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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園

353件の記事があります。

2019年11月18日箱根自然講座-自然を写すんです- 開催報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

先週16日(土)に箱根自然解説活動連絡協議会 主催の箱根自然講座「自然を写すんです~写真の構図を学ぼう~」が開催されました。その講座の講師がなんと私が勤めることになり、初めてながら今までの経験と研修会等で学んできた知識を基に初心者向けの撮影について、お話させていただきました。

【(左)スライドの表紙/(右)開催中の様子】

急遽開催したことや他イベントと重なってしまったこともあり、申込者数が思うようにのびませんでしたが、構図やカメラの設定方法など一人一人に細かく教えることができ、充実した内容となりました。天気も雲一つ無い快晴で、紅葉もベストタイミング!写真を撮って撮って撮りまくって、沢山の素敵な写真を皆さんに撮影してもらいました。

〈撮影した写真~様々な紅葉のかお〉

  

参加者にも喜んでもらえたのはもちろん、自分にとっても、貴重な経験をさせていただきました。

これからもキレイな写真を撮れるように技術を磨きながら、みなさんにお役に立てるような事があればぜひ協力させていただきたいと思っています。ありがとうございました。

※今回のイチオシ写真は上の写真です。次回は沢山載せます。

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2019年11月15日金時山山頂トイレ清掃を一斉に行いました!(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 箱根 池田興平

日増しに秋も深まり、朝夕では寒さも感じる頃となりました。

箱根では紅葉が美しい季節となっており、箱根の自然を満喫できる好条件な時期になっています。

そんな中、例年行っている金時山山頂トイレの一斉清掃を行いました。金時山山頂トイレは自然環境の保護と広域観光の促進を図るため、環境省が平成22年に整備を行いました。


【挨拶の様子】

今年の一斉清掃では南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市、環境省で行いました。

今回は、外壁の汚れや周辺の雑草取りを行う「外回り」、トイレ内の便器や内壁の清掃を行う「トイレ内」、機械室やトイレ用の水タンクなどの清掃を行う「機械室」の3つの分担で一斉清掃を行いました。


【トイレ内清掃】

【機械室の清掃】

汚水処理方式のバイオトイレ(おがくず処理)なのでトイレの裏側には機械室があり、発酵槽に関わる機械等があります。電気は自家発電と太陽光発電で賄っています。

機械室では排気管から出たスス汚れが目立っていたので拭き掃除を中心に行いました。


【外回りの清掃】

普段から金時山山頂トイレに隣接している山小屋の方に掃除等の管理をして頂いていますが、普段行き届かない場所まで満遍なく綺麗にしました。

金時山を巡視していると登山者からは「山頂にトイレがあってとても助かっている」との声を頂くことがあります。金時山の標高は外輪山で最も高い1212mであり、山頂の環境下にバイオトイレを維持し続けることが可能なのは、山小屋の方達が日ごろから清掃等の管理をして頂いていることや、利用料金として皆様から100円のチップを頂き適宜、修繕費に充てるなど適正に管理をしていることから成り立っています。

  img_ikeda_191114_5.JPG

【金時山山頂トイレ】

今年も関係者が協力し清掃を行った結果、綺麗で快適な金時山山頂トイレを維持できました。

※トイレ利用時の方へ。便器内に落とし物をしてしまう事例がありました、発酵槽内に異物が混入してしまうとトイレの故障の原因に繋がるのでご利用の際はご注意ください。みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。

最後に、晴れ渡った青空の山頂で富士山が綺麗に見えたので紹介します。

【金時山山頂からの富士山の眺望】

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2019年11月12日泉津海岸遊歩道 大島(伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 竹下実生

こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。

だんだんと気温が下がり、風が吹くと寒く感じるようになってきました。

さて、先週は「泉津海岸遊歩道」の巡視に行ってきました。

泉津海岸遊歩道は、大島の東に位置する泉津集落の二本松~行者トンネルまで、海岸沿いに続く5.5kmのコースです。今回は、二本松~行者トンネルの間にある東京都立大島公園からスタートし、泉津集落までの約2時間半~3時間程の道のりを歩きました。波の音を聴きながら歩く気持ちの良い道で、天気の良い日は海の向こうに房総半島を眺めることができます。

