富士箱根伊豆国立公園
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2020年06月17日城ケ崎海岸の『奇石』
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
沼津では梅雨入りしてジメジメした日が続いています。梅雨の蒸し暑さは得意ではないですが、この時期に見かける紫陽花はとても好きな花なので、巡視の途中で見かけるようになった紫陽花を楽しみながら梅雨を乗り切ろうと思っています。
今回は、静岡県伊東市の城ヶ崎海岸にある奇石を3つ紹介したいと思います。
城ヶ崎海岸は、およそ4000年前の大室山の噴火によって流れ出した溶岩が、海水で冷え固まりできた全長約9㎞にわたる溶岩岩石海岸です。
海岸沿いには、ハイキングコースが整備されていて、季節の花や、つり橋、灯台など見どころ満載なのですが、そちらはまた後日紹介したいと思います。
まず一つ目は「いがいが根」です。名前の通りいがいがした岩が続く岬です。見た目はテーブル状で歩きやすそうですが、実際歩いてみると足の裏に岩がチクチク刺さるような感じです。この岩はクリンカーと呼ばれ、噴火で先に流れた溶岩が冷えて固まり、その固まった溶岩の表面の殻が熱い溶岩におされバラバラに砕かれ出来るそうです。
溶岩が流れ出し、冷えては砕かれながらこの場所が出来たことを想像すると、4000年前の伊豆半島の成り立ちに少し触れられた気持ちになりました。
【 いがいが根 】
次は「ポットホール」です。ポットホール自体は他にも見られる場所がありますが、城ヶ崎海岸のポットホールの中には大きな球体の岩が残っています。
ポットホールとは、岸壁の亀裂に入った岩が、打ち寄せる波によって転がり、周りの岩が削られ円形の穴になります。城ヶ崎海岸のポットホールの中の岩は、とっても美しい球体で、自然と波が作り出した奇石(奇跡)です。
【 かんのん浜のポットホール 】
※ポットホールは波打ち際の崖の下にあり遊歩道などがありません。見学の際はガイドツアー等、安全な方法で見学してください。
▼伊豆半島ジオガイド協会
https://www.izugeoguide.org/model.html
最後は「柱状節理」です。城ヶ崎海岸沿いの遊歩道を歩いていると、断崖に見事な柱状節理を多く見かけますが、大淀・小淀と呼ばれるこの場所は、柱状節理の頭の部分です。
階段で海岸に降りると、亀甲模様の磯が見えてきて、その上を歩くことが出来ます。この場所にはいくつか汐溜りがあり、天然の海水プールとして親しまれているようです。
【大淀・小淀】
紹介した以外にも、「俎(まないた)岩」や、「クジラ岩」、他にも面白い形に見える岩があるので、巡視の際に何か見つけたらまたご紹介したいと思います。
【 城ヶ崎海岸の断崖 】
海岸にある岩からたくさんの歴史を知ることが出来ました。いつも行く身近な場所も見方を変えると、その場所の様々な歴史を知ることが出来るかもしれません。
2020年06月11日石仏群と千条の滝 (箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
5月下旬になり、神奈川県の緊急事態宣言が解除されました。
箱根館内の登山自粛願いも解除となり、梅雨の時期を目前に、少しずつですがハイカーが戻ってきています。
実際の状況把握も兼ねて、巡視を行いました。
【「石仏群と歴史館」⇒「鷹巣山」⇒「小涌谷駅」 片道約6km程度のルート】
このコースの見どころは、鎌倉時代の遺跡「石仏群」です。
元箱根石仏群として国重要文化財にも指定されています。
富士箱根伊豆国立公園の中でも、箱根独特の景観です。
【磨崖仏二十五菩薩(西側)】
この石仏群周辺は、箱根を通過する国道1号線(旧東海道)沿いで最も標高が高く、寒くて風が強い場所です。そして、700年ほど前の鎌倉時代から旅人が往来する旅路でありながら、当時は周囲から噴煙が上がり、噴石も転がる荒野でした。箱根越えで最も過酷な場所「地獄」と呼ばれたそうです。その地獄を、旅人が無事通り抜けられるようにと、祈りを込めて噴石に石仏が彫られ、今もその姿を眺めることが出来ています。
