ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園

230件の記事があります。

2020年12月24日夜叉神峠にセンサーカメラを設置しました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

これまでに何度か夜叉神峠巡視の様子をアクティブ・レンジャー日記に掲載してきました。巡視する度に見かけるニホンジカ。多いときには10頭以上見たこともあります。ニホンジカだけではなく、糞や樹皮剥ぎ、食痕も多く見られます。

環境省では、夜叉峠で新たにニホンジカ捕獲事業を実施する予定であり、夜叉神峠のどの場所にどのくらいのニホンジカが生息しているのかを知るために、これまでの目撃情報と糞や食害の多さ、積雪に残っていた新しい痕跡などから設置候補地を挙げ、センサーカメラの設置を行いました。設置したこのセンサーカメラは動いている物体に赤外線が反応し、撮影することができます。昼間だけでなく、夜間の撮影も可能です。

シカが通る場所が映るようにカメラを良い角度で設置できるかによって、うまく撮影できる・できないが大きく変わります。直立する樹木にカメラを設置するのですが、斜面の場合には、カメラを下向きに調節するため、落ちている枯れ枝を支えにするなど設置にコツが必要になります。この日は5台のセンサーカメラを設置。最初の1台こそ時間がかかりましたが、数を重ねるにつれて設置に時間がかからなくなり、テスト撮影も一発クリア!これまで設置されているセンサーカメラを見ても特になんの感情もなかったですが、実際に設置作業を経験してみて、¨大変な作業なんだ¨と気づかされました。

今後は月に1回程度、電池の交換やデータの回収を行います。作業の様子や撮影状況については、アクティブ・レンジャー日記でもお伝えしたいと思っています。

この日は快晴で白峰三山が綺麗に見えました。前回はガスで真っ白な白峰三山だったので、今回はスッキリした景色を眺めることができて良かったです♪


ただ、やはり積雪が少ないような気がします。年末年始は寒波が到来するようで、今後の降雪に期待です。

南アルプス自然保護官事務所からお届けするアクティブ・レンジャー日記は年内これで最後になります。令和3年も更新を頑張りますので、引き続き、よろしくお願いいたします。みなさん、よいお年をお迎えください。

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2020年12月17日今年、最後の広河原

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1210日に広河原へ行ってきました。この日は天気が良く、雲ひとつない快晴!お昼には12度になり、この時期の広河原にしては暖かいほうだったと思います。

△北岳

△栗沢山、アサヨ峰

栗沢山やアサヨ峰は黒々としていて冬らしさを感じられませんでしたが、北岳は順調に白さを増しています!ここ数日の寒さできっと、南アルプス山域は真っ白になっているかもしれません・・・♪

広河原橋を渡って、広河原山荘へ。広河原山荘には南アルプス山域の中でも広い面積のテント場があります。テント場を散策していると・・・やっぱりありました。

ニホンジカの糞です。今年の広河原は工事関係者やトラックが行き交っていたものの、橋より奥の北岳や広河原山荘、広河原園地での人の出入りがほぼなかったため、ニホンジカにとって、住み心地の良い場所になっていたようです。

通常、テントを張る平らな場所にも足跡がたくさん。

この足跡は野呂川からのびており、水分補給をしたあとテント場へきたことが推測できます。今年は例年に比べて、広河原へ訪れる回数が圧倒的に少なかったため、高山植物の開花ピーク時を見ることができていませんが、来年はこれまでと変わらず、広河原周辺にも北岳にも高山植物が咲いてくれることを願います。

これからの時期は林道が凍結し、通行が危険な場合があるため、春先まで広河原から見る北岳はお預けになりそうです。寂しい気持ちもありますが、徐々に白さを増す北岳を下界から眺めたいと思います。

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2020年12月08日西口登山口から夜叉神峠へ

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1127日、夜叉神峠にニホンジカの食害状況確認に行ってきました。普段の夜叉神峠の巡視は夜叉神峠登山口(夜叉神ヒュッテ前)ですが、今回は夜叉神峠西口登山口から入山しました。