東京都立大島公園ハイキングコースマップより引用・改変した泉津海岸遊歩道コースマップ

▲今回のコース

東京都大島支庁ホームページ_東京都立大島公園ハイキングコースマップより引用・改変

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/park/www/htdocs/nature/hiking.html

今回コースのスタート地点、大島公園までは元町港から車で約30分、あるいは岡田港・元町港から出ている路線バスで行くことができます。

大島公園入口付近にある椿資料館の脇から公園内の散策路に入り、「海岸遊歩道」の道標に沿って進むと、5分ほどで海岸遊歩道に突き当たります。

椿の花をモチーフにした大島公園バス停

▲大島公園バス停。ツバキの花がモチーフになっている。

大島公園内の散策路。「海岸遊歩道」の道標に従って進む

▲泉津海岸遊歩道へ続く、大島公園内の散策路。

林床に立っていたテンナンショウの仲間。茎の紫色、葉の緑色、実のオレンジ色が綺麗。

▲園内の散策路で見つけたテンナンショウの仲間。茎の紫、葉の緑、実のオレンジが綺麗。

海岸遊歩道に出てからしばらくは、海岸の内陸側に生育するヒメユズリハやヤブツバキなどの高木林の中を歩きます。林の梢には、ヒメユズリハの黒い実か、そこに付いている虫を食べに、シチトウメジロやカラ類の群れがやってきていました。賑やかに鳴きながら餌をついばんでは通り過ぎて行く群れを道ばたにしゃがんでゆっくり観察できました。

ヒメユズリハの黒い実あるいは、そこに付いた虫を食べにきたシチトウメジロ

▲ヒメユズリハの実を食べにきたシチトウメジロ

群れが通り過ぎた後、静かになった梢をふと見上げると、二羽のシチトウメジロが枝の上に残って、静かに寄り添っているのを見つけました。互いに羽繕いをしている姿が可愛らしく、幸せな気持ちになりました。

海岸遊歩道の全般を通して、メジロやカラ類の群れには頻繁に遭遇しました。双眼鏡やカメラを持って、小鳥の観察を楽しみながら歩くのも良さそうです。

ヒメユズリハの枝の上で寄り添う二羽のシチトウメジロ

▲ヒメユズリハの枝にとまるシチトウメジロ

林を抜けると、急に波の音が近くに聞こえ、歩道が海に近づきます。海沿いの歩道からは、透き通る海、水平線、遠くに見える房総半島など、すばらしい眺望を楽しむことができます。

休憩スポットからの眺め。青い海と空、水平線が見える。

▲水平線の見える休憩ポイント

歩道から見える海の景色。透き通る海。遠くに房総半島が見える。

▲海岸遊歩道からの景色

海岸遊歩道の笠松周辺では、貴重な海浜植生群落が残されていて、国の天然記念物にも指定されています。ここでは、林床を覆うオオシマハイネズの見事な群落や、イソギク、ツワブキなどの海岸植物を観察することができます。 海岸遊歩道は、海に近づいたり林の中に入ったり、海岸沿いの複雑な地形の上を、アップダウンを繰り返しながら続いていきます。

オオシマハイネズとイソギク

▲オオシマハイネズ(左)とイソギク(右)。イソギクはまだ開花していなかった。

ツワブキの花

▲ツワブキの花

終点付近の潮吹き崎では、泉津漁港の長閑な景色と富士山の姿を眺めることができます。

これから冬にかけて、イソギクやツワブキの開花シーズンが続きます。また、気温が低くて空気の澄んだ日が増えて、伊豆半島や房総半島、富士山がよく見えるようになってきました。泉津海岸遊歩道を楽しむにはちょうど良い季節ですので、みなさんもぜひ、歩きにきてください。