ありがたい石仏です。
コロナ禍の中で、早くこの混乱が治まりますようにと、ついお祈りしてしまいました。
実は国道沿いにもあるのですが、意外と気が付かず皆さん通過しています。
【国道1号線沿いからも見える、磨崖仏二十五菩薩(東側)】
巡視は平日だった為、まだ人出は少なかったですが、途中数組のハイカーさんたちとすれ違いました。
それぞれ少人数で、皆さん気を使いながらのハイキングを心掛けているようです。
少しお話をした、よく箱根を訪れるというハイカーさん。
写真をとってもいいよ!と言われ、背中をパシャリ。
緑が本当に気持ちよさそうでした。
【鷹巣山山頂付近】
このコースのもう一つの見どころが「千条の滝」です。
【千条の滝】
昨年の台風被害で壊れた部分は修復され、今はとてもきれいです。
滝も美しいのですが、その上に大きなイタヤカエデの木が立派に育っていて、これがまた素敵。
【コゴメウツギ】
道中はコゴメウツギのかわいらしい花も、至るところで咲いていました。
まもなく梅雨、そして夏の盛りがやってきます。
箱根の山々は新たな季節に向けて、また変化をしていくのでしょう。
楽しみですね。
湖尻にある箱根ビジターセンターは、6月1日より開館しました。
駐車場も使えるようになっています。
ただし、状況が変わった際には変更がありえます。
まだまだ安心せずに、ソーシャルディスタンスと手洗いうがいを心掛けていきましょう。
箱根を訪れる際には情報を確認してからお越し下さい。
「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/
今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html
2020年06月11日オオルリ来島 大島(伊豆諸島地域)
富士箱根伊豆国立公園 竹下実生
こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
大島でも、気温と共に湿度が少しずつ高くなりはじめました。大島で春~夏に吹く南西の風が湿気を運んできて、三原山の山頂部は雲や霧に覆われることが多くなってきました。
さて、先日の巡視で林の中を歩いていると、どこからか清涼感のあるきれいなさえずりが聞こえてきました。これはもしや・・・と立ち止まって探してみると・・・いました!オオルリです!
▲枝の上でさえずるオオルリ(成鳥・雄)
オオルリは夏鳥で、繁殖のために東南アジアから日本へ渡ってきます。
はるばる東南アジアから、どのようなルートで大島まで渡ってくるのでしょうか。とても気になります。
大島では5月上旬頃からさえずりが聞こえていました。
夏の間にオオルリを写真に撮りたいと思い、さえずりを聞く度にカメラを構えて姿を探していましたが、なかなか見つけることができずにいました。すぐ近くからさえずりが聞こえているのに、瑠璃色と白色の体が薄暗い林の中に意外と上手く溶け込んで、どうしても姿が見えないのです。
▲そっと反対側へ移動してカメラを向けても、こちらをちらちら見ながらさえずり続けていた
今回出会ったオオルリは、比較的開けた場所の低い枝でさえずっていたので、すぐに見つけることができました。おまけに、かなり長い時間留まっていたので、ゆっくりと撮影することができました。
あとで図鑑を見てみると、繁殖期のオオルリは縄張りを持っていて、その周りにはいくつかの見張り場兼さえずり場があり、雄は一定時間さえずっては移動する、と書いてありました。このオオルリも、縄張りを守るための仕事をしていたのかもしれません。
蒸し暑い日でも、オオルリのきれいなさえずりを聞くと、すっと涼しい風が吹いたような気持ちになります。皆さんの周りにも、オオルリは来ているでしょうか?