西口登山道の入口は山梨交通のバス停が設けられており、マイカー規制中は途中下車ができます。山頂まで約1時間。夜叉神峠登山口と同様、危険箇所は特にありませんが、マーキングが少なく、分岐など分かりづらい場所があります。歩き始めからトラバース道までの傾斜が若干きついですが、登山者が少ないため、静かな山歩きを楽しめます。山頂付近にはカラマツ林が広がっており、紅葉の時期はきっと綺麗なハズ!¨メインルートとは違う登山道で夜叉神峠に行ってみたい!¨という方におすすめです。

歩き始めて15分ほどで食害が多く見られるようになってきました。樹皮剥ぎや植物の先が食べられており、生育しているササの背はとても低い状況でした。

ニホンジカの簡単な痕跡調査として「糞がどれだけ落ちているか」を調べる方法があります。けもの道もよく見かけられますが、ニホンジカ以外の動物が利用している可能性もあり、利用しているかどうかの判断は難しくなります。

西口登山道は夜叉神峠登山口に比べて登山者が少ないためか、シカが警戒していないようで糞があちこちに落ちており、利用している場所が多いようでした。登山道上に糞が落ちている場所もあり、人間が利用する場所との区別が全くなく、気味が悪く感じました。

落ちている糞の色によって、排泄時間のおおよそを推定できます。排泄されてから時間が経つにつれて真緑色、茶色、黒と徐々に色が変化します。

写真左は乾燥しているため黒く、写真右は比較的新しいため水分を含んだ茶色っぽくなっていることから、排泄時間に差があることが分かります。山林内に落ちている糞ですが、よく見ると個体の生活が見えてくるので面白いです。(衛生的な問題もあるので、手にとっての観察はおすすめしません。)

この日の夜叉神峠からの景色は真っ白で何も見えず・・・。平日だったこともあり、登山者も2~3人程度でした。

20201127日撮影)

撮影日から約10日が経ちます。夜叉神峠から見る白峰三山は白くなっているのでしょうか。次回の巡視の楽しみにとっておこうと思います♪

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2020年12月04日【お知らせ】モンベル諏訪店でアクティブ・レンジャー写真展開催中!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

本日より、長野県諏訪市にあるモンベル諏訪店で「環境省 アクティブ・レンジャー写真展」を開催しています。

★ 環境省 アクティブ・レンジャー写真展

開催場所:モンベル諏訪店 2階サロンスペース

     長野県諏訪市沖田町5-10 諏訪ステーションパーク

開催期間:令和2年12月4日(金)から25日(金)※25日は12時まで

◇ 営業時間や店舗情報につきましては、Webサイトをご覧ください。

⇒ https://store.montbell.jp/search/shopinfo/?shop_no=618854

関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園、14の国指定鳥獣保護区があります。このアクティブ・レンジャー写真展では関東地方環境事務所管内の自然の素晴らしさや大切さ、国立公園の魅力、環境省職員であるアクティブ・レンジャーによる自然環境保全や適正な利用促進の業務について紹介するため、平成22年度から開催しています。

 

写真のほかに、アクティブ・レンジャー含む、レンジャーが着用しているレンジャー服の展示や、南アルプスユネスコエコパークのパンフレットや南アルプスジオパークについてのパンフレットの配布を行っています。

また、モンベルクラブ会員の方はレジにてモンベルクラブカードをご提示いただくと、南アルプス国立公園オリジナルの焼き印コースターのプレゼントもあります!

南アルプス国立公園を象徴する『ライチョウ』、『キタダケソウ』、『ヤマトイワナ』、南アルプス国立公園50周年記念の際に作られた南アルプス国立公園のシンボルマークのイラストの4種類があります。コースターは南アルプス自然保護官事務所がある芦安地域で倒木などのため伐採されたリョウブやウリハダカエデ、コナラなどを使用しています。ひとつひとつ手作りなので、焼印の位置や濃さにばらつきがありますが、ご了承ください。(※パンフレットおよび焼印コースターともに、なくなり次第配布終了です。)

お近くに来られる際は、ぜひお立ち寄りください!

◆ ◇ ◆ モンベル諏訪店 入店時について ◆ ◇ ◆

コロナ対応のため注意点がございます。

・マスクを着用してください。

・手指を消毒してください。

・咳や発熱などの症状がある方はご入店をおやめください。

・できるだけ短時間でのお買い物をお願いします。

・状況により入店制限を行う場合があります。

※補助犬同伴での入店が可能です

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2020年11月25日雪が溶けちゃった!?!?!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

ぽかぽか陽気が続く今日この頃、広河原へ行ってきました。前回の広河原巡視から1ヶ月が経ち、どのくらい白くなっているかな?とわくわく気分のなか、道中イチのビュースポットである『御野立所(おのだちしょ)』から北岳、間ノ岳を見ると・・・

雪がない?雲が多く、若干日が傾いているせいでしょうか??