終点付近の潮吹き崎から見える景色。泉津漁港の長閑な景色と富士山。

▲泉津漁港と富士山。潮吹き崎からの景色。

【コースマップ】

東京都大島支庁ホームページ_都立大島公園ハイキングコースマップ

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/park/www/htdocs/parkindex.html

伊豆大島ナビ_大島公園海岸遊歩道

https://www.oshima-navi.com/senzu/coastal_promenade.html

【アクセス情報】

大島バス

http://oshima-bus.com/rosen-bus.html

東海汽船

https://www.tokaikisen.co.jp/boarding/timetable/

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2019年10月31日台風通過後の箱根(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

10月12日(土)に箱根を直撃した台風19号。通過後より報道各局で連日報道されているとおり、箱根町ではとても大きな被害がありました。芦ノ湖は満水となり、周辺の駐車場は水没。主要道路は土砂崩れや沢や池からの流れ出た水が道路を流れていたため、1週間程度は交通規制がありました。1日の降水雨量が日本一(1000mm)を記録しただけはあります。国道138号線や登山電車の運行も土砂崩れのため、今現在も通行止め、不通になっています。

【台風通過後の元箱根の様子(箱根ビジターセンター(以下:箱根VC)提供)】

(左)芦ノ湖岸の遊歩道。普段は右側に写っている石柱の右側が芦ノ湖。

(中)箱根VC管理の駐車場。芦ノ湖からは5mくらい離れているが、水没していた。

(右)全壊した貸しボート屋の小屋。芦ノ湖沖に漂流していたのを湖岸まで牽引してきたそうです。

台風通過後、神奈川県や箱根町、箱根VCの職員が箱根内の登山道の被害状況を調査しました。微弱ながら当職も協力させていただきました。

【登山道調査に集まった方々】

毎月第4水曜日、箱根町が主催する「箱根登山道補修隊」。今回は確認できていない登山道の調査を行うため、ボランティア含め、16名が参加しました。

【調査ルート(引用:箱根町ハイキングマップ)】

 今回は確認できていない登山道4ルートを手分けして踏査しました。当職は③を踏査しました。

 ①宮城野別荘地~明神ヶ岳~火打石岳~矢倉沢峠~金時山登山口

 ②宮城野~明星ヶ岳~塔ノ峰~塔ノ沢

 ③湯坂路入口~鷹巣山~千条ノ滝~浅間山~宮ノ下

 ④箱根関所前~屏風山~甘酒茶屋

【(左)台風通過前の千条ノ滝/(右)通過後の様子】

 登山道自体は倒木以外、通行止めになるほどの被害はなかったのですが、自然観察会で通過している千条ノ滝の滝壺と排水路が土砂で埋まり、滝前の広場は水浸し。小涌谷駅から続く遊歩道も斜面から出る沢の水が溢れて、水浸し。水が引くまでしばらく通行止めになるそうです。 

そして昨日、事前に土砂崩れが発生し通行止めになっていた宮ノ下の堂ヶ島遊歩道の補修活動に行ってきました。

【登山道補修の様子】

従来の登山道はしばらく崩落が予測でき、復旧できないため迂回路を新たに作りました。

斜面には階段、ぬかるみには石畳、手慣れたベテランボランティアの技術は相変わらず惚れ惚れします。

【打ち上げられたゴミの回収】

 この場所は早川と蛇骨川の合流地。両河川からの大量の水が押し寄せたため、川岸から数十m離れた登山道まで増水したようです。そのため、両川からの漂着ゴミが登山道場に散乱していました。漂着ゴミのほとんどは、発泡スチロールやペットボトル。日頃からゴミ拾いをしていますが、この量が流れ着くとは正直どこに捨てられていたのか怒りを覚えます。

【(左)回収後の様子/(右)回収したゴミの量】

70Lのゴミ袋10袋。袋が足りず、まだ藪の中に今回拾ったゴミくらいの量が隠れています。いつ拾いに行くか・・・。

他のコースの踏査も終わり、全ての登山道の調査が終わりました。今回確認したコース上では千条ノ滝周辺以外は通常通り散策可能ですが、未だ斜面から水が湧き出て、登山道がぬかるんでいる箇所があるため、注意して下さい。