【ご注意ください】
令和2年5月25日に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除となりましたが、伊豆諸島では、自治体ごとに来島自粛の継続、緩和などの対応が異なっている状況です(6月10日時点)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体のホームページで現在の自粛状況や渡航の条件などを必ず確認してください。
大島町 https://town.oshima.tokyo.jp/soshiki/seisaku/mayor-news11.html
利島村 http://www.toshimamura.org/news/1568
神津島村 https://vill.kouzushima.tokyo.jp/
三宅村 https://www.vill.miyake.tokyo.jp/
2020年06月08日箱根の動物発見(5月)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 高木俊哉
AR日記をご覧の皆様、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
最近は雨が降ることも多くなり、春が明けて季節の変わり目を感じるような日が続いていますね。
今回は、最近行った巡視の中で出会った動物たちをご紹介したいと思います。
【ヒガシニホントカゲ】
歩いていると道の脇をカサカサッと動く影を見つけました。
よーく目を凝らしてみると、いました。
まだ幼体で尾が青いですね。
同じ爬虫類のヤモリと間違われてしまうこともありますが、トカゲは体に光沢があるのでそこが一番の見分け方のポイントになるかと思います。
【ハンミョウ】
青赤緑の美しい色に白の斑点、長い肢と大きな顎。
肉食で2㎝前後のオサムシ科、春過ぎから10月頃まで見ることが出来るようです。
よく地面を歩いていて、人が近づくと飛んで少し先に逃げる習性から「ミチオシエ」や「ミチシルベ」の異名があります。
この時も、少しばかり道案内をして頂きました。。。
いかつい顔をしてますね。
【オオセンチコガネ】
こちらも登山道の目立つところを歩いていました。
2㎝前後のセンチコガネ科、観察時期はハンミョウと同じのようです。
背面は光沢のあるブドウ色、近畿では青や緑の個体もいるようですが、
写真では色が完全に伝わらないのが残念です。
糞に集まるいわゆる糞虫なので、動物の糞を探している途中だったのでしょうか。。。
【ニホンジカ】
休んでいたのか、反芻をしながら座っていました。
カメラの撮影音に驚き、この後すぐに走って逃げてしまいました。
実は箱根にもシカがいます。
個体数増加による影響も出てきているようで、当事務所でも神奈川県唯一の湿原
仙石原湿原などを守るための対策を地域と協力して行っています。
このお話については、また次回の更新でお話しできればと思っています。
皆さんも身の回りの動物たちに思いを馳せて頂く機会になればと思います。
<ご注意>
緊急事態宣言が解除され、地域の公共の駐車場も開放されるようになってきましたが、
未だ感染症の収束にもなっておらず感染拡大の第2波も懸念されています。
県外からの来訪自粛やマスクの装着などは怠らず、一刻も早い感染症蔓延の収束と皆様
が自然に触れ楽しめることを願っております。
2020年05月27日オオシマツツジ開花 大島(伊豆諸島地域)
富士箱根伊豆国立公園 竹下実生
こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
大島では、5月中頃からホトトギスの声が聞こえ始めました。新緑の季節になると、ホトトギスは東アジアから日本へ渡ってきます。皆さんの周りでも、「特許許可局!(トッキョキョカキョク!)」という声が聞こえていませんか?
さて、ちょうど大島にホトトギスがやってきた頃、三原山ではオオシマツツジが開花しました。
▲オオシマツツジと三原山(大島温泉ホテル付近つつじ園)
オオシマツツジは本州のヤマツツジの海岸型で、冬でも一部の葉を残す、半常緑の性質を持っています。
伊豆諸島の他に、伊豆半島の海岸部、紀伊半島の一部にも分布しているそうです。
▲オオシマツツジの茂みの中を飛び回るシチトウメジロ
大島温泉ホテル付近のつつじ園には、背丈よりも大きなオオシマツツジの株が立ち並んでいます。
大きなツツジの下をゆっくり歩いていると、シチトウメジロの群れに出会いました。
シチトウメジロは、日本に分布するメジロの亜種ですが、本州のメジロと羽の色は同じです。
さかんに鳴きながら茂みの中を飛び回ったり、花の蜜を吸ったりしていました。
▲問題. この写真の中には何羽のシチトウメジロが映っているでしょうか?
突然ですが、ここで問題です。
上の写真の中には何羽のシチトウメジロが映っているでしょうか?