1020日に撮影した写真と見比べてみると・・・


・・・!!やっぱり雪がなくなっています!!この1ヶ月、雪ではなく雨が降り、日差しと暖かい気温で溶けて、を繰り返したのか、白さが激減していました。もう12月になるというのに、この雪の無さはちょっぴり寂しく感じました。これからの冷え込みと降雪に期待です!!

広河原から見た北岳は日陰になる部分があるせいか、しっかりと白かったです。

八本歯のコルに日が落ちていくようすが見られ、光の入り方と雲のようすが幻想的でした。日が入る頃には、広河原の気温が7度ほどになり、下界とのギャップを感じました。

さすがにこの時期にはもう植物は咲いていませんでしたが、フジアザミがドライフラワーになっていました。大きなぼんぼりにふわふわの毛がついていて可愛らしかったです♪

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2020年11月17日山で過ごす『特別な時間』

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは山で過ごす中で『特別な時間』はありますか?高山植物を見ている時間、ライチョウなどの希少な生き物に出会えた時間(とき)。それぞれいろいろあると思います。中でも、山で見る日の出は日帰り登山では見ることが難しく、『特別な時間』かと思います。小屋やテントなどにより山の中で日をまたぐこと、そして、ある程度の標高が必要になります。今回は山で過ごす時間の中で『日の出』にスポットライトを当てていこうと思います。

■千枚小屋から

千枚小屋は椹島ロッヂから荒川岳に向かう途中にある山小屋です。小屋を出ると富士山と笊ヶ岳などの白峰南嶺がよく見えます。写真はまさに日が昇る直前!この後、さらに真っ赤になりました。この景色は食堂からも望むことができるため、食事中にふと横を見ると、日の出の瞬間に出会えるかもしれません!

■北岳肩ノ小屋から

北岳肩ノ小屋はその名の通り、北岳の肩にある北岳山頂に最も近い山小屋です。撮影したのは10月中旬。前日は雪が降るほど冷え込みました。そのせいか、空気がとても澄んでいて綺麗な日の出と富士山が見られました。

■鳳凰三山・地蔵ヶ岳から


鳳凰三山は地蔵ヶ岳、観音岳、薬師岳から成る山で、地蔵ヶ岳が最も北に位置しています。写真は少し富士山に山が被っていますが、オベリスクに近づくと、富士山の裾と日の出を拝むことができます。

■笹山(黒河内岳)から

笹山(黒河内岳)ってどこ?と思った方!農鳥岳を白峰南嶺方面に南下し、広河内岳、大籠岳、白河内岳、そして、笹山(黒河内岳)になります。あまり知られていないかもしれませんが、この4座も南アルプス国立公園に含まれています。上の3箇所は富士山の横からですが、笹山(黒河内岳)は奥秩父方面から昇ります。

いかがでしたでしょうか?見る場所によって見え方が変わるのも楽しみの1つだと思います。コーヒーを飲みながら日の出を楽しむのもいいですね。(これからの時期は寒すぎますが・・・)自分のお気に入りの場所や時間を探しながら歩いてみてはいかがでしょうか?

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2020年11月13日冬の空気漂う薬師岳、観音岳へ

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

10月下旬に鳳凰三山の薬師岳、観音岳の巡視に行ってきました。

鳳凰三山は薬師岳(2,780m)、観音岳(2,841m)、地蔵ヶ岳(2,764m)の三山から成る山で、花期シーズンにはさまざまな種類の高山植物を見ることができます。また、子授けのために登拝した夫婦が、奉られている地蔵1体持ち帰り、子宝を授かれば2体にしてお礼の登拝をする「子授け地蔵」など、古くから信仰として多くの人に親しまれています。

鳳凰三山の稜線からは白峰三山はもちろん、富士山や八ヶ岳を一望することができます。白峰三山は前日に降雪があり、白さが増していました。

△薬師岳からの白峰三山

△観音岳からの薬師岳と富士山

富士山は逆光で雪の状態が分かりにくいですが、これからもっと寒くなるのでもっと白くなることでしょう。標高が高い山々では冬らしさを感じられますが、標高1,500mから1,700mあたりでは絶賛紅葉中でした。

