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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

【小・中学生向け】国立公園について学ぼう!③ ~日本と海外の国立公園の違い~

2026年03月30日
伊豆諸島 小野可蓮
こんにちは!
鳥と花が好きな、伊豆諸島(いずしょとう)のアクティブレンジャー、小野可蓮 (おの かれん)です❀
今回は、「富士箱根伊豆国立公園の指定90周年」ということで、改めて「国立公園」とは何か、みんなで一緒に考えてみませんか?
 
半田AR・遠藤ARに続き、第3回目は「海外と日本の国立公園―どう違うの?」というテーマです!
【小学生対象】国立公園について学ぼう!① 
【小学生向け】国立公園について学ぼう!②~自然公園法(しぜんこうえんほう)ってなぁに?~ 
(AR:アクティブレンジャ―の略)
 
昨年行った台湾(たいわん)の国家公園(国立公園)や、小学生の頃に行ったアメリカの国立公園などを振り返りますので、一緒に「ぷちとりっぷ」レッツゴー!
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△ 伊豆大島(いずおおしま)の裏砂漠(うらさばく) 数年前に雪が降った後の景色

海外の国立公園!

台湾

大人になって、一番最近行った国立公園は、「台湾」の南部にある「台江国家公園(たいじゃんこっかこうえん)」でした。
台湾は、日本に近いこともあり、親しみがありますよね。
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△ 台湾南部の台江国家公園 
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△ 世界最大(せかいさいだい)のクロツラヘラサギの越冬地(えっとうち)
ここでは「クロツラヘラサギ」という、特徴的(とくちょうてき)な平たいくちばしを持った、水鳥を保護(ほご)しています。
その他にも、元々あった漁業や、塩づくりの文化や歴史といった、地域の人々の暮らしも守っています。
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△ クロツラヘラサギのベンチが目を引く 
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△ 施設は広く、漁業で出た廃材(カキの殻?)を外や中の壁に使うなどしていて、アピールポイント盛り沢山!
園内に入ると、クロツラヘラサギの形をしたベンチやあらゆるものが出迎えてくれて、つい写真を撮りたくなります。
こうして訪れた人々がSNSなどで写真を投稿(とうこう)することも、今では立派な宣伝になるのではないでしょうか!
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△ ビジターセンター内の展示
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△ 水鳥の脚やくちばしの展示
ビジターセンターは展示がとても充実(じゅうじつ)していて、海外のお客さんにも分かりやすいように、ほとんどが英語に訳されていました。
日本語の表記はないですが、今はスマホをかざせば、ある程度すぐ訳せますね。
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△ 国立公園の成り立ちや水鳥の生態(せいたい)など、全て英語訳付き
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△ 水鳥によって、食べるものが違うため、脚とくちばしの形が異なるのです!
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△ 英語ではスプーンビル(スプーンのような嘴)と呼ばれています
そしてみんなの一番の楽しみが、ギフトショップだと思います!
アメリカと異なり、国立公園の入園料は無料でしたが、魅力的(みりょくてき)なお土産がたくさんあったため、ちゃんと地域にお金が入るような仕組みになっていました。
利益は、自然保護や保護にたずさわる人々を支えるために使われるので、気持ち良くお買い物できて良いですね。
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△ ギフトショップではクロツラヘラサギのグッズがたくさん! シャツやティッシュケース、食べ物や本もありました
台江国家公園は、台湾で(9つ中)8つ目にできた新しい国立公園で、2009年に指定されました。
なんと、台湾の国立公園の歴史は、日本の統治下(とうちか)にあった際に計画(けいかく)が始まったそう!
(最初の国立公園ができたのは、1982年でした。詳しくは調べてみてください~)
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△ ビジターセンター内の映像 昔の塩田や漁業の写真 
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△ 地元住民や現地レンジャーのインタビューも
台湾は、日本と似たような「地域性公園」(後に詳しく説明します)で、私有地等も国立公園内に含まれているようです。
が、より保護規制が厳しいそうで、その点はアメリカと似ているかもしれません。
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△ 台江国家公園の管理事務所(かんりじむしょ) この日はお休みでした

