ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年7月

13件の記事があります。

2021年07月31日富士山週末パトロールに行ってきました!ー富士宮口ー

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

今年度は2年ぶりに富士山が開山しており、最近は週一回のペースで富士山に登っております。

そんな中、7月22日からの4連休、22日(海の日)と23日(スポーツの日)に富士宮口から登山者の方々の状況を見るために週末巡視に行ってきました。
富士宮口から上がる登山者は、連休初日ということもあってか7月10日の開山以降一番の混雑ということでした。

    

▲水ヶ塚駐車場の様子 皆様検温と協力金に並んでいます  ▲登山者様子 富士宮口八合目付近 

コロナ渦での登山ということもあり、登山者はマスクを着用していたり、各山小屋も密にならないように宿泊人数を絞ったり、アクリル板を配置するなどの対策を行っておりました。今年度はコロナということもあり、山小屋に宿泊する場合は必ず事前に予約をしてから登山をしてください!



22日、23日のお天気は良く八合目からは沈んでいく夕日がきれいに見えました。満月が近かったこともあり、夜は町の夜景と満月がきれいに見え、日帰りの登山では味わうことのできない富士山をゆっくりと楽しむことができました。

       ▲富士宮口八合目から 日が沈む様子 

      ▲ 富士宮口八合目からみる夜景

翌朝は山頂でご来光を見る登山者は1時半頃に富士宮口八合目を出発していました。私たちもご来光時の山頂の様子を見るために、1時半に八合目を出発しました。 ヘッドライトをつけながら、ご来光を見るために上がる登山者の方々もそれなりにいらっしゃいました。

     

▲山頂での御来光を目指し登っていく登山者        ▲成就岳付近で御来光を待つ登山者

4時半過ぎに太陽が昇ってきました。登山者の方々は写真を撮ったり静かにご来光を眺めていました。 こういった美しい景色がみられるのも登山の楽しみの一つですよね。

▲御来光 山頂より

毎日日が昇って沈んでいく、同じことの繰り返しのようで、毎日違う景色がみられるのもまた山の魅力の一つであり、そういった景色が見たいから山に登るのかもしれないですね。 ただ、美しいご来光は場所や時期によっては山頂までいかなくても見ることができます。連休中や週末、お盆などの時期はご来光を山頂で見る人が多く密になるので、特に今年度は混雑している場所や時間をさけるという意味でもご来光は山頂ではなく山小屋付近などで、そして日が昇ってから山頂を目指すというのもよいかと思います。

▲ 雲海

ご来光後の山頂はかなりの人でした。剣ヶ峰には日本最高峰への登頂を待つ人の列ができていました。

休憩中はマスクを着用する、隣の人との距離をある程度保つなどの感染対策を行い、安全に富士登山を楽しんでください。 なお、山頂付近にはジュースやビールの空き缶、使い終わった酸素の缶が捨てられ、使用したマスクが落ちていました。

ご自身で出したゴミや持って来たものは責任をもって自分で持ち帰るようお願いいたします。ゴミは土にはかえりません。それを拾って下まで運ぶ人たちがいるということを忘れないでください。

     

▲ 休憩する登山者                   ▲剣ヶ峰への登頂待ちの行列

お鉢めぐり中に影富士を見ることができました。富士山に登ると富士山は見られませんが、影富士がみられるのは富士山に登った人だけですね! 調べたところ影富士は、五合目より上、日の出から数時間の間と日没前の数時間の間に出現するそうです。

▲影富士

今年度コロナ禍での登山となりますが、感染対策を行い安全な登山を心がけてください。無事閉山が迎えられるよう、ご協力お願いいたします。

感染症対策に関する詳しい情報はこちらをご覧ください

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2021年07月30日【小笠原】無人島の小さい象!?

小笠原国立公園 坂田彩

みなさんこんにちは、小笠原の坂田です。

夏本番の小笠原ではボニンブルーの海が美しく、ひとときの癒やしとなっています。

【仕事場所である兄島から見下ろす滝之浦湾】

先日、兄島の昆虫調査に同行しました。

調査地点では、決めた時間内にどのくらいのヒメカタゾウムシ類を見つけられるか調べていきます。

調査対象となるヒメカタゾウムシとは・・・・?

小笠原諸島で独特の進化を遂げている昆虫で体長は5~7mm内外、6~7月に成虫がよく見られます。

おもに在来樹林(シマイスノキやヒメフトモモなど)に生息していて、羽が退化しているため移動手段は歩行のみ・・・!!

