富士箱根伊豆国立公園
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2021年04月16日春がダッシュでやってきた!【富士五湖地域】
富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒
こんにちは。富士五湖の小西です。2021年度もどうぞよろしくお願いいたします。
(4月の初旬にこの日記を書き始めましたが、他業務で投稿が2週間ほど遅れてしまいました!ネタが少し古くなってしまってすみません・・・・)
3月最後の週末、実家(神奈川県)に帰っていましたが、その頃神奈川県は桜がちょうど満開でした。山梨に戻ってくる際に見えた富士山はその週末の悪天候で山頂がさらに白くなってまだまだ冬の装いでした。
新雪をかぶった富士山(3月29日)*
(*インターネット自然研究所(富士山北麓フラックス観測サイト)映像を使用)
それを見て、
『AR日記に「富士五湖の春はまだまだです!」と書こう・・・』
と思っていたら!なんと富士五湖地域でもその数日後には桜があっという間に咲き始めました!
例年であれば今頃が咲き始めるので、2週間ほど早い開花な上、様々な花が競うように咲き出し、いつもならソメイヨシノより後に咲く山梨県花でもあるフジザクラも一気に花開き、春がまさにダッシュで来たようでした。
富士五湖の春を彩る代表的な花 ミツバツツジ(左)とフジザクラ(右)(4月16日撮影)
すでに散ってしまっている場所が多くなってきましたが、富士山のすそ野に位置している富士北麓のいい点は、標高に合わせて花期が移動していくので長く楽しめるところです。
標高の高い場所ではまだ楽しめますので、富士五湖地域でのお花見をお考えのみなさん、今年はお急ぎください!
桜の人気スポット。奥に富士山見えてます!(忍野村新名庄川*国立公園外)(4月12日撮影)
標高1100mはちょうど満開でした!(創造の森周辺)(4月15日撮影)
●桜開花情報●
富士吉田市内 開花情報
https://fujiyoshida.net/feature/sakurakaika/sakurakaika(富士吉田市観光ガイド)
●イベント情報●
新倉山浅間公園さくらまつり:4月3日~18日(すでに葉桜のようです)
https://fujiyoshida.net/feature/sakura/index(富士吉田市観光ガイド)
ふじざくら祭り:4月19日~5月2日(予定)
https://fujiyoshida.net/event/142(富士吉田市観光ガイド)
*イベントは新型コロナの状況等により中止になる場合もありますので、最新の情報をご確認ください
この地域でもここのところ新型コロナ感染者が増えてきています。お越しの際は感染予防対策をお願いします。また、都道府県をまたぐ移動においても、各自治体の情報を確認し、責任ある行動をお願いします。
2021年03月22日富士箱根伊豆国立公園『沼津管理官事務所』の紹介
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
あっという間に3月も後半ですね。最近は巡視の服装も身軽になり、気持ちがいいです。今日出勤途中にソメイヨシノが咲き始めているのを見かけました。春は旅立ちやスタートの季節ですね。桜が満開になるのを待ちわびながら、私も何か始めてみようと思います。
さて、令和2年度最後の日記は沼津管理官事務所の紹介をしたいと思います。
ご存じの方もいると思いますが、富士箱根伊豆国立公園の中には、箱根・富士五湖・下田・伊豆諸島・沼津と5つの事務所があります。沼津は富士山頂と、富士山の静岡県側、伊豆半島の北側、箱根地域の静岡県側の海から山まで広く管轄しています。よく間違われるのが、富士山の管理をしているので事務所が富士山にあると思われてか、富士山開山中に「今日の富士山の天気はどうですか?」と言う電話がかかってきたりします。(富士山の事を知りたいときは、ぜひ富士登山オフィシャルサイトで確認して下さい)
国立公園の管理をしているので自然の中に事務所があるイメージですが、沼津管理官事務所は静岡県沼津市の沼津合同庁舎の中に事務所があり、周辺にはどんなお店もあるような街の中にあります。現在、事務所にはレンジャー1名と、アクティブ・レンジャー2名が在籍しています。私は主に伊豆半島地域を担当していますが、時々、富士山地域の巡視に行くと伊豆半島とは違う魅力や発見があり、同じ沼津エリアの中でも、気温や植生、地質などが違い巡視範囲が広い大変さもありますが、伊豆半島地域、富士山地域と毎回新鮮に感じられ楽しいです。