▲答え:3羽
答えは、3羽です。ちょっと簡単だったでしょうか。
秋、冬の緑の少ない時期は、黄緑の体色が目立って見えますが、今の時期は、おなかの白、頭から背中の黄緑色、翼の縁の影の色が、光の反射や枝葉の色になじんでカモフラージュになるのですね。
【ご注意ください】
令和2年5月25日、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除となりましたが、伊豆諸島の多くの島では、引き続き観光など不要不急の目的での来島自粛を呼びかけています(5月27日時点)。伊豆諸島への旅行を計画されている方は、各自治体のホームページをご確認ください。
2020年05月22日箱根GW明け5月の植物② (箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
前回に引き続き、今回も箱根でこの時期見頃の植物を紹介します。
コロナ禍は、少し落ち着いてきたようにも見えますが油断は禁物です。
何より箱根のある神奈川県は、まだ緊急事態宣言の解除が行われていません。
駐車場が閉まっているところも多いので、もう少しご自宅でお楽しみください。
今回の紹介はこちら。
【ブナの新緑】
ブナの木が一斉に芽吹いています。実は箱根周辺には、貴重なブナ林が残っているのです。
戦後の復興時、日本では木材の需要が増えました。その時ブナの木は、木材使用には適さない(腐りやすく、曲がりやすい)と伐採され、代わりにヒノキやスギが日本の山野には多く植林されました。ブナ林とヒノキ林の違いは、時間がたった今、顕著に現れています。
【台風災害後のヒノキ林地帯】
【同じ散策路のブナ林地帯】
材木としては役に立たないといわれたブナですが、今は「森の女王」と呼ばれます。大量の落ち葉で豊かな土壌を作り、そこに植物が多く根を張ることで土砂崩れを防止したり、ブナ林全体が高い保水力を持って森のダムとなり、山全体の環境を守っていたりもします。
5月という芽吹きの季節に、ブナ林での森林浴は最高に気持ちが良いですよ。
【ブナ林】
頭上だけでなく、足元にも目を向けると。
素敵な花たちもこの季節、箱根で咲いています。
【コイワザクラ】
【チゴユリ】
ぜひ来年にはブナの新緑やこの花たちを五感で味わってもらえますように。
今はSTAYHOME、写真で癒されてください。
箱根では現在も、公共の駐車場がほぼ閉鎖されています。
期間は5月31日までですが、場合によっては延長もありえます。
ご注意下さい。
「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/
今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html
2020年05月20日富士山は何色?
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
沼津では連日夏日が続いています。先日、日の出直後に外に出ると冷たく澄んだ空気に包まれ、初夏の朝の空気を感じました。季節はいつの間にか夏に向かっていますね。
さて突然ですが、皆さんは山の絵を描くとき何色で書きますか?新緑の緑、紅葉の赤や黄色を使う方もいると思います。では、富士山はどうですか?青色で描く人が多いのではないでしょうか。
富士山富士宮口五合目から富士山を見てみましょう。
【 富士山富士宮口五合目からの富士山 】
少しも青くないですね。富士山は約1万年前に100回以上の噴火を繰り返して、今の富士山の形になったと言われています。登山道も、それ以外の場所も火山噴出物の一種である黒いスコリア(細かい穴の空いた軽石)に覆われています。ですから五合目から山頂を見上げると見渡す限り黒い山です。とは言っても、富士山の五合目より上にまったく植物がないわけではありません。写真を見ても分かる通り植物は生息していますが、山肌を緑に染めるほどの植物や木はありません。
では、富士山からの直線距離が約50キロ以上離れた恋人岬、達磨山から見た富士山はどうでしょうか?
