感じる数週間でしたし、来年の楽しみがまた1つ増えました。
天城山では標高の高い場所から紅葉が始まり、現在は、八丁池に向かう登山道でブナやカエデやもみじが色づいています。この時期限定の赤や黄色の森で秋を感じて見て下さい。
紅葉シーズンもあり少しずつ登山者が増えています。各自で新型コロナウイルス感染防止対策をお願いいたします。
▼静岡県伊豆市に来訪される方へのお願い
【新型コロナウイルス感染防止対策について(伊豆市)】
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5228
▼伊豆市観光情報サイト
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=5025
▼伊豆市紅葉情報
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5148
2020年11月11日霊峰仰ぐ毛無山
富士箱根伊豆国立公園 義高樹
11月になりまして、冬の訪れをひしひしと感じます。
今回は静岡県と山梨県の間に聳える天子山塊、その最高峰である毛無山についてご紹介します。
標高2000m近い毛無山は、中々に登りごたえのある山です。
やや急坂で岩場もあり、時には設置されているロープを駆使して登らなければなりません。
ハァハァと息が上がり、じんわりと汗が滲みます。
しかし、つらいことばかりではありません。
富士宮市からのルートでは、途中に堂々たる不動の滝や、豊かな樹林帯を眺めながら登山することができます。
不動の滝
極めつけは、富士展望台から眺める見事な富士山です。
展望台といっても、階段やデッキが設置されているわけではありませんので、ワイルドに岩の上に登って見て下さいね。
同じように北アルプス展望台もあります。
北アルプス
富士山と北アルプスの両方を見ることができるなんて、とってもお得だと思いませんか。
山頂へ辿りつくと、これまでの急坂が嘘のようになだらかな草原があります。
のんびりとした景色が広がるその向こうに、下界と富士山の両方が見えますよ。
毛無山山頂より
毛無山はこの他にも隣の雨ヶ岳まで縦走するルートがありますが、クマザサのせいで道が分かり辛くなっているので、利用する際は十分注意して下さい。また、充分な装備と準備をもって臨みましょう!【※新型コロナウイルス対策(マスク、ソーシャルディスタンス等)も忘れずにお願いします。】
2020年10月29日ALWAYS「伊豆半島の夕日」
富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大
みなさん、こんにちは。葉の裏にとまるカメムシを数えるのが日課の齋田です。
この時期には海岸沿いの低木にたくさんのオオキンカメムシが集まるのですが、日を追う毎に数を増す彼らから深まる秋をしみじみと感じています。
さて、今回はそんなオオキンカメムシのような朱と黒の対比が美しい伊豆半島の景色をご紹介します。
遠出を控えているみなさんにも、日記の写真を通して伊豆半島の秋を感じて頂ければうれしく思います。
一つ目にご紹介するのは、南伊豆町の伊浜海岸から見える夕日です。
マーガレットの生産地として有名な小さな集落に位置する伊浜海岸から望む夕日。
写真の右端に見える岬は、東日本最大級のニホンザルの生息地として知られる波勝崎です。海岸近くには私の他にも数頭の見学者がいたのですが、彼らに見守られながらの撮影はなんとも言えない緊張感がありました。
二つ目にご紹介するのは、西伊豆町の堂ヶ島海岸から見える夕日です。
【西伊豆町 堂ヶ島海岸より望む夕日】
伊豆半島の景勝地として有名な堂ヶ島海岸から望む夕日。
周辺には天窓洞や三四郎島等の観光スポットがあるため、休日には多くの観光客で賑わいます。
亀岩や蛇島等の多数の島々に囲まれているため、波が穏やかなことが多く、この日も鏡のような海面が夕焼け空をはっきりと映していました。
今回ご紹介する写真は以上です。伊豆半島の夕日はいかがでしたか?
夕日の写真は、昨年10月に掲載した日記「ノスタルジックな秋の日に」でもご紹介しています。
こちらではどこか懐かしい気持ちになるような写真を取り上げています。是非併せてご覧下さい。
2020年10月28日天城温泉郷『湯道』をめぐる
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
今年も残すところあと2ヶ月です。時間の流れの早さに驚きます。秋は毎年言っているような気がしますが、、、食べ物がおいしい季節ですよね。ついつい食べ過ぎてしまいます。
全国の山々で初冠雪のニュースを耳にしました。伊豆半島の紅葉はこれからですが、富士山は雪化粧をして美しいです。沼津管内も少しずつ冬に向かっています。
ところで皆さんは『湯道(ゆみち)』という言葉を聞いたことがありますか?湯道とは静岡県伊豆市湯ヶ島にある小道で、かつて河原の共同湯に通うために使っていた小道を、里の人達が「湯道」と呼ぶようになり、名前をそのままに散策路として整備された道です。この場所は、幼い頃この地で暮らしていた作家 井上靖の「しろばんば」の舞台になった場所や、川端康成が「伊豆の踊子」を執筆した場所でもあります。
苔むした小道を歩いていると、井上靖をはじめとする文人墨客たちもこの場所を歩き、執筆の創作意欲を高めたり、心を休めていたのかな?と想像が膨らみます。そんな景色を眺めていると感慨深い気持ちになりました。
小道の脇には小川が流れ、笹舟を作って流して遊んだ子供の頃を思い出しました。この場所を歩くとなんだか懐かしい気持ちになります。
カサカサっと何か落ちてきたと思ったら、どんぐりです。足下には秋が落ちていました。
こちらは、猫越川(ねっこがわ)にかかる「女橋」と、本谷川にかかる「男橋」です。この場所はこの二つの川が合流し狩野川として流れ出す場所であり、男女が巡り会い新しい人生をスタートする「出会い橋」と呼ばれていて、二つの橋の出会う場所にはハートのモニュメントがあり写真スポットになっています。5月下旬から7月上旬頃には、たくさんのホタルが飛び交い幻想的で、四季を通して美しい場所です。
11月中旬頃には湯道沿いの木々の紅葉が始まり、出会い橋ではライトアップも行われる予定です。秋色に染まった美しい渓流にかかる橋で素敵な出会いがあるかもしれませんよ。
おまけ、湯道の小川に咲いていた「ホトトギス」です。10月ももうすぐ終わりですがキレイに咲いていました。
湯道の紅葉はこれから見頃を迎えます。文人ゆかりの宿や史跡、歌碑などを巡りながら風情のある小道で紅葉と歴史に触れ思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
*湯道の中にある「わらべ橋」は老朽化により現在立入禁止になっていますのでご注意下さい。
▼静岡県伊豆市に来訪される方へのお願い
【新型コロナウイルス感染防止対策について(伊豆市)】
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5228
▼伊豆市観光情報サイト
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=5&c2=4&aid=4&pid=2402
▼天城温泉郷 観光ガイド
2020年10月23日東海自然歩道を歩こう!