先週、沼津管理官事務所・富士山地域担当の刑部アクティブ・レンジャーと静岡県富士宮市と山梨県の県境にある毛無山の巡視に行きましたが、山頂付近はかなり積雪がありました。ここ数日沼津市内は最高気温が20度前後の日が続いていて、伊豆半島もかなり暖かいので久しぶりの雪を見てはしゃいでしまいました。
【 毛無山山頂付近の登山道の様子 】登山道の確認をする刑部アクティブ・レンジャー
【 毛無山富士山展望台から 】パラグライダーを楽しんでいる人がいました。(クリックで拡大)
*毛無山登山は山頂付近の日当たりのいい場所は積雪が少ないですが、それ以外の場所は軽アイゼン程度は必要です。登り始めは全く雪がなく山頂付近から急に積雪がありますので、天気のいい日でも装備をお忘れなく安全登山をお願いします。
最後に今年度巡視中に見かけた虹の写真を2枚紹介します。
【 矢筈山登山道より 】正面に富士山と右下から虹(クリックで拡大)
この日は天気がコロコロと変わり一日中不安定な天気でしたが、山の面白さを感じられた1日でした。
【 白糸の滝 】丁度滝に太陽光が当たり写真右側に虹が出ていました。(クリックで拡大)
令和2年度もたくさんの巡視を行いました。コロナ禍で皆さんに「沼津地域に来て下さい。」となかなか言えない時期が続き歯がゆい気持ちでしたが、こんな時だから気がつけたこともたくさんあり自然の大切さを改めて感じた年でもありました。来年度も引き続き沼津地域の魅力をお知らせしていきたいと思いますので、楽しみにしていて下さい。
2021年03月19日箱根白浜(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
みなさん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
今回は、冬の芦ノ湖西岸「白浜」巡視状況をお知らせします。
【冬の白浜】
【最近ダイサギが良く現れます】
夏から秋にかけては、BBQや焚火、花火の残骸に悩まされた白浜でした。
夏の白浜についてはこちらをどうぞ⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_白浜巡視清掃 (env.go.jp)
12月に入って漁期が終わり、白浜を訪れる人は減ったようです。人に会うことが少なくなりました。このまま、春までは芦ノ湖西岸コースのハイカーが時折利用する程度で落ち着くのではと思われましたが、予想に反し、大きな変化が起こっていました。
【上:白浜一面のシカの足跡】
【左下:シカに食べられ、折れたネコヤナギ 右下:シカの毛】
シカです。
これまで箱根地域では明神が岳や仙石原湿原など、別の箇所でのシカ被害が問題となっていましたが、とうとう芦ノ湖西岸でもシカが増えているようです。
その影響により、春から夏にかけて、美しく茂る白浜のネコヤナギが食べられています。そのため、今年はネコヤナギの美しい銀色の花芽は少なそうですが、2月の末になると少量ですが、花芽が芽吹いてきました。植物はたくましいです。
【少量ですが、銀色の花芽が確認できました】
シカも必死で生きていますが、本来いなかった動物が新たに増えることは、やはり自然の状態や生物多様性に大きな変化をもたらすことを体感させられました。今、同様の出来事は、日本の各地で起きています。小さな白浜の状況については、今後も記録を継続します。
また、今年の芦ノ湖はとても水位が低いです。そのため夏と比較して、白浜の面積が広く、良かったこととしては、漂着ゴミや釣り糸ゴミを回収出来る部分が広がりました。
【漂着した長靴のゴミ】
コツコツと拾い続けていますが、終了するにはまだ先は長いようです。ごみ拾いは、続けていくことが大切ですね。
白浜の変化を知ってか知らずか、シカ以外の動物たちも気ままに白浜周辺で生活しています。
【タヌキの足跡でしょうか】
ヒガラの混群が水浴びに訪れたり、カンムリカイツブリが湖面に現れたりと、鳥たちがゆっくり時間を過ごしています。もうすぐ春の訪れも近いのでしょう。花の季節はもう間もなくです。
3月に入ってからは、芦ノ湖の釣りが解禁されました。白浜周辺では道が細く、駐車スペースは基本的にはありませんが、車が増えているのが気になります(箱根港周辺のパーキングの使用を推奨いたします)。人が増えてごみも増える可能性があります。実際に、たばこの吸い殻ゴミが浜に増えはじめました。特に焚き火は国立公園内では禁止されていますので、山火事等の事故につながらないように、すれ違う皆さんには時折声かけをさせて頂いています。