色づく紅葉もきれいですが、斜面を見ると、標高によって樹木の種類に違いがあることに気づきます。南アルプスは気候や地質の影響で森林限界が高く、高所まで森林に覆われています。山の景色を楽しむことはもちろん、林相の変化を観察するのも面白いですね。

◆ 鳳凰三山の登山を計画されている方へ

10月半ば、標高が高い山々では降雪がありました。鳳凰三山の稜線日陰部には巡視時(1029日)、若干雪が残り、凍っている状態でした。軽アイゼンを使用するほどではなかったですが、今後の降雪や気温によっては必須になります。足回りの装備をお持ちになって入山するようにしてください。11月に入り、鳳凰三山にある山小屋の営業は終了しましたので、ご注意ください。

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2020年11月05日ニホンジカ対策 ¨攻め¨の取り組み

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

南アルプス国立公園の大きな課題として、ニホンジカによる食害や踏圧による被害があげられます。これまでにも、被害状況の調査や、防鹿柵や伏工の設置作業の様子を掲載してきました。掲載してきた対策は¨守り¨の取り組みが多いですが、防鹿柵や伏工では高山植物を守ることはできても、ニホンジカそのものの数を減らすことはできません。南アルプス国立公園では、¨攻め¨の取り組みである、捕獲も積極的に実施しています。南アルプス自然保護官事務所では国立公園内の林道沿いで、山麓などの周辺では林野庁や県、市町村などが捕獲を行っています。

南アルプスの高山植物を食べるニホンジカは雪解けや植物の芽吹きに伴い、5月から6月頃に高山帯へ移動し、降雪が始まる10月中・下旬頃に標高が低い場所へ移動します。『高山帯にいるニホンジカの捕獲は高山帯で行うほうが効率的ではないか?』と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、高山帯での捕獲は登山者の安全確保、変わりやすい気象条件への対応、捕獲した動物をどのように処理するかなどの課題が多くあります。そのため、標高を少し下げ、季節移動のタイミングを狙って、車でアクセス可能な場所で捕獲しています。

手法は安全性に考慮した足くくりわなを用います。足くくりわなはけもの道などに設置し、わな上を通過すると、わなが作動する仕組みになっています。けもの道は平坦な道だけでなく、写真のような急斜面にも見られます。南アルプス山域一帯の林道は平坦な場所が少なく、急斜面や足場が悪い場所が多いです。

ニホンジカの特性として学習能力が高いことがあげられ、一度捕獲された場所での捕獲は難しいと言われています。また、その年の気候や天気に大きく影響されるため、簡単には捕獲できません。

南アルプスは山深いため、捕獲した個体の搬出にも費用や労力を費やします。大きいもので100キロを超える個体もいます。


命を無駄にしないためにも、ジビエ料理として提供したり、毛皮や角を名刺入れやアクセサリーにするなど、利活用する動きもあります。

高山のニホンジカ問題は遠くの問題としてとらえられがちですが、高山帯の生態系だけでなく、里山での農林業被害も非常に多いです。最近では市街地にも現れるようになり、行動範囲を広げています。ただ、ニホンジカも生きるために必死です。ニホンジカと生態系のバランスが保てるように、ヒトとの共生ができる環境が作れるように、どのような対策を行うべきか、日々考えていきたいです。

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2020年10月30日北岳、白くなりました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

気温がぐっと低くなり、南アルプス山域も標3,000m級の山々は白くなっています。今年は秋が短く、あっという間に冬がきたような気がします。今回は10月下旬に行った広河原巡視のようすをお伝えします。

この日は秋晴れで、日が当たる場所ではフリースを着ていても暑いくらいでした。(ただ、日陰になると寒いです・・・)


大樺沢や八本歯のコル、バットレスも真っ白です。日が差して暖かく感じましたが、白い稜線部分を見ると、¨冬がやってきた!¨という気持ちになります。広河原の紅葉は南アルプス市内の紅葉スポットの中でも有名で、例年のこの時期は登山者だけでなく、紅葉狩りを楽しまれる方で賑わいます。このほかに広河原周辺では白鳳渓谷(野呂川)や夜叉神峠で紅葉狩りを楽しむことができます。巡視の日は少し時期が早く、はっきりとした色づきではなかったですが、上部は徐々に色づき始めていました。

