アクティブレンジャー日記 [関東地区]
関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。 関東地区 アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの教務を担う環境省の職員です。 管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。

2012年5月15日

鹿と姫一華

著作者:荒井 宏行 | 配置:日光国立公園
戦場ヶ原周辺には、貴重な自然植生を守るため、シカの侵入を防止する柵が設置してあります。
奥日光の雪解けが始まると、それまで雪の少ない地域で越冬していたシカが戻ってきます。雪解け後には、シカが柵内に入ろうとして柵のネットに絡まるケースが多く発生します。
先日も、オスのシカが絡まった連絡を受け現場に同行しました。ネットから外し、耳に標識を付けて放しました。興奮したシカを捕らえ押さえる危険な作業です。慎重に行います。


放たれたシカは、勢いよく駆け出し森の手前で一度こちらを振り向くと森の中へ入って行きました。

雪解けが進み、地表が現れると早春を告げる花が咲き出します。
ヒメイチゲです。直径約1㎝の小さな花が、ひっそりと咲いていました。可憐・清楚を感じさせてくれる花です。


 この時期、木々の蕾は芽吹きを待っている様子で、もう少し待てば、山肌は、萌黄色に染まり始まります。

2012年5月15日

南アルプス市芦安新緑・やまぶき祭り

著作者:荒川 史子 | 配置:南アルプス国立公園 南アルプス
新緑まぶしい南アルプス市芦安で、5月13日(日)に「第2回 南アルプス市 芦安新緑・やまぶき祭」が開催されました。

オープニングはこちら

夜叉神太鼓保存会・芦安中学校生徒のみなさんによる夜叉神太鼓の演奏です。
芦安で暮らしていると、時折、窓の外から夜叉神太鼓を練習している音が聞こえてきます。
そんな時はいよいよお祭りや開山祭の季節だなぁと思うものです。



今年の新緑祭りも良い天気でたくさんの人で賑わいました。

私たち環境省南アルプス自然保護官事務所は、南アルプス国立公園に関する展示とシカ体験コーナー、コースターづくりを行いました。シカの角は実際に持ってみると重く、皆さんも驚いていました。シカは角が毎年はえ変わるのが不思議です。


↑コースターづくりは今年も人気でした。
木のコースターへ押す焼印の「キタダケソウ」と「ライチョウ」のことをご存じの方が多く、関心の高さがうかがえました。

2012年5月11日

アホウドリ 旅立ちの準備

著作者:菅生和希 | 配置:小笠原国立公園 小笠原
先日、聟島(むこじま)に行ってきました。

2月に鳥島から聟島へ移送されてきたアホウドリのひなも
そろそろ旅立ちの時が近づいてきました。
これが2月の移送直後のひなです。

ひなといってもアホウドリなのでとても大きなひなです。
もふもふでかわいい時期でした!

そして、5月のひな。

少し遠いですが、中央にいる黒いのがひなです。
だいぶ大きくなって
周りの白いデコイともほとんど変わらない大きさです。

写真のように、海に向かって翼をバタバタと羽ばたかせて
飛び立つ準備をしているようでした。
今月中にはみんな飛び立っていきます。

アホウドリが優雅に飛んでいる姿を見ると、
昔、沖の太夫(たゆう)と呼ばれていたことを実感しますね。

みんな元気にアリューシャン列島の方へ
渡っていきますように・・・!
そしてまた聟島に帰ってくるのを待っています!

2012年5月11日

あっという間に

著作者:長峯 彩 | 配置:尾瀬国立公園
檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。

前回の日記でやっと春が・・・と言っていたのですが
気づけば周りの木々が芽吹き、桜が満開になっていました。


一週間ですっかり春に

尾瀬は開山が5月末、閉山が10月中旬ととても短い期間の中で四季が過ぎていきます。
ここ檜枝岐村でも、先月吹雪があったなんて信じられない程のスピードで季節が移り変わっています。


檜枝岐の桜はすべてオオヤマザクラ
有名な檜枝岐歌舞伎の舞台も桜で満開です

さて、先日尾瀬開山に向けて、業務に必要な荷物をヘリコプターで荷揚げしました。


荷物はモッコにくるんで・・・

一気に揚げます!

今回揚げた荷物は、尾瀬国立公園が2009年より続けているシカのモニタリング調査機材を中心に、私たちが宿泊する際の荷物などです。

事務所がまだ尾瀬沼の麓にあり、ヘリコプターが飛んでいなかった頃は荷物を担いで揚げたと言います。
山中で生活するにあたってヘリコプターの必要性を感じる瞬間でした。

ついでにということで、一緒に搭乗し尾瀬を上空から巡視しました。

その時の様子は今回は書ききれないので、また次回書きたいと思います。
一言で言えば、『まだ尾瀬は雪の中』。


しかし、そんな雪の中でも沢山の生命が育まれていることを
尾瀬の麓の檜枝岐にいるとひしひしと感じます。


巡視中、奇跡的にホンドギツネに出会いました!

2012年5月9日

毎年恒例!春の巡視

著作者:沼田 伸一 | 配置:小笠原国立公園 小笠原
毎年恒例のこの時期にしか(歩いて)行けない場所へ巡視に行きました。
春の大潮だと濡れずに(泳がずに)いけるからです。

潮が引いてサンゴが出ちゃってます。



春の麗らかな陽気のせいなのか?!オカヤドカリ達は昼寝をしていました。




そして現場に到着
まずはこの花



テッポウユリ
これは園芸で持ち込まれて野生化したものです。
この時期になると島のあちこちで見られます。


巡視目的の花はこちら



ツルワダン(キク科。固有種。VU:絶滅危惧Ⅱ類)
海岸近くに見られます。
草丈は20cm前後で、かわいらしい黄色い花を咲かせます。




次の花はこちら



オガサワラアザミ(キク科。固有種。VU:絶滅危惧Ⅱ類)
こちらも海岸付近で見られます。
根茎がゴボウのように似ていて、戦前は食用に用いられたそうです。
そのことから、島名はカイガンゴボウと呼ばれています。
草丈は1m前後で、真っ白な花を咲かせます。


続いての花はこちら



オオハマボッス(サクラソウ科。固有種)
こちらも海岸付近に見られますが、ときどき山の中の裸地化した岩場でも見られます。
日本、東南アジア、インドなどにみられるハマボッスの大型化したものです。
ちなみにボッスとは漢字では『払子』
花序の姿が、仏教の儀式で使うはたきのような形をした法具に似ていることが由来だそうです。


ツルワダン、オガサワラアザミ、オオハマボッスともノヤギの食害があるので、父島で生育している地域はごく一部です。
最近ではノヤギの駆除も進んで、数も減ってきているので、所々見られるようになってきました。

何年か経ったら父島でも、春になったら白い花(+少しの黄色い花)で覆われる姿が見られそうですね!!