また、登山道情報は、箱根町と箱根VCが協力して登山道情報をまとめて下さり、それぞれのホームページに現在の状況を掲載していますまた、箱根町のホームページには箱根町内の道路交通情報も掲載されていますので、箱根にお越しになる際は必ずご確認いただいてからお越し下さい。

◆箱根ビジターセンター(http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html

◆箱根町(https://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/10,4102,48,181,html

〈本日の一押し写真〉

【雲に浮く箱根山】

今朝、北西側の外輪山から見た様子。箱根の場合は標高1000m以上の場所に行くと雲海が見やすいです。

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2019年10月30日ノスタルジックな秋の日に

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさま、こんにちは。タンスから出したセーターの匂いに懐かしさを感じる齋田です。

特定の匂いを嗅いだときに遠い昔のような心もちがするのは、なんだか不思議な感覚ですね。

この季節は、どこからともなく漂う金木犀の香りに、いつかの記憶がよみがえる方も多いのではないでしょうか。

さて、今回はそんな懐かしさを感じる伊豆半島西海岸の夕日をご紹介します。

残念ながらこの日記からは秋の匂いを共有することはできませんが、写真を通じて、美しい景色から感じる懐かしさや伊豆半島の魅力をお伝えできれば嬉しく思います。

一つ目にご紹介するのは、西伊豆町の大田子海岸から見える夕日です。

【西伊豆町 大田子海岸より望む夕日】

燃えるような夕日が、うるんだ赤い硝子球のように海の果てに沈んでいく様子は、言葉ではとても言い表すことの出来ない程に情緒的です。

また、夕日の橙色とは対照的な、地平線に浮かぶ島々からなるどこまでも黒い陰影がとても美しく感じられます。

写真では大きな一つの島のように見えますが、「男島」や「女島」、「メガネッチョ(通称)」等の複数の島々から構成されています。

二つ目にご紹介するのは、西伊豆町の黄金崎から見える夕日です。

【西伊豆町 黄金崎より望む夕日】

西に傾いた日の光を受けてその名の通り黄金色に移りゆく岩肌は、静岡県の天然記念物に指定されています。

また、この写真からは富士山を確認することができませんが、代表的な展望地として環境省の「富士山がある風景100選」にも選定されています。

洪波洋々と広がる海はもちろんのこと、夕日や富士山の他に、馬の頭にそっくりの岩壁「馬ロック」もそびえ立つ、見どころ盛りだくさんの人気スポットです。

伊豆半島西海岸の夕日はいかがでしたか?

懐古の情に浸りがちな秋の季節に、是非一度、伊豆半島の真っ赤な夕日を眺めにお越し下さい。

日記の写真では伝わらない、夕日のあたたかさや潮風のやわらかさ、波の音、浜辺の湿った匂いが、あなたを「遠い日の思い出」に連れ戻してくれることと思います。

また、夕日の見える場所はまだまだたくさんありますので、ご家族やご友人と一緒に自分たちだけの夕日スポットを見つけて、新しい「遠い日の思い出」をつくってみるのも楽しいかもしれませんね。

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2019年10月21日伊豆山稜線歩道『達磨山・古稀山』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

10月の初め頃の気温は30℃を越えていた沼津も、ここ最近は気温が下がり寒く感じる日があります。山の紅葉が進みそうです。

先日の台風19号では、被害の範囲が広く沼津管轄内でも多くの場所で影響が出ております。被害を受けた皆さまには心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を願っております。