【 達磨山から積雪前の富士山 】
【 恋人岬から積雪後の富士山 】
どちらの写真も青く見えますね。
同じ富士山を見ているのに、黒色に見えたり、青色に見えたり、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?秘密は距離にあるようです。
富士山と自分との距離が離れることで、その間にはたくさんの空気が存在していることになります。
空気中には、水蒸気やチリなどの粒子がたくさん含まれています。太陽光は、青く見える波長の短いものから、赤く見える波長の長いものが混じりあっていますが、この中の波長の短い光は、空気中の粒子とぶつかりやすく、ぶつかることで光が四方八方へ屈折する特徴があります。
これにより、空気中の粒子にぶつかった波長の短い光が散乱し空いっぱいに広がることで、自分と富士山との間に青色のカーテンのようなものが見えているのです。
今の時期の富士山は、まだ山頂付近が雪深く真っ白な富士山です。夏の朝日に照らされた「赤富士」、真冬の朝夕に白い山肌に光が照らされて紅色に染まる「紅富士」など、季節や時間、天気によって、さまざまな色の富士山を見る事が出来ます。雲のかかり方によっても色んな顔を見せてくれるので、ぜひ色々な場所から富士山を眺めて比べてみて下さい。皆さんのお気に入りの富士山が見つかるはずです。
【 田貫湖から逆さ富士 】
現在、田貫湖ふれあい自然塾は新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、施設の休館をしております。イベントを楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃると思いますが、安心して遊べる環境が整うまでもうしばらくお待ちください。詳しくは田貫湖ふれあい自然塾HPにてご確認下さい。
▼田貫湖ふれあい自然塾
2020年05月14日公時の宿石
富士箱根伊豆国立公園 高木俊哉
AR日記をご覧の皆様、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園箱根地域の高木です。
今回は、前回の記事でも少し触れた金時山の、ある不思議な岩についてご紹介したいと思います。
金時山は箱根外輪山の最高峰でもありますが、麓には公時神社がありこちらは登山をせずに参拝することが出来ます。
『まーさかり担いだ金太郎』
でおなじみの金太郎のモデルであり、
平安時代後期の武士、源頼光(みなもとのよりみつ)に仕えた四天王の1人でもある、
坂田公時(さかたのきんとき)が、祭神として祀られています。
その神社を通り過ぎ登山道を進むと、途中で少し道から逸れたところに大岩があります。
金時蹴落石(きんときけおとしいし)です。
突然目の前に直径2mほどの大きな岩が現れるので最初は少し驚きましたが、迫力のある岩を身近で感じることが出来ます。
冒頭でも触れた金太郎にまつわる伝説のある大岩で、金太郎が山頂から蹴落としたと言われています。
さらに登山道を進んでいくと、
真っ二つに割れた巨大な岩が現れました。
先ほどの金時蹴落石が小さく見えてしまうほどの大きさで直径10m以上はあるでしょうか。
赤丸で囲んだ部分が先ほどの写真とほとんど同じサイズの標識で、高さは1.2mほどです。
この巨大な岩が、タイトルにもあった公時の宿石(きんときのやどりいし)です。
金太郎が育ての親の山姥と一緒に住んだと言われていますが、
昭和6年に轟音を響かせ突如割れてしまったようで、今は反対側の景色も見えてしまいます。
植物が生い茂り、樹木が岩に根付いている様子と、金太郎伝説が相まってとっても神秘的に見えますね。
自然の偉大さと不思議な伝説について触れられる、そんな場所のご紹介でした。
<ご注意>
感染症対策の為の自粛要請に伴い、現在金時山頂の山小屋および公衆トイレは閉鎖されています。
これまでの生活が制限され、自粛疲れも出てくる頃ではありますが、一刻も早い感染症蔓延の収束と皆様が自然に触れ楽しめることを願っております。
2020年05月12日5月GW明けの箱根植物 (箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
STAYHOMEが徹底されたGWを終えて、箱根に初夏が訪れ始めました。
緑が輝いて、芦ノ湖がまぶしいです。
【芦ノ湖】
そんな中、見頃の植物も変わってきました。
今回はこの時期見頃の植物を一部紹介します。
来年の為の下勉強として、ご自宅でお楽しみ下さい!
はじめはこちら。
【ハナイカダ】
この植物は、なんと葉の真ん中に花が咲きます。
イカダに乗った様に見えるお花が、なんとも可愛らしいです。
【ハナイカダ アップ】
実は雄花と雌花があります。
複数の花が付いているこの木は、雄です!
雌花は、通常花は1つ。
夏期には結実し、黒い実がイカダに乗ります。
次はこちら。
【ギンリョウソウ】
箱根でも見られます。この時期には少し早めですが。
先日、うっかりビニールゴミを拾おうと手を伸ばしたら、ギンリョウソウでした。
自分でもびっくりしました!
