小笠原国立公園 小笠原
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2017年04月10日ボニン島へ赴任(フニン)
小笠原国立公園 小笠原 古田貴士
皆様
初めまして。4月からアクティブレンジャーとして小笠原自然保護官事務所へ赴任しました、古田貴士と申します。
小笠原諸島は昔、無人島であったことから、「無人」の「むにん」、「ぶにん」がなまってボニンと呼ばれていたそうです。
小笠原の自然環境については、大学院生時の研究でオサムシとカタツムリの関係を調べることを通して知りました。実際に、オガサワラハンミョウやカタマイマイ(小笠原固有のカタツムリ種)などの、貴重な動植物の保全に仕事として関われることに期待を感じています。
仕事では、現場にたくさん出て、希少種保護や外来種対策に取り組み、多くのステークホルダーの方々と協力して、小笠原の自然環境保全に努めていきたいと考えています。
出来れば、外来種が侵入する以前の自然環境を復活させることが大きな目標です。
まだまだ至らない点も多いかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
小笠原自然保護官事務所 自然保護官補佐 古田貴士
写真 アノールトラップ(左)と外来種のグリーンアノール(右)
2017年04月10日新任挨拶
小笠原国立公園 荻野裕太
2017年4月より小笠原自然保護官事務所に着任しました、荻野裕太と申します。
小笠原諸島の島々は、誕生して以来、一度も大陸とつながったことのない海洋島で、独自の自然環境と動植物を見ることができます。以前、小笠原諸島父島に来る機会があり、その際に雄大な自然を肌で感じ、感動したことを覚えています。今回、アクティブ・レンジャーとして着任し、経験や知識は浅いですが、今後さまざまな仕事を通じて、小笠原諸島の自然についてお伝えできるようにしていきたいと思います。
また、父島には新たに「小笠原世界遺産センター」が完成しました。小笠原諸島世界自然遺産の価値や保全の取組などを伝える機能や、小笠原固有のマイマイやハンミョウの飼育施設などが備わっています。今後、それら生き物の飼育体制を整えるなどした上で、5月17日に一般公開予定です。小笠原自然保護官事務所も小笠原世界遺産センター内にあり、私も常駐しております。父島に来られた際には、ぜひお立ち寄りください。
写真 小笠原世界遺産センター外観写真
2017年03月10日小笠原世界遺産センター 新築工事の様子 その10
小笠原国立公園 沼田伸一
遺産センター成長記、第10回目です。
外装工事がほぼ終わって、内装工事が急ピッチで進んでいます。
小笠原世界遺産センターがお披露目できる日が近づいてきました。
連続写真を並べると、建っていく様子がよくわかりますね。
次回からは、中身の詳細をお知らせできると思います。
私事ですが、3月末をもって小笠原のアクティブ・レンジャーを退職します。
つたない文章でしたが、小笠原諸島の魅力をお伝えできたかと思います。
10年間アクティブ・レンジャー日記をご愛読頂きありがとうございました。
4月からフレッシュなアクティブ・レンジャーが日記をお届けしますので、何卒よろしくお願いします。
2017年01月11日絶賛開催中!!企画展「小笠原国立公園」のお知らせ
小笠原国立公園 田谷以生
こんにちは。2017年初の投稿です。
本年もよろしくお願いいたします。
皆さんはどこでどんなお正月を迎えましたか?
私は初めて小笠原での年越しでした。
大晦日の夜はカウントダウンイベントに参加し、島民や観光客などたくさんの方々と新年を迎えました。
元旦の朝は父島の中央山で日本一早い初日の出を拝み(※)、日本一早い海開きにも参加しました。
さすがに水温は少し冷たかったですが、やっぱり小笠原の海は綺麗で、とても気持ちよかったです。
日差しが暖かかったので思ったよりも寒くなかったですよ。
さて、本題は国立科学博物館で開催中の企画展「小笠原国立公園」のお知らせです。
お知らせが遅くなってしまいましたが、2月12日(日)まで開催してるので、まだまだ間に合います。
小笠原の自然や固有の生き物などについてご紹介していますので、ぜひ足を運んでみてください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/temporary/
小笠原は東京から1000㎞、船で24時間もかかり、簡単に訪れることのできる場所ではないですが、
上野ならお買い物や東京観光のついでにも気軽に足を運べますね。
金曜日と土曜日は20時まで開館しているので、お仕事帰りに立ち寄ることもできます。
企画展「小笠原国立公園」で小笠原に興味を持っていただき、今のうちから旅行の計画を練って、
2017年はぜひ小笠原にも遊びにきて下さい!!!
(※日本の国土全体では南鳥島が最も早く、人が定住している場所としては小笠原諸島の中でも、
父島よりさらに南に位置する母島の方が日の出が早いそうです)
2016年12月26日小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その9
小笠原国立公園 沼田伸一
遺産センター成長記、第9回目です。
2016年もあと数日
1年って、あっという間に過ぎていきますね。
遺産センター、足場もだんだん取れてきているので、そろそろ外観がはっきり見えるようになっ
てきました。
正面玄関も何となく、らしくなってきました。
さて、先日に遺産センター内を視察してきたので、とうとう屋内を披露します!
と言っても、まだ柱が立っているだけで、これから壁を貼っていく感じでした。
写真の部屋は、保護増殖室といって世界自然遺産の価値のひとつである陸産貝類(カタツムリ)などを
飼育する場所です。
ガラス越しに、もう父島の野生下では見られないカタツムリ達を見ることが出来るようになる予定です。
それではみなさん良いお年を!
小笠原ではサンタクロースはトナカイに引かれたそりではなく、おがさわら丸に乗ってきます!