私だったら羽を付けて空を飛んでみたい所ですが・・・

よっぽど歩くのが好きだったのでしょう。

行動範囲が狭いこともあり、島や環境ごとに10数種類にも分かれているとか・・・。

写真の種類のように、黒色の地味なものから、キラキラと美しい外見のものまで、見た目も違います。

住処も樹上や土の中と様々です。

現在もどんな生活をしているのかまだまだ謎が多いヒメカタゾウムシ達です。

このヒメカタゾウムシ類を調べることで、グリーンアノール(外来種のトカゲ)の侵入による兄島の昆虫の被害状況や、生息状況を知ることができ、外来種対策や昆虫の保全対策につながっていきます。

【左上:アニジマイナゴ 右上:ハナダカトンボ】

【左下:キイロトラカミキリ 右下:ルリカメムシ】

ヒメカタゾウムシ含め兄島には様々な昆虫がいます。

昆虫は自然界の中で植物の花粉を運んだり、時には他の生き物の栄養となったり、生き物同士をつなげてくれる存在です。

昆虫を守っていくことが、自然やそこで暮らす生き物の保全につながっていきます。

皆さんも野山や公園、畑や田んぼなど、様々な場所で色々な昆虫を見かけると思います。

見つけた昆虫たちがそこで何をして、どんな役割を果たしているか、想像してみるのも楽しいのではないでしょうか。

今回の調査中にヒメカタゾウムシの名前にも含まれる"ゾウムシ"の名前の由来が分かるゾウムシに出会うことが出来ました。

【オガサワラクチカクシゾウムシ】

まさに・・・これは小さい象!?

象の鼻に似た口部とその姿に心が躍りました♪

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2021年07月29日花の仙丈、防鹿柵設置!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月上旬、仙丈ヶ岳・馬の背の防鹿柵設置を行いました。仙丈ヶ岳は¨花の仙丈¨と呼ばれていますが、ここ数年の間に多くの高山植物がニホンジカの食圧によって少なくなってきてしまっています。そこで、平成20年度より、環境省で5カ所、林野庁・信州大学・長野県・伊那市等の11機関で構成されている南アルプス食害対策協議会で12カ所に防鹿柵を設置しています。

例年、設置作業は・・「①支柱となる杭にポールを差し込む」、「②ネットのロープをポールにくくりつける」の2つですが、今年度の作業は・・「①既存のネットを撤去する」、「②新ネットに入れ替える」、「③ネットを抑えるためのアンカーを打ち直す」の3つの作業が加わりました。3つの作業が加わった理由は、既存ネットが縮んでしまい、防鹿柵として機能しない可能性があることから、ネット入れ替えの作業が増えたためです。


ネット入れ替えの作業はとても大変でしたが、南アルプス食害対策協議会の皆さんと作業し、無事、ネットの入れ替えができました。

ネットの入れ替えを行ったことによって、網目が綺麗になりました!!

柵の中ではミヤマキンポウゲやヒメイチゲ、シナノキンバイなどが確認できました。仙丈ヶ岳は日本百名山に選ばれるほか、花の百名山にも選出されています。柵の中でも徐々に高山植物が戻っているように感じますが、ニホンジカの被害が出る前の20年、30年前に比べるとまだまだ少ないです。柵を設置してすぐ戻るわけではないため、地道な作業ですが、いつか植生が戻ってくれるといいな、と思います。

今回は1泊2日で作業を行いましたが、2日間ともどんより雲またはザーザー降り。なんとも梅雨らしい気候でしたが、1日目の夕方、仙丈ヶ岳山頂に向かう途中、雲が切れて馬の背が綺麗に見えました!

2日間を通して悪天候予報だったので、予期せぬご褒美でした。

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2021年07月27日仙石原湿原「ヨシ刈り後の開花調査」とモウセンゴケの花 (箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

梅雨も明け、本格的な夏がやってきそうな箱根です。

夏の花たちが咲き始めるこの時期、箱根町では仙石原湿原で咲いている花数を数える「ヨシ刈り後の開花調査」が行われました。この調査は、先行して約1ヶ月前に今年で13回目となる「ヨシ刈り」が実施され、これによって適度な日照を得られた湿地性植物が、ヨシ刈りをしなかった場所と比較して勢力がどう変化するかを、花数によって確認する調査です。この結果は、ヨシ刈りを今後の仙石原湿原の保全にどう活用するべきか検討する材料にもなっていきます。

【今年のヨシ刈り風景  背景には天然記念物の石碑とススキ草原が見えます】

(ヨシ刈りについてはこちらを確認下さい⇒昨年の「ヨシ刈り」作業について

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_「箱根仙石原湿原植物群落」保全活動(箱根地域) (env.go.jp)

開花調査当日は、コロナ禍、および神奈川県では蔓延防止重点等措置が発令されている中でしたので、マスク着用、そして対象地域外の少数人員で作業を実施し、この作業にアクティブ・レンジャーも同行しました。少人数での調査になったため、調査対象はこの時期開花を迎える3種「ノハナショウブ」「カキラン」「ミズチドリ」に絞り実施しています。