腐生植物といって、葉緑素を持たずに菌類と共生することで栄養をもらう為、暗い森でも成長できるという、白く輝いて見えるツツジ科植物です。
ちなみにツツジと言えば、こちら。
【ミツバツツジ】
この時期美しい山の花の代表です。ギンリョウソウが、ツツジ科とは不思議ですね。
最後にこちら。
【ズミ】
別名、コリンゴ、コナシとも言うそうです。
蜜が甘いのでしょうね、ハナムグリや他の虫たちが沢山食事に集まっていました。
更にその虫たちを食べに、キビタキが現れたりと、木の周りはたいへん賑やかです。
さて現在も箱根がある神奈川県は、コロナ感染症の影響によりまだまだ外出は自粛継続中。ですので、公共の駐車場が5月31日までほぼ閉鎖されています。近隣の静岡県は自粛がやや緩和されつつありますが、お客さんに「来て下さい」と大きな声で呼べる状況ではまだまだありません。
今はこのAR日記を通して、ご自宅で箱根の初夏を楽しんで頂ければと思います。
STAYHOME、もう少し続けていきましょう。
「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/
今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html
みなさん、こんにちは。海やプールには事前に水着を着ていく派の用意周到な齋田です。
いつも帰る頃に着替えの下着を忘れたことに気が付きます。と、昨年夏頃の日記にてご挨拶した齋田です。
今年の夏は「水陸両用サーフパンツ」なるものを購入しました。はたして出番はあるのでしょうか。
さて、そんな夏の盛りを目前に恵みの雨をもたらす季節に差し掛かりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
最近は街が寝静まる頃に散歩に出掛けることが多いせいか、梅雨の始まりにはうっとうしく思えた雨音もすっかり耳に馴染んでしまい、今では心地よささえ感じられます。
今回の日記では、この季節におすすめの散歩スポット「下田公園のあじさい」をご紹介します。
下田公園は、北条氏が水軍の拠点とした下田城の障子堀を間近にみることができる数少ない城址として日本史好きには堪らない閑静な公園ですが、梅雨の時期には雰囲気が一変し、敷地全体が鮮やかなあじさいに包まれます。
【下田公園のあじさい】
こちらの写真は、毎年多くの見物客やカメラマンが訪れる下田公園随一の群生地。
遊歩道は色彩豊かなあじさいに囲まれ、まるで万華鏡の中に迷い込んだような気分になります。
東向き斜面に位置するため、撮影の際には、朝のやわらかな日差しが降り注ぐ早朝から正午前までの時間帯がおすすめです。
【下田公園より下田市街を望む】
公園内には展望所が点在し、下田市街や須崎半島、太平洋の遙か彼方までをも見晴らすことができます。
写真の中央に広がる海面はペリー艦隊の入港で有名な下田港。下田市街をはさんで上方にそびえる可愛らしい三角帽子は下田のシンボル「下田富士」です。
伊豆半島南部のあじさいの見頃は6月中旬から下旬がピークと言われていますが、今回ご紹介した下田公園では開花時期が異なる100種以上のあじさいがみられるため、例年6月上旬から7月上旬頃までは満開のあじさいが楽しめます。
ちなみに、私のおすすめは見頃が過ぎ去った7月中旬です。かつては多くの見物客で賑わった公園内で、茶色がかったあじさいの萼片がひっそりと終わりを迎える様子は、なんともいえない情緒的な美しさを感じます。その光景の美しさはもとより、見物客はめったにいない時期なので、3密回避の観点からもおすすめです。
下田公園近隣にお住まいのみなさんは、梅雨の晴れ間に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
じめじめと湿っぽく憂鬱な気持ちになりがちな季節ですが、きっと気分も晴れ渡るかと思います。
2020年6月19日現在においては、下田公園敷地内への立入制限はなく、最寄りのペリーロード駐車場も一般に開放されていますが、見物の際には、引き続き「3密の回避」、「マスクの着用」、「手指の消毒」等の基本的な感染症対策に努め、節度を持った行動を心掛けましょう。