台風の影響で、伊豆半島の道路は通行止めや通行規制がかかっている場所がありますので、登山や観光を計画されている方は事前に交通情報の確認をお願いいたします。

▼静岡県道路通行規制情報システム

http://douro.pref.shizuoka.jp/kisei/program/

▼静岡県道路公社

http://siz-road.or.jp/sz/regulate/

今回は、前回紹介した「金冠山」に引き続き、台風直前に巡視に行った伊豆山稜線歩道の「達磨山」と「古稀山」を紹介したいと思います。標高は達磨山が982m、古稀山が920mと大きな山ではありませんが、達磨山の開けた山頂では360℃のパノラマが広がっています。古稀山は"富士山がある風景100選"として選ばれた場所の1つです。

【 達磨山中腹から望む富士山( 10月10日撮影) 】

この時期の富士山は青く、海と空と一体化しているように見えます。10/17に静岡側で初冠雪したので、この先雪化粧の富士山が見られると思います。(※富士山の初冠雪は山梨県甲府地方気象台から富士山の一部が白くなった状態が初めて見られたときなので、正式発表はこれからになります。)

写真を見ると分かりますが、伊豆山稜線歩道は伊豆スカイラインに沿っています。今回紹介する「達磨山」と「古稀山」も歩道を縦走しなくても、伊豆スカイライン上にそれぞれ登山道への駐車スペースがあるので、そちらを利用して山頂の景色を楽しむことが出来ます。登山道は風当たりが強く日陰もないので距離は短いですが、最低限の装備は整えて登山することをおすすめします。

また縦走コースも伊豆スカイラインの脇を歩く場所がありますので、走行している車やバイク等にお気を付け下さい。

【 リンドウ (達磨山10月10日撮影) 】


【 センブリ (達磨山10月10日撮影) 】

登山道では、リンドウやセンブリ、ノコンギク、アキノキリンソウなどが咲き始めていました。稜線上はクマザサにおおわれていて植物が少ないので、色とりどりの花は目につきやすく発見しやすいと思います。

先日、伊豆諸島管理官事務所 竹下さんのアクティブ・レンジャー日記で、「秋の三原山」の紹介がありました。伊豆諸島管理官事務所は大島にあり、沼津管理官事務所と同じ富士箱根伊豆国立公園内の事務所ですがなかなか会うことがありません。でも日記で紹介している見頃の植物が海の向こうの大島と一緒でとても近く感じました。

【 古稀山山頂から望む富士山 (10月10日撮影)


【 古稀山山頂から望む富士山 (1月撮影) 】          

今回のコースも色々なパターンで組むことが出来ます。戸田峠から古稀山や、稜線の天城峠側から達磨山を目指すことも出来ます。体温調整できる動きやすい服装(上着)と靴、コースに合った十分な水分等を準備してご自身に合ったコースを計画して、これから紅葉の進む伊豆半島の山々や雪化粧の富士山をぜひ見に来て下さい。

<コース例:片道>

戸田峠駐車場→小達磨山→達磨山→古稀山 (所要時間:約1時間30)

土肥峠駐車場→伽藍山→古稀山→達磨山 (所要時間:約1時間10分)

達磨山 (所要時間:約30分)

古稀山 (所要時間:約20分)

▼富士箱根伊豆国立公園"富士山がある風景100選"

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

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2019年10月18日秋の三原山 大島(伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 竹下実生

こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。

先日の台風19号では、広範囲で甚大な被害があり、驚いています。台風による被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。伊豆諸島では、前回の台風15号による被害から復興中の地域が多くありますが、さらなる大きな被害は出ていないようです。

台風の襲来する直前、三原山へ巡視に行きました。景色は、すっかり秋になっていました。


▲三原山の周囲は一面ススキの原になっている

黒い砂漠と白いススキの世界で、ぱっと目を引くのはシマガマズミの赤い実です。鮮やかな赤色の木の実を見ると、秋が来たな、と実感します。足下では、白いセンブリの花が咲き始めました。小さな白い花がぎゅっとまとまって咲いている様子がかわいらしいです。淡い紫色が綺麗なノコンギクも開花中です。

▲シマガマズミの果実

▲センブリの花

▲ノコンギクの花

裏砂漠や三原山の斜面には、イタドリやアシタバが寄り集まって形成された、小さな緑の島が点々と広がっています。しかし、台風15号の暴風により葉や茎が擦り切れて枯れてしまい、茶色にはげてしまっていました。