【開花調査前 草丈の短い部分がヨシ刈りをした場所です】

ヨシ刈り実施箇所の方形区ではヨシが育ち始めていましたが、方形区の4角形がはっきりと目視確認できます。この方形区の横に、ヨシ刈りをする前の状態と同じ環境、同じ広さの方形区(対照区)をそれぞれ新たに作り、この2か所内の花数を比較します。汗だくになって作業を実施した皆さんは、パークボランティア関係者や箱根湿生花園の方々です。この皆さんは植物調査の経験が豊富なので、少人数でしたが手早く調査が実施出来ました。蒸し暑い最中、本当に頭が下がります。

調査に参加した感想は、日当たりが良い場所ではしっかりと「ノハナショウブ」の開花数が増え、「カキラン」は日向でも日陰部でも咲いているといった印象でした。広くはない湿原の中で、植物たちは自らに適した環境を求めて生育している様子に驚きます。

【カキランとノハナショウブ(どちらも神奈川県絶滅危惧ⅠB類)】

「ミズチドリ」は至る所で咲いており、少しヨシが伸びている場所でも元気に咲くようでした。

【ミズチドリ(神奈川県絶滅危惧ⅠB類)】

更に今回は、調査対象種以外の植物ではありますが、ヨシ刈りの効果で元気に咲く湿地性植物を目にすることが出来ました。「モウセンゴケ」の花です!

【モウセンゴケ(神奈川県絶滅危惧ⅠB類)とその花 】

「モウセンゴケ」に、このように可愛らしい花が咲くのは意外でした。ヨシ刈り後の方形区内は一部ではありますがモウセンゴケのお花畑となっていました。太陽の光が好きな植物であり、ヨシ刈りによって好環境がそろった結果と思われます。

今回紹介した植物たちは、全国的には一般的に観察できる植物ですが、神奈川県では希少種のカテゴリー「絶滅危惧ⅠB類」に指定されています。

【希少種って何?と思われた方は以下サイトを確認下さい。希少種カテゴリーを調べるのにも便利です。】

★生物情報収集・提供システム・生きものログ⇒https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/

仙石原湿原は、「ヨシ刈り」という人の手による管理で、湿地性植物を維持していた歴史があります。その昔は、馬を放牧して下草を食べさせ、また民家の屋根の材料としてヨシが刈られることを繰り返して、仙石原湿原にはノハナショウブが咲き誇ったとも言われています。このサイクルが残念ながら失われている今、現存する生物多様性を守る為にも、「ヨシ刈り」が保全活動に有用であろうことは、今回の「開花調査」への同行で実感できました。「開花調査」の結果自体は、その年の天候によっても変化があるので、今後も継続して観察していくことが重要です。何もしなければ、乾燥が進んで湿地は消えてしまいますので、アクティブ・レンジャーとしては、仙石原湿原の保全活動3本柱「火入れ」「ヨシ刈り」「開花調査」の繰り返しを、今後も協力、応援できればと考えています。

【おまけ】

仙石原湿原では、湿地性植物以外にも、箱根の山で観察できるユニークな植物に出会えました。

「オオナンバンギセル」です。こちらは全国で、一般的に観察しやすい植物です。

【オオナンバンギセル】

ススキの根元に出る寄生植物ですので、ハイキング中にススキを見かけたときには、

是非探してみてください。

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2021年07月26日海と陸と空の間にある花畑 (伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 小野可蓮

こんにちは。鳥と花が好きな小野可蓮です。

日差しが強い日々が続くと海に入りたくなるものですね。

伊豆諸島へ来るまでは海の近くに住んだことがなかったので、その感覚が今一つ分からなかったのですが、伊豆諸島のおかげで山っ子だったわたしは海っ子にもなれそうです。

さて、海に行った時、崖や砂浜や海岸線で色鮮やかな花を見た記憶はありませんか?

海に気を取られて中々周りの植生を感じる機会はないかもしれませんが、海岸線・砂浜・崖などは、様々な種類の花が咲く場所でもあるのです!


  • ▲ ハマカンゾウ、ハマゴウ、ハマナタマメなどからなる花畑 
    •   2021年6月撮影 三宅島(富賀浜)

海辺の花々から四季を感じられるのも、島生活が好きな理由のうちの一つです。

このように海岸沿いに生える特徴的な植物を「海浜植物」や「海岸植物」といいます。

色・形・匂いなど多種多様です。

島によっても見られる海浜植物が少しずつ異なります。

 

  • ▲ イワタイゲキ 2021年3月撮影 神津島(名組湾) 

▲ 白い海浜植物4種  

  •   左上:シマホタルブクロ 2021年6月撮影 三宅島(富賀浜)
  •   右上:ハマユウ 2021年6月撮影 三宅島(大久保浜)
  •   左下:マルバアキグミ 2021年4月撮影 大島(トウシキ)
  •   右下:ハマボッス 2021年4月撮影 大島(トウシキ)