富士箱根伊豆国立公園 沼津 義高樹
今年も早いもので、もう10月です。
すっかり寒くなるかと思いきや、11日、12日はまさかの夏日でしたね。
浜松市では気温が27度にもなったとか。
去年まで山形にいた私は、10月ですとそれなりに寒い思いをしていましたので、未だに半袖でいられることが信じられません。
そんなお天気に恵まれた12日、東海自然歩道の巡視に行って参りました。
東海自然歩道・木橋の様子
最近、皆さんは外のアクティビティを楽しまれているでしょうか。
ステイホームと自粛も大事なことですが、たまには外に出かけて、自然の中でリフレッシュすることも良いかもしれません。
・軽く運動がしたい。
・アウトドアに興味があるが、何をしていいか分からない。
・昔は登山をしていたが、最近は足が遠のいている。
そんな方々にお勧めできるのが、こちらの東海自然歩道(ハイキング)です。
東海自然歩道といえば東京と大阪を結ぶ長距離歩道ですが、今回ご紹介するのはそのごく一部で、およそ1時間程度で一周できるコースになります。
国土地理院地図におけるコース概要
(【A沢貯水地】または【富士宮市立井之頭小学校根原分校跡】付近になります)
コースは起伏が少なく、なだらかです。
装備としては登山靴が望ましいですが、ハイカットのように本格的なものは必要ありません。
ちょっとしたお菓子などを持参して、気軽にハイキングに出掛けてみては如何でしょう。
天気が良ければ、このように富士山も展望できます。
東海自然歩道からの富士山(5月27日撮影)
付近には朝霧高原の他、白糸の滝(過去日記→【白糸の滝と富士山】)、田貫湖ふれあい自然塾(ホームページ→【環境省田貫ふれあい自然塾】)もありますので、時間があるようでしたら立ち寄ってみて下さい。
きっと、より自然を好きになれる筈ですよ!
※新型コロナウイルスへの対策(マスク、ソーシャルディスタンス等)を十分にして、お出かけ下さい。
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
芦ノ湖に、今年も水鳥が多く飛来し始めました。
11月初旬から、オオバンやキンクロハジロ、ホシハジロの群れが観察されています。
【芦ノ湖のキンクロハジロ】
そんな中、芦ノ湖周辺から400年の歴史がある杉並木をパークボランティアの皆さんと歩いてきました。
来年度の親しむ運動ハイキングコースガイド「紅葉の箱根路を歩く」実施に向けた自主研修です。
天候が良いと富士山と箱根神社の鳥居を一緒に撮影出来る芦ノ湖絶景ポイントを通過します。
【 富士山と箱根神社鳥居 】
今回のコースは、恩賜箱根公園から杉並木を通り、芦ノ湖湖畔からお玉ヶ池や二子山を眺めながら、石仏群と歴史館までゆっくりと歩くコースです。約5㎞を5時間程でゆっくり歩くので、ハイキング初心者の方たちには安心のコースです。今回お客様はいませんが、コロナ禍の中ですので、ガイドマイクやマスクの使用をしっかりと行って、研修を実施しました。
【 杉並木や箱根旧街道石畳を、ガイドを聞きながら歩きます 】
個人で回るのも楽しいですが、パークボランティアさんと一緒に歩くと、箱根の植物や歴史についての説明を詳しく聞くことが出来る面白さがあります。ハイキングの充実度が増し、箱根をより好きになっていただけることでしょう。
【 左:キッコウハグマ 右上:紅葉 右下:紅葉が写るお玉ヶ池水辺を歩くコース 】
今年は秋の雨が少なく、お玉ヶ池の水位が低かったので、水辺を半周歩くこともできました。水面に映りこんだ二子山の紅葉がとても美しかったです。道中では紅葉や、季節の花も観察することが出来ました。パークボランティアの皆さん、来年度に向けての自主研修をご一緒させていただきありがとうございました。
箱根は観光客が戻ってきていますが、新型コロナ感染症に油断は禁物です。日常の感染防止対策をしっかりと行うことで健康維持を心掛け、冬を迎えていきましょう。