台風15号から約3週間後、様子を見に行くと、イタドリやアシタバが新しい芽を出していました。こうした様子を見ると、厳しい環境の中で真っ先に芽を出す種類の植物の力強さを感じます。

その新しい芽も、先日の台風19号の暴風によって再び擦り切れてしまいましたが、数週間後には、また負けずに芽を出すのではないかと思います。

▲暴風により擦り切れてしまったイタドリなどの植物(台風15号通過後・9月18日)

▲山の斜面と砂漠にはイタドリやアシタバなどの植物が寄り集まって緑色の島を点々と形成しているが、台風通過後、はげてしまった(台風15号通過後・9月18日)

▲イタドリの新しい芽と、南東方向から見た三原山内輪山の姿。(台風15号通過から約3週間後・10月9日)

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2019年10月11日自然観察会【バリアフリーで楽しむ秋の箱根】行事報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 箱根 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

現在関東に接近している台風19号。神奈川県でも海岸線の有料道路で一部通行止めが始まり、これからさらに交通規制が本格的に始まってくるそうです。明日は事務所に隣接している箱根ビジターセンターも台風接近に伴い終日閉館しております。また、周辺施設も臨時休業しております。ご注意ください。

さて、今回は10月6日(日)に箱根ボランティア解説員連絡会と共同開催した「バリアフリーで楽しむ秋の箱根」の様子をお伝え致します。

 このイベントは当初、箱根ボランティア解説員連絡会の主催行事でしたが、平成21年度より環境省も協力して開催する共催行事としているものです。今回は昨年に比べ晴天に恵まれ、すがすがしい秋の陽気に包まれながら開催できました。(昨年の様子は★コチラ

 

↑少人数ながらも子どもも参加!やはり子どもが参加すると場の雰囲気が一気に明るく賑やかになります。

今回は「香り」を中心に五感で楽しむことをテーマに箱根ビジターセンター横のバリアフリー園地で観察会を行いました。

(左)観察した香る植物 / (右)見つけた木の実に興味を示す0歳児

それぞれ特徴的な香りがするこの植物は、以下の香りがします。

◆サンショウバラ→「サンショウ」と名に入っているが全くの別種。バラ科で実からはフルーティーな香りがする。フォッサマグナ要素の植物の一つで、箱根では「ハコネバラ」と呼ばれています。

◆サンショウ→言わずもがな日本の香る植物の代表格。葉の白斑に香る成分が含まれているため、そこを傷つければ爽やかな香りが出ます。

◆ホオノキ、クロモジ→クスノキ科で爽やかな香りがする。属にジャパニーズハーブとも呼ばれる種類です。

◆ゴマギ→触るとゴマの香りがすることが名の由来です。個人的な感想だとゴマ油、ゴマせんべいの香りと認識してます。

◆クサギ→漢字で「臭木」と書くほど葉から強烈な匂いを放つ木です。優しく触れて嗅ぐとピーナッツバターや炊きたてのご飯の香りに似ているとか。自分は苦手な匂いの木でした。

撮影の時はムスっとしていますが、嗅いだり触ったりしてニコニコしながら楽しんでいました。もちろん大人にも効果的。植物アロマとして使われるクロモジには特にリラックス効果があります。

(左)ネイチャーゲーム【落ち葉でステンドグラス】/(右)作成と透かしてみた様子

黒い台紙に様々な形をくり抜いたものに、裏に葉を貼ってスカして色を楽しむもの。今回は観察した植物の葉の形にくり抜き、色づいた葉を透かして楽しみました。

↑ネイチャーゲーム【俳句でハイク】

午前の周辺散策で体験したこと・感じたことを5文字7文字で記録し、それを合わせて俳句になぞって発表するもの。本格的な俳句ではないので、そこはご了承ください。

〈出来た句〉

・ホオノキの 実をまわしては 香りきく

・はじめての ミミズの匂い クサギの木

・きのかおり もみじのうたで まんぷくだ

【合唱祭】

パークボランティアのハーモニカの伴奏にのせて、童謡「紅葉」や「夏の日の思い出」「夕焼け小焼け」等を皆さんで合唱しつつ、歌詞に合わせて踊ったりもしました。まさに音楽の秋ですね。