2016年11月17日小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その8
小笠原国立公園 沼田伸一
遺産センター成長記、第8回目です。
今日の日没時間は16:40
日が傾くと涼しさを感じられ、冬が近づいてきたと感じる今日この頃です。
そろそろザトウクジラも繁殖・育児の為に戻ってきます。
遺産センター、遠景写真はもう変化がないですね。
手前の緑の幕があるのは、別の建物の塗装工事なのでお間違えないように!
内装は先月と比べると柱(鉄筋)がいっぱい立ってきました。
その後に配線しいて壁立てて...となる模様です。
そしてこちらは、設計当初のイメージ図です。
細かくは変わっているみたいですが、完成するとこんな感じになる予定です。
そして、今月はお花ではなく、キノコ!
ソライロタケ(空色茸)
画像の加工はしていません!
自然そのままの色です。
とても珍しいキノコですね。
表面に傷がついたり触ったりすると黄色に変色します。
食毒は不明です。
でも、これを見て食べてみようと考える人はいるのでしょうか?
2016年10月17日小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その7
小笠原国立公園 沼田伸一
遺産センター成長記、第7回目です。
ただ今、小笠原では乾期が来たのか!?雨が長い間降らず、ダムの貯水率が50%程度となって
おります。
公共施設のシャワーは使用禁止となっている状態です。
昨日はけっこうな雨が降りましたが、まだまだ安心できる状態ではないです。
小笠原に来られる方は節水にご協力下さい。
遺産センター、とうとう外観が(ほぼ)完成しました。
屋根が出来たので、遠くから見るともう街に馴染んで見えますね。
今は屋根の仕上げをしている最中ですので、内観は変わらず...
そして、今月のお花はこちら。
コバトベラ(固有種:トベラ科)です。
秋と春に花が咲いて、とてもいい匂いがします。
ただ、とても数が少なく、種の保存法の国内希少野生動植物種に指定されています。
そして保護増殖事業計画を定め、保護増殖を行っています。
戦前はいっぱいあったと言うので、花の時期はとてもいい香りが充満していたことでしょう。
早くその環境に戻ってほしいものです。
2016年09月16日小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その6
小笠原国立公園 沼田伸一
小笠原世界遺産センター(仮称)新築工事の様子 その6
遺産センター成長記、第6回目です。
ついに!壁がつきました!!
だんだん建物らしくなってきました。
来月には屋根がつくのか?
これからは外観と共に内装の様子もお知らせできたらと思います。
そして、ここが(多分)正面玄関です。
今月のお花はこちら。
アサヒエビネ(ラン科)です。
葉がとても大きいエビネ。
父島にある旭山(あさひやま)にちなんで名付けられました。
8月から9月頃が見頃で、遊歩道脇などで見られます。
鈴なりに花があるので、振ったらイイ音が鳴りそうですね♪
2016年09月07日オガサワラハンミョウを知ろう!!
小笠原国立公園 田谷以生
みなさん、こんにちは。
突然ですが、この虫が何かわかりますか??
オガサワラハンミョウという小笠原にしかいない固有の昆虫です。
かつては父島にもオガサワラハンミョウが生息していましたが、
グリーンアノールやオオヒキガエルなどの外来種に食べられてしまったり、
生息環境が悪くなったりしたせいで、父島ではもうオガサワラハンミョウは見られなくなってしまいました。
今は兄島の1部にだけ住んでいます。
兄島のオガサワラハンミョウも近年減少しており、絶滅が危惧されています!!
そこで、兄島に残っているオガサワラハンミョウの一部を捕獲し、
内地の伊丹市昆虫館と橿原市昆虫館、父島の3か所で保護増殖に取り組んでいます。
そんなオガサワラハンミョウについて、もっと多くの島民に知ってもらおう!!!
ということで、先日、父島でオガサワラハンミョウの飼育に携わっている
TEAMハンミョウの方々と一緒に小笠原小学校に出前授業に行ってきました。
対象は3年生の子ども30名。
オガサワラハンミョウの一生やオスとメスの見分け方、どんな場所に住んでいるのかなどクイズを交えながらの説明を聞いた後は、実際に飼育している首都大学東京小笠原研究施設に移動して、オガサワラハンミョウの観察も行いました。
ルーペやマイクロスコープで体の細部もじっくり観察できました。
ハンミョウの幼虫は裸地にきれいなまん丸の巣穴を作ります
2時間の授業が終わるころにはみんなオスとメスの見分けもばっちりできるようになっていました!!!
足の先の太さと毛の量が見分けるポイントなのですが、これが非常に小さくて難しいのです。
子ども達はすごい!!大人はみんな感心していました。
TEAMハンミョウの方々が前々から入念に準備してくださっていたので、とっても充実した内容でした!!
私は何をしたかというと、導入のあいさつとして5分ほどお話ししただけで、
その後は子ども達と一緒に楽しんでしまいました。
子ども達はとっても元気で、積極的に発言していて、楽しんでくれているようでした!!!
はじめまして。
今春から小笠原国立公園の母島に着任した和田です。
これまで小笠原の環境省レンジャーは父島にしかいませんでしたが、今年度から母島にもアクティブデンジャーが配置されることとなりました。父島とはまた違った母島の自然を、これから少しずつ紹介していきたいと思います。
さて早速ですが、小笠原は現在深刻な水不足状態。山の木々は葉を落とし、林がスカスカです。ダムの貯水率は比較的湿潤な母島で38%、父島では28%ほど...。島民はもちろん、島の生き物たちも雨を心待ちにしています。
そんな中、母島では先週頃から山に雲がかかるようになり、雨も降りはじめました。ダムの貯水率も微量ながら久々に上昇。恵みの雨に島固有のカタツムリも心なしか嬉しそうです。
観光で来島される皆さまには申し訳ないですが...
これから梅雨時期の雨に期待です!
ヒメカタマイマイ(母島石門)