これからも白浜の自然を保つために、定期的な白浜巡視を継続していきます。
※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。
⇒http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html
2021年03月18日富士山が見える場所
富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴
こんにちは!沼津管理官事務所の刑部です。
最近は花粉症のため、巡視中も杉林の中を歩くのがつらくなってきました。
帰りの車の中で鼻水と目のかゆさに襲われています。花粉の少なかった昨年に比べて、今年は例年通りらしいですが、昨年が少なかっただけに今年がひどく感じられてしまうのは私だけでしょうか。
今回は富士山の絶景が見られる場所をいくつかご紹介します。
【長者ヶ岳】
変わった名前の山ですが、山頂からは富士山と田貫湖の眺めが美しいです。
▲長者ヶ岳山頂より 富士山と田貫湖
春になると長者ヶ岳から天子ヶ岳にかけて、ゴヨウツツジ(シロヤシオ)がきれいに咲くので、のんびりと富士山を見ながらのハイキングも気持ちがよいですね。
長者ヶ岳の山頂へは田貫湖北バンガローサイト駐車場から約2時間半程度です。東海自然歩道の一部を通り山頂に向かいます。登山道の下部は植林の杉や檜の林ですが、上部にいくに従ってブナやミズナラなどの自然木が目立つようになってきます。
▲北バンガローサイト駐車場 ここからも富士山が!
東海自然歩道とは↓
http://www.tokai-walk.jp/about.html
長者ヶ岳の山頂まで歩くのはちょっと大変という方は、田貫湖からでも富士山がきれいに見られます。風がなければこんな風に田貫湖に移る逆さ富士も!
▲田貫湖から見える逆さ富士
休暇村富士の前にあるデッキ付近にはスロープもあるので、車椅子の方でも気兼ねなく散策にきてこの風景を楽しむことができます。ここからの景色も富士山がある風景100選に選ばれています。
富士山がある風景100選とは↓
http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html
独立峰というのはやはり目がいきますし、存在感も大きいですね。
その中でもとりわけ富士山というのは日本一の標高のある山というだけあり、近くで見ると、ものすごい迫力があります。国内外からシーズン中に多くの人が富士山を目指すというのもわかる気がします。
田貫湖には国設の自然学校第1号として2000年にオープンした田貫湖ふれあい自然塾もあり、自然を身近に感じられる場所です。
▲ 田貫湖ふれあい自然塾
田貫湖ふれあい自然塾↓
http://www.tanuki-ko.gr.jp/facility/index.html
▲ ブナの実
長者ヶ岳の山頂でこんなものを見つけました。
ブナの実です。秋に落ちた実が残っていました。熊も大好きなブナの実ですが、人間が食べてもおいしいです。こんな小さな実を熊がきれいに食べるなんてなかなか器用だなあといつも感心してしまいます。ブナの実は6年程の周期で豊作になるといわれています。
ブナは戦後、資材としては腐りやすく役に立たない木として大量伐採され、杉や檜の植林に姿を変えてしまったりもしましたが、森に住む動物たちにとっては貴重な食料を提供し、命をつないでいくものなのですよね。
2021年03月03日箱根地域の大掃除
富士箱根伊豆国立公園 箱根 高木俊哉
AR日記をご覧の皆さま、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
最近は暖かい日が続いていましたが、先週(2月24日)の午後は久しぶりに雪が降りました。うって変わってひどく寒く感じましたが、事務所の裏にある広場でも薄く積雪した様子でした。
(撮影日:2月25日)
さて、今回は日が経ってしまいましたが昨年末に実施した「箱根地域の大掃除」についてお伝えしたいと思います。
「箱根地域の大掃除」とは、昨年末の12月17日、箱根地域において環境保全と美化向上のために実施した「箱根地域国立公園内不法投棄防止一斉パトロール」のことです。
毎年年末頃に富士箱根伊豆国立公園箱根地域内において、関係行政機関や事業者の皆様に呼びかけを行い、
不法投棄防止パトロール及びゴミの回収活動を実施しています。