アメリカ

国立公園と聞いて、やはり思い浮かべるのはアメリカでしょうか?
アメリカは雄大(ゆうだい)な国立公園が数多くあり、自然だけではなく、歴史や文化をテーマにしている場所も多くあるのが特徴(とくちょう)です。
 
自然が大好きだったわたしも、小学生の頃はアメリカに住んでいたので、休みの時は遠くの国立公園に連れて行ってもらいました。
一番楽しかった思い出なのは、世界で最も古い国立公園、「イエローストーン国立公園」です。
単純に動物をテーマにした紹介が分かりやすかったからだと思います。
 
(10年以上前のことで、写真が見つからず、、)
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△ モニュメントバレー付近 グランドキャニオン国立公園外ですが、雰囲気は伝わるでしょうか?
また行ってみたいのは「グランドキャニオン国立公園」。
地質や歴史の話は少々むずかしく、当時は「ふーん」と流してしまった景色や情報がたくさんありました。
 
今から思えばかなりもったいないですが、その時は興味の対象が生き物限定だったので仕方ないですね。
子どもだからこそ感じられる、大人にならないと感じられない、様々な魅力があるので、何度も訪れたい場所です。
 
そんなアメリカは、主に政府が国立公園の土地を所有・管理しています。
このような制度を「営造物公園(えいぞうぶつこうえん)といいます。
スイスなども営造物公園です。
 
政府が自由に保護や利用を進められるのは大きなメリットです。
保護規制を厳しく取り締まったり、逆に来園者が楽しめるレクリエーション的な利用も大胆に進められたりします。

日本の国立公園!

伊豆諸島

そんな中、5年前に伊豆諸島に来たわたしは、日本の国立公園についても深く知る機会を得ました。
よくよく考えたら、伊豆諸島が初めて訪れる(+住む)日本の国立公園でした(記念すべき!)。
 
日本は、国が土地を管理しているアメリカとは違い、私有地を多く含む「地域性公園(ちいきせいこうえん)です。
 
国土面積が少ない日本は、より多くの場所を守れるように、国が持っていない土地でも国立公園に指定し、様々な方と協力し合いながら守っています。
イギリスや韓国なども、古くから人が自然に入り込み土地を使い続けてきた歴史があるため、同じく地域性公園です。
 
日本では、北海道や沖縄の島々以外に、(みなさんも行ったことがあるかもしれない)「富士山」「箱根」や「日光」も国立公園!
そこに住む人々たちと地域の未来を考えることは、大変でありつつ、とてもやりがいのあるお仕事だなと、わたしは感じています。


▽ 大島の春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)
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△ 冬:雪をかぶった「三原山(みはらやま)」
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△ 春:「ヤブツバキ」古くから島民(とうみん)の生活の近くにあった
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△ 夏:「サクユリ」伊豆諸島の固有変種(こゆうへんしゅ)
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△ 秋:活火山島できらめく「ハチジョウススキ」

(最後に)5年間、ありがとうございました!♡

伊豆諸島に来てから、あっという間に5年が経ってしまいました。
わたしもいよいよアクティブレンジャー卒業です!
 
その間、たくさんの方々に日記を読んでいただき、そして色んな活動を支えていただき、本当に感謝しかありません。
伝えたいと思ったものが、ちゃんと響いた(届いた)!と感じられる度に、胸がいっぱいになるくらい嬉しかったです。
 
島々で受け取った愛を、いつかそのまま返せるような人になりたいと思っています。
今まで、ありがとうございました。
 
これからも、伊豆諸島を、国立公園を、
そして日本の自然を、みなさまと愛して行けますように。
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△ 一人一人が、愛を持って動けば、世界は変わると信じています!