午後は、少し天候が崩れる予報だったため、少し早めに観察会が終了しました。

今回は子どもが参加してくれたことで、昨年は感じなかった子どもがいる賑やかさを体感することが出来ました。

特にやはり子どもの笑顔は何事にも勝りますね。参加者もパークボランティアも一番の笑顔のタイミングは、子どもが天真爛漫に遊んでいる時でした。来年はもっと子どもが参加出来るように増やしていきたいと思います。

【今回のイチオシ写真】

【仙石原ススキ原草原】

普段はカラーで撮影しますが、今回はセピアで撮影しました。ススキにはこういった色合いも合いますね。

見頃をむかえていますので、宜しかったらぜひ台風が過ぎた後にお越しくださいませ!

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2019年09月30日伊豆山稜線歩道『金冠山』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは!! 沼津管理官事務所の山田です。

気がつけば9月も終わりです。今年の夏は富士山に始まり気がついたら、あっという間に秋が来てしまいました。

秋と言えば、食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋など楽しみなことが多いですね。また、ハイキングにもってこいのシーズンです。これから紅葉の始まる伊豆の山々を何回かに分けて紹介していきたいと思います。

今回紹介するのは伊豆山稜線歩道の北側にある「金冠山」です。標高は816mの山です。

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念として、2017年に「日本のシンボルである富士山の魅力を発信し、より多くの人々に富士箱根伊豆国立公園に親しみをもっていただく」ため、代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。

金冠山はこの100選に選ばれた場所の1つです。

【 冬の金冠山山頂から望む富士山 】

伊豆山稜線歩道は修善寺自然公園から天城峠までを結ぶ約42kmの自然歩道です。歩道は整備されていて、比較的なだらかです。途中登り応えがある場所もあるので、健脚な方も満足できるコースがあると思います。明るく開けた歩道が多く日よけが少ないので、夏の暑い時よりこれからの季節が歩きやすいと思います。コースの途中に富士山や南アルプスなどが望めるポイントがありますので、体力と時間を考えながら計画を立てて下さい。

金冠山の頂上へは、一番近くて戸田峠にある駐車場から整備された登山道を20分~30分歩けば到着します。戸田峠から気をつけて道路を渡り、整備された舗装路を歩いて行くと芝の歩道に変わります。「だるま山高原レストハウス行き」の分岐看板を「金冠山」方向に進むと、山らしい土と石の歩道になり木製階段を上がります。両脇に低木と歩きやすい芝の歩道になったら山頂は目前です。どうですか?あっという間です。

登山は苦労して何時間もかけないと絶景が見られないと思われがちですが、ここは少しがんばれば山頂から高山に負けないくらいの、駿河湾や富士山、南アルプスをはじめとした山々を見渡せる眺望が広がっています。ぜひご自身の目で確認してみて下さい。

【 金冠山山頂から望む駿河湾 】

山頂からは、写真の中央の山々が沼津アルプスで、その手前に沼津の街が見えます。駿河湾の右側の丸い島が淡島です。島全体が無人島水族館で、釣り堀や珍しいカエルを展示しています。

【 山頂から望む戸田港 その奥に見えるのは静岡市清水区・三保の松原周辺 】

【 山頂直下のクマザサに覆われた登山道 】          

金冠山山頂から少し北西に下るとクマザサに囲まれた開けた場所があり、こちらも眺望がすばらしいです。山頂から5分くらいの場所なので、この辺りまで足を運んでみるのもいいかもしれません。気持ちいい風を感じることが出来ますよ。

コースも色々なパターンで組むことが出来ます。戸田峠から金冠山の短いコースなら、動きやすい服装(上着)と靴、十分な水分等があれば観光の途中に寄ったり、普段登山をしない人でも無理なくすばらしい景色を見ることが出来ます。