第14回となった今年度の活動では、約50名の方にご協力頂き1トンを超えるゴミを回収しました。(昨年度の様子はこちらからご覧頂けます)
当日は参加者毎に決められた範囲をパトロールし、同時に投げ棄てられていたゴミを回収しました。
当事務所では箱根町及び箱根ビジターセンターの方々と協力をして、
例年投棄ゴミが多く見つかる峠道で活動を行いました。
普通にドライブをしていたらあまり気付くことは無いかもしれませんが、道路から下の斜面を見てみると写真のようにゴミが投棄されていることがあります。
座椅子や生活用品などでしょうか。
投棄された意図は分かりませんが、とても残念な気持ちになります。
他にはマットレスやお菓子などのプラスチックゴミ、小型冷蔵庫など主に生活に関連するゴミがありました。
回収の際にはガラスの破片も混ざっていることがあるので、怪我をしないよう注意しながら作業を行いました。
▲集められたゴミの分別作業(ゴミは回収されたものの一部です)
集められたゴミは分別の後、箱根町環境センターへ持ち込み、適切に処理して頂きました。
今年度のゴミの回収量は約1040kgで、過去7年間と比べて最も多くなりました。
▲ゴミの回収量及び参加者数の推移
箱根地域は国立公園にも指定されている通り、傑出した風景地であるとともに観光の名所でもありますが、少し道路から外れて茂みの中を見るだけでも、こんなにもゴミがあるのかと大変驚きました。
ゴミを捨てるのは簡単かもしれませんが、それらを拾い集めたり分別したりする労力は大変なものです。
美しい箱根を維持するためにも、また来年度も協力して頂きながら活動を続けたいと思います。
今回の取り組みの詳細についてはこちらのPDFをご覧ください。
また、今年度の活動の様子をタウンニュース様にも掲載して頂きました。
▼神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙
2021年02月22日【富士山がある風景100選】(富士山地域)どの場所で見る『富士山』が好きですか?
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
ここ数日風の強い日が続いて庭で育てている植物の鉢が飛ばされていないか心配ばかりしています。外に出したまま植木を守るいい風対策があったら教えて欲しいです。
先日、富士山地域の巡視に行ってきました。富士山周辺を巡視した時、場所によって富士山の見え方が違い面白かったので、富士箱根伊豆国立公園指定80周年を記念して国立公園内および周辺地域の代表的な眺望地を選定した"富士山がある風景100選"(以下、"100選")の選定場所でいくつかご紹介したいと思います。
まずは「田貫湖」です。毎年4月と8月の約1週間、条件を満たした日にダイヤモンド富士が見られる場所としても有名な田貫湖は、周回歩道が整備されていて富士山を見ながらお散歩が楽しめます。田貫湖から富士山までの直線距離は約15㎞でとっても近いです。風がなく湖面に波が立っていなければ逆さ富士を見る事ができます。雲や太陽の高さなどによって表情を変える幻想的な風景が見られる場所です。
【 ダイヤモンド富士(田貫湖周回歩道より撮影) 】
【 逆さ富士(田貫湖展望デッキより撮影) 】
次は「朝霧さわやかパーキング」です。国道139号線の静岡県と山梨県の県境付近にあるこのパーキングからは、開けた牧草地の目の前に圧倒的存在感の富士山を見る事が出来ます。時間帯によっては牛が草を食む姿や、のんびりくつろぐ姿の後ろに富士山といった風景を見ることも。トイレも完備されたパーキングですので、雄大な富士山を眺めながらの休憩におすすめです。大沢崩れや富士山頂の測候所が肉眼で確認出来ます。昨年の12月末はまだ富士山に雪がなく遠くからでは見る事の出来ない荒々しい山肌に圧倒されました。
【 積雪のない富士山(2020/12/23撮影) 】
最後は「西臼塚駐車場」です。西臼塚は富士山周辺ある寄生火山や側火山と呼ばれる場所の1つで、周辺の桜や紅葉が美しく、ハイキングコースがあり火口の縁まで行く事が出来ます。(現在火口の縁まで行けますが、ハイキングコース内に立入禁止箇所がありますのでご注意下さい。)富士山スカイラインの富士宮口五合目入口にほど近いこの場所は、本当に富士山の近くでしか見る事の出来ない姿の富士山を見る事が出来ます。
【 西臼塚駐車場より撮影 】