(一覧)これまでの日記(2021~2026年)

(5年目)
2026年3月30日【小・中学生向け】国立公園について学ぼう!③ ~日本と海外の国立公園の違い~
2025年11月11日「 裏砂漠の、黄・紫・赤! ~ 心を掴む秋の彩 (+スマホを活用した自然観察) 」
2025年9月12日「 LAVA LOVER ~ 三宅島で開催中! アクティブレンジャー写真展 」
2025年8月8日「 伊豆諸島の夏といえば? サクユリ! 火山の斜面にお花畑 」
2025年7月31日「海沿いに咲くオレンジに癒されて ~ 海辺の花園・再生プロジェクト」
2025年7月14日「 神津島の天上山の夏 ~ 山の可憐な花々に冷雨、海辺の鮮やかな花々に日照り (+ナミエヤマガラ) 」
2025年6月30日「初夏の大島2 ~ 海食崖にピンクの花、青く透き通った海に浮かぶウミガメ、栗色の毛をしたキョンの子鹿!」
2025年6月4日「初夏の大島 ~ 小さな白い花たちに群がる、様々な虫たち」
2025年5月22日風情漂う「中途半端」な景色 ~ 大島の植生遷移の極み!
2025年5月9日「この一年間、色々ありました ~ 裏砂漠の火災から丸一年」
2025年4月30日「裏砂漠にも春が来た! ~ 火災からもうすぐ一年」
2025年4月8日今が旬!サクラだらけの島、伊豆大島
(4年目)
2024年11月11日伊豆諸島のヘビとトカゲはなにが違うの? @神津島! 子どもパークレンジャー
2024年10月31日霧の中の冒険! - 大島の小学校の野外学習
2024年9月9日開催中!ひさしぶりに神津島で、アクティブレンジャー写真展
2024年8月28日秋の予感が漂う裏砂漠 ー 火災4ヶ月後の様子
2024年8月1日裏砂漠の「新しくなった」草原 ― 火災3ヶ月後の様子
2024年7月24日海辺に広がる「オレンジ」と、その仲間たち
2024年7月12日この時期だけ!黒い砂漠に踊る金の穂
2024年6月28日あっという間に再生する裏砂漠の緑 ー 火災2ヶ月後の様子
2024年5月28日変わりゆく裏砂漠で起きた火災と、その3週間後の様子
(3年目)
2023年12月28日そっと、ゆっくり ~ 伊豆諸島地域アクティブレンジャー写真展開催中
2023年11月7日ここでしか見られない景色を見に!大島の小学校の野外学習 (伊豆諸島地域)
2023年7月27日みんなで見てみよう!ゆっくり開くオレンジの花 (伊豆諸島地域)
(2年目)
2023年1月17日アクティブレンジャー写真展 ~特別な場所~ (伊豆諸島地域)
2022年11月1日いざ活火山の三原山へ!(伊豆大島地域)
2022年9月6日暗い林床に奇妙な果実(伊豆諸島地域)
2022年8月10日白い砂漠で赤く咲く「緑の島」 (神津島 伊豆諸島地域)
2022年5月26日海鳥だらけの小さな島 ~ 御蔵島 (伊豆諸島地域)
(1年目)
2022年2月4日開催中!アクティブレンジャー写真展 ~「伊豆諸島らしさ」を伝えたくて (伊豆諸島地域)
2022年1月24日雪の上だと全部が丸分かり (伊豆諸島地域)
2021年9月13日大島の初秋 (伊豆諸島地域)
2021年8月27日黒い溶岩に白い大輪 (伊豆諸島地域)
2021年7月26日海と陸と空の間にある花畑 (伊豆諸島地域)
2021年5月24日海と鳥と魚のおはなし 大島~新島(伊豆諸島地域)
2021年3月25日椿とメジロのおはなし 大島(伊豆諸島地域)

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