暖かさと寒さが入り交じる中、ノコンギクが咲いていました。

ノコンギクは群落で咲いていることが多く、鮮やかな紫色がとても綺麗です。広河原で多く見られ、咲いているところによって濃い紫色や少し白っぽい色などさまざまです。他の植物は枯れて種子を付けているなか、まだまだ元気でした!ノコンギクのように寒さに負けず、頑張ろう!と思えました。

【おまけ】

広河原から見た北岳のほかに広河原へ向かう道中でも綺麗な景色を見ることができました♪

夜叉神ゲートから2つ目のトンネルの先にある¨御野立所¨。1957(昭和32)年7月、昭和天皇・皇后が野呂川林道を視察された際にご休憩された場所です。この場所では、南アルプスを代表する高峰、北岳と間ノ岳を望むことができます。青い空に白い山々。普段よりもいっそう、山が大きく感じられました。

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2020年10月21日荒川岳防鹿柵冬期養生作業に行ってきました!【景色編 】

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

前回の荒川岳防鹿柵冬期養生作業に行ってきました!【作業編】に引き続き、2泊3日を通して見ることができた景色をお伝えしようと思います。

◆ 千枚小屋の紅葉

千枚小屋まではシラビソやコメツガなどの針葉樹林が多く、常緑の樹木が多いです。標高約2,600mの千枚小屋周辺まで登ると針葉樹林に加えて、ダケカンバやナナカマドが生育しています。ちょうど紅葉の見頃を迎えており、赤や黄色がとても綺麗でした、雲一つ無い快晴で、空の青色によく映えていますね♪

◆ 雲海に浮かぶ丸山

千枚岳と悪沢岳の間に位置する標高3,032mの丸山。その名の通り、丸くだだっぴろい山容です。このあたりは運が良いと、ライチョウを見ることができるスポットです。この日は天気が良すぎたせいか、ライチョウの気配は感じられませんでしたが、見事な雲海!下界は雲空だったかもしれません。雲海は標高が高いところならではの景色です。

◆ 南アルプス南部から見る北部の山々

三伏峠・塩見岳の巡視に行ってきました。【塩見岳編】10月8日更新)で塩見岳から見た南アルプス北部、南部の写真を掲載しました。今回は荒川岳から見た北部の山々です。手前に大きく見えるのは塩見岳、そこから伸びる尾根は蝙蝠尾根です。奥には三峰岳や間ノ岳、農鳥岳、広河内岳が見えます。北岳や仙丈ヶ岳も頭を出していますね。空の色もグラデーションになっていて、山の美しさを改めて感じました。

◆ 富士山と白峰南嶺

白峰南嶺は農鳥岳以南の山々を指し、広河内岳や笹山(黒河内岳)、笊ヶ岳などがあります。写真に写っているのは、布引山、笊ヶ岳、生木割山などです。笊ヶ岳はネコの耳のように見えるのが特徴的です。この写真は、2日目の西カール底の作業へ向かう朝、荒川小屋の前で撮影しました。小屋から出てすぐにこの景色が堪能できるのは嬉しいですね。山小屋で働く方々の特権です。

アクティブ・レンジャーになってから4年が経ち、荒川岳防鹿柵冬期養生作業へは毎年、参加させていただいています。同じ時期に4回登っていても、¨あのときと同じ景色¨には出会えていません。登るたびに景色を変えて魅せてくれる自然や山はやはり、いいですね♪今年の南アルプスは入山自粛や山小屋や交通機関の休業し、例年のように多くの方に利用していただけないことがとても残念です。来年こそ、賑やかな南アルプスに戻って多くの方にステキな時間を楽しんでもらいたいです。

【南アルプス山域の登山を計画されている方へ】

先日の降雪により、一気に雪山に変わりました。足回りや防寒着の準備をしっかりしてください。徐々に日の入りも早くなってきているので、早出・早着を心がけましょう。ヘッドランプの携帯も忘れずに。これまで有人だった山小屋も無人になり、山小屋の利用もできない場合がありますので、あらかじめ情報収集を行った上で、計画を立てるようにしてください。

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