写真を見て、いかがでしょうか?いつもと変わらない富士山だと思った方は、写真を全体的にもう一度眺めてみて下さい。写真中央の右の方に雪をかぶった膨らみがあると思います。富士山本体から離れて見えているのでピンとこなかった方が多いかもしれませんが、その膨らみが宝永山です。近くで見るとかなり離れています。
【 伊豆スカイラインの滝知山展望台より撮影 】
上の写真は富士宮市内からではなく、宝永山を正面から見る事の出来る"100選"の選定場所の1つ静岡県熱海市にある「伊豆スカイライン滝知山展望台」から撮影した富士山です。正面から見ると富士山本体と一体化しているように見えます。
【 "富士山がある風景100選"(富士山西麓・南麓位置図抜粋) 】
同じ富士宮市内でも、富士山麓をぐるっと回ると場所によって富士山の見え方が全然違い、色々な場所から見比べてみたくなりました。イラストで見る富士山ともまた違った印象の富士山もあったと思います。みなさんはどの場所で見る富士山が好きですか?これから春になり富士山と桜の共演も楽しみですね。「2月23日は富士山の日」です。どんなことでもいいので富士山の事を考えたり、知ってもらえたら嬉しいです。
++++++"富士山がある風景100選"とは ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html
http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html
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2021年02月10日アクティブ・レンジャー写真展開催中です in 富士吉田市民会館<富士五湖エリア>
富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒
こんにちは。富士五湖の小西です。
積もるほどの雪はひと冬に数回程度しかない富士五湖ですが、先月末は週に2度雪が降りました。かと思えば、先週は暖かな日が続き、富士山での雪崩注意報が発令されました。まさに三寒四温で、まだまだ寒いですが春が近づいてきている気持ちになりました。
新型コロナウィルスの影響でスタートが9月に遅れたアクティブ・レンジャー写真展ですが、現在、富士五湖管内の地元の方々の文化活動の拠点となっている富士吉田市民会館の図書館前スペースで開催中です。一人でも多くの方に見ていただけたら嬉しいです。
<開催期間>2021年2月3日 ~ 2月25日 9:00 ~ 18:00
<場 所>富士吉田市民会館1階図書館入口前スペース(山梨県富士吉田市緑ケ丘2-5-23)
アクセス方法はこちら http://www.mfi.or.jp/fcpa/access.htm
写真展の詳細についてはこちら http://kanto.env.go.jp/to_2021/2020_10.html
富士五湖からの今年度の作品は下記の2点です。
神奈川県との県境である三国峠から下ってきて視界が開けると広がるこの景色は、何度見ても「お~!」となる私の大好きな景色です。富士山と山中湖越しの南アルプスが一度に望めるとはなんとも贅沢ですよね。
この景色とアップダウンの多い道路ということで東京オリンピックの自転車競技のルートにも選ばれています!TVを通して世界中のオリンピック観戦者に届くと思うと、とても誇らくなり題材として選びました。
新型コロナウイルスが終息して、この風景が実際に世界に見てもらえることを願っています。
こちらは夏の富士山御中道を巡視中の出会いの一コマです。(本当は構図違いの別の写真を提出する予定でしたが、間違ってこちらを出してしまいました。少しピントがあっていないのはご愛敬ということでお許しください・・・。)すぐ近くで忙しそうに蜜を吸っているアサギマダラと満開のハクサンシャクナゲに見入ってしまいました。どちらも富士山で会うのが毎年楽しみです。
撮影した御中道はアップダウンが少なく、夏でも人も少なく、山頂までの登山道とは異なる雰囲気の林や植物が楽しめるイチオシの歩道です。今年度、解説板の整備も完了し、富士山への理解を深めながらのハイキングができるようになりました。現在は冬期閉鎖中ですが、ゴールデンウィーク頃には開通しますので是非歩いてみてください。
ほかのアクティブ・レンジャーの作品を見ていると、関東地方環境事務所管内の国立公園、鳥獣保護区は海に山に湿原に、、、、と本当にバラエティに富んでいると毎回実感します。いまは旅行が難しい状況ですが、写真を見てお気に入りの場所を見つけていただき、気兼ねなく出かけられるようになったあかつきには是非遊びに出かけてください!