<コース例>

修善寺自然公園→だるま山高原レストハウス→戸田峠→金冠山 (所要時間:約3時間30)

だるま山高原レストハウス→金冠山 (所要時間:約1時間)

戸田峠→金冠山 (所要時間:30分)

伊豆山稜線歩道は上記で説明した"100選"で選定された場所が4つもあります。また随時紹介していきたいと思いますので楽しみにしていて下さい。

縦走を計画の際は、稜線の開けた場所を歩き直接風を受ける場所が多いので、防寒対策などきちんとした装備でお出掛け下さい。

また、今回紹介しました金冠山ですが、西側の真城峠からも山頂を目指せる歩道があります。こちらの歩道は台風15号の影響で倒木が多く、一部歩道を歩けない場所があるので戸田峠からの入山をおすすめします。

▼富士箱根伊豆国立公園"富士山がある風景100選"

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

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2019年09月28日【参加報告】箱根ビジターセンター特別イベント第3回「芦ノ湖ハイク&クリーン」

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

ふと山肌を見ると標高の高い付近は少しずつですが紅葉が始まってきているようです。気づけば来週からは10月。あっという間に秋ですね。箱根が一番賑やかになるシーズンが始まります。

さて、昨年度より始まりました箱根ビジターセンターを管理運営する(一財)自然公園財団箱根支部が共催する特別イベント「芦ノ湖ハイク&クリーン」の第3回が昨日9月26日(木)に開催されました。

この活動は (一財)自然公園財団箱根支部、箱根マウンテンリッパー様、湖尻観光協会様で構成されている「芦ノ湖ハイク&クリーン実行委員会」が企画されているものです。当所にもお誘いがありましたので、所員3名で参加してきました。(★第1回目はコチラ!)

↑活動の様子。

 当職は初回より参加していて今回で3回目の参加。1回目に比べると断然にゴミが減ってきていて少し嬉しく思いましたが、それでも新たに不法投棄されているゴミがいくつか見つかり、なんとも複雑な気持ちです。

↑(左)水際に生える草木に絡まった釣り糸やビニール袋(右)それらを解き回収する作業

今回特に時間がかかる作業の一つです。

風で飛ばされたビニール袋や釣りの最中に切れ放置されてしまった釣り糸が波によって水際に生える草木に複雑に絡まり、それをほどくのに回収に時間がかかります。また、この場所は鳥などが止まり木として利用するため、足や身体に絡まり怪我をしてしまうことが想定できるため、長靴を履いて湖に入って作業を行います。

  

↑(左)波打ち際の堆積地/(右)少し落ち葉をかくと隠れたゴミが出てきます

↑かいた場所の拡大図

湖のゴミは表面ばかりではありません。波打ち際の堆積地に溜まった落ち葉や砂利をかいてみると隠れたゴミが出てきます。だいたいが微粒化したプラスチックゴミ(いわゆるマイクロプラスチック)が多く、掘れば掘るほど細かなプラスチックゴミが出てきます。マイクロプラスチックは海だけで無く湖や川でも深刻な環境問題ですね。

今回は総勢23名、約4時間の活動でゴミ袋8袋分のゴミを回収しました。第1回第2回の活動ではそれぞれ軽トラック1杯分のゴミを回収していましたので、かなり減少してきたのが分かりました。それでもまだまだ減らない不法投棄。うっかり落としてしまうゴミもその一つです。いつまでもキレイな自然を保てるように皆さまもご協力ください。

次回は12月に開催されるそうです。詳細は箱根ビジターセンターにお問い合わせください。

http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html

〈今週のイチオシ写真〉

【活動の参加特典(ランチプレート)】

この活動に参加された方には、湖尻地区のおそば屋さんが提供してくれるランチプレートをいただくことが出来ます。今回はキノコの炊き込みご飯、きつねうどん、お漬け物。

これを目当てに参加している人がいたりいなかったり・・・。

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