2021年02月09日仙石原湿原植生復元区火入れ(箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
仙石原湿原にある箱根湿生花園で実施された、「植生復元区火入れ」作業に参加をしてきました。箱根町が取り組む湿原性植物の保全活動の一環です。
【平成元年から実施しており、今年で32回目の火入れ作業でした。】
この取り組みは、夏に生い茂ったヨシやススキなどの枯草や、その中に隠れて成長したハンノキなどの樹木の幼木を、火をつけて燃やし、取り除く作業です。これらがその場にあり続けると、湿原は次第に森林へ変化していきます(遷移といいます)。そのため、仙石原湿原の維持にはこの火入れ作業が重要とされています。
ただ火をつけるだけの簡単な作業ではなく、その日の風向きを考えながら、あるいは燃えてはいけないところに火が付かないように十分気を付けながら、箱根湿生花園の職員の皆さんが真剣に作業に取り組んでいました。
実際に火入れ作業を手伝わせていただきましたが、顔が熱い!そして、意外と燃えません!
雨などを含んでいると、燃えにくいようです。火の様子を常に伺いながら進める、緊張感のある作業でした。
【事前に周辺への放水作業を行い、火事の防止に努めています。】
この枯草に火を付けるという作業が、なぜ湿原の維持につながるのか不思議に思いませんか?むしろ植物を全部燃やしてしまって、湿原性植物にも害があるのではと、考えてしまいます。しかし、今回面白い状態を確認することが出来ました。
【燃えた湿原の下の地面は、カチカチに凍ったままでした。】
今年は火入れの1週間ほど前に、雪と大寒波があり、足元の湿原も凍結した状態でしたが、火が通った後にもこの氷がほとんど解けていませんでした。このことからも火入れは、土中にほとんど影響を与えないと考えられます。
【燃え上がる炎の壁は湿原再生の第一歩です。】
【手前は火入れ終了後の湿原、奥は火入れをせずに森林化が進んだかつての湿原。】
今年も2時間ほどで無事に火入れ作業は終わりました。この状態から、次の春にどの様な湿原性植物が成長し、花開いていくのでしょうか。春が待ち遠しくなる、そんな火入れ作業でした。
今年は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する緊急事態宣言が発令され、2年連続で箱根の観光名所となっている仙石原ススキ草原での火入れ作業は中止されました。植生復元区のみ、関係者で火入れを行っています。仙石原ススキ草原の火入れは、通常はビジターの見学が可能です。見学してみたいと感じた皆さん、是非来年以降の実施を心待ちにしてください。そして、その作業が「湿原保全活動」であることを知っていてもらえると嬉しいです。コロナ禍も過ぎ去っていることを祈りましょう。
昨年6月のヨシ刈り作業や、植生遷移についてはこちらをどうぞ⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_「箱根仙石原湿原植物群落」保全活動(箱根地域) (env.go.jp) ※野焼きという表現が「火入れ」です。
箱根湿生花園は、神奈川県唯一の湿原「仙石原湿原」に隣接した箱根町運営の施設です。各地の湿原性植物を展示する植物園ですが、一方で仙石原湿原という特殊な地域の植生維持活動も実施し、ビジターが仙石原湿原の一部を見学できる施設です。※現在は冬季休館中です。
箱根湿生花園HP ⇒ http://hakone-shisseikaen.com/
※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。
⇒http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html
2021年02月01日伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第2弾
富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大
みなさん、こんにちは。小さい頃はバウムクーヘンを一層ずつ剥がして食べていた齋田です。
大人になった今では生クリームをたっぷりかけて頬張っています。
さて、前回の日記に引き続き、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイトをご紹介します。
第2回目となる今回の日記では、「しましま模様」と「ハートの地形」が特徴のジオサイトについて、その見どころを解説します。
■恵比須島 (静岡県下田市)
下田市の須崎に位置する恵比須島は、橋で渡ることのできるとても小さな島です。
島の外周に整備された遊歩道からは、海底火山の噴出物によって形成された地層を見ることが出来ます。
【静岡県下田市 恵比須島】
この洋菓子のようなしましま模様は、軽石や火山灰によって形成された地層です。
伊豆半島南部には、はるか昔の海底火山の噴出物が広く分布しています。海底火山時代の後に隆起と浸食を繰り返し、本来は海の下の深くに埋もれていたはずの地層が地上で見られるようになったと言われています。
地学は全くの専門外なのですが、このジオサイトのしましま模様からはなんとも不思議な魅力を感じます。
■龍宮窟 (静岡県下田市)
海底火山の噴火によって降り積もった軽石や火山灰の地層に波が打ち付けると、波の当たる方向にだんだんと削られていき、海食洞と呼ばれる洞窟が出来ることがあります。
下田市の田牛で見られる龍宮窟は、こうして生まれた海食洞の天井の一部が崩落し、直径40~50m程の巨大な天窓が出現したものと言われています。
【静岡県下田市 龍宮窟】
この海食洞を上から覗くと地面の形がハートに見えることから、若いカップルに人気のジオスポットです。
洞窟の内部から天窓を見上げると、水面によって照らされた黄褐色の火山礫がより神秘的に感じられます。
今回の日記では、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト、「恵比須島」と「龍宮窟」についてご紹介しました。
ジオサイトの多くは、見学者の知識量によって見え方や感じ方が大きく変化しますので、みなさんがいつか伊豆半島に訪れる際の一つの参考になれば嬉しいです。
次回は、テレビCM等で一躍有名となった大人気ジオサイト「入間千畳敷」を解説します。お楽しみに!
※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
外出が気持ちいい季節になりましたね。最近は自転車に興味があり色んな方から情報を聞いて購入を検討しているところです。各地で自転車専用のレーンなどが多く整備されているので、色んな場所を走ってみたいです。
今年度最初の巡視は、金冠山周辺に行って来ました。歩道の入口でウグイスが鳴いていました。この日は自宅でもウグイスの声が外から聞こえていたので、何となく姿が見られるのではないかと思い声のする方を見上げてみると姿を確認することが出来ました!さえずりが聞こえてもなかなか姿を見る事が出来ないので嬉しかったです。
【 金冠山山頂 】
昨年同じ時期に日記で紹介したマメザクラは散り始めていて、歩道が薄ピンク色の絨毯になっていました。時折り吹く風で桜吹雪が舞い、満開の桜もキレイですがこの時期の桜も素敵だなと思いました。少し前の山とは全然違い山全体にたくさんの色が増えています。
独特の香りがして足を止めると、シキミの花が咲いていました。お花を見てもピンとこないかもしれませんが、仏前やお墓参りに持っていく植物としてスーパーなどの生花コーナーで見かけたことがあると思います。シキミは花や実に猛毒があります。「悪しき実」の「あ」が取れてこの名前が付いたという説があります。
【 樒(シキミ)の花 】
椿も見頃を迎えていました。
【 椿 】
散っていないマメザクラを見つけるのも楽しかったです。
【 マメザクラ 】
【 金冠山~真城(さなぎ)峠間の眺望(2021.4.7撮影) 】
そして、山肌はまだパッチワークになっていました。この時期限定の色合いなので毎年楽しみにしていますが、少しずつずれて咲く桜が今年は一気に開花したのか、いつにも増してどの山も見事なパッチワークでした。これから初夏に向けて山がさらに鮮やかに彩ります。歩道脇の野草も咲き始めていて季節の移り変わりを実感